JPH0448733B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0448733B2
JPH0448733B2 JP24781883A JP24781883A JPH0448733B2 JP H0448733 B2 JPH0448733 B2 JP H0448733B2 JP 24781883 A JP24781883 A JP 24781883A JP 24781883 A JP24781883 A JP 24781883A JP H0448733 B2 JPH0448733 B2 JP H0448733B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
nickel
extraction
extractant
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP24781883A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60231420A (ja
Inventor
Akihiro Fujimoto
Isamu Miura
Tadanori Matsumura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihachi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Daihachi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP24781883A priority Critical patent/JPS60231420A/ja
Publication of JPS60231420A publication Critical patent/JPS60231420A/ja
Publication of JPH0448733B2 publication Critical patent/JPH0448733B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、特定の有機リン化合物を含む抽出溶
媒を使用して、コバルトとニツケルとを含む水溶
液からコバルトを分離する方法に関する。 従来技術 コバルトとニツケルとを含有する水溶液は、各
種鉱石の湿式製錬やスクラツプ、廃触媒などの産
業廃棄物から有用金属を湿式回収するときに生成
する。このような水溶液からコバルトとニツケル
を分離する方法には溶媒抽出法が多く用いられ
る。 その一つとして、抽出剤にジー2−エチルヘキ
シルリン酸(D2EHPAと略称)を用いる方法が
ある。コバルトイオンとニツケルイオンを含む水
溶液とこの抽出剤を含む有機溶媒とを液一液接触
させて、水溶液中のコバルトを有機相へ抽出さ
せ、ニツケルとラフイネート水相に残留させる方
法である。 しかし、コバルトを有機相へ有効に回収する抽
出条件下ではニツケルも多量に有機相へ抽出され
るため、抽出操作を1回行うだけではコバルトと
ニツケルの分離は極めて不充分である。従つて実
際の抽出操作では多段式抽出装置で向流の接触が
行なわれる。さらに有機相中にコバルトと共に抽
出されたニツケルを除去するために洗浄工程が設
置される。有機相は希釈無機酸などによつて洗浄
され、この時多量のコバルトもニツケルと共に洗
浄水相に洗浄される。このため洗浄水相に含まれ
る多量のコバルトを再抽出によつて回収しなけれ
ばならない欠点がある。これは抽出剤のジー2−
エチルヘキシルリン酸のコバルトとニツケルの分
離抽出能力が不充分であることに起因している。 上記に鑑み、本発明者らは先に2−エチルヘキ
シルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシルエステ
ルなどの、アルキル基が分枝アルキル基であるア
ルキルホスホン酸モノアルキルエステル
(APNAと略称)を含有する有機溶媒を使用し、
溶媒抽出法によつてコバルトを抽出し、コバルト
とニツケルを分離する方法の発明(特開昭53−
141176)を完成した。 上記発明の方法において抽出剤の代表例として
示した2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2
