JPH037659Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、圧力補償付流量制御弁を組込んだ
一体形の比例圧力制御弁に関するものである。

（従来の技術） 従来、比例圧力制御弁は、制御流量を一定にす
る必要のために、その流入側に別体として圧力補
償付の流量制御弁を設ける必要があつた。

（考案が解決しようとする課題） このために、比例圧力制御弁を設ける際には、
常に流量制御弁を設けることを考慮して設計しな
ければならず、そのスペースも増大すると共に、
該流量制御弁が複雑になる構造を持ち、且つ高価
であるために、比例圧力制御弁を用いる機器も高
価となる欠点を有していた。

そこで、この考案は、比例圧力制御弁に流量制
御弁を一体として組込み、且つ構成機器を共用化
して小型なものとした圧力補償付流量制御弁内蔵
型電磁比例圧力制御弁を提供することを目的とし
ている。

（課題を解決する手段） しかして、この考案の要旨とするところは、電
磁コイルに給電される電流による弁体に加わるば
ね負荷を調整する駆動部と、本体に形成の小径孔
に入口孔を接続すると共に該小径孔に、大径孔と
小径孔より成るスリーブを持ち、この大径孔側に
あつて径方向に内部へ貫通するオリフイスが形成
され、該スリーブの大径孔内にその内径より小さ
いロツドをその先端が該スリーブに当接させて収
納し、このロツドには前記スリーブの小径孔と大
径孔とを連通する孔が形成されていると共に、ス
プリングを介して前記孔の開口面積制御のピスト
ンを外嵌しながら、前記スリーブ内に摺動自在に
挿入され、さらにスリーブに一次圧を前記ピスト
ンにスプリングを抗する方向に圧力を加える導入
孔を形成した流量制御弁を設けると共に、該流量
制御弁のスリーブでアクチユエータ連通孔と連通
の小径孔と前記弁体とで圧力調整機構を構成した
圧力制御部と、より成ることにある。

（作用） したがつて、流量制御弁が比例圧力制御弁の圧
力制御部の本体内に内在されて一体化され、且つ
部品も一部共用化されるようになるため、スペー
スの増大が防がれると共に、回路の組付配管も減
少する利点を持つもので、前記目的を達成できる
ものである。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。

図において、比例圧力制御弁は、大別して駆動
部１ａと圧力制御部１ｂとより成り、駆動部１ａ
は、本体２ａ内に電磁コイル３が設けられ、該電
磁コイル３により動かされるプランジヤ４が電磁
コイル３内に配されている。

プランジヤ４は、ガイドケース５内を摺動自在
に嵌挿され、該プランジヤ４は、その中心軸方向
にプツシユロツド６が固着されている。このプツ
シユロツド６は、その一端が駆動部１ａの本体２
ａに形成の孔７から突出して該本体２ａに固接の
圧力制御弁１ｂの本体２ｂの大径孔１０ｂ内に設
けられたばね受２８に当接されている。

なお、プランジヤ４はばね２８にてばね受方向
に力が加えられている。

圧力制御部１ｂは、その本体２ｂに貫通の孔１
０が形成され、この孔１０は、上方が大径孔１０
ｂに下方が小径孔１０ａとなつている。

小径孔１０ａには入口孔１１が、大径孔１０ｂ
にはドレン孔１２が形成されており、前記小径孔
１０ａと入口孔１１とで油の流入油路１３が形成
されている。

前記小径孔１０ａには、流量制御弁１４が下記
のように配されている。

流量制御弁１４は、スリーブ１５があつて、上
流側が大径孔１５ａに、下流側が小径孔１５ｂと
成つて、大径孔１５ａと小径孔１５ｂに段部１５
ｃが形成されており、大径孔１５ａの下端側に
は、下記するようにプラグ１６がねじ込まれてい
る。このスリーブ１５の大径孔１５ａ側には、直
径方向に内部へ貫通するオリフイス１７が形成さ
れ、一次圧が絞られて流量が一定に制御され該ス
リーブ内の大径孔１５ａ内に流入される。

スリーブ１５の大径孔１５ａ内には、その軸方
向に下記するロツド１９が下記のように組付けら
れ、その先端１９ａの円錐面を段部１５ｃに当接
されて配されている。ロツド１９は大径孔１５ａ
よりも半分ぐらいの小径であり、その先端１９ａ
に円錐面を有し、該先端１９ａから中程までに軸
方向に伸びる孔２１が形成されて中程で開口して
おり、先端１９ａはスリーブ１５の小径孔１５ｂ
を介してスリーブ１５の大径孔１５ａと小径孔１
５ｂとを連通している。このロツド１９には、ス
プリング２２を外嵌すると共に、その後からピス
トン２０を摺動自在に外嵌させ、このような状態
からロツド１９を前記スリーブ１５の大径孔１５
ａに挿入して組付けて、しかる後にプラグ１６を
大径孔１５ａに螺合している。したがつて、ロツ
ド１９はピストン２０を介してスプリング２２の
力でその先端１９ａの円錐面が段部１５ｃに圧接
されると共に、ラジアル方向はピストン２０によ
り保持されるものであるし、また、ピストン２０
の位置により前記孔２１の開口面積が変化される
ものである。

