JPH0375594B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、固体燃料を不完全燃焼させること
によつて可燃性のガスを製造する装置に関する。

ガスの製造のためのいろいろなタイプのボイラ
ーやガス発生装置が知られているが、そこでは燃
焼用の空気が過圧又は真空により、装置内の特定
の個所に供給されるようになつている。そして、
空気の取入れが幾つかの個所で行われると、往々
にして燃料の完全燃焼が生じる。

この発明の目的は、空気を幾つかの個所で供給
することによつて効率的な燃焼をさせながらも、
完全燃焼が起らないように、即ち、所望のガス化
速度での不完全燃焼のみが確実に起るようにし、
もつて良好な可燃ガスを効率よく製造することに
ある。

この発明によれば、固体燃料の不完全燃焼によ
り可燃性のガスを製造する装置において、燃焼室
が二重壁構造の上向きに開く略切頭円錐体により
構成され、該二重壁構造の略切頭円錐体は、上方
にある燃料室下部に配備された切頭円錐部を取り
囲むように配置され、また、その内側の略切頭円
錐体がセラミツクのような耐熱材料から構成され
るとともに、外側の略切頭円錐体が前記燃料室に
溶接されており、さらにセラミツクのような耐熱
材料からなるとともに板状体に支持される燃料支
承手段を前記二重壁構造の略切頭円錐体の下方に
備え、前記板状体は回転可能であるとともに垂直
方向に位置調節可能にされており、また、前記燃
焼室は、その壁部を通して空気を調節可能に取り
入れるための手段を有しており、かつ前記切頭円
錐部は垂直方向に振動可能に設けられている。

この発明では、特に、燃料支承手段を支持する
板状体を垂直方向に位置調節可能かつ回動可能と
したことにより、燃料支承手段と燃焼室の下部、
即ち、二重壁構造の切頭円錐部の下部との間の距
離が調節可能となるととも遠心力が働き、もつ
て、該燃料支承手段上の燃料の垂直方向及び水平
方向への流れや灰の排出を適切に調整し得るとと
もにガス化速度を適切に調整し得るので、燃料の
完全燃焼を起さず、所望の不完全燃焼を確保しな
がら、所望の可燃ガスを容易に効率よく製造する
ことができる。なお、また、したがつて、燃料の
湿り具合や質によつて不完全燃焼が不都合に影響
されることもない。

また、燃焼室を上向きに開く略切頭円錐体によ
り構成したことにより、燃料を集中的に燃料支承
手段上に載置することができるとともに、燃焼室
自体が上向きに拡大する形状となるので燃焼が集
中的効率的に行われる。このことは、燃料支承手
段の垂直方向位置調節及び回動、燃焼室壁部を通
る調節可能な空気取入れ、及び燃焼室を構成する
二重壁構造の略切頭円錐体の外側の略切頭円錐体
が燃料室に溶接されることによる密閉構成とあい
まつて、ガス化速度の調節を一層容易にする。

また、前記燃焼室を構成する略切頭円錐体が燃
料室下部の切頭円錐部を取り囲むように配置され
ていることにより、燃料が円滑に燃焼室中央方向
に導かれる。

なお、また、燃焼室を二重壁構造としたことに
より断熱に優れるとともに高温にさらされる内側
の略切頭円錐体を耐熱材料で構成すればよいので
安価かつ保守が容易である。さらに、板状体上の
燃料支承手段を支持するよにしたので、同様に断
熱、コスト、保守の点で優れる。

また、ある燃料、例えば木片の場合、多量の不
純物、例えば、石や砂利が含まれることが多く、
また、廃棄物を用いる場合には金属くずが含まれ
ることが多く、これらは従来の装置では火格子を
詰まらせることとなるが、本発明では、そのよう
な従来の装置とは対照的に火格子を有さず、その
代わりに、セラミツクのような材料からなる燃料
支承手段を有するのみであるので、上述したよう
な不都合は起らない。

また、燃料室が振動可能な切頭円錐部を有する
ので、燃料が湿つていたり粘着性があつても、燃
焼室に良好に燃料を落下供給することができる。

以下に図面に基づいて例示した本発明の実施例
を説明する。

本装置１は一次空気取入口２及び生成した可燃
ガスを取り出す取出口３を備えている。図示され
ていないが、取入口２と取出口３には温度制御手
段が設けられるのがよい。装置１は、さらに、燃
料室４を有し、該室４は、円筒状の上方部５と切
頭円錐部６とからなり、該円錐部６は例えば２本
のシヤフト２５により、垂直方向に振動可能にさ
れている。この振動により湿つた粘着性の高い燃
料でも以下に説明する燃焼室１４に良好に落下さ
せることができる。