−エチルヘキシルエステル(BPNBと略称)を
使用する方法は、抽出剤としてD2EHPAを使用
する方法よりも飛躍的にコバルトとニツケルの分
離効率を高めたが依然として、さらにコバルトと
ニツケルの分離抽出能力の優れた抽出剤を用いる
方法が要求されている。 発明の目的 本発明の目的は、コバルトとニツケルとを含有
する水溶液からコバルトを効果的に分離抽出する
方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、さらにカルシウムを含有する水溶液からコバ
ルトを効果的に分離する方法を提供することにあ
る。 発明の要旨 本発明者らは抽出剤のアルキルホスホン酸モノ
アルキルエステル(APNA)のアルキル基の種
類によつて、抽出剤のコバルトとニツケルの分離
抽出能力にかなりの差があることを発見し、さら
にBPNBなどのAPNAよりもコバルトとニツケ
ルの分離抽出能力の優れた特定のアルキルホスホ
ン酸モノアルキルエステルを発見し、本発明を完
成した。 よつて、本発明は、下記の一般式で示されるア
ルキルホスホン酸モノアルキルエステルを抽出剤
として含有する抽出溶媒をコバルトイオンとニツ
ケルイオンとを含有する水溶液と混合接触させ、
該水溶液からコバルトを分離し、そのことにより
上記目的が達成される。 ここで、R1およびR2はそれぞれ炭素数が3〜
18でありかつ
【式】(R3およびR4はア ルキル基)で表わされるα分枝アルキル基もしく
はR1およびR2のうちいずれか一方がα分枝アル
キル基で他方が分枝アルキル基、特にα炭素以外
の炭素に分枝をもつ分枝アルキル基である。 本発明方法は、また下記の一般式で示されるア
ルキルホスホン酸モノアルキルエステルを抽出剤
として含有する抽出溶媒を少なくともコバルト、
ニツケルおよびカルシウムを含有する水溶液と混
合接触させ、該水溶液からコバルトを分離し、そ
のことにより上記目的が達成される。 ここで、R1およびR2は、それぞれ炭素数3〜
18でありかつ
【式】(R3およびR4はア ルキル基)で表わされるα分枝アルキル基、もし
くはR1およびR2のうちいずれか一方がα分枝ア
ルキル基で他方が分枝アルキル基、特にα炭素以
外の炭素に分枝をもつ分枝アルキル基である。 上記アルキルホスホン酸モノアルキルエステル
は炭素数が12〜36であり、好ましくは14〜24であ
る。炭素数がこれより少ないと水相へ溶解する割
合が大きくなり、大きいとコバルト負荷量が減少
する。α分枝アルキル基としてはイソプロピル
基、1−メチルプロピル基、1−エチルプロピル
基、1−メチルブチル基、1−メチルペンチル
基、1−メチルヘキシル基、1−ブチルペンチル
基、1−メチルヘプチル基などがある。分枝アル
キル基には2−エチルヘキシル基、イソオクチル
基、イソデシル基、イソトリデシル基、イソステ
アリル基、2−エチルブチル基などがある。これ
らのうち1−メチルヘプチルホスホン酸−モノ−
1−メチルヘプチルエステル(以下MHPNMH
とする)、1−メチルヘプチルホスホン酸−2−
エチルヘキシルエステル(以下MHPNBとす
る)、2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−1
−メチルヘプチルエステル(以下BPNMHとす
る)などが工業的に有利に製造されうる。 このようなアルキルホスホン酸モノアルキルエ
ステルを抽出剤とするとコバルトとニツケルとを
含有する水溶液にさらにカルシウムが含有されて
いてもカルシウムの随伴抽出量は従来のアルキル
ホスホン酸抽出剤、例えば2−エチルヘキシルホ
スホン酸−モノ−2−エチルヘキシルエステル
(以下BPNBとする)と比較するとはるかに小さ
い。カルシウムの随伴抽出量が大きいときには、
抽出操作後に有機溶媒層を硫酸または硫酸塩を含
有する水溶液で洗浄もしくは逆抽出するときに水
相中にカルシウムの沈殿を生じる。アルキルホス
ホン酸モノアルキルエステルのうち特に1−メチ
ルヘプチルホスホン酸モノ−1−メチルヘプチル
エステル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−
1−メチルヘプチルエステルなどが好適で、これ
らを選択することにより水溶液からコバルトを選
択的に高収率、高純度で抽出、分離することがで
