JPH0376358B2 - - Google Patents

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JPH0376358B2
JPH0376358B2 JP8172883A JP8172883A JPH0376358B2 JP H0376358 B2 JPH0376358 B2 JP H0376358B2 JP 8172883 A JP8172883 A JP 8172883A JP 8172883 A JP8172883 A JP 8172883A JP H0376358 B2 JPH0376358 B2 JP H0376358B2
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JP
Japan
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lubricating oil
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zinc
zinc dithiophosphate
carbon atoms
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Masaaki Shiomi
Michihide Tokashiki
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は耐摩耗性を改善した潤滑油組成物に関
するものであり、更に詳しく言えばジチオリン酸
亜鉛とジアミンとの反応生成物を潤滑油基油に添
加することにより耐摩耗性を向上せしめた潤滑油
組成物に関するものである。 最近内燃機関、特に自動車用エンジンは高出力
化が進み、動弁及びシリンダ等のエンジン各部は
200℃以上の高温に曝されたり、又金属同志の単
位時間当りの接触回数が増えるといつた著しく苛
酷な条件下に置かれるようになつた。このため
に、動弁及びシリンダ等は摩擦による摩耗の度を
増し、一方潤滑油は空気や燃焼生成物等のために
酸化され易くなり、その寿命が相対的に短くなつ
てきている。従つて、今日自動車用潤滑油として
耐摩耗性や酸化防止性を大幅に改善した製品が切
望されている。 一般に、自動車用潤滑油には従来より耐摩耗性
等の効果を得るためにジチオリン酸亜鉛が約0.1
〜5重量%添加されており、耐摩耗性等の効果を
更に向上せしめるにはその添加量を増加させれば
よいと考えられていた。しかしながら、ジチオリ
ン酸亜鉛の添加量を増加すると、該化合物中のリ
ン成分が排気浄化装置(マフラー中の排気浄化触
媒)の性能低下を惹起することが判明し、その添
加量には限界があることが分つた。 又、前述のように潤滑油の酸化を防ぎ金属の摩
耗を防止する添加剤として有効なジチオリン酸亜
鉛は、潤滑油中の他の添加剤化合物と相互に干渉
しあい、潤滑油の性能に微妙な影響を及ぼすとさ
れ、最近その機構の糾明或は応用等について種々
の研究がなされている。 これまでの研究によれば、ジチオリン酸亜鉛
は、清浄分散剤として知られるコハク酸イミドが
共存すると潤滑油組成物の酸化防止性が改善され
ることが確認されている。これはジチオリン酸亜
鉛とコハク酸イミドが、所謂錯体を形成するため
であると考えられている。このために、ジチオリ
ン酸亜鉛とコハク酸イミドとの錯体を潤滑油に添
加することも提案されてはいるが、ジチオリン酸
亜鉛とコハク酸イミドとの錯体を添加することに
よつては潤滑油の耐摩耗性においては殆んど成果
は得られず、従つて斯る潤滑油組成物は実用に供
し得るものではない。 一方、ジチオリン酸亜鉛はコハク酸イミド以外
にもアルキルアミンやアンモニア等一部の窒素含
有化合物と錯体を形成することが知られている。
例えばエチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン等のアルキルアミンはジチオリン酸亜鉛と錯
体を形成することができる。しかしながら、これ
ら錯体を潤滑油に添加してもジチオリン酸亜鉛を
単独で添加した場合以上の耐摩耗性を発揮し得る
ものではなかつた。 従つて、本発明の目的は鉱油系又は合成系潤滑
油の耐摩耗性等の性能を著しく改善した潤滑油組
成物を提供することである。 本発明者等は、上記目的、即ち、耐摩耗性等の
改善された潤滑油組成物を得るために数多くの研
究及び実験を重ねた結果、ジチオリン酸亜鉛とア
ミン化合物との錯体が潤滑油の耐摩耗性の改善に
極めて有効であることを見出し、更に鋭意研究を
重ねた結果、ジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯
体が耐摩耗性に極めて優れていることを見出し
