JPH0378210A - 高密度磁気記録用磁性粉およびそれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、飽和磁化が大きくかつ、保磁力の温度依存性
の小さいＢａフェライト磁性粉およびこのＢａフェライ
ト磁性粉を用いて成る磁気記録媒体に関する。

（従来の技術） 一般に、塗布型の磁気記録媒体は、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムなどからなる基体と、この基体面上に
形成された強磁性粉およびバインダーを主成分とする磁
性層で構成されている。

このような塗布型磁気記録媒体に用いられる強磁性粉と
しては、γ−Ｆｅ２０３、Ｃｏ被着７−Ｐｅ２０３、Ｃ
「０２、金属Ｐｅなどの針状磁性粉と同時に、板状結晶
を有するＢａフェライトなどの六方晶フェライトが用い
られている。特に六方晶フェライト粒子（粉末）は、磁
化容易軸が板面に垂直であるため、板面を基体面に平行
にならべることによって高密度記録可能な垂直磁気記録
方式に適した媒体を作製することができる。このような
六方晶フエライトとしては、磁化容易軸が結晶の板面に
垂直な、たとえばＭ型のＢａＰｃ１２０　＊やＷ型のＢ
ａｂｅ　２Ｆ０１ｃＯλ７（肋は２価金属）などおよび
それらの原子の一部が他の原子で置換されたもの、など
が使用される。磁気記録媒体の作製方法としては、上記
六方晶フェライト磁性粉と樹脂バインダとを溶剤中で混
合し、これをポリエチレンテレフタレートフィルムなど
の非磁性基体表面に塗布し、この塗布層中の六方晶フェ
ライトの磁化容易軸を基体面に対して平行もしくは垂直
方向に配向させた後、乾燥させることにより得ることが
できる。

（発明が解決しようとする課題） このような六方晶フェライト媒体は、本質的に高密度記
録に適しているが、現在用いられている六方晶フェライ
ト媒体の改善すべき問題点としては、次のようなことが
あげられる。

つまり、現在の磁気記録システムでは、短波長記録と同
時にカラー信号などの低周波記録も同時に行う場合が多
い。したがって、記録媒体には、短波長領域の再生出力
の伸びと同時に、長波長領域での高出力が要求される場
合が多い。しかし現状のＢａフェライト系媒体において
は、短波長出力は大きいが長波長領域の出力がメタル媒
体に比較して低い。これは、長波長領域での出力は媒体
あるいは磁性粉の飽和磁化に比例するためである。

したがって六方晶フェライト系媒体の低域での出力を向
上させるためには、その六方晶フェライト磁性粉の磁化
の値をさらに高めることが求められる。

また六方晶フェライト系媒体の保磁力の温度係数は実用
範囲では正であり、温度変化に対して比較的安定してい
るが、実用的な見地から一層の温度安定性が望まれてい
た。

本発明者らは、このような従来の事情に対処して六方晶
フェライトの飽和磁化を向上させ、同時に保磁力の温度
係数を低減させる方法について種々検討を進めたところ
、六方晶フェライトの構成元素であるＰｃの一部をＣｏ
、　Ｚｎ、Ｍ（ｉｔ−Ｎｂ、Ｓｂ、Ｔａ）および必要に
応じてＳｎで置換した置換体磁性粉の表面をスピネルフ
ェライトで変性することにより、現在のＢａフェライト
磁性粉よりも高い飽和磁化を有し、かつ保持力Ｈｅの温
度依存性も小さい磁性粉が得られることを見出だした。

またこの磁性粉を用いた媒体は、広い周波数頭域におい
て高出力を示すことも明らかになった。

本発明は、かかる知見に基すいてなされたもので、出力
特性および温度特性の改良された高密度記録用磁性粉お
よびそれを用いた磁気記録用媒体を提供することを目的
とする。