きる。 この抽出剤を使用し溶媒抽出法によつてコバル
トを分離する基本的手法は次のようになる。 抽出工程:少なくともコバルトイオンとニツ
ケルイオンとを含む水溶液を、上記抽出剤を含
む抽出溶媒と液一液接触させることによりコバ
ルトを選択的に抽出溶媒(有機相)へ抽出す
る。コバルトの抽出は抽出剤とコバルトイオン
とのイオン交換反応で行なわれるため、抽出に
は最適のPHが存在し、この抽出PHに適合させる
ために、通常アルカリ物質を添加する。有機相
は、次いで、水相から分離される。 逆抽出工程:コバルトを含有する有機相を鉱
酸を含む水溶液と液一液接触させることにより
コバルトを水相中に逆抽出する。逆抽出後有機
相は水相から分離されて、新たな抽出のために
抽出工程へ循環される。 本発明では抽出剤を溶解しうる有機溶媒が用い
られる。この溶媒は、液一液接触の操作後、静止
状態において有機相と水相の二相が形成されるべ
く抽出剤を溶解しかつ水に不溶性であること、そ
して原料水溶液から金属を抽出するにさいし抽出
剤の機能を妨害しないものであれば特に限定され
ない。有効な溶媒としては、高引火点のパラフイ
ン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化
水素があり、例えば灯油またはナフサなどの石油
留分等がある。 この抽出溶媒中の抽出剤濃度は、抽出の対象と
なる水溶液(原液)中のコバルトイオン濃度およ
び、有機相と水相の相比にも関連して決定される
が、一般的には抽出剤の3〜70容量%、好ましく
は5〜40容量%である。 PHの調整は通常有機溶媒中の抽出剤の酸性基を
あらかじめ適当な比率だけアルカリ塩として使用
することによつて行なわれる。またこのアルカリ
塩はニツケル塩であつても使用可能である。さら
に、PHの調整は要求に応じて装置に導入される有
機相又は水相にアルカリまたはその水溶液を添加
混合して行なうことも可能である。有効なアルカ
リはアンモニウムイオン、アルカリ金属イオンを
持つものであり、例えばアンモニア、カセイソー
ダ、炭酸ソーダなどである。抽出時のPHは、多段
抽出を行なうときには3.5〜7.0に設定されるが例
えば一段抽出のときは、好ましくはPH5.0〜7.0に
調整される。 抽出溶媒がエマルジヨンを形成するのを防ぎ相
分離を促進するために、または、抽出した金属錯
体の有機相への溶解性を増加させるために、これ
に改質剤を添加することも可能である。改質剤の
例としては、トリブチルリン酸などの中性リン化
合物やイソデカノールなどの高級アルコールが挙
げられ、これらは通常有機溶媒中に2〜5容量%
の割合で含まれる。 抽出にさいし、液一液接触および相分離の行な
われる温度は、有機相の粘度低下および相分離速
度を促進させるうえで高い方が良好であるが決定
的なものではない。その温度は希釈有機溶媒の引
火点、加熱エネルギーの必要性に関連して、通
常、20〜70℃に保たれる。 本発明に使用される有機溶媒と原料水溶液とを
接触させ抽出する方法は溶媒抽出法において用い
られる周知のどの手順によつてもよい。連続の多
段接触法のみならず、バツチ、連続バツチおよび
バツチ回流法も有効である。向流の多段式抽出を
行なう場合に充填塔、パルスカラム、円盤塔など
の塔式装置が好んで用いられるが本発明には一般
に使用される周知のどの溶媒抽出法の接触装置も
使用可能である。本発明方法によれば、コバルト
とニツケルの分離効果が優れているので、ミキ
サ、セトラを1〜数段に使用することも可能であ
る。 抽出に際して、接触の行なわれる有機相と水相
の容積比は特に限定されるものではない。その最
も有効な比は有機溶媒中の抽出剤の濃度ならびに
原料水溶液中の抽出すべき金属イオンの濃度およ
び有機相と水相を接触させる方法例えば装置の様
式などに関係する。一般に上記有機相と水相の比
率はラフイネート中にコバルトを残留させるのを
最小にして有機相中へコバルトを事実上全部取入
れることができるように調整される。抽出剤1モ
ルに最高1グラム当量のコバルトを負荷させるこ
とが可能である。通常、0.5〜0.8グラム当量のコ
バルトを負荷させるように調整する。 コバルトが有機相に抽出され、水相と有機相と
が分離された後、この有機相はコバルトを除去回
収するために逆抽出回路に移され、通常無機酸と
接触させる。この逆抽出回路は任意の液一液接触
