JPH0377859B2 - - Google Patents

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JPH0377859B2
JPH0377859B2 JP5710784A JP5710784A JPH0377859B2 JP H0377859 B2 JPH0377859 B2 JP H0377859B2 JP 5710784 A JP5710784 A JP 5710784A JP 5710784 A JP5710784 A JP 5710784A JP H0377859 B2 JPH0377859 B2 JP H0377859B2
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JP
Japan
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cobalt
nickel
extraction
organic phase
extractant
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JP5710784A
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JPS6144139A (ja
Inventor
Akihiro Fujimoto
Isamu Miura
Tadanori Matsumura
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Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0377859B2 publication Critical patent/JPH0377859B2/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、特定の有機リン化合物を含む抽出溶
媒を使用して、コバルトとニツケルとを含む水溶
液からコバルトを分離する方法に関する。 従来技術 コバルトとニツケルとを含有する水溶液は、各
種鉱石の湿式精錬やスクラツプ、廃触媒などの産
業廃棄物から有用金属を湿式回収するときに生成
する。このような水溶液からコバルトとニツケル
を分離する方法には溶媒抽出法が多く用いられ
る。 その一つとして、抽出剤にジ−2−エチルヘキ
シルリン酸(D2EHPAと略称)を用いる方法が
ある。コバルトとニツケルとを含む水溶液とこの
抽出剤を含む有機溶媒とを液−液接触させて、水
溶液中のコバルトを有機相へ抽出させ、ニツケル
をラフイネート水相に残留させる方法である。 しかし、コバルトを有機相へ有効に回収する抽
出条件下ではニツケルも多量に有機相へ抽出され
るため、抽出操作を1回行うだけではコバルトと
ニツケルの分離は極めて不充分である。従つて実
際の抽出操作では他段式抽出装置で向流の接触が
行なわれる。さらに有機相中にコバルトと共に抽
出されたニツケルを除去するために洗浄工程が設
置される。有機相は希釈無機酸などによつて洗浄
され、この時多量のコバルトもニツケルと共に洗
浄水相に洗浄される。このため洗浄水相に含まれ
る多量のコバルトを再抽出によつて回収しなけれ
ばならない欠点がある。これは抽出剤のジ−2−
エチルヘキシルリン酸のコバルトとニツケルの抽
出分離能力が不充分であることに起因している。 上記に鑑み、本発明者らは先にアルキルホスホ
ン酸モノアルキルエステルを含有する有機溶媒を
使用し、溶媒抽出法によつてコバルトを抽出し、
コバルトとニツケルを分離する方法の発明(特開
昭53−141176)を完成した。 上記発明の方法において抽出剤の代表例として
示した2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2
−エチルヘキシルエステル(APOAと略称)を
使用する方法は、抽出剤としてD2EHPAを使用
する方法よりも飛躍的にコバルトとニツケルの分
離効率を高めた。 特開昭57−73143号公報にはジアルキルホスフ
イン酸を用いて水溶液からコバルトを抽出する方
法についての開示がある。そこに開示の直鎖アル
キル基やメチル分枝を有するアルキル基をもつジ
アルキルホスフイン酸ではコバルトとニツケルの
