JPH037557B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は船舶と岸壁とを結ぶランプウエイの
傾斜自動制御装置に関する。

貨物船等の船舶に積荷や車両を入出するための
ランプウエイは、潮の干満や積荷の具合によつて
勾配が大きく変わり、岸壁から浮き上つたり、衝
突したりして荷役作業に支障を及ぼすことがあ
る。

このため、従来では例えば第１図に示すよう
に、船体１に支持されたランプ本体２の先端に、
ヒンジ３を介してガイドセクシヨン４を取付け、
これをサポートシリンダ（油圧シリンダ）５等で
上げ下げしてランプウエイ６の高さや勾配を調整
し、安定した状態を維持するようにしたものがあ
る。

岸壁７にランプウエイ６を架設する場合、ラン
プウエイ６はウインチ等によりヨーク８を基点と
して下ろされ、ガイドセクシヨン４の前端が岸壁
７に接地するが、このとき船体１内に設けた制御
装置（図示しない）から、手動運転によりサポー
トシリンダ５を駆動するように指令し、岸壁７と
船体１との相対的な位置に基づいてガイドセクシ
ヨン４を昇降し、ランプウエイ６は適正な高さ、
勾配にセツトされる。

ランプ本体２の前方下面には、ランプ本体２と
岸壁７上面との距離を計測してその計測値を制御
装置に送る測定器９が設置され、上記セツト後、
制御装置を自動運転に切換えると、その計測値に
応じてサポートシリンダ５が駆動され、初期セツ
ト時の所定の距離を保つようにコントロールされ
る。

潮の具合や積荷により船体１が上下方向に動い
ても、ランプウエイ６の岸壁７側の変動は少な
く、ランプウエイ６は良好な状態に維持され、し
たがつて荷役作業等安全に行なえるのである。

なお、ガイドセクシヨン４の先端には、アンダ
ーステツプ１０が取付けられ、岸壁７との段差を
埋めて滑らかに接続している。

ところで、この従来例にあつては、ランプ本体
２と岸壁上面（地面）との距離を計測する測定器
９に、リミツトスイツチや近接スイツチ等を備え
た機械式のものや、光電式あるいは超音波式のも
のが用いられている。

機械式の測定器９は、第１図のようにランプ本
体２から地面に鉛直にロツド１１を下ろし、この
ロツド１１の変位に応動するリミツトスイツチの
開閉により距離を測定する。

光電式の測定器１２は、第２図に示すように発
光体１３からの光を地面で反射させ、この反射光
を受けて切換る受光スイツチ１４，１５の信号に
より測定される。

また、図示しないが超音波式のものでは、鉛直
下方に発信した超音波が反射してもどつてくるま
での時間より測定される。

しかしながら、このような測定方法だと、岸壁
７上面の状態によつて影響を受け、測定値に誤差
が生じやすく、さらには測定が不可能になつてし
まうことがあつた。例えば、岸壁７上面に多少の
凹凸や、障害物があつたり、傾斜や積雪等がある
と、ランプ本体２との距離を正確に測定すること
はできず、このためサポートシリンダ５がしばし
ば誤動作して危険な状態を招きかねないという問
題があつた。

この発明は、ガイドセクシヨンの傾斜角度を測
定し、この傾斜角度に基づいてガイドセクシヨン
を上げ下げすることにより、ランプウエイの姿
勢、状態を適正に保つことを目的としている。

上記目的を達成するために本発明では、船体に
支持され岸壁等に架設されるランプウエイの先端
に、ヒンジを介して接続するガイドセクシヨンを
取付け、このガイドセクシヨンの傾斜角度を計測
する測定手段を設置すると共に、このガイドセク
シヨンをそのヒンジ回りに回動し支持するサポー
トシリンダを備え、前記計測値に基づきガイドセ
クシヨンの傾斜角度が所定値範囲に収まるように
このサポートシリンダを駆動する制御手段を設け
て、岸壁等に対するランプウエイの適正傾斜角度
を維持するようにした。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図において、１は船体、６はランプ本体
２、ガイドセクシヨン４およびアンダーステツプ
１０とからなるランプウエイである。

ランプ本体２はその基端がヨーク８を介して船
体１に回転自由に支持され、図示しないウインチ
等により昇降される。

ランプ本体２の先端（自由端）には、ヒンジ３
を介してガイドセクシヨン４が、回転自由に、そ
れぞれの床面を連続するように取付けられる。

ガイドセクシヨン４の両側途中には、ランプ本
体２に対してガイドセクシヨン４を回動し、支持
するサポートシリンダ５が配設され、そのシリン
ダベース側がランプ本体２の先端両側に突設した
ブラケツトアーム１６に連結する。

本実施例では、このガイドセクシヨン４にガイ
ドセクシヨン４の傾斜角度（θ）を計測する測定
手段１７が設置される。

測定手段１７は、例えば重錘式の角度検出器等
が用いられ、ガイドセクシヨン４の傾斜角に応じ
た信号を出力する。そして、この信号は船体１内
に設けた制御装置（制御手段）１８に送られる。

制御装置１８は、手動運転回路と、自動運転回
路を備え、手動運転時には、ボタン操作等により
図示しない油圧ユニツトを運転し、前記サポート
シリンダ５が駆動される。

船体１からランプウエイ６が下ろされると、ガ
イドセクシヨン４の前端およびアンダーステツプ
１０が岸壁７に接地し、このとき手動操作によつ
てサポートシリンダ５が駆動され、岸壁７と船体
１との相対的な位置に基づいてガイドセクシヨン
４を上下に回動し、ランプウエイ６が適正な高
さ、勾配にセツトされる。