装置を用いて行ない得る、例えばミキサ、セトラ
を1〜2段に用いるこつによつて有機相からコバ
ルトを実質的に全量除去回収することができる。
有機相と無機酸の容積比は有機相中のコバルト濃
度及び無機酸の濃度に関係し、除去回収された水
相中のコバルト塩の所望する濃度に対してかなり
広範囲に設定することができる。無機酸は0.25〜
5Nの硫酸、硝酸、塩酸などが用いられる。コバ
ルト塩の種類により無機酸の種類が選択される。
またこの無機酸はコバルトの電解尾液のようなコ
バルトを含むものであつてもよい。コバルトを除
去された有機相は抽出回路に巡回される。 有機相中に含まれる微量のニツケルを除去し、
コバルトの純度を向上させるために抽出回路と逆
抽出回路との間に洗浄回路を設けることも有効で
ある。洗浄工程において、有機相は既知の溶媒抽
出接触装置を用いて、前述した液一液抽出の手順
を適用して無機酸等を含有する水溶液、コバルト
を含む水溶液、逆抽出回路で得られた水相の一
部、またはコバルトの電解尾液の一部と接触され
る。洗浄後水相に得られた金属塩は抽出工程に循
環されるか、または別途回収される。このときの
有機相と水相の接触の容積比(O/A)は広範囲
に設定できるが、工業的には、通常0.2〜2.0の範
囲が選ばれる。接触のPHは、洗浄対象金属イオン
を水相へ充分に移行させ、かつできるだけコバル
トが移行しないPHが選択される。通常3〜6の範
囲であるがPH3.5〜5.5の範囲が好適である。 接触方式は一段階のみならず多段階接触処理す
ることが可能であり、好ましくは多段式の抽出装
置を用いて有機相と水相とを向流接触させる。接
触温度は抽出工程の場合と同様に20〜70℃が好適
である。 この際洗浄に用いる無機酸およびコバルトを含
む水溶液はニツケルを含んでいてもよい。この場
合ニツケル濃度は洗浄効果に影響を与え、当然の
ことながらニツケル濃度が低い方が良好な結果を
与えるが、ニツケルが5g/〜60g/の範囲で
含まれている水溶液を用いてもかなりの効果が期
待できる。このため分離すべきコバルトとニツケ
ルを含む原料水溶液を利用でき、工業上有意義で
ある。 原料水溶液に鉄、亜鉛、銅、砒素などの不純物
が含有されるとこれらの金属イオンはコバルトに
優先して抽出されるため有機相のコバルトの純度
が悪くなる。このためこれらの金属イオンはあら
かじめ除かれていることが望ましい。しかし仮に
このようなイオンが含まれていたとしても有機相
中に抽出したのちコバルトの逆抽出時に同時に回
収すること、あるいは逆抽出時の接触のPHを選択
することによつて、まずコバルトを選択的に逆抽
出し、その後再逆抽出することによつて有機相か
ら除去することもできる。 したがつて原料水溶液中これらの金属が含まれ
ていることは特に本発明を制約するものではな
い。 また本発明はコバルトおよびニツケル塩以外の
金属塩例えばFe,Cr,Zn,Mn,Cuなどを含有
する水溶液からそれぞれの金属を抽出し、それら
の金属を抽出するためのPH条件と抽出時の段数を
適当に設定することによつてそれらの金属相互の
抽出分離が可能である。 なお、ここに記載のコバルト、ニツケル、カル
シウム、鉄などの金属はすべてコバルト、ニツ
ケル、カルシウム、鉄(または)のよう
にイオンを示すものである。 実施例 以下に本発明を実施例について説明する。 実施例 1 本発明の方法がコバルトとニツケルの分離方法
として優れていることを実証するために、抽出剤
として、1−メチルヘプチルホスホン酸−1−メ
チルヘプチルエステル(MHPNMH)を用いて
コバルトとニツケルの分離抽出能を示す実験を行
なつた。 抽出剤を0.59mol/(約20容量%)となるよ
うにケロシンに希釈溶解した抽出溶媒(有機相)
を調整した。これをコバルト硫酸塩とニツケル硫
酸塩を含む水溶液(水相)と接触させた。接触は
25℃の恒温振盪水相を使用して、10分間振盪して
行なつた。有機相対水相の容積比(O/A)は1
対1、コバルトとニツケルの初濃度はそれぞれ水
溶液中に10g/となるようにした。抽出時のPH
は、有機相中の抽出剤成分の一部をアンモニア水
であらかじめ中和しておくことによつて調整し
た。抽出液の有機相と水相とに含まれるコバルト
とニツケルの量をそれぞれ測定し、抽出率を計算