た。本発明は斯る新しい知見に基づきなされたも
のである。 つまり、本発明はジチオリン酸亜鉛とジアミン
との反応生成物を、潤滑油基油に約0.05〜5重量
%添加したことを特徴とする潤滑油組成物であ
る。前記反応生成物とは未反応物を全く含まず全
てがジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯体である
場合及び若干の未反応物をも含む場合をも意味す
るものとする。 本発明において、ジチオリン酸亜鉛とジアミン
との錯体は次の構造式を有し、 ここで、R1及びR2は同一又は異なつていてよく、
炭素数1〜10のアルキル、アリール又はアルキル
アリールを表わし、R′は炭素数2〜18のアルキ
レンであつて、A、B、C及びDは同一又は異な
つていてよく、水素又は炭素数1〜18のアルキ
ル、アリールアルキル、シクロアルキル若しくは
アルキルアリールを表わし、配位数としてはn=
1、m=1又はn=2、m=1又はn=1、m=
2の3通りとすることができるものとすることが
できる。 更に説明すれば、ジチオリン酸亜鉛は、炭素数
1〜10のアルキル、アリール又はアルキルアリー
ル基を含むもので、特に好ましいジチオリン酸亜
鉛は炭素数3〜8のアルキル基を含むものであ
る。具体例として、ジイソプロピルジチオリン酸
亜鉛、ジイソブチルジチオリン酸亜鉛、ジイソヘ
キシルジチオリン酸亜鉛、ジイソオクチルジチオ
リン酸亜鉛等を挙げることができる。 ジアミンは、炭素数2〜18のアルキレン及び2
個の窒素原子を骨格とし、この窒素原子に水素又
は炭素数1〜18のアルキル、アリールアルキル、
シクロアルキル若しくはアルキルアリールより選
ばれる1乃至4種の原子又は基を含むものであ
る。特に好ましいジアミンは、炭素数2〜12のア
ルキレン及び2個の窒素原子を骨格とし、この窒
素原子に水素又は炭素数1〜2のアルキルより選
ばれる1乃至3種の原子又は基を含むものであ
る。具体例としては、エチレンジアミン、ジエチ
ルエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン及びジアミノドデ
カン等を挙げることができる。 又、本発明の錯体はジチオリン酸亜鉛の亜鉛原
子にこれらジアミンが1乃至2個配位したもの、
或は2個のジチオリン酸亜鉛のそれぞれの亜鉛原
子に1個のジアミンの2つの窒素原子がそれぞれ
配位したものである。 ジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯体は、ジチ
オリン酸亜鉛を希釈剤に溶解し、これにジアミン
を加え、約30〜200℃(好ましくは約60〜100℃)
且つ常圧で約1〜30分間撹拌して製造することが
できる。錯体形成反応の完了は原料の完全な溶
解、即ち、溶液の均一化により確認することがで
きる。 ジアミンの使用量は、ジチオリン酸亜鉛1モル
に対し0.05〜2モル、特に0.1〜1.2モルの範囲が
好ましい。ジアミンが0.05モル未満の場合には遊
離のジチオリン酸亜鉛が多いので耐摩耗性効果が
小さく、ジアミンが2モルを越えると未反応ジア
ミンが沈殿するので好ましくない。 希釈剤としては潤滑油沸点範囲内又はそれ以下
の沸点をもつ灯油、軽油等の鉱油又はジエチルエ
ーテル等が例示できる。このような希釈剤の使用
は必須ではないが、錯体形成に伴ない溶液が高粘
度化するので、希釈剤を適当量使用するのが好ま
しい。 錯体は別法としてジアミンの亜鉛化合物をジチ
オリン酸ジエステルと反応させて合成することも
可能である。 尚、ジチオリン酸亜鉛は通常の方法で製造すれ
ばよく、例えばジイソブチルジチオリン酸亜鉛を
製造する場合には、先ず五硫化リンとイソブチル
アルコールからジイソブチルジチオリン酸を調製
し、これに水酸化カリウムを反応させカリウム塩
とし、次でこれを硝酸亜鉛と反応させることによ
り製造することができる。 本発明者等は、前述のように、ジチオリン酸亜
鉛とジアミンとの反応生成物を潤滑油基油に添加
することによつて初めて耐摩耗性のある潤滑油組
成物を提供し得るものであり、潤滑油基油にジチ
オリン酸亜鉛及びジアミンを別個に単独で添加す
ることによつては本発明に従つた潤滑油組成物の
有する耐摩耗性を得ることができないことを実験
の結果見出した。 本発明のジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯体
を含む潤滑油組成物が公知の潤滑油組成物よりも
格段に優れた耐摩耗性を発揮する理由はまだ完全
に解明されてはいないが、亜鉛原子に結合してい
ないアミノ基が潤滑表面である金属壁に物理的な
力で吸着するためにジチオリン酸亜鉛の吸着点が
増え金属壁から錯体が離脱し難くなるためと推測
される。 ジアミンのうち炭素数2〜18のアルキレンを骨