［発明の効果］ （課題を解決するための手段） 本発明の六方晶フェライト磁性粉は、 組成式が ＡＯ・ｎ（Ｐｃ２−、□−、−２Ｃｏ、　ＺｎｘＳｎｙ
Ｍ　２０３１（式中　ＡはＢａ、Ｓｒ、Ｐｂ、Ｃａから
選ばれた少くとも一種の元素、ＨはＮｂ、Ｓｂ、Ｔａか
ら選ばれた少くとも一種の元素、０　＜ｗ　＜０．１６
．０　＜ｘ　＜０．１　。

０　＜ｙ　＜０．１２．０　＜ｚ　＜０．０９．０＜ｎ
＜６．２の数）で表される平均粒径０．０２〜０．２μ
Ｉの六方晶系フェライト微粒子の表面がスピネルフェラ
イトで変成されていることを特徴とする。

本発明において、上記−軸異方性の六方晶系フェライト
結晶の平均粒径を０．０２〜０．２μｍの範囲に限定し
た理由は、０．０２μｍ未満では磁化および保磁力が減
少して磁気記録媒体の再生出力が低下し、逆に０．２μ
ｍを越えると、保磁力が減少しかつ高密度記録の際に再
生時のノイズが著しくなるためである。また本発明に係
る磁性粉においてＣ。

置換、Ｑｗを上記範囲に限定した理由は、Ｗが０の場合
は磁性粉の保磁力が大きすぎて磁気記録が困難となり、
またＷ≧０．１８では逆に保磁力が小さすぎて信号が残
らない。

さらに、Ｚｎ置換量Ｘを上記範囲に限定した理由は、ｘ
−０では磁性粉の磁化の向上が十分ではなく、一方ｘ＞
０．１では逆に磁化が低下し、上記範囲においてのみ高
い磁化が得られる。さらにまた、Ｓｎの置換ｍｙについ
ては、保磁力の温度依存性の安定性が媒体の種類によっ
てどの程度要求されるかに依存するが、ｙが上記範囲に
制御される場合は、磁化をさほど低下させずに保磁力の
温度依存性を改善できる。ｙ＞０．１２では保磁力の温
度依存性の改善度合いも大きいが磁化が大幅に低下する
。

さらに、価数補償イオンである元素ＭとしてＮｂ、Ｓｂ
、Ｔａを選んだ理由は、これらの元素を用いることによ
り高い磁化が得られるためである。そして元素Ｍの置換
量ｚはフェライト全体の価数が補償されるように決定さ
れる。

また表面に被着される（表面を変性する）スピネルフェ
ライトとしては、Ｎｌフェライト、ＮＥ　Ｚｎフェライ
トなど、結晶の［１１１１方向に容易軸を有するものが
好ましく、これらのフェライトを被着させることにより
、磁性粉の角形性などを損なわずに磁性粉の磁化を向上
させることができる。

（作　用） 上記のように、スピネル型フェライトで表面を変成させ
ることによりおおむねどの六方品フェライトでも飽和磁
化が向上する。しかし、本発明に係るＣｏ−Ｚｎ−ト（
Ｓｎ）置換体の場合、他のＣｏ−Ｔ　Ｉなどの置換体の
場合に比較して、広い周波数帯域で出力の向上度合いが
大きく効果的である。またスピネルフェライトの変成に
より保磁力の温度依存性も同時に改善される。

（実施例） 平均粒径０．０８μｍ１板状比３．４．飽和磁化６１ｅ
ｍｕ／ｇ、保持力Ｈｃ１５０００ｅ劃℃〜６０℃におけ
る保持力Ｈｅの温度係数ｄｌｌｃ／ｄＴ＝１．５０ｅ／
　”Ｃの次式に示すＧｏ−Ｚｎ−Ｎｂ−８ｎ置換のＢａ
フェライト置換体、ＢａＦｅ１ｑ、ｆｉ６ｃｏｏ、　　
６Ｚｎ０．　３Ｓｎ０゜４Ｎｂ０．１８０゜ １００ｇをＮ１塩０．０７５モル、２ｎ塩０．０７５モ
ル、　Ｐｅ塩０．３モルを含むアルカリ溶液に入れて、
加熱攪拌を施し生成した磁性粉を水洗し乾燥した。得ら
れた磁性粉は、飽和磁化６８ｅｉｕ／ｇ、保持力１１ｃ
ｌ１０００ｅ。