した。その結果を表1に示す。 抽出率は以下の式により示される。 抽出率(%)= 有機相中の特定の金属の量/抽出前原料水相中の
特定の金属の量 表1における抽出時の接触のPHとコバルトおよ
びニツケルの抽出率の関係を第1図に示す。
【表】 比較例 1 従来の抽出剤のコバルトとニツケルの分離抽出
性質と比較するために、2−エチルヘキシルホス
ホン酸−モノ−2−エチルヘキシルエステル
(BPNB)を抽出剤として使用したこと以外は実
施例1と同様である。 実施例1と比較例1の実施結果から、コバルト
の抽出率と随伴して抽出されるニツケルの抽出率
との関係を表2に示す。
【表】 表2の結果から、同じ炭素数を持つアルキルホ
スホン酸モノアルキルエステルのアルキル基が2
−エチルヘキシル基から1−メチルヘプチル基に
おきかわつただけでコバルトとニツケルの分離性
能に大きな効果を示すことが明らかであり、本発
明の抽出剤のコバルトとニツケルの分離性能が優
れていることが理解できる。 実施例 2 多量のニツケルを含有する原料水溶液からコバ
ルトを抽出する場合の効果を確認するための実験
を行つた。抽出剤として1−メチルヘプチルホス
ホン酸−モノ−1−メチルヘプチルエステル
(MHPNMH)を0.3mol/の濃度となるように
ケロシンに溶解し、これをコバルトとニツケルの
硫酸塩を含む水溶液と接触させた。接触は、温度
50℃において10分間振盪して行なつた。有機相対
水相の容積比(O/A)は1対1、コバルトとニ
ツケルを含む水溶液の初濃度はコバルトが4.9g/
、ニツケルが106g/となるように行なつた。
実施例1と同様の方法でPHをアンモニア水で調整
した。 各PHにおけるコバルトとニツケルの抽出率を表
3に示す。またコバルトとニツケルの分離抽出効
果を分離係数によつて表わし、コバルトの抽出率
に対する分離係数を第2図に示す。コバルト−ニ
ツケル分離係数は下式で示される。 コバルト−ニツケル分離係数=DCp/DNi;ただし D(分配比)=有機相中の金属の濃度/水相中の金属
の濃度 実施例 3 抽出剤として2−エチルヘキシルホスホン酸−
モノ−1−メチルヘプチルエステル(BPNMH)
を用いたこと以外は実施例2と同様である。その
結果を表3および第2図に示す。 比較例 2 抽出剤として2−エチルヘキシルホスホン酸−
モノ−2−エチルヘキシルエステル(BPNB)
を用いたこと以外は実施例2と同様である。その
結果を表3および第2図に示す。
【表】 表3および第2図から明らかなように、本発明
の方法における抽出剤MHPNMH,BPNMHは
ニツケルを多量に含む原料水溶液からコバルトを
抽出する場合にも、従来の抽出剤BPNBよりも
コバルトとニツケルの分離性能が良いことが明ら
かである。すなわちアルキルホスホン酸モノアル
キルエステルの分枝アルキル基のいずれか一方を
α分枝アルキル基(PまたはOに結合する炭素に
分枝アルキルを持つアルキル基)に置き換えるこ
とによつて、抽出剤のコバルトとニツケルの分離
効果を向上させる結果を得た。 実施例 4 原料水溶液中にコバルトおよびニツケルと共に
カルシウムが含まれている場合のコバルトとニツ
ケルの分離抽出効果およびカルシウムの抽出効果
を試験した。 抽出剤としてMHPNMHを用い0.6mol/の
濃度となるようにケロシンに溶解し、これをコバ
ルト、ニツケル、およびカルシウムの硫酸
塩を含有する水溶液と接触させた。接触は温度50
℃において10分間振盪して行ない、抽出時のPHの
調整は実施例1と同様に実施した。有機相対水相
の容積比(O/A)は1対1、水溶液中の金属の
初濃度はコバルトが11.3g/、ニツケルが
11.0g/、カルシウムが0.34g/となるように
した。コバルト、ニツケル、カルシウムの抽出率
と抽出時のPHとの関係を第3図に示す。 また、コバルトの抽出率に対するコバルトとニ
ツケルの分離係数の変化を第7図に、コバルトと
カルシウムの分離係数の変化を第8図に示す。 実施例 5 抽出剤としてBPNMHを用いたこと以外は実
施例4と同様である。コバルト、ニツケル、カル
シウムの抽出率と抽出時のPHとの関係を第4図に
示す。 実施例 6 抽出剤としてMHPNBを用いたこと以外は実
施例4と同様である。コバルト、ニツケル、カル
シウムの抽出率と抽出時のPHとの関係を第5図に
示す。 比較例 3 抽出剤としてBPNBを用いたこと以外は実施
