JPH0378310B2

JPH0378310B2 -

Info

Publication number: JPH0378310B2
Application number: JP61060042A
Authority: JP
Inventors: Satoshi Nagashima
Original assignee: SAKAE RINGYO KK
Current assignee: SAKAE RINGYO KK
Priority date: 1986-03-18
Filing date: 1986-03-18
Publication date: 1991-12-13
Also published as: JPS62216887A; US4753448A

Description

【発明の詳細な説明】（発明の技術分野）本発明は、自転車用のブレーキ装置に関し、特
に、後輪用のブレーキ装置に関する。

（発明の技術的背景とその問題点）オフロード型自転車の競技会におけるアトラク
シヨンでは、通常、当該自転車にて曲乗りを行つ
ている。そして、最近では、主として曲乗りを行
うための、いわゆるフリースタイル型自転車が各
種提案されている。

ところで、このフリースタイル型自転車では、
曲乗りとして前輪を持ち上げ、ハンドルと共に前
輪を一回転以上回すことがある。このため、従来
は、前輪側のブレーキレバーとブレーキ機構とを
連結する前輪用ケーブルをステムパイプ、ステア
リングヘツド及びフロントフオークに貫通させ、
これにより前輪回動時に前輪用ケーブルがステム
パイプやステアリングヘツドに巻き付くのを防止
していた。

これに対して、後輪側のブレーキレバーとブレ
ーキ機構とを連結する後輪用ケーブルは、単にフ
レームに支持されているだけなので、前輪回動時
にはステムパイプやステアリングヘツドに巻き付
いていた。このため、フリースタイル型自転車で
は前輪を一方向に回動した場合には必ず逆方向に
回動する必要があり、操作性の点で問題があつ
た。また。後輪用ケーブルが巻き付く場合には当
該ケーブルと後輪側のブレーキレバーやブレーキ
機構との連結部に大きな張力が加わるので、ブレ
ーキ装置に故障が発生してしまう虞れもある。

（発明の目的）本発明の目的は、前輪を回動しても後輪用ケー
ブルがステムパイプ等に巻き付くことのない構造
を有する自転車用ブレーキ装置を提供することに
ある。

（発明の概要）本発明は、ステム内に揺動可能に配した揺動部
材の一対のアームに一対のリンクの各一端を枢支
し、ステムパイプ上に配してこの一対のリンクの
各他端を枢支した上下動部材に回動部材を回動可
能に嵌合すると共に、後輪用ブレーキレバーと揺
動部材とを第１の後輪用ケーブルにて連結し、か
つ回動部材と後輪用ブレーキ機構とを第２の後輪
用ケーブルにて連結し、これによりハンドルと共
に前輪を回動する場合には回動部材を上下動部材
上で相対的に回動し、後輪用ブレーキレバーの操
作時には第１の後輪用ケーブルの引き上げで揺動
部材を揺動させて一対のリンクを介して上下動部
材を上動して、第２の後輪用ケーブルによりブレ
ーキ機構を作動することを特徴とする。

（発明の実施例）以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に
説明する。

第５図にはフリースタイル型自転車の一例が示
されている。即ち、ハンドル１の中央部はステム
２により固定的に支持され、ステム２の下面から
はステムパイプ３が伸長している。ステムパイプ
３の下部はステアリングヘツド４内に回動可能に
挿入されている。ステアリングヘツド４内には下
方からフロントフオーク５が嵌入され、このフロ
ントフオーク５はステムパイプ３の下端に連結さ
れている。フロントフオーク５は二股に分れ、先
端に前輪６が回転自在に軸支されている。従つ
て、ハンドル１を回動操作すると、ステムパイプ
３及びフロントフオーク５を介して前輪６も同一
方向に回動する。

