JPH0375552B2 - - Google Patents

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JPH0375552B2
JPH0375552B2 JP57210841A JP21084182A JPH0375552B2 JP H0375552 B2 JPH0375552 B2 JP H0375552B2 JP 57210841 A JP57210841 A JP 57210841A JP 21084182 A JP21084182 A JP 21084182A JP H0375552 B2 JPH0375552 B2 JP H0375552B2
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JP
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phenyl
iron
tetra
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porphine
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JP57210841A
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Yoichi Matsushita
Etsuo Hasegawa
Kyoshi Ejima
Hidetoshi Tsuchida
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Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
Original Assignee
Seisan Kaihatsu Kagaku Kenkyusho
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【発明の詳細な説明】 本発明は一般式() (ここでnは1〜20の整数)で示されるホスホ
リルコリン基を有する新規な鉄−5,10,15,20
−テトラ〔α,α,α,α−O−(置換アミド)
フエニル〕ポルフイン錯体、およびその製造方法
に関する。 有機溶媒中室温で酸素錯体を生成できる鉄−ポ
ルフイン錯体については従来多く報告されてい
る。その例としてはJ.P.Collman,Accounts of
Chemical Reseach,10,265(1977)あるいはF.
Basolo,B.M.HoffmanおよびJ.A.Ibers,ibid.,
8,384(1975)などである。しかしこれらの鉄−
ポルフイリン錯体は少量でも水が共存すると直ち
に酸化され、酸素錯体を生成できない欠点を有す
る。しかもこれら錯体は水に溶解しない問題もあ
る。 一般式で表わされる本発明の錯体は水系媒質
に可溶であるかもしくは少量の界面活性剤、リン
脂質、合成水溶性高分子、多糖類、水溶性タンパ
ク質などを含む水溶液に可溶であり、水中で使用
できる鉄−テトラフエニルポルフイン錯体を提供
できる。さらに本発明の錯体は中心鉄が2価の状
態で適当な塩基性配位子、好ましくは置換イミダ
ゾール配位子の存在下に均一水溶液中、室温で酸
素錯体を生成可能であり、非常に有用な可逆的な
酸素の吸脱着剤としての特徴を持つ。 式の新規な錯体は本発明によれば式 (ここでnは1〜20の整数)で示されるカルボ
ン酸クロリドとJ.P.Collman他、Journal of the
American Chemical Society,97,1427(1975)
に報告されている式 で示される5,10,15,20−テトラ〔α,α,
α,α−O−(アミノフエニル〕ポルフイン(以
下H2TamPPと省略する。)を塩基の存在下に反
応させ、得られた式 (ここでnは先に定義したと同様である。)で
示される化合物をアニソール存在下、無水塩化ア
ルミニウムによりベンジル基を除去させ、得られ
た式 (ここでnは先に定義したと同様である。)で
示される化合物をピリジン存在下臭化第一鉄と反
応させ、得られた式 (ここでnは先に定義したと同義であり、Xは
ハロゲン原子)で示される化合物を、2−クロロ
−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン
と反応させリン酸エステル体としたのち、過剰の
トリメチルアミンと反応させてホスホリルコリン
化を行わせる方法により一般式を製造できる。 一般式の出発原料は新規化合物であるが以下
の方法で合成した。ω−ベンジルオキシアルキル
ハライドをGeorge R.Newkome他、Synthesis,
1975,517.の報告に従つて生成させた2−メチル
プロピオン酸のジリチウムアニオンと初め低温
(−70℃〜−20℃)でそののち昇温して30〜45℃
で反応させた。次い反応混合物を冷希塩酸で分解
し、溶媒で抽出した粗生成物を非極性溶媒、例え
ば石油エーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン中
で再結晶してω−ベンジルオキシ−2,2−ジメ
チルアルカン酸を無色結晶として得た。これを非
極性溶媒、好ましくはベンゼンまたは四塩化炭素
中あるいは無溶媒で過剰量の塩化チオニルと反応
させたのち減圧濃縮して一般式で示されるω−
ベンジルオキシ−2,2−ジメチルアルカン酸ク
ロリドを得た。原料の式 (ここでnは先に定義したと同義であり、
X′は塩素または臭素を表わす。)で示されるω−
ベンジルオキシアルキルハライドは、n=1,
X′=Clの場合はA.J.Hill他 Journal of the
American Chemical Society,48,257(1926)、
の報告によつて、n=2、X′=Brの場合はS.