格とするジアミンが耐摩耗性において他のジアミ
ンよりも優れた効果を示現するのは、これらのジ
アミンの潤滑油への溶解力が金属壁への吸着力と
適度にバランスしているためと考えることができ
る。 又、窒素原子に結合した基が炭素数1〜18のア
ルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、ア
ルキルアリールより選ばれた基であるジアミン
が、他のジアミンよりも優れた耐摩耗性を有する
のも上記と同様の理由に基づくものと考えられ
る。 ジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯体の安定性
は両者の配位結合の強さに関係し、ジチオリン酸
亜鉛及びジアミン分子のもつ炭素鎖が短いほど立
体障害を起し難く配位結合が強いので、錯体の安
定性も高い。立体障害の大きなジアミンとジチオ
リン酸亜鉛との錯体は不安定で潤滑油に添加した
ときに直ぐに分解してしまう。 本発明の潤滑油組成物は、前述したように、鉱
油系炭化水素油又は合成系炭化水素油を基油とす
るものである。 鉱油系炭化水素油は減圧蒸溜留出油そのもの又
はこれを水素処理、芳香族抽出処理、白土接触処
理等により精製した炭化水素油であり、更にはこ
れらの混合物であつてもよい。鉱油系炭化水素油
は主な構成炭化水素成分によりパラフイン系、ナ
フテン系、パラテン系に分類されるが、本発明は
これらに限定されるものではない。 合成系炭化水素油はジエステル油、ポリオレフ
イン油、複合エステル油及びシリコン油等を挙げ
ることができる。ジエステル油としてはセバシン
酸ジ(2−エチルヘキシル)の如き化合物、ポリ
オレフイン油としては炭素数2〜12のα−オレフ
イン重合体(オリゴマー)そして複合エステル油
としてはグリコールとジカルボン酸と一塩基酸か
ら合成した化合物を例示することができる。 これら鉱油系炭化水素油と合成系炭化水素油は
適当な割合で混合して基油とすることができる。 上記基油は通常の潤滑油粘度であればよく、30
〜5000SUS(37.2℃)の粘度又は80〜150の粘度指
数として表わすことができる。 本発明に係る潤滑油組成物の用途は、自動車の
エンジン油をはじめギヤ油、トランスアクスル
油、作動油、スピンドル油、マシン油等の耐摩耗
性、低摩擦性、又は酸化防止性を要求される全て
の潤滑油が対象となるであろう。 又、本発明のジチオリン酸亜鉛とジアミンとの
錯体は、上記鉱油系炭化水素油又は合成系炭化水
素油に耐摩耗剤として添加することができるが、
錯体は1種のジアミン錯体を単独で用いてもよい
し、2種以上のジアミン錯体からなる混合物を適
宜組合せて用いてもよい。 上記錯体の添加量は基油に対し約0.05〜5重量
%の割合で添加することができるが、添加量は公
知のジチオリン酸亜鉛よりも少なくてよい。 更に又、本発明の錯体は、一般に使用されてい
る他の添加剤、例えば酸化防止剤、摩擦低減剤、
清浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、油
性向上剤、消泡剤、防錆剤及び着色剤等と共に潤
滑油基油に添加することも可能である。しかしな
がら、本発明の錯体は耐摩耗性だけでなく、酸化
防止性及び摩擦低減性をも兼備するために、他の
酸化防止剤及び摩擦低減剤の添加は不要であるか
又はこれらの添加量を著しく削減することができ
る。 次に、本発明のジチオリン酸亜鉛とジアミンと
の錯体を含有する潤滑油組成物について実施例を
用いて説明するが、本発明はこれら実施例によつ
て限定されるものではない。 実施例 1 本発明のジチオリン酸亜鉛とジアミンとの錯体
を次の方法で合成した。 (1) ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛−エチレン
ジアミン錯体(試料B)の合成 200c.c.の丸底フラスコに4.92g(0.01モル)
のジイソプロピルジチオリン酸亜鉛を入れ、50
c.c.のジエチルエーテルを加え溶解した。この溶
液に0.60g(0.01モル)のエチレンジアミンの
50c.c.ジエチルエーテル溶液を加え、冷却器を付
けて1時間100℃で加熱還流した。還流終了後
溶媒を除去すると白色の固体が得られた。この
固体をジエチルエーテル/石油エーテルから再
結晶し、白色針状結晶3.1gが得られた(収率
55%)。 (2) ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛−ジエチル
エチレンジアミン錯体(試料C)の合成 200c.c.丸底フラスコに4.92g(0.01モル)の
ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛を入れ、50c.c.