分離効率が悪い。 発明の目的 本発明の目的は、コバルトとニツケルとを含有
する水溶液からコバルトを効果的に抽出分離する
方法を提供することにある。 発明の要旨 本発明者らは抽出剤によるコバルトとニツケル
との分離抽出能は抽出剤のジアルキルホスフイン
酸のアルキル基の種類に決定的に依存することを
発見した。 発明者らが従来のアルキルホスホン酸モノアル
キルエステル型の抽出剤である2−エチルヘキシ
ルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシルエステ
ル(APOA)と各種のジアルキルホスフイン酸
とを比較したところ、ジアルキルホスフイン型の
抽出剤のうち直鎖アルキル基を有するジ−n−オ
クチルホスフイン酸はその分離能において
APOAより劣ること、しかも同じアルキルホス
フイン酸型の抽出剤であつてもエチル分枝アルキ
ル基を有するビス−(2−エチルヘキシル)−ホス
フイン酸の分離能はAPOAよりはるかに優れて
いることが明らかになつた。 より詳細には、合計の炭素数が5以上でありか
つ炭素数2以上の分枝基をもつアルキル基の置換
したジアルキルホスフイン酸がきわだつて分離能
に優れていることが本発明者らの鋭意研究の結果
はじめて明らかにされた。 特開昭57−73143号公報には、コバルトとニツ
ケルとの分離抽出能とジアルキルホスフイン酸の
置換アルキル基の種類との関連については何ら開
示されていない。それゆえ、本発明は上記特許公
開公報においては気付かれていなかつた。抽出剤
の置換アルキル基とコバルト・ニツケルの分離能
との格別の関係についての新規な知見にもとづい
て完成されたものである。 よつて、本発明は、下記一般式で示されるジア
ルキルホスフイン酸を抽出剤として含有する抽出
溶媒をコバルトイオンとニツケルイオンとを含有
する水溶液と混合接触させ、該水溶液からコバル
トを分離し、そのことにより上記目的が達成され
る。 ここでR1およびR2はそれぞれ
【式】で表わされる 分枝アルキル基であり、xは1以上、yは2以
上、そしてzは0または1以上の整数であり、か
つx、yおよびzの総和が3以上で16以下であ
る。 上記ジアルキルホスフイン酸は炭素数が12〜36
であり、好ましくは14〜24である。炭素数が12を
下まわるとコバルトが水相へ溶解する割合が大き
くなり、36を上まわるとコバルトの抽出負荷量が
減少する。特にαまたはβ分枝アルキル基を有す
るジアルキルホスフイン酸のコバルトの分離・抽
出能力が高い。このような分枝アルキル基には、
2−エチルヘキシル基、2−エチルブチル基、2
−ペンチルノニル基、2−ヘプチルウンデシル
基、1−エチルプロピル基、1−ブチルペンチル
基などがある。これらの基を有するホスフイン酸
のうちビス−(2−エチルヘキシル)−ホスフイン
酸が工業的に有利に製造されうる。 この抽出剤を使用し溶媒抽出法によつてコバル
トを分離する基本的手法は次のようになる。 抽出工程:少なくともコバルトイオンとニツ
ケルイオンとを含む水溶液を、上記抽出剤を含
む抽出溶媒と液−液接触させることによりコバ
ルトを選択的に抽出溶媒(有機相)へ抽出す
る。コバルトの抽出は抽出剤とコバルトイオン
とのイオン交換反応で行なわれるため、抽出に
は最適のPHが存在し、この抽出PHに適合させる
ために、通常アルカリ物質を添加する。有機相
は、次いで、水相から分離される。 逆抽出工程:コバルトを含有する有機相を鉱
酸を含む水溶液と液−液接触させることにより
コバルトを水相中に逆抽出する。逆抽出後有機
相は水相から分離されて、新なた抽出のために
抽出工程へ循環される。 本発明では抽出剤を溶解しうる有機溶媒が用い
られる。この溶媒は、液−液接触の操作後、静止
状態において有機相と水相の二相が形成されるべ
く抽出剤を溶解しかつ水に不溶性であること、そ
して原料水溶液から金属を抽出するにさいし抽出
剤の機能を妨害しないものであれば特に限定され
ない。有効な溶媒としては、高引火点のパラフイ
ン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化
水素があり、例えば灯油またはナフサなどの石油
留分等がある。 この抽出溶媒中の抽出剤濃度は、抽出の対象と
なる水溶液(原液)中のコバルトイオン濃度およ
び、有機相と水相の相比にも関連して決定される
が、一般的には抽出剤の3〜70容量%、好ましく