そして、このセツト後、同じくボタン操作等に
より自動運転に切換えると、制御装置１８が前記
測定手段１７からの信号に応答してサポートシリ
ンダ５を駆動し、ガイドセクシヨン４を回動して
初期セツト時のガイドセクシヨン４の所定の傾斜
角を保つようにコントロールされる。

この自動運転のブロツク回路を第４図に示す
と、１７はガイドセクシヨン４の傾斜角度を計測
し、計測値に応じた信号を出力する角度検出器
（測定手段）、１９はその計測値をもとに設定さ
れ、自動運転切換後にガイドセクシヨン４の初期
セツト時の傾斜角度に対応した信号を出力する基
準角度信号発生器である。

これらの信号はともに差動増幅器２０に送ら
れ、初期セツト時の基準角度信号に対して計測信
号が大きくなると、差動増幅器２０からその差に
比例した増加変位信号が２１と２２の比較器に送
られる。

この比較器２１，２２には、それぞれ増加角度
設定器２３から増加基準信号と、停止角度設定器
２４から極めて小さい停止基準信号が入力され、
前記増加変位信号がこれらの基準信号値を越える
と、比較器２１はOR回路２５にハイレベルの信
号を、比較器２２はAND回路２６にハイレベル
の信号を送る。

このOR回路２５の出力は、AND回路２６に入
力されると共に、前記サポートシリンダ５の伸側
信号発生器２７に指令され、ハイレベルのときに
サポートシリンダ５を伸駆動してガイドセクシヨ
ン４の傾斜角が減少される。

AND回路２６は、その出力をOR回路２５に入
力し、OR回路２５の出力を保持するもので、ガ
イドセクシヨン４の傾斜角が初期セツト時の傾斜
角にほぼ等しくなり、比較器２２の出力がローレ
ベルとなるとサポートシリンダ５の伸駆動が停止
される。

また、前記計測信号に基づき差動増幅器２０か
ら減少変位信号が出されると、比較器２８，２９
がこの減少変位信号と、減少角度設定器３０、停
止角度設定器３１からの基準信号値とに応じて、
ハイレベルの信号をOR回路３２とAND回路３３
に送り、サポートシリンダ５の縮側信号発生器３
４に指令して、ガイドセクシヨン４の傾斜角が初
期セツト時の傾斜角にほぼ等しくなるようにサポ
ートシリンダ５が縮駆動される。

このように構成したので、船体１から岸壁７に
向けてランプウエイ６を下ろし架設する際に、岸
壁７と船体１との相対的な位置に基づきサポート
シリンダ５を駆動してガイドセクシヨン４の傾斜
状態を設定し、ランプウエイ６が適正な高さ、勾
配にセツトされると共に、この架設後に、潮の干
満や積荷の状態によつて船体１が上下方向に動
き、第５図のａ，ｂに示すようにランプ本体２の
勾配が変動することがあつても、ガイドセクシヨ
ン４の傾斜角度は自動的に初期セツト時の所定の
角度に保たれ、安定した状態が確保される。

このため、ランプウエイ６を常に良好な姿勢状
態に維持することができ、荷役作業等、安全に行
なえ、迅速に進めることができる。

そして、本実施例ではガイドセクシヨン４の傾
斜角度を計測し、この計測値に基づいてサポート
シリンダ５の駆動を制御しているので、従来例
（第１図、第２図）の測定方式のように、岸壁７
上面の凹凸等により計測値に誤差が生じたり、あ
るいは計測が不可能となつてしまうようなことは
なく、正確な計測値が得られ、ランプウエイ６の
的確な姿勢制御が行なえる。

したがつて、岸壁７上面の状態によつてサポー
トシリンダ５が誤動作する恐れは解消され、安全
性が充分に高められると共に、ガイドセクシヨン
４の良好な機能が得られ、ランプウエイ６の一層
安全な、かつ最適な架設状態を維持することがで
きる。

以上説明した通り、本発明によれば、ガイドセ
クシヨンの傾斜角度を計測し、この計測値に基づ
いてガイドセクシヨンを昇降し、所定の傾斜角度
を維持するようにしたので、岸壁の状態に影響さ
れることなくランプウエイの的確な姿勢制御が行
なえ、安全で良好なランプ架設状態を保つことが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ従来例の概略構成図
と、要部概略構成図、第３図は本発明の実施例を
示す概略構成図、第４図はその制御装置の１例を
示す自動運転のブロツク回路図、第５図のａ，ｂ
は本発明の作用説明図である。 １……船体、２……ランプ本体、３……ヒン
ジ、４……ガイドセクシヨン、５……サポートシ
リンダ、６……ランプウエイ、８……ヨーク、１
７……測定手段、１８……制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 船体に支持され岸壁等に架設されるランプウ
   エイの先端に、ヒンジを介して接続するガイドセ
   クシヨンを取付け、このガイドセクシヨンの傾斜
   角度を計測する測定手段を設置すると共に、この
   ガイドセクシヨンをそのヒンジ回りに回動し支持
   するサポートシリンダを備え、前記計測値に基づ
   きガイドセクシヨンの傾斜角度が所定値範囲に収
   まるようにこのサポートシリンダを駆動する制御
   手段を設けたことを特徴とするランプウエイの傾
   斜自動制御装置。