のジエチルエーテルを加え溶解した。この溶液
に1.16g(0.01モル)のN,N′−ジエチルエチ
レンジアミンの50c.c.のジエチルエーテル溶液を
加えた。前記(1)の方法と同じ方法で加熱、次で
再結晶し白色板状結晶2.13gを得た(収率35
%)。 (3) ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛−テトラメ
チルエチレンジアミン錯体(試料D)の合成 4.92g(0.01モル)のジイソプロピルジチオ
リン酸亜鉛と1.16g(0.01モル)のN,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミンを用
いて前記(1)の方法と同じ方法にて白色針状結晶
1.82gを得た(収率30%)。 実施例 2 実施例1で合成した本発明のジアミンとジチオ
リン酸亜鉛との錯体を、第1表の組成を有した合
成系潤滑油に他の市販の添加剤と共は所定量添加
して潤滑油組成物を調製した。 次に、これら潤滑油組成物(試料B〜D)の
各々につきエンジンモータリング試験を行ない耐
摩耗性を比較した。 試験法及び条件は次の通りであつた。 試験法:台上エンジンモータリング試験 1968c.c.直列4気筒OHCエンジン 条件:油 温 60℃ 回転数 1000rpm 時 間 64時間 試験結果は第2表に示す如く、本発明の錯体を
含む潤滑油組成物はジチオリン酸亜鉛を含有する
比較用潤滑油組成物(試料A)より格段に優れた
耐摩耗性を示した。
【表】
【表】 実施例 3 本発明のジアミンとジチオリン酸亜鉛との錯体
を次の方法で合成した。 (1) 市販のジチオリン酸亜鉛(ジ−4−メチル−
2−ベンチルジチオリン酸亜鉛を鉱油で希釈し
たもの、以下「ZDDP−X」とする)とテトラ
メチル−1,3−ジアミノプロパンとの錯体
(試料F) ZDDP−X100g(ジチオリン酸亜鉛0.12モル
に相当する)テトラメチル−1,3−ジアミノ
プロパン10g(0.077モル)とを撹拌しながら
加熱し、100℃で約5分間保持した。生成した
ものは両者の錯体を主とし、過剰のジチオリン
酸亜鉛が混在したものであつた。 (2) ZDDP−Xと1,6−ジアミノヘキサンとの
錯体(試料G) 1,6−ジアミノヘキサンを12g(0.103モ
ル)とした以外は上記(1)と同様にして錯体を合
成した。 (3) ZDDP−Xとテトラメチル−1,6−ジアミ
ノヘキサンとの錯体(試料H) テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサンを
9g(0.052モル)とした以外は上記(1)と同様
にして錯体を合成した。 (4) ZDDP−Xと1,12−ジアミノドデカンとの
錯体(試料I) 1,12−ジアミノドデカンを5g(0.025モ
ル)とした以外は上記(1)と同様にして錯体を合
成した。 実施例 4 実施例3で合成した本発明のジアミンとジチオ
リン酸亜鉛との錯体を、第3表の組成を有する鉱
油系潤滑油に他の市販の添加剤と共に所定量添加
して潤滑油組成物を調製した。 次に、これら潤滑油組成物(試料F〜I)の
各々につきエンジンモータリング試験を行ない耐
摩耗性を比較した。 試験法及び条件は次の通りである。 試験法:台上エンジンモータリング試験 1968c.c.直列4気筒OHCエンジン 条件:油 温 60℃ 回転数 1000rpm 時 間 200時間 試験の結果は第4表に示す如く本発明の錯体を
含む潤滑油組成物はZDDP−Xを含有する比較用
潤滑油組成物(試料E)より格段に優れた耐摩耗
性を有することが確められた。
【表】
【表】 比較例 1 ジノルマドデシルジチオリン酸亜鉛とエチレン
ジアミンとの錯体ほか2種の錯体を実施例1と同
様な方法で合成した。 (1) ジノルマルドデシルジチオリン酸亜鉛−エチ