は5〜40容量%である。 PHの調整は通常有機溶媒中の抽出剤の酸性基を
あらかじめ適当な比率だけアルカリ塩として使用
することによつて行なわれる。またこのアルカリ
塩はニツケル塩であつても使用可能である。さら
に、PHの調整は要求に応じて装置に導入される有
機相又は水相にアルカリまたはその水溶液を添加
混合して行なうことも可能である。有効なアルカ
リはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンを
持つものであり、例えばアンモニア、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどで
ある。抽出時のPHは、多段抽出を行なうときには
4.0〜7.0に設定されるが例えば一段抽出のとき
は、好ましくはPH5.0〜7.0に調整される。 抽出溶媒がエマルジヨンを形成するのを防ぎ相
分離を促進するために、または、抽出した金属錯
体の有機相への溶解性を増加させるために、これ
に改質剤を添加することも可能である。改質剤の
例としては、トリブチルリン酸などの中性リン化
合物やイソデカノールなどの高級アルコールが挙
げられる。しかしこれらはコバルト・ニツケルの
分離効果に悪影響をおよぼすので添加量は一般に
少ない方がよい。これらは通常有機溶媒中に2〜
5容量%の割合で含まれる。 抽出にさいし、液−液接触および相分離の行な
われる温度は、有機相の粘度低下および相分離速
度を促進させるうえで高い方が良好であるが決定
的なものではない。その温度は希釈有機溶媒の引
火点・加熱エネルギーの必要性に関連して、通
常、20〜70℃に保たれる。 本発明に使用される有機溶媒と原料水溶液とを
接触させ抽出する方法は溶媒抽出法において用い
られる周知のどの手順によつてもよい。連続の多
段接触法のみならず、バツチ、連続バツチおよび
バツチ回流法も有効である。向流の多段式抽出を
行なう場合に充填塔、パルスカラム、円盤塔など
の塔式装置が好んで用いられるが本発明には一般
に使用される周知のどの溶媒抽出法の接触装置も
使用可能である。本発明方法によれば、コバルト
とニツケルの分離効果が優れているので、ミキ
サ、セトラを1〜数段に使用することも可能であ
る。 抽出に際して、接触の行なわれる有機相と水相
の容積比は特に限定されるものではない。その最
も有効な比は有機溶媒中の抽出剤の濃度ならびに
原料水溶液中の抽出すべき金属イオンの濃度およ
び有機相と水相を接触させる方法例えば装置の様
式などに関係する。一般に上記有機相と水相の比
率はラフイネート中にコバルトを残留させるのを
最小にして有機相中へコバルトを事実上全部取入
れることができるように調整される。抽出剤1モ
ルに最高1グラム当量のコバルトを負荷させるこ
とが可能である。通常、0.5〜0.8グラム当量のコ
バルトを負荷させるように調整する。 コバルトが有機相に抽出され、水相と有機相と
が分離された後、この有機相はコバルトを除去回
収するために逆抽出回路に移され、通常無機酸と
接触させる。この逆抽出回路は任意の液−液接触
装置を用いて行ない得る。例えばミキサ、セトラ
を1〜2段に用いることによつて有機相からコバ
ルトを実質的に全量除去回収することができる。
有機相と無機酸の容積比は有機相中のコバルト濃
度及び無機酸の濃度に関係し、除去回収された水
相中のコバルト塩の所望する濃度に対してかなり
広範囲に設定することができる。無機酸は0.25〜
5Nの硫酸、硝酸、塩酸などが用いられる。コバ
ルト塩の種類により無機酸の種類が選択される。
またこの無機酸はコバルトの電解尾液のようなコ
バルトを含むものであつてもよい。コバルトを除
去された有機相は抽出回路に巡回される。 有機相中に含まれる微量のニツケルを除去し、
コバルトの純度を向上させるために抽出回路と逆
抽出回路との間に洗浄回路を設けることも有効で
ある。洗浄工程において、有機相は既知の溶媒抽
出接触装置を用いて、前述した液−液抽出の手順
を適用して無機酸等を含有する水溶液、コバルト
を含む水溶液、逆抽出回路で得られた水相の一
部、またはコバルトの電解尾液の一部と接触され
る。洗浄液水相に得られた金属塩は抽出工程に循
環されるか、または別途回収される。このときの
有機相と水相の接触の容積比(O/A)は広範囲
に設定できるが、工業的には、通常0.2〜2.0の範
囲が選ばれる。接触のPHは、洗浄対象金属イオン