保持力１１ｃの温度係数ｄｔｌｃ／ｄＴ−１，００ｃ／
　℃であった。

またＸ線回折の結果では、マグネトブランバイト型Ｂａ
フェライトおよびＮｉＺｎフェライトの２相構造であり
、粒子サイズの変化はなかった。

このフェライト磁性粉を、フェライト１００．塩酢ビ１
０．レシチン３．研磨剤２．硬化剤４．溶剤１２０（各
重量部）の組成で塗料化し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム面上に塗布後垂直配向させて乾燥させ、カレ
ンダー処理しキュアーを行って磁気記録媒体を得た。

（比較例１） 平均粒径０．０８μｍ１板状比３，３．飽和磁化５θｅ
ｍｕ／ｇ、保持力１１ｃ１５０００ｅ、　Ｏ℃〜６０℃
における保持力Ｈｅの温度係数ｄｌｌｃ／ｄＴ−４０ｅ
／　’Ｃの下記式で示すＧｏ−Ｔｌ置換のＢａフェライ
ト置換体、 ＢａＦｅ１ｏ、　　５Ｃｏ０．７５ＴｉＯ，７５０１１
００ｇをＮｌ塩０．０７５モル、Ｚｎ塩０．０７５モル
、　Ｐｅ塩０゜３モルを含むアルカリ溶液に入れて、加
熱攪拌を施し生成した磁性粉を水洗乾燥した。得られた
磁性粉の飽和磁化は８３ｅｍｕ／ｇ、保持力Ｈｅ−１０
３０００ｅ、保持力Ｈｅの温度係数ｄＨｃ／ｄＴ−１，
２０ｅ／”Ｃであった。

またＸ線回折の結果では、マグネトブランノ（イト型Ｂ
ａフェライトおよびＮｉＺｎフェライトの２相構造であ
り、粒子サイズの変化はなかった。このフェライト磁性
粉を、フェライト１００．塩酢ビ１０．レシチン３．研
磨剤２．硬化剤４．溶剤１２（各重量部）の組成で塗料
化し、ボチエチレンテレフタレートフイルム面上に塗布
後垂直配向させて乾燥させ、カレンダー処理しキュアー
を行って磁気記録媒体を得た。

（比較例２） 平均粒径０，０８μｍ、板状比３．２．飽和磁化５８ｅ
ｍｕ／ｇ、保持力Ｈｃ１７０００ｅ、　０℃〜６０℃に
おける保持力Ｈｅの温度係数ｄＨｃ／ｄＴ−３，５０ｃ
／℃の下記式で示すＣ。

−Ｔｉ置換のＢａフェライト置換体、 ＢａＦｅＢ）、　　７Ｃｏ０．６５Ｔｉ０．８５０１１
００ｇをＮｉ塩０．２モル、　Ｚｎ塩０．２モル、　　
Ｆｅ塩０．８モルを含むアルカリ溶液に入れて、加熱攪
拌を施し生成した磁性粉を水洗乾燥した。得られた磁性
粉の飽和磁化は６７ｅａ＋ｕ／ｇ、保持力１１ｃｍ９９
０００．保持力１１ｃの温度係数ｄｌｌｃ／ｄＴ−１，
００ｅ　／”Ｃであった。またＸ線回折の結果では、上
記実施例および比較例１の場合と同様マグネトブランバ
イト型Ｂａフェライトおよび旧Ｚｎフェライトの２相構
造であり、粒子サイズの変化はなかった。

このフェライト磁性粉を、フェライト１００．塩酢ビ１
０．レシチン３．研磨剤２．硬化剤４．溶剤１２０（各
ｆｆｌｆｆｉ部）の組成で塗料化し、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム面上に塗布後垂直配向させて乾燥さ
せ、カレンダー処理しキュアーを行って磁気記録媒体を
得た。