例4と同様である。コバルト、ニツケル、カルシ
ウムの抽出率と抽出時のPHとの関係を第6図に示
す。 実施例4〜6および比較例3の結果を示す第3
図〜第7図から明らかなように、コバルトとニツ
ケルを含有する原料水溶液中にカルシウムが共存
する場合にも、本発明方法における抽出剤は、従
来の抽出剤BPNBよりコバルトとニツケルの分
離が良好であることが理解できる。本発明におけ
る抽出剤の中でもBPNMH、すなわち抽出剤の
構造式
【式】のR1がα位を除く炭素に分 枝を持つ分枝アルキル基であり、R2がα分枝ア
ルキル基であるアルキルホスホン酸モノアルキル
エステルを用いるとコバルトとニツケルとを効果
的に分離させることができる。 また第8図からコバルトとカルシウムの分離に
おいてもBPNMH、すなわちR1がα位を除く炭
素に分枝を持つ分枝アルキル基、R2がα分枝ア
ルキル基である抽出剤が最も良好であり、次いで
R1およびR2の両方がα分枝アルキル基である抽
出剤が良好であることがわかる。これらはコバル
トをニツケルとカルシウムが同時に含有される水
溶液から抽出する際にカルシウムの随伴抽出量を
抑制することが可能であることを意味する。従つ
て有機相からコバルトを希硫酸などによつて逆抽
出する際に、カルシウムが飽和濃度以上となつて
沈澱することがない。 実施例 7 コバルトを抽出した有機相からコバルトの逆抽
出回収実験を行なつた。 実施例1においてPH5.6に調整した場合に得ら
れたコバルト9.71g/とニツケル0.41g/を含
有する有機相を使用し、これを室温(25℃)にお
いて0.5Nの硫酸と接触させて、有機相に含まれ
るコバルトを水相へ逆抽出回収した。この際、毎
回新しい0.5Nの硫酸を使用し、合計3回の接触
および分液を行なつた。また各回の接触時間は5
分間であり、有機相対水相の比(O/A)が2で
あつた。実験結果を表4に示す。
【表】 逆抽出後の有機相に含まれるコバルトの濃度は
0.0g/であり、有機相からコバルトを低濃度の
硫酸によつて容易に除去回収できることがわか
る。また有機相中のコバルトおよびニツケルの合
計当量より少ない硫酸を使用することによつて、
有機相中のニツケルをコバルトに優先して除去で
きることも理解できる。硫酸の代わりに塩酸また
は硝酸を使用しても同様の結果が得られた。 発明の効果 本発明方法によれば特定のアルキルホスホン酸
モノアルキルエステルを抽出剤として選択したた
めコバルトとニツケルが共存する水溶液からコバ
ルトとニツケルがそれぞれ高純度、高回収率で分
離回収が可能である。さらにカルシウムが同時に
混在する場合にも、他の金属イオンの影響を受け
ることなくコバルトを高純度、高回収率で抽出、
分離することが可能である。さらに従来の抽出剤
であるジー2−エチルヘキシルリン酸を使用する
場合より、抽出および洗浄工程において使用する
液一液接触装置の必要段数が大幅に減少される。
洗浄工程を採用する場合も洗浄水相へニツケルと
共に移行するコバルトの量が大幅に減少する。こ
のことにより装置を小型化することが可能であ
り、必要とする抽出用有機溶媒の量を減少させ、
さらに抽出制御のために使用されるアルカリ量を
低減させることができる。従つて莫大な投資額の
低減及び操業時の装置の運転費の低減、更には運
転制御を簡易化することができる大きな利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1における抽出時のPHとコバル
トおよびニツケルの抽出率との関係を示すグラ
フ;第2図は実施例2〜3におけるコバルト抽出
率とコバルト−ニツケル分離定数の関係を示すグ
ラフ;第3図〜第6図はそれぞれ実施例4,5,
6および比較例3における抽出時のPHとコバル
ト、ニツケルおよびカルシウムの抽出率との関係
を示すグラフ;第7図は実施例4,5,6および
比較例3におけるコバルト抽出率とコバルト−ニ
ツケル分離定数との関係を示すグラフ;第8図は
実施例4,5,6および比較例3におけるコバル
トの抽出率とコバルト−カルシウム分離係数との
関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の一般式で示されるアルキルホスホン酸
    モノアルキルエステルを抽出剤として含有する抽
    出溶媒を少なくともコバルトとニツケルとを含有