を水相へ充分に移行させ、かつできるだけコバル
トが移行しないPHが選択される。通常3.5〜6の
範囲であるがPH4.0〜5.5の範囲が好適である。 接触方式は一段階のみならず多段階接触処理す
ることが可能であり、好ましくは多段式の抽出装
置を用いて有機相と水相とを向流接触させる。接
触温度は抽出工程の場合と同様に20〜70℃が好適
である。 洗浄に用いる無機酸およびコバルトを含む水溶
液はニツケルを含んでいてもよい。ニツケル濃度
は洗浄効果に影響を与え、当然のことながらニツ
ケル濃度が低い方が良好な結果を与えるが、ニツ
ケルが5g/〜60g/の範囲で含まれている
水溶液を用いてもかなりの効果が期待できる。こ
のため分離すべきコバルトとニツケルを含む原料
水溶液を利用でき、工業上有意義である。 原料水溶液に鉄、亜鉛、銅、砒素などの不純物
が含有されるとこれらの金属イオンはコバルトに
優先して抽出されるため有機相のコバルトの純度
が悪くなる。従つてこれらの金属イオンはあらか
じめ除かれていることが望ましい。しかし仮にこ
のようなイオンが含まれていたとしても有機相中
に抽出したのちコバルトの逆抽出時に同時に回収
すること;あるいは逆抽出時の接触のPHを選択す
ることによつて、まずコバルトを選択的に逆抽出
し、その後再逆抽出することによつて有機相から
除去することもできる。 コバルトとニツケルとを含有する水溶液にさら
にカルシウムが含有されていてもカルシウムの随
伴抽出量は従来のアルキルホスホン酸抽出剤、例
えば2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−
エチルヘキシルエステル(APOA)と比較する
とはるかに小さい。カルシウムの随伴抽出量が大
きいときには、抽出操作後に有機溶媒層を硫酸ま
たは硫酸塩を含有する水溶液で洗浄もしくは逆抽
出すると水相中にカルシウムの沈澱を生じること
がある。 したがつて原料水溶液にこれらの金属が含まれ
ていることは特に本発明を制約するものではな
い。 また本発明はコバルトおよびニツケル以外の金
属例えば鉄、クロム、亜鉛、マンガン、銅などを
含有する水溶液からそれぞれの金属を抽出し、そ
れらの金属を抽出するためのPH条件と抽出時の段
数を適当に設定することによつてそれらの金属相
互の抽出分離が可能である。 なお、ここに記載のコバルト、ニツケル、カル
シウム、鉄などの金属はすべてコバルト()、
ニツケル()、カルシウム()、鉄(または
)のようにイオンを示すものである。 実施例 以下に本発明を実施例により説明する。 実施例 1 本発明の方法がコバルトとニツケルの分離方法
として優れていることを実証するために、抽出剤
として、ビス−(2−エチルヘキシル)−ホスフイ
ン酸(略称EHPI)を用いてコバルトとニツケル
の抽出分離能を示す実験を行なつた。 抽出剤を0.60mol/(約20容量%)となるよ
うに芳香族系炭化水素(シエル化学社製:商品名
シエルゾールA)に希釈溶解した抽出溶媒(有機
相)を調製した。これをコバルト硫酸塩とニツケ
ル硫酸塩とを含む水溶液(水相)と接触させた。
接触は50℃の恒温振盪水槽を使用して、10分間振
盪して行なつた。有機相対水相の容積比(O/
A)は1対1、コバルトとニツケルの初濃度はそ
れぞれ水溶液中に10g/となるようにした。抽
出時のPHは、有機相中の抽出剤成分の一部をアン
モニア水であらかじめ中和しておくことによつて
調整した。抽出液の有機相と水相とに含まれるコ
バルトとニツケルの量をそれぞれ測定し、抽出率
を計算した。その結果を表1に示す。 抽出率は以下の式により示される。 抽出率(%)=
有機相中の特定の金属の量/抽出前原料水相中の特定の
金属の量 表1における抽出時の接触のPHとコバルトおよ
びニツケルの抽出率との関係を第1図に示す。ま
たコバルトとニツケルの抽出分離効果を分離係数
によつて表わし、コバルトの抽出率に対する分離
係数を第2図に示す。コバルト−ニツケル分離係
数βは下式で示される。 コバルト−ニツケル分離係数β=DCp/DNi;ただし D(分配比)=有機相中の金属の濃度/水相中の
金属の濃度
【表】 比較例 1 アルキルが直鎖アルキルであるジアルキルホス
フイン酸のコバルトとニツケルの抽出分離能を比
較するためにジ−n−オクチルホスフイン酸(略
号NAPI)を抽出剤とし、実施例1と同様の条件
下で実験を行なつた。その結果を表2に示す。コ