なお、スリーブ１５には、一次圧を導びく導入
孔２３が形成され、この導入孔２３を介してピス
トン２０の背後に圧力をかけている。

上述の流量制御弁１４において、油は、まずオ
リフイス１７を介してスリーブ１５の大径孔１５
ａとロツド１９とピストン２０とより成る室３０
内に、その絞り作用で一定流量とされて導入さ
れ、更に孔２１及び小径孔１５ｂ、アクチユエー
タ連通孔３１を介して外部機器へ流出されるもの
であるが、油の圧力補償は、ピストン２０に加わ
る一次圧、室３０内の圧力（外部機器であるアク
チユエータの負荷の変動により影響されている二
次圧）との差圧で、該ピストン２０がスプリング
２２に抗しその位置が決定され、該ピストン２０
の位置により孔２１の開口面積が変化され、例え
ば一次圧の増加又は二次圧の減少で、オリフイス
１７を挟んだ差圧が増加すると、孔２１の開口面
積がせばめられ、逆に差圧が減少の場合には孔２
１の開口面積を増やして、オリフイス１７では避
け得ない流量の変動を該孔２１を介して流量の補
正を行なうものである。

以上のような構成の流量制御弁１４は、圧力制
御部１ｂの本体２ｂの小径孔１０ａ内に押圧挿入
され、しかる後に、該小径孔１０ａに螺合するプ
ラグ２７にてその背後から押圧されて保持されて
いる。

なお、小径孔１０ａは、その一部を除いて数mm
程度径が拡大されているので、流量制御弁１４の
圧入されると、該スリーブ１５の回りに空間２９
が構成されている。

圧力制御弁１ｂの本体２ｂに形成の大径孔１０
ｂ内には、円錐部２４ａとつば２４ｂとより成つ
ている圧力制御用の弁体２４がつば２４ｂを挟ん
で前後に配されたばね２５ａ，２５ｂにより支え
られ、円錐部２４ａの先端が前記した流量制御弁
１４のスリーブ１５の小径孔１５ｂ内に臨まされ
て、該小径孔１５ｂと弁体２４とで圧力調整機構
２６が構成されている。したがつて、スリーブの
小径孔１５ｂが共用化されて部品点数が削減され
る。

弁体２４を支えるばね２５ａの一方は、前記プ
ツシユロツド６に当接のばね受２８に当接され、
他方のばね２５ｂの一方は、本体２ｂに当接さ
れ、したがつて、弁体２４をばね２５ａ，２５ｂ
を前記ばね８とのバランスした位置に保持してい
る。

しかし、前記駆動部１ａの電磁コイル３に通電
され、その電流量の変化によりプツシユロツド６
を介してばね受２８が適宜に変位して、ばね２５
ａ，２５ｂのたわみ量が変化し、弁体２４に加え
られるばね負荷（ばねセツト）が変化される。し
たがつて、圧力は電流量に比例して変化させるこ
とができるものである。

（考案の効果） 以上のように、この考案によれば、流量制御弁
を比例圧力制御弁の圧力制御部の本体内に内在さ
れて一体化され、且つ部品も共用化されるために
スペースの増大が防がれると共に、流量制御御弁
が比例圧力制御弁内に一体として設けられたの
で、比例圧力制御弁の回路に組付時に流量制御弁
を組付を考慮せずに行なうことができ、回路の組
付配管及び作業も減少する効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の断面図、第２図は同上の要
部拡大断面図である。 ３……電磁コイル、１３……流入油路、１４…
…流量調整弁、１５……スリーブ、１７……オリ
フイス、２４……弁体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電磁コイル３に給電される電流による弁体２４
   に加わるばね負荷を調整する駆動部１ａと、 本体２ａに形成の小径孔１０ａに入口孔１１を
   接続すると共に該小径孔１０ａに、大径孔１５ａ
   と小径孔１５ｂより成るスリーブ１５を持ち、こ
   の大径孔１５ａ側にあつて径方向に内部へ貫通す
   るオリフイス１７が形成され、該スリーブ１５の
   大径孔１５ａ内にその内径より小さいロツド１９
   をその先端が該スリーブ１５に当接させて収納
   し、このロツド１９には前記スリーブ１５の小径
   孔１５ｂと大径孔１５ａとを連通する孔２１が形
   成されていると共に、スプリング２２を介して前
   記孔２１の開口面積制御のピストン２０を外嵌し
   ながら、前記スリーブ１５内に摺動自在に挿入さ
   れ、さらにスリーブ１５に一次圧を前記ピストン
   ２０にスプリング２２を抗する方向に圧力を加え
   る導入孔２３を形成した流量制御弁１４を設ける
   と共に、該流量制御弁１４のスリーブ１５でアク
   チユエータ連通孔３１と連通の小径孔１５ｂと前
   記弁体２４とで圧力調整機構２６を構成した圧力
   制御部１ｂと、 より成ることを特徴とする圧力補償付流量制御弁
   内蔵型電磁比例圧力制御弁。