    する水溶液と混合接触させ、該水溶液からコバル
    トを分離する方法。 ここで、R1およびR2はそれぞれ炭素数が3〜
    18でありかつ【式】(R3およびR4はア ルキル基)で表わされるα分枝アルキル基もしく
    はR1およびR2のいずれか一方がα分枝アルキル
    基で他方が分枝アルキル基である。 2 前記置換基R1およびR2が1−メチルヘプチ
    ル基である特許請求の範囲第1項に記載の方法。 3 前記置換基R1およびR2のうちのいずれか一
    方が1−メチルヘプチル基であり、他方が2−エ
    チルヘキシル基である特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。 4 下記の一般式で示されるアルキルホスホン酸
    モノアルキルエステルを抽出剤として含有する抽
    出溶媒を少なくともコバルト、ニツケルおよびカ
    ルシウムを含有する水溶液と混合接触させ、該水
    溶液からコバルトを分離する方法。 ここで、R1およびR2は、それぞれ炭素数3〜
    18でありかつ【式】(R3およびR4はア ルキル基)で表わされるα分枝アルキル基、もし
    くはR1およびR2のうちいずれか一方がα分枝ア
    ルキル基で他方が分枝アルキル基である。 5 前記置換基R1が1−メチルヘプチル基もし
    くは2−エチルヘキシル基であり、R2が1−メ
    チルヘプチル基である特許請求の範囲第4項に記
    載の方法。
JP24781883A 1983-12-28 1983-12-28 コバルトおよびニッケルを含有する水溶液からコバルトを分離する方法 Granted JPS60231420A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24781883A JPS60231420A (ja) 1983-12-28 1983-12-28 コバルトおよびニッケルを含有する水溶液からコバルトを分離する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24781883A JPS60231420A (ja) 1983-12-28 1983-12-28 コバルトおよびニッケルを含有する水溶液からコバルトを分離する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60231420A JPS60231420A (ja) 1985-11-18
JPH0448733B2 true JPH0448733B2 (ja) 1992-08-07

Family

ID=17169114

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24781883A Granted JPS60231420A (ja) 1983-12-28 1983-12-28 コバルトおよびニッケルを含有する水溶液からコバルトを分離する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS60231420A (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5470553A (en) * 1993-12-07 1995-11-28 Industrial Technology Research Institute Method for separating cobalt, nickel, and aluminum ions in sulfuric acid aqueous solutions and the extractant compositions used therein
AP2007004030A0 (en) * 2004-12-30 2007-06-30 Bhp Billiton Ssm Tech Pty Ltd Extraction of nickel and cobalt from a resin eluate stream
JP5881952B2 (ja) * 2011-01-24 2016-03-09 住友金属鉱山株式会社 硫酸コバルトの製造方法