バルトの抽出率に対する分離係数を第2図に示
す。
【表】 表1、表2および第2図の結果から、同じ炭素
数を持つジアルキルホスフイン酸のアルキル基が
直鎖のオクチル基から2−エチルヘキシル基に置
き換つただけでコバルトとニツケルの分離性能に
大きな効果を示すことが明らかであり、本発明の
抽出剤のコバルトとニツケルの分離性能が優れて
いることが理解できる。 実施例 2 抽出剤を希釈する溶剤としてパラフイン系炭化
水素を使用し、この場合にも本発明の方法がコバ
ルトとニツケルの分離方法として優れていること
を実証するために次の実験を行なつた。 希釈溶剤としてパラフイン系の炭化水素である
ケロシンを使用したこと以外は実施例1と同様で
ある。その結果を表3に示す。表3における抽出
時の接触のPHとコバルトおよびニツケルの抽出率
との関係を第3図に示す。コバルトの抽出率に対
する分離係数を第4図に示す。
【表】 第2図の曲線A(実施例1)および第4図の曲
線A(実施例2)から明らかなように抽出剤を希
釈する溶剤の種類によりコバルトとニツケルの分
離性能に差のあることが明らかである。芳香族系
炭素水素よりパラフイン系炭化水素の方が分離性
能が優れていることが理解できる。 また同様に、ナフテン系炭化水素を希釈溶剤と
して使用した場合にはパラフイン系炭化水素を使
用した場合とほぼ同様のコバルトとニツケルの分
離効果を示し、パラフイン系炭化水素と同様に有
利に使用される。 比較例 2 従来の抽出剤である構造式R(RO)P(O)
OHで示されるアルキルホスホン酸−モノ−アル
キルエステルのコバルトとニツケルの抽出分離能
を本発明に用いられる抽出剤と比較するために、
2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−エチ
ルヘキシルエステル(APOA)を使用して実施
例2と同様の実験を行なつた。その結果を表4に
示す。コバルトの抽出率に対する分離係数を第4
図に示す。
【表】 実施例 3 アルキル基がメチル分枝を持つアルキル基であ
るジアルキルホスフイン酸のコバルトとニツケル
の抽出分離能を比較するために、ジイソデシルホ
スフイン酸(MAPI)を使用して実施例2と同様
に実験を行なつた。この結果を表5に示す。コバ
ルトの抽出率に対する分離係数を第4図に示す。 第4図の曲線A(実施例2)および曲線B(比較
例2)から明らかなように、曲線Aで示される本
発明抽出剤のジアルキルホスフイン酸である
【表】 EHPIを用いると、従来の抽出剤のアルキルホ
スフイン酸モノアルキルエステルであるAPOA
の場合よりもはるかに効果的に分離される。しか
し、第4図の曲線Aおよび曲線Cから明らかなよ
うに、ジアルキルホスフイン酸であつてもアルキ
ル基における分枝基の炭素数が2未満の化合物、
言いかえればメチル基である化合物、である
MAPIを用いた比較例3においては、実施例2の
EHPIの例よりも分離能がはるかに悪い。第4図
の曲線Bと曲線Cとから明らかなように、MAPI
のようなタイプの化合物をい用いると従来の
APOAよりもさらに分離能が劣る。 実施例 3 本発明の抽出剤のコバルトおよびニツケルのそ
れぞれの最大抽出量を測定するために次の実験を
行なつた。 抽出剤としてEHPIを0.6mol/(約20容量
%)の濃度となるようにケロシンに溶解し、これ
をコバルトの硫酸塩を含む水溶液と接触させた。
接触は、温度50℃において10分間振盪して行なつ
た。有機相対水相の容積比(O/A)は1対1、
コバルトを含む水溶液の初濃度は30g/となる
ように行なつた。実施例1と同様の方法でPHをア
ンモニア水で調整した。 各PHにおける有機相のコバルトの濃度を第5図
aに示す。ニツケル硫酸塩を含む水溶液について
も同様にして実験を行なつた。各PHにおける有機
相のニツケルの濃度を第5図bに示す。 その結果有機相の最大抽出時のコバルト濃度は
PH7.0において17.5g/であつた。その当量濃
度(0.59eq/)は有機相に含有される抽出剤
EHPIの当量濃度(0.6eq/)とほぼ一致した。 抽出剤濃度を変化させた場合、コバルトの最大
抽出量は抽出剤濃度の増減にほぼ比例する。しか
し、コバルト濃度が増加すると有機相の粘度が増
加して、取り扱いに支障を与えるので、最大抽出
時の濃度の90%(上記の例では16g/)以下に
抽出条件を設定することが望ましい。このような