ハンドル１の左手側の握部１ａ近傍には前輪６
用のブレーキレバー７が取付けられ、ブレーキレ
バー７には前輪６用ケーブル８の一端が連結され
ている。このケーブル８はステムパイプ３、ステ
アリングヘツド４及びフロントフオーク５を貫通
し、その他端が前輪６を制動するためのブレーキ
機構９に連結されている。このブレーキ機構９
は、第６図に示すように、ケーブル８の外装線８
ａの端末が連結されている調整部１０ａを有する
略半円形のアーム１０と、外装線８ａより伸長す
る心線８ｂの端末が連結されている可動部１１ａ
を有する略半円形のアーム１１とを有し、アーム
１０，１１のそれぞれの対向する端部にはブレー
キシユー１２，１２が固定されている。アーム１
０，１１はフロントフオーク５に軸支され、図示
しないばね部材にて相互に離れる方向にばね付勢
されている。従つて、ブレーキレバー７を操作す
ると、調整部１０ａに連結されている外装線８ａ
内の心線８ｂが第６図の矢印で示す方向に引つ張
られ、可動部１１ａが調整部１０ａに向つて回動
するので、アーム１０，１１の各端部が接近して
両ブレーキシユー１２，１２が前輪６に押し付け
られる。よつて、前輪６はブレーキシユー１２，
１２との摺接でその回動が停止される。そして、
ケーブル８はステムパイプ３、ステアリングヘツ
ド４及びフロントフオーク５に貫通されているの
で、曲乗り時にハンドル１の操作で前輪６を回動
してもステムパイプ３やステアリングヘツド４に
巻き付くことはない。

さて、本発明に係るブレーキ装置は、第５図に
示すように、ハンドル１の右手側の握部１ｂ近傍
に取付けられている後輪用のブレーキレバー１３
を備えている。このブレーキレバー１３には、第
１の後輪用ケーブル１４の一端が連結され、後輪
用ケーブル１４の他端はステム２内まで延びてい
る。ステム２は、第１図乃至第３図に示すよう
に、ステムヘツド２Ａを有し、ステムヘツド２Ａ
にはブラケツト２Ｂが被着されている。ステムヘ
ツド２Ａには複数の貫通穴２ａが上下方向に沿つ
て設けられ、ブラケツト２Ｂの対応する位置には
螺入穴２ｂが設けられている。そして、締付ボル
ト１５を下方より貫通穴２ａに挿入し、かつブラ
ケツト２Ｂの螺入穴２ｂに螺入することにより、
ブラケツト２Ｂがステムヘツド２Ａ上に固定され
ている。ブラケツト２Ｂには導入穴２ｃが設けら
れ、この導入穴２ｃを介して第１の後輪用ケーブ
ル１４の他端側が導入されている。このケーブル
１４の外装線１４ａより突出する心線１４ｂは、
第３図に示すように、ステムヘツド２Ａに設けた
挿入穴２ｄに挿入されており、挿入穴２ｄに連通
するねじ孔２ｅには固定ボルト１６が螺入されて
いる。従つて、この固定ボルト１６を締め付けて
球体１７を心線１４ｂに押し付けることにより、
当該心線１４ｂをステムヘツド２Ａに固定するこ
とができる。

ステムヘツド２Ａの基部側上面には断面半円形
の係合凹部２Ｃが設けられ、この係合凹部２Ｃに
は揺動部材１８の湾曲部１８Ａがグリースを介し
て係合されている。揺動部材１８の湾曲部１８Ａ
から突出する突出部１８Ｂには貫通穴１８ａが設
けられ、この貫通穴１８ａには上記第１の後輪用
ケーブル１４の心線１４ｂが貫通している。そし
て、このケーブル１４の外装線１４ａの端面が突
出部１８Ｂに当接している。従つて、後輪用のブ
レーキレバー１３を操作すると、ケーブル１４の
外装線１４ａが下動し、突出部１８Ｂを押し下げ
るので、揺動部材１８は係合凹部２Ｃを中心とし
て揺動する。揺動部材１８の湾曲部１８Ａからは
一対のアーム１８Ｃ，１８Ｃが対向して伸長して
いる。これらのアーム１８Ｃ，１８Ｃにはピン１
９を介して一対のリンク２０，２０の各一端が枢
支され、これらリンク２０，２０はステムパイプ
３に沿つて下方に伸長している。ステムパイプ３
には四フツ化エチレン等から成るブツシユ２１が
嵌合され、ブツシユ２１上には上下動部材２２が
摺動可能に嵌合されている。この上下動部材２２
の上部には180゜間隔でリンク２０，２０の他端が
止めボルト２３を介して枢支されている。上下動
部材２２の周面には回動部材２４が球体２５を介
して回動可能に嵌合され、又その周面下部のねじ
溝には球体２５を保持するためにフランジ部を有
するコーン２６が螺合されている。尚、回動部材
２４の上端面にはシールリング２７が設けられて
いる。

