JPH0377343B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は金属薄板からなる表面材と防火性を有
するシート状物からなる裏面材間に防火性を有す
るプラスチツクフオームを一体に介在させ、準不
燃試験（表面試験、ボツクス試験）、防火構造試
験に合格できると共に、軽量にして断熱性、生産
性、コストダウン、係合力の強化に富むサイデイ
ングボード（以下、単にボードという）に関する
ものである。 従来から使用されているこの種ボードは金属薄
板を凹状に成形した表面材の左右側壁に雄、雌型
連結部を形成し、その裏面にポリウレタンフオー
ム、ポリイソシアヌレートフオーム、フエノール
フオーム等を充填し、その露出面をシート状物か
らなる裏面材で被覆した構造となつている。しか
しながら、この種のボードでは準不燃試験（JIS
−Ａ−1321）における表面試験には合格するが、
ボツクス試験、防火試験（JIS−Ａ−1301木造下
地２級）には合格できない欠点があつた、それ
は、ボツクス試験においてフラツシユオーバする
ことと、防火試験において裏面温度が260℃以上
になることであつた。特にボツクス試験では目地
部からの可燃ガスの噴出、防火試験では目地部裏
面の温度上昇が最大の弱点となつていた。 本発明はこのような欠点を除去するため、ボー
ドの目地部を表面材同士が確実に接触すると共
に、目地部フオーム量を低減して高熱下の初期に
炭化し、目地部からのガス噴出を抑制し、かつ、
プラスチツクフオーム、裏面材を防火性を有する
材質で構成することによつて準不燃試験、防火試
験に合格しうるボードを提案するものである。 以下に、図面を用いて本発明に係るボードの一
実施例について詳細に説明する。第１図は上記ボ
ードの一例を示す斜視図であり、１は表面材で金
属薄板、例えば表面処理鋼板、ステンレス板、ガ
ルフアン、ガルバリウム鋼板、アルミニウム板、
銅板、塩ビ鋼板、フツソ処理鋼板、ホウロウ鋼
板、制振鋼板の１種からなり、１５はプラスチツ
クフオーム（以下、単にフオームという）、１６
は裏面材である。さらに説明すると、表面材１は
第２図に示すように長尺状の化粧面２とその長手
方向と平行な両側縁を内方に屈曲した側壁３，４
とから断面凹状に形成した主体部５と側壁３，４
の下端に形成した雄、雌型連結部６，９とから構
成したものであり、主に防火材、化粧材、補強
材、型材、不燃材、防水材として機能するもので
ある。すなわち、化粧面２は平板、エンボス模
様、チツプを貼着した表面構造としたものであ
る。また、雄型連結部６は側壁３の下端を内側方
へ屈曲した上辺６ａ、次に外側方へ屈曲してコ字
状のめくら穴６ｂを形成し、その下辺６ｃを外側
方へ延ばした差込縁７とその先端を外方へ折り返
した舌片８とから形成し、第３図に示すようにボ
ードＡを連結した際の目地部Ｂからの可燃ガス、
分解ガスの化粧面２側への噴出を弾力性とエアサ
イクルによつて防止するると共に、連結構造、防
火構造に対する補強、およびフオーム形成時の型
材としても機能するものである。さらに、雌型連
結部９は側壁４の下端を内方へＵ字状に屈曲した
差込溝１０とその下縁１１を外側方へ穿設した延
長部１２とその先端を外方へ屈曲した舌片１３と
延長部１２の途中に側壁４と平行に形成した突条
１４とから構成したものである。特に、差込溝１
０、舌片１３、突条１４の寸法はボードＡ間の連
結、目地部Ｂの間隔、防火、防水の関係で設定さ
れるものである。なお、表面材１の寸法は、例え
ば化粧面２の幅をW₁、側壁３から突出している
差込縁７の幅をW₂、めくら穴６ｂの幅をW₃、差
込縁７の幅をW₄、側壁４から舌片１３までの幅
をW₅、差込溝１０の幅をW₆、差込溝１０の最奥
から舌片１３までの幅をW₇、側壁３の全高さを
h₁、化粧面２からめくら穴６ｂまでの高さをh₂、
めくら穴の開口高さをh₃、側壁４の高さをh₄、差
込溝１０の高さをh₅、舌片１３、突条１４の高さ
をh₆、h₇、表面材１の板厚をｔとしたとき、W₁
＝180〜450mm、W₂≧W₆、W₃≒５〜20mm、W₄＝
W₂＋W₃、またはW₅≒W₇−W₆、W₇≒W₅＋W₆、
h₁＝h₂＋h₃、h₄＋h₅＋ｔ＝H₃、h₆、h₇＝１〜３mm
である。また、フオーム１５は防火性、断熱性、
接着性を有するもので、例えばポリイソシアヌレ
ートフオーム、フエノールフオーム、シリコンフ
オーム、変性ポリウレタンフオーム、およびこれ