条件下においてはニツケルの抽出量が低く抑えら
れるためコバルトとニツケルが混在する溶液から
コバルトのみを有利に抽出することも可能であ
る。 実施例 4 コバルトとニツケルの抽出におよぼす抽出時の
温度の影響を試験した。 抽出剤としてEHPI、溶媒としてケロシンを使
用し、抽出温度を20℃としたこと以外は実施例2
と同様に行なつた。抽出時のPHとコバルトおよび
ニツケルの抽出率との関係を第6図に示す。第3
図および第6図からコバルトとニツケルの抽出分
離効果は温度の高い方がわずかに大きいが、実質
上大差が認められないことが理解できる。 実施例 5 コバルトおよびニツケルがその塩の種類により
抽出されやすくなるかどうかの実験を行なつた。 コバルトの硫酸塩およびニツケルの硫酸塩を含
有する水溶液を用いて実施例4と同様に実験を行
なつた。抽出時のPHとコバルトおよびニツケルの
抽出率との関係を第7図aに示す。 別にコバルトの塩化物およびニツケルの塩化物
を含有する水溶液を用いて実施例4と同様に実験
を行なつた。抽出時のPHとコバルトおよびニツケ
ルの抽出率との関係を第7図bに示す。 第7図a,bおよび実施例4から、コバルトお
よびニツケルの塩の種類による被分離抽出効果に
は大きな差がないことが理解できる。 実施例 6 コバルトを抽出した有機相からコバルトの逆抽
出除去回収実験を次のように行なつた。 実施例 6− 実施例4で得られたコバルト9.90g/とニツ
ケル0.8g/を抽出・含有する有機相を使用し
て、室温(25℃)において0.25Nの硫酸と接触さ
せて、有機相に含まれるコバルトを水相へ逆抽出
回収した。接触時間は5分間とし、有機相対水相
の比(O/A)は1とした。この逆抽出操作を、
毎回新しい0.25Nの硫酸を用いて3回行なつた。
得られた水層に含まれるコバルトとニツケルの量
を各回ごとに測定した。さらに抽出終了時に有機
層に含有されるコバルトとニツケルの量を測定し
た。その結果を表6に示す。 実施例 6− 硫酸の濃度を0.5Nとし、O/Aを2としたこ
と以外は実施例6−と同様である。 実施例 6− 硫酸の濃度を1.0Nとしたこと以外は実施例6
−と同様である。 実施例 6− 0.5Nの硫酸の代わりに0.5Nの塩酸を用いたこ
と以外は実施例6−と同様である。
【表】 逆抽出後の有機相に含まれるコバルトの濃度は
ほぼ0.0g/であり、有機相からコバルトを低
濃度の鉱酸によつて容易に除去回収できることが
わかる。硫酸や塩酸の代りに硝酸を使用しても同
様の結果が得られた。 実施例 7 コバルトと同時に抽出された少量のニツケルを
含む有機相からニツケルを除去するための洗浄試
験を行なつた。 実施例 7− 実施例4で得られたコバルト10g/とニツケ
ル0.7〜0.8g/を含有する有機相を準備した。
0.05Nの硫酸を洗浄液としてこれを室温(25℃)
において、有機相と10分間接触させて、洗浄を行
なつた。有機相対水相の比(O/A)は2とし
た。洗浄後に有機相に含有されるコバルトおよび
ニツケルの量、ならびに水相(洗浄液)に含有さ
れるコバルトおよびニツケル量を測定した。その
結果を表7に示す。 実施例 7− 硫酸の濃度を0.2Nとしたこと以外は実施例7
−と同様である。 実施例 7− 硫酸の濃度を0.4Nとしたこと以外は実施例7
−と同様である。 実施例 7− 硫酸の濃度を0.5Nとしたこと以外は実施例1
と同様である。 実施例 7− 硫酸の濃度を0.25Nとし、O/Aを1としたこ
と以外は実施例1と同様である。 実施例 7− 洗浄液として0.5Nの塩酸を用いたこと以外は
実施例7−と同様である。 実施例 7− 洗浄液としてコバルト13.8g/を硫酸塩とし
て含有するPH3.2の水溶液を用いたこと以外は実
施例7−と同様である。 実施例 7− 洗浄液としてコバルト10.8g/およびニツケ
ル10.5g/をそれぞれ硫酸塩として含有するPH
3.2の水溶液を用いたこと以外は実施例7−と
同様である。 実施例 7− 洗浄液としてコバルト10.3g/およびニツケ
ル11.1g/を含有する0.2N硫酸を用いたこと以
外は実施例7−と同様である。 実施例 7− 洗浄液としてはコバルト8.6g/およびニツ
ケル10.5g/を含有する0.4N硫酸を用いたこと
以外は実施例7−と同様である。 実施例 7− 洗浄液として実施例6−における1回目の逆
抽出水相(コバルト12.7g/およびニツケル