ステム２の下面と上下動部材２２の上端面との
間には蛇腹部材２８が配されている。この蛇腹部
材２８はブツシユ２１と上下動部材２２との間隔
に塵等が入り込むのを防止している。

回動部材２４の突出部には第２の後輪用ケーブ
ル２９の一端側の心線２９ｂが金具３５を介して
連結され、このケーブル２９の外装線２９ａは、
第１図に示すように、ステアリングヘツドの上端
の突起４ａ下面に当接されている。この第２の後
輪用ケーブル２９は、第４図に示すように、リヤ
フオーク３０側まで案内されている。リヤフオー
ク３０は二股に分かれ、先端には後輪３１が回転
自在に軸支されている。後輪３１を制動するため
のブレーキ機構３２は、第２の後輪用ケーブル２
９の外装線２９ａの端末が連結されている調整部
３３ａを有する略半円形のアーム３３と、心線２
９ｂの端末が固定されている可動部３４ａを有す
る略半円形のアーム３４とを有している。アーム
３３，３４のそれぞれの対向する端部にはブレー
キシユー３６，３６が固定されている。アーム３
３，３４はリヤフオーク３０に軸支され、図示し
ないばね部材にて相互に離れる方向にばね付勢さ
れている。

次に、本発明に係るブレーキ装置の動作を説明
する。

即ち、後輪用のブレーキレバー１３を操作する
と、第１の後輪用ケーブル１４の外装線１４ａが
下動し、揺動部材１８の突出部１８Ｂを押し下げ
るので、揺動部材１８が揺動して一対のアーム１
８Ｃ，１８Ｃが上動する。一対のアーム１８Ｃ，
１８Ｃが上動すると、一対のリンク２０，２０も
上動するので、上下動部材２２が回動部材２４と
共にブツシユ２１上で上動し、第２の後輪用ケー
ブル２９の心線２９ｂを上方に引き上げる。従つ
て、後輪用のブレーキ機構３２において、可動部
３３ａが調整部３４ａに向かつて回動するので、
アーム３３，３４の各端部が接近して両ブレーキ
シユー３６，３６が後輪３１に押し付けられる。
よつて、後輪３１はブレーキシユー３６，３６と
の摺接でその回転が停止される。そして、上記し
たように、一対のリンク２０，２０にて上下動部
材２２を対向する二箇所で支持する場合には、一
箇所の支持に比べて上下動部材２２を均等な力を
付与して上下動させることが可能である。従つ
て、ブレーキシユー１３の操作を円滑に行うこと
ができる上にブレーキ機構３２を確実に作動し得
る。また、揺動部材１８をステム２内に配したの
で、ブレーキレバー１３の操作時に揺動部材１８
により衣服の一部や指等が挟まれる等の事故を未
然に防止することができ、従つて、安全な走行を
確保し得る。