（比較例３） 平均粒径０，０８μｍ−、板状比３．４．飽和磁化６０
ｃａ＋ｕ／ｇ、保持力１１ｃ１００００ｃ、０℃〜６０
℃における保持力ｔ（ｃ温度係数ｄｔ（ｅ／ｄＴ−１，
５０ｅ　／　”Ｃの、スピネルフェライトで変成されて
いない下記の式に示すＣｏ−Ｚｎ−Ｎｂ置置換ラフエラ
イト磁性粉 ＢａＦｅ１ｇ、４５Ｃｏ０．　６Ｚｎ０．　３ＳｎＯ。

Ｎｂ０．２５０１！ を用いて上記実施例の場合と同様にして磁気記録媒体を
得た。

これらの媒体の０℃〜６０℃での保持力ｔｌｃ温度係数
および記録波長１μｍ、０．５μｍにおける出力特性を
メタル媒体（Ｍｓ＝２２０ｅｍｕ／ｃｃ　、保持力１１
Ｃ−１５０００ｅ、面内角形比−０，８５）・・・（参
考例）・・・と比較測定した。その結果を次の表に示す
。（以下余白） 角型比　　　　再生出力　　　　　ｄｌｌｃ／ｄｔ媒体
　　　　　（１μｍ、ｄＢ）　（０，５μｍ、ｄＢ）　
（Ｏｅ／’Ｃ）実施例 ０．７５　　　　　＋２．０　　　　　　＋２．０　　
　　　　　−１．２比較例 １　０．７４　　　　０　　　　　＋Ｑ　　　　　＋ｔ
、。

比較例 ２０．８０　　　＋１．０　　　−２．０　　、　　−
１．３比較例 ３　０．７５　　−０．５　　　　＋１．０　　　　　
＋１．２参考例０．８５　　　　０　　　　０　　　　
−０．８上記の具体例乃至結果から分るように、本発明
に係るＢａフェライト磁性粉を用いた記録媒体は、従来
のＢａフェライト磁性粉を用いた媒体およびメタル媒体
に比較して、短波長および長波長いずれの波長領域にお
いてもすぐれた出力特性を示すと同時に、保持力）Ｉｃ
の温度依存性も改善されていることがわかる。この効果
は、ＭがＳｂ　、　Ｔａの場合も同様であり、またＳｒ
、Ｐｂ、ＣｏなどＢａイオン以外のアルカリ土類イオン
を含む他の大方晶フェライトの場合も同様であった。

［発明の効果］ 以上説明したごとく、本発明の六方晶フェライトを用い
ることにより、広い周波数領域において従来のメタル媒
体もしくは六方晶フェライト媒体を凌駕する出力特性を
有すると同時に、保磁力の温度依存性の良好な記録媒体
を提供し得る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）組成式が ＡＯ・ｎ｛Ｆｅ＿２＿−＿ｗ＿−＿ｘ＿−＿ｙ＿−＿ｚ
   Ｃｏ＿ｗＺｎ＿ｘＳｎ＿ｙＭ＿ｚＯ＿３｝（式中ＡはＢ
   ａ，Ｓｒ，Ｐｂ，Ｃａから選ばれた少くとも一種の元素
   、ＭはＮｂ，Ｓｂ，Ｔａから選ばれた少くとも一種の元
   素、０＜ｗ＜０．１８、０＜ｘ＜０．ｌ、０＜ｙ＜０．
   １２、０＜ｚ＜０．０９、０＜ｎ＜６．２の数）で表さ
   れる平均粒径０．０２〜０．２μｍの六方晶系フェライ
   ト微粒子の表面がスピネルフェライトで変成されている
   ことを特徴とする高密度磁気記録用磁性粉。
2. （２）請求項１記載の表面がスピネルフェライトで変成
   されている六方晶系フェライト磁性粉を基体面上に塗布
   してなることを特徴とする磁気記録用媒体。