1.6g/を含有する0.5N硫酸)を用いたこと以
外は実施例7−と同様である。 表7の結果から、有機相に含まれるニツケルは
洗浄操作によつてコバルトに優先して除去される
ため、有機相に含まれるコバルトの純度(Co/
Ni)が10倍以上に向上したことがわかる。
【表】
【表】 を示す。
有機相のニツケルの濃度を減少させるためには
接触のPHは低いほど有効であるが、洗浄水相への
コバルトの損失も大きくなるため適当なPHを選択
することが重要である。また同一接触PHにおいて
もO/Aを大きく設定することによつて、有機相
から水相へのコバルトの損失を抑制することがで
きる。 さらにコバルトまたはコバルトとニツケルを含
む水溶液を用いた場合、有機相中のニツケル濃度
を低下させると共に有機相中のコバルト濃度を高
めることも可能である。 実施例4〜7の結果から抽出回路−洗浄回路−
除去回路を適当に組合わすことによつて簡便に、
しかも比較的小段数の液−液抽出装置を用いてコ
バルトとニツケルを含む水溶液からコバルトとニ
ツケルをそれぞれ高純度、高回収率で分離精製で
きることが認められた。 実施例4〜7においては抽出剤としてEHPIを
使用したが本発明の他の抽出剤を使用した場合も
ほぼ同様の結果を得た。 発明の効果 本発明方法によれば特定のジアルキルホスフイ
ン酸を抽出剤として選択したためコバルトとニツ
ケルが共存する水溶液からコバルトとニツケルが
それぞれ高純度、高回収率で分離回収が可能であ
る。さらに従来の抽出剤であるジ−2−エチルヘ
キシルリン酸を使用する場合より、抽出および洗
浄工程において使用する液−液接触装置の必要段
数が大幅に減少される。洗浄工程を採用する場合
も洗浄水相へニツケルと共に移行するコバルトの
量が大幅に減少する。このことにより装置を小型
化することが可能であり、必要とする抽出用有機
溶媒の量を減少させ、さらに抽出制御のために使
用されるアルカリ量を低減させることができる。
従つて莫大な投資額の低減及び操業時の装置の運
転費の低減、更には運転制御を簡易化することが
できる大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における抽出時のPHとコバル
トおよびニツケルの抽出率との関係を示すグラフ
第2図は実施例1および比較例1におけるコバル
ト抽出率とコバルト−ニツケル分離定数の関係を
示すグラフ;第3図は実施例2における抽出時の
PHとコバルトおよびニツケルの抽出率との関係を
示すグラフ;第4図は実施例2、比較例2および
比較例3におけるコバルト抽出率とコバルト−ニ
ツケル分離定数との関係を示すグラフ;第5図a
は実施例3における抽出時のPHとコバルトの抽出
率との関係を示すグラフ;第5図bは実施例3に
おける抽出時のPHとニツケルの抽出率との関係を
示すグラフ;第6図は実施例4における抽出時の
PHとコバルトおよびニツケルの抽出率との関係を
示すグラフ;第7図aおよびbは実施例5におけ
る抽出時のPHとコバルトおよびニツケルの抽出率
との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式で示されるジアルキルホスフイン
    酸を抽出剤として含有する抽出溶媒を少なくとも
    コバルトとニツケルとを含有する水溶液と混合接
    触させ、該水溶液からコバルトを分離する方法。 ここでR1およびR2はそれぞれ 【式】で表わされる 分枝アルキル基であり、xは1以上、yは2以
    上、そしてzは0または1以上の整数であり、か
    つx,yおよびzの総和が3以上で16以下であ
    る。 2 前記ジアルキルホスフイン酸のアルキル基が
    z=0またはz=1で表わされる特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。 3 前記ジアルキルホスフイン酸のアルキル基が
    z=1で表わされる特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。 4 前記ジアルキルホスフイン酸がビス−(2−
    エチルヘキシル)−ホスフイン酸である特許請求
    の範囲第1項もしくは第2項に記載の方法。
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