一方、曲乗り時のハンドル１の操作で前輪６を
回動すると、ステム２、その内部の揺動部材１８
の一対のアーム１８Ｃ，１８Ｃ、一対のリンク２
０，２０を介して上下動部材２２にその回動力が
伝達される。そして、上下動部材２２に回動可能
に嵌合されている回動部材２４には第２の後輪用
ケーブル２９の心線２９ａ端末が連結されている
ので、回動部材２４の回動はこの心線２９ａにて
規制される。従つて、前輪６の回動時には上下動
部材２２及び第１の後輪用ケーブル１４がハンド
ル１と共に回動するだけで、回動部材２４は非回
転状態で保持される。よつて、第１及び第２の後
輪用ケーブル１４，２９がステムパイプ３やステ
アリングヘツド４に巻き付くのを防止することが
できる。

ところで、上記実施例ではブツシユ２１の長さ
寸法を、第３図に示すように、上下動部材２２が
上下動するのに必要なストロークよりも大きく設
定している。そして、ブツシユ２１の下端面をス
テアリングヘツド４の上端面に当接させて当該ス
テアリングヘツド４にステムパイプ３を挿入して
いる。従つて、ステムパイプ３の挿入長さに対応
させてブツシユ２１の長さ寸法を設定すると、単
にステムパイプ３をステアリングヘツド４に落と
し込むように挿入するだけでステムパイプ３をス
テアリングヘツド４内で位置決めすることができ
る。

第７図乃至第９図には本発明の他の実施例が示
されている。この実施例において、ブツシユ２１
に嵌合されている上下動部材２２の上端周縁に
は、第８図に示すように、外方に突出する環状の
膨出部２２ａが設けられ、この膨出部２２ａには
リング部材３７が回転自在に係合されている。リ
ング部材３７の対向する位置には一対の連結片３
７ａ，３７ａが形成されており、これら連結片３
７ａ，３７ａにはリンク２０，２０の各下端がピ
ン１９を介してそれぞれ連結されている。上下動
部材２２の周面には回動部材２４′が球体２５を
介して回動可能に嵌合され、又その下端周縁の膨
出部２２ｂには球体２５を保持するためのリング
部材３８が係合されている。

回動部材２４′の対向する位置には一対の突出
部２４′ａ，２４′ａが設けられ、これら突出部２
４′ａ，２４′ａには貫通穴２４′ｂがそれぞれ形
成されている。一方の貫通穴２４′ｂには第２の
後輪用ケーブル２９の心線２９ｂが貫挿され、こ
の心線２９ｂの端末には突出部２４′ｂに係止す
る金具３５′が取付けられている。また、他方の
貫通穴２４′ｂには補助心線３９が貫挿され、こ
の補助心線３９の端末には同様に金具３５′が取
付けられている。一方、ステアリングヘツド４の
上端には一対の突起４ａ，４ａが設けられ、これ
ら突起４ａ，４ａの下面には外装線部分４０ａ，
４０ｂの各上端面が当接されている。各外装部分
４０ａ，４０ｂの下端には連結ボルト４１ａ，４
１ｂが取付けられている。これらの連結ボルト４
１ａ，４１ｂは連結部材４２のネジ穴４２ａ，４
２ｂに螺入され、かつナツト４３ａ，４３ｂの螺
合で当該連結部材４２に固定されている。

第２の後輪用ケーブル２９の心線２９ｂ及び補
助心線３９は、外装線部材４０ａ，４０ｂに通さ
れて連結ボルト４１ａ，４１ｂより伸長してい
る。そして、心線２９ｂ及び補助心線３９は、第
９図に示すように、移動部材４４内に更に通さ
れ、移動部材４４の中心に貫挿される締付ボルト
４５にワツシヤ４６を介してナツト４７を螺合す
ることにより当該移動部材４４に固定されてい
る。心線２９ｂのみは移動部材４４より更に伸長
して第２の後輪用ケーブル２９の外装線２９ａ内
に挿入されており、この外装線２９ａの端縁は連
結部材４２の折曲部に当接している。

かかる構成において、後輪用のブレーキレバー
１３を操作し、揺動部材１８の揺動で一対のリン
ク２０，２０を上動させると、上下動部材２２を
均等な力を付与して上下動させ得るだけでなく、
回動部材２４′も対向する二箇所で心線２９ｂ及
び補助心線３９が連結されていることから、同様
に均等な力を受けて上下動部材２２と共に上下動
する。従つて、ブレーキレバー１３の操作を更に
円滑に行うことができる上にブレーキ機構３２も
より確実に作動する。