燃焼室１４は、二重の略切頭円錐体７，８によ
つて構成され、該円錐体は前記円錐部６を取り囲
むようにして下方に配置される。

外側の円錐体８は燃料室４に溶接され、内側の
円錐体７はセラミツク等の材料からなり、外側の
円錐体８に連結されるか、又は、同体８に対して
相対的に調節可能に設けられる。装置１の上方部
には、図示されていないが、燃焼ダンパー、装置
１に対して気密に取り付けられている燃料供給用
取入口、供給された燃料を分配するためのフイー
ダ、及び装置運転に必要な点検用ハツチ等の慣用
の設備が設けられている。

燃料室４の中には、サポートアセンブリ９が配
置されており、このサポートアセンブリ９は、そ
の上方に、供給された燃料のための回転式のかき
ならし手段（図示していない）を備えた支承部１
０を有する。該支承部１０の中には、入れ子式部
材１１及び１２が、相互に変位可能、回動可能に
備えられている。内側の入れ子式部材１２は、垂
直方向に変位可能かつ望ましくは回動可能で、そ
の下方部分には、燃焼室１４の底部におけるガス
化のために空気を供給するための孔１３が備えら
れている。装置１のフレームと切頭円錐体８の間
に、ガスの送出口３に連なる送出通路１５が設け
られる。前記かきならし手段及び支承部１０のた
めの回転運動は、慣用型式のモータによつて生じ
させるのがよい。入れ子式部材１２の垂直方向に
調節可能な運動は、同様に慣用型式のモータによ
り生じさせるのがよい。

燃焼室１４は、また、調節可能な一次空気用の
取入手段、この例では少なくとも２つの取入れポ
ート１６を備えている。また燃焼室の下方には、
望ましくは半楕円体の燃料支承手段１７があり、
同手段１７は、望ましくはセラミツク材料からな
つており、ガス化される材料を支承する。この燃
料支承手段１７は、燃料の供給、ガス化速度及び
灰の送り出しを制御するための制御装置（図示せ
ず）によつて制御され、振動可能かつ回転並びに
垂直方向に調節可能な板状体１８上に配置され
る。また、燃料支承手段１７の下方には、慣用型
式のモータである駆動手段２１により回転駆動さ
れる灰送り出し装置２０と冷却シエル１９を設け
ることが好ましい。灰は、前記装置２０により灰
を装置から運び出すための移送装置２２を有する
排出装置へと送り落とされる。装置１は、また、
空気取入れ口２中にフアン（図示せず）を備える
のがよい。空気は、一方では燃焼室４の壁に沿つ
て上方に案内され、ついで入れ子式部材１２中を
下向きに送られて孔１３から流出し、他方では調
節可能な前記ポート１６に送られる。板状体１８
は、望ましくは慣用型式のモータである駆動手段
２３により駆動される。また、灰除去のためのス
クレーパ２４が設けられることが望ましい。

以上述べた本発明の構成により、コンパクトな
構造で前述した所期の目的、効果を十分に達成し
得る固体燃料からガスを製造する装置が得られ
る。

なお、本発明は以上に示した例に限られるもの
ではなく、本発明の特許請求の範囲内で当然に
種々の変形がなされるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の下方部分を示す一部断面正
面図である。 図面において、２……空気取入口、３……ガス
取出口、４……燃料室、６……切頭円錐部、７，
８……略切頭円錐体、１３……空気供給用孔、１
４……燃焼室、１６……空気取入れポート、１７
……半楕円体の燃料支承手段、１８……板状体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固体燃料の不完全燃焼により可燃性のガスを
   製造する装置において、燃焼室１４が二重壁構造
   の上向きに開く略切頭円錐体７，８により構成さ
   れ、該二重壁構造の略切頭円錐体は、上方にある
   燃料室４下部に配備された切頭円錐部６を取り囲
   むように配置され、また、その内側の略切頭円錐
   体７がセラミツクのような耐熱材料から構成され
   るとともに、外側の略切頭円錐体８が前記燃料室
   ４に溶接されており、さらにセラミツクのような
   耐熱材料からなるとともに板状体１８に支持され
   る燃料支承手段１７を前記二重壁構造の略切頭円
   錐体７，８の下方に備え、前記板状体は回転可能
   であるとともに垂直方向に位置調節可能にされて
   おり、また、前記燃焼室１４は、その壁部を通し
   て空気を調節可能に取り入れるための手段１６を
   有しており、かつ、前記切頭円錐部６が垂直方向
   に振動可能に設けられていることを特徴とする装
   置。