レンジアミン錯体(試料b) ジノルマルドデシルジチオリン酸亜鉛100g
(0.100モル)にエチレンジアミン1.5g(0.02モ
ル)を撹拌しながら加熱し、80℃で約5分間保
ち錯体を合成した。 (2) ジイソプロピルジチオリン酸亜鉛−1,18−
ジアミノオクタデカン錯体(試料c) 1,18−ジアミノオクタデカンを12g
(0.042モル)とし、加熱温度を150℃とした以
外は上記(1)と同様にして反応させ、錯体を合成
した。 (3) ジノルマルオクタデシルジチオリン酸亜鉛−
1,6−ジアミノヘキサン錯体(試料d) 1,6−ジアミノヘキサンを1.7g(0.015モ
ル)とし、加熱温度を100℃とした以外は上記
(1)と同様にして錯体を合成した。 これらの錯体の各々を、第3表の組成を有する
鉱油系潤滑油に他の市販の添加剤とともにリン濃
度で0.055重量%となるように添加して潤滑油組
成物を調製した。 次に、こうして調製した潤滑油組成物(試料b
−d)をエンジンモータリング試験して耐摩耗性
を調べた。 第4表に示す如くに、これら錯体はジチオリン
酸亜鉛を含む比較用潤滑油組成物(ジノルマルド
デシルジチオリン酸亜鉛、試料a)に比して殆ん
ど耐摩耗性の改善は図れなかつた。 実施例 5 実施例3で合成したジアミンとジチオリン酸亜
鉛との錯体(試料G′及びI′)を第5表の組成を有
する鉱油系潤滑油に添加して潤滑油組成物を調製
した。 次に、これら潤滑油組成物につきエンジンモー
タリング試験を行なつて摩擦低減効果を測定し
た。 第6表に示すように、本発明の錯体を含む潤滑
油組成物はジチオリン酸亜鉛を含有する比較用潤
滑油組成物(試料E′)よりも格段に優れた摩擦低
減効果を有することが確められた。 尚、試験法は次の通りである。 試験法:台上エンジンモータリング試験 1968c.c.直列4気筒OHCエンジン 条件:油 温 80℃ 回転数 2000rpm
【表】
【表】
【表】 て低減率を算出した。
以上説明した如く、本発明は耐摩耗効果の改善
された潤滑油組成物を提供するものである。即
ち、本発明によればジチオリン酸亜鉛とジアミン
との錯体を添加剤として配合することにより、公
知のジチオリン酸亜鉛を添加したものよりも耐摩
耗性が大幅に改善された潤滑油を提供することが
できる。 更に、本発明に係る潤滑油組成物は酸化防止性
及び摩擦低減効果をも具備するものであるから産
業上極めて多大な寄与をなし得るものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ジチオリン酸亜鉛とジアミンとの反応生成物
    を、潤滑油基油に約0.05〜5重量%添加してなる
    潤滑油組成物。 2 反応生成物は次の構造式で示される錯体を含
    んでなる特許請求の範囲第1項記載の潤滑油組成
    物。 (ここで、R1及びR2は同一又は異なつていてよ
    く、炭素数1〜10のアルキル、アリール又はアル
    キルアリールを表わし、R′は炭素数2〜18のア
    ルキレンであつて、A、B、C及びDは同一又は
    異なつていてよく、水素又は炭素数1〜18のアル
    キル、アリールアルキル、シクロアルキル若しく
    はアルキルアリールを表わし、配位数n及びmは
    n=1、m=1;n=2、m=1又はn=1、m
    =2である。) 3 R1及びR2は同一又は異なつていてよく、炭
    素数3〜8のアルキルであり、R′は炭素数2〜
    12のアルキレンであつて、A、B、C及びDは同
    一又は異なつていてよく、水素又は炭素数1〜2
    のアルキルである特許請求の範囲第2項記載の潤
    滑油組成物。
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