US9428820B2 (en) 2011-12-26 2016-08-30 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Method for producing cobalt sulfate
JP6094822B2 (ja) * 2014-02-03 2017-03-15 住友金属鉱山株式会社 脂溶性リン化合物の定量方法
JP6565591B2 (ja) * 2015-06-22 2019-08-28 住友金属鉱山株式会社 カルシウムの分離方法
JP6759882B2 (ja) * 2016-09-05 2020-09-23 住友金属鉱山株式会社 ニッケル、コバルトを含有する溶液の製造方法
JP7156491B1 (ja) * 2021-04-22 2022-10-19 住友金属鉱山株式会社 硫酸コバルトの製造方法
JP7099592B1 (ja) * 2021-06-25 2022-07-12 住友金属鉱山株式会社 硫酸コバルトの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS60231420A (ja) 1985-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE32694E (en) Separation of cobalt and nickel by solvent extraction
US5378262A (en) Process for the extraction and separation of nickel and/or cobalt
US3399055A (en) Separation of cobalt by liquid extraction from acid solutions
CN111268750B (zh) 镍盐生产方法
USRE36118E (en) Chemical process of separating metals from an organic complex
JP6798078B2 (ja) イオン交換処理方法、スカンジウムの回収方法
WO2017159372A1 (ja) スカンジウム精製方法
WO2015110702A1 (en) Method for recovery of copper and zinc
US4241027A (en) Reductive stripping process for the recovery of either or both uranium and vanadium
JPH0448733B2 (ja)
JPH0445570B2 (ja)
US4258016A (en) Process for recovering Ni (II), Cu (II) and Co (II) from an ammoniacal-ammonium sulfate leach liquor
US4563213A (en) Extraction and stripping cobalt values
US4915919A (en) Recovery of germanium from aqueous solutions by solvent extraction
US4194905A (en) Solvent-extraction process for recovery and separation of metal values
JP4259165B2 (ja) コバルトとカルシウムを含む硫酸ニッケル水溶液の精製方法
JP7293976B2 (ja) スカンジウムの回収方法
JPH0514013B2 (ja)
JPH0377859B2 (ja)
JP2636940B2 (ja) 水溶液からの鉄イオンの抽出方法および抽出溶媒からの鉄イオンの逆抽出方法
JPH0432712B2 (ja)
JPS6139386B2 (ja)
WO1997001649A1 (en) Method for selective separation of cadmium from an acidic aqueous solution
JPH0448038A (ja) インジウムの分離方法およびインジウムとガリウムとの分離方法
AU2022306695B2 (en) "process for producing high purity aluminium materials"