らに長短のガラス繊維、シリコン、パーライト、
雲母、アスベスト、炭素繊維、硼砂等の１種以上
を添加したものであり、主体部５の空間に充填し
た芯材部１５ａおよび補強片、延長部１２よりも
下方へ膨出した膨出部１５ｂとから一体に構成し
たものである。なお、膨出部１５ｂは便宜上、区
分したものであり、実質は一体物からなるもので
ある。また、フオーム１５の厚さは最厚部をH₁、
差込縁７の裏面からフオームの裏面までの厚さを
H₂、化粧面２の裏面から下縁までの厚さをH₃、
延長部１２の裏面から裏面までの厚さをH₄、側
壁３から切り欠き部１７の側壁までの幅をW₈と
すると、H₁＝H₃＋H₄、H₂＝H₁−h₁、H₂＞H₄、
W₈＝W₇−W₂である。裏面材１６はフオーム１
５の露出面を被膜すると共に、主に離型材、型
材、防火材、防水材、遮熱材、ガス漏洩防止用の
不通気材として機能せしめるものである。その具
体例としてはアスベスト紙、ガラス繊維シート、
塩化ビニールシート、金属箔（Al、Fe、Cu）の
１種、または２種以上、これにネツト状物、防水
処理、防火処理を付加したシート状物からなるも
のである。 次に実施例につき説明する。 表面材１は0.27mmのカラー鋼板でW₁＝360mm、
W₂＝20mm、W₃＝20mm、W₄≒40mm、W₅＝20mm、
W₆＝13mm、W₇＝33mm、h₁＝８mm、h₂＝４mm、h₃
＝４mm、h₄＝８mm、h₅＝2.5mm、フオーム１５は
H₁＝25mm、H₂＝14mm、H₃＝11mm、H₄＝14mmと
し、フオーム１５を原料状態で表面材１に吐出し
てモールデイグしたポリイソシアヌレートフオー
ム（密度50Kg／cm³）、日本ポリウレタン社製、裏
面材１６はアスベスト紙に20ミクロンのアルミニ
ウム箔をラミネートしたものである。 また、ボードＡ間の目地部の幅△ｔは７mmとし
たものである。また、比較例としては表面材１に
おいて、上辺６ａ、めくら穴６ｂ、下辺６ｃを除
いた以外、第２図と同じ寸法のものを用いたボー
ドからなるものである。 そこで、両ボードに対して表面試験、ボツクス
試験、防火試験を行なつたところ下記のような結
果になつた。

【表】

【表】 以上説明したのは本発明に係るボードの一実施
例にすぎず、第４図ａ〜ｃに示すように形成する
ことができる。なお、第４図において、１８はコ
ーキング材である。 上述したように本発明に係るボードによれば、
フオームを用いたボードにおいて準不燃試験、ボ
ツクス試験、防火試験に合格しうる特徴がある。
また、製造は従前とほぼ同じであり、フオームも
単一品か、それに近いものであり、大量に生産で
きる特徴がある。さらに、断熱性、強度、耐食性
は従前より大きく改善された割りにはコストアツ
プもない利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るサイデイングボードの一
例を示す斜視図、第２図はその要部である表面材
を示す斜視図、第３図は上記ボードの連結状態を
示す説明図、第４図ａ〜ｃはサイデイングボード
のその他の実施例を示す説明図である。 １…表面材、１５…プラスチツクフオーム、１
６…裏面材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 長尺状の化粧面と該化粧面の長手方向と平行
   な両側縁を内方に屈曲した側壁とから断面凹状に
   形成した主体部と、上記側壁の両側壁下端に形成
   した雄、雌型連結部とからなる表面材と、上記表
   面材の主体部、および雄、雌型連結部から下方に
   膨出させて一体に充填したプラスチツクフオーム
   と、該フオームの露出面をシート状物からなる裏
   面材で被覆したサイデイングボードにおいて、前
   記雄型連結部は前記側壁の１つの下端を内側方
   へ、次に外側方へ延ばしてめくら穴を形成し、そ
   の先端を外側方へ突出した差込縁と、該差込縁の
   先端を内方へ折り返して前記プラスチツクフオー
   ムの一側壁上端まで延ばした補強片とから形成
   し、また雌型連結部は前記主体の他側壁下端を内
   方へＵ字状に屈曲して上記雄型連結部を嵌挿する
   係合溝とその下端を外側方へ水平に突出した延長
   部とその途中に前記側壁と平行に穿設した突条と
   前記延長部の先端を外方へ屈曲した舌片とから構
   成し、かつ、前記裏面材は防火性を有するシート
   状物で形成したことを特徴とするサイデイングボ
   ード。