（発明の効果）本発明によれば、ステム内の揺動部材の一対の
アームに一対のリンクの一端を枢支し、ステムパ
イプ上の上下動部材にこれらリンクの他端を枢支
すると共に、上下動部材に回動部材を回動可能に
嵌合した上で後輪用ブレーキレバーと揺動部材と
を第１の後輪用ケーブルにて連結し、かつ回動部
材と後輪用ブレーキ機構とを第２の後輪用ケーブ
ルにて連結したことで、上下動部材を揺動部材の
揺動で上動させることによりブレーキ機構を作動
させて後輪を制動させることができる上に、曲乗
り時等にハンドル操作で前輪を回動する場合には
上下動部材及び第１の後輪用ケーブルのみがハン
ドルと共に回動するので、ステムパイプ等に第１
及び第２の後輪用ケーブルが巻き付くのを防止す
ることができる。従つて、簡単な構成でありなが
ら、ブレーキ用ケーブルの巻き付きが発生するこ
とのない、特にフリースタイル型自転車に好適な
ブレーキ装置を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明に係るブレーキ装置
の要部を示す斜視図とその分解斜視図、第３図は
同ブレーキ装置の一部を破断して示す側面図、第
４図は後輪用ブレーキ機構を示す図、第５図は本
発明を適用したフリースタイル型自転車の正面
図、第６図は前輪用ブレーキ機構を示す図、第７
図は本発明の他の実施例に係るブレーキ装置の分
解斜視図、第８図は第７図の一部を断面して示す
斜視図、第９図は第７図の一部の分解斜視図であ
る。１……ハンドル、２……ステム、３……ステム
パイプ、４……ステアリングヘツド、６……前
輪、８……前輪用ケーブル、９……前輪用ブレー
キ機構、１３……後輪用ブレーキレバー、１４…
…第１の後輪用ケーブル、１８……揺動部材、１
８Ａ……湾曲部、１８Ｂ……突出部、１８Ｃ……
アーム、２０……リンク、２１……ブツシユ、２
２……上下動部材、２４……回動部材、２８……
蛇腹部材、２９……第２の後輪用ケーブル、３１
……後輪、３２……後輪側のブレーキ機構。

Claims

【特許請求の範囲】１ハンドルの中央を支持するステムと、ステム
パイプが回動可能に挿入されるステアリングヘツ
ドとを備える自転車において、前記ハンドルに取
付けられる後輪用ブレーキレバーと、後輪側に摺
接されるブレーキシユーを有するブレーキ機構と
を含むブレーキ装置であつて、前記ステム内に揺
動可能に配され、該ステムより突出する一対のア
ームを有する揺動部材と、一端が前記後輪用ブレ
ーキレバーに連結され、他端が前記ステム内まで
延びて該後輪用ブレーキレバーの操作で前記揺動
部材を揺動する第１の後輪用ケーブルと、前記一
対のアームにそれぞれ一端が枢支される一対のリ
ンクと、前記ステムパイプ上に同軸的に配され、
前記一対のリンクの他端が枢支される上下動部材
と、該上下動部材に回動可能に嵌合される回動部
材と、該回動部材に一端が連結され、前記ブレー
キ機構に他端が連結される第２の後輪用ケーブル
とを更に含むことを特徴とする自転車用ブレーキ
装置。２前記ステムパイプにブツシユが嵌合され、該
ブツシユの下端面が前記ステアリングヘツドの上
端面に係止されることを特徴とする特許請求の範
囲第１項に記載の自転車用ブレーキ装置。３前記ステムパイプの前記ステム下面と前記上
下動部材との間に位置する部分が蛇腹部材にて覆
われていることを特徴とする特許請求の範囲第１
項又は第２項に記載の自転車用ブレーキ装置。