Cremer他、Journal of the American
Chemical Society,86,4197(1964)の報告に従
つて合成できる。またn=3〜20、X′=Brにつ
いてはα,ω−ジブロモアルカン酸を1当量のナ
トリウムベンジルオキシドとベンゼン中還流反応
することで得られる。 一般式のカルボン酸クロリドの過剰量を公知
物質であるH2TamPPの無水非プロトン性溶媒、
好ましくはテトラヒドロフラン、ジクロルメタ
ン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミ
ドまたはアセトン溶液中で過剰のトリエチルアミ
ンまたはピリジン存在下に0℃から室温で反応さ
せたのち、水に注ぎクロロホルムで抽出し、分離
した抽出液を蒸発させて得た残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイーにより精製することで一
般式で示される化合物が得られる。精製には必
要に応じ再結晶を用いても良い。 この一般式で示されるベンジルエーテル体の
ベンジル基を除去するために、ジクロルメタン:
ニトロメタンの混合溶媒中で過剰量のアニソール
存在下、過剰の無水塩化アルミニウムと−5℃な
いし30℃、好ましくは15℃ないし25℃で2時間な
いし12時間反応させた。反応混合物を氷水中に注
ぎクロロホルムで抽出し、抽出液を水洗ついで4
%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌後、分離した
クロロホルム層を芒硝で乾燥し、クロロホルムを
蒸発させて得た残渣を、ベンゼンまたはジクロル
メタン−ベンゼンの混合溶媒から再結晶した。 得られた一般式の化合物に鉄を導入するに
は、J.P.Collman他、Journal of the American
Chemical Society,97,1427(1975)、の報告の
方法に従い、窒素ガス雰囲気下で還流した無水テ
トラヒドロフラン中ピリジンの存在下で過剰の臭
化第一鉄と反応させた。反応溶液を減圧乾固し、
クロロホルムまたはクロロホルムとメタノールの
混合溶媒を用いアルミナ又はシリカゲルカラムク
ロマトグラフイーで精製し、臭化水素酸と処理し
て得られた一般式化合物は中心鉄3価の状態で
対イオンとして1個の臭素イオンを持つ。この際
臭化水素酸に代え塩酸を用いれば塩素イオンが、
ヨウ化水素酸を用いればヨウ素イオンを持つ。 一般式の化合物のホスホリルコリン化はN.
S.Chandrakumar他、Tetrahedron Letters,
23,1043(1982)、の報告にある水酸基のホスホリ
ルコリン化の反応を改良した。一般式の化合物
を無水の非プロトン性溶媒、例えばジクロルメタ
ン、クロロホルムまたはベンゼン中で、1つの水
酸基に対し、1ないし2当量のピリジン存在下2
−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホ
スホランの1ないし2当量を0℃ないし室温で滴
下し、この後室温で6ないし24時間反応させた。
反応溶液を減圧留去して得られた残渣をアセトニ
トリルまたはN,N−ジメチルホルムアミドに溶
解し、トリメチルアミンを加えステンレス製封管
容器中で50゜ないし65℃で12時間ないし24時間反
応させた。反応混合物を過して褐色沈殿を得
た。これをアセトンで洗滌ののち、セフアデツク
スG−25、セフアデツクスLH−60(以上フアル
マシア社製)、またはトヨパールHW−40(東洋曹
達(株)製)などの適当なゲルを用いて、メタノール
または水を溶媒としてカラムクロマトを行ない精
製した。かくして所望の一般式()で示される
ホスホコリン基を有する新規な鉄−5,10,15,
20−テトラ〔α,α,α,α−O−(置換アミド)
フエニル〕ポルフイン錯体が得られた。 この錯体を水系媒質(例えば水、緩衝液(PH4
ないしPH10)、生理食塩水など)に溶解し、塩基
性配位子好ましくは置換イミダゾール配位子を1
ないし1000倍当量、好ましくは5ないし200倍当
量加えて、窒素をバブルして脱酸素した水溶液と
した。中心鉄を3価から2価へ還元するには、1
ないし10倍量の亜ニチオン酸ナトリウムかまたは
水素化ホウ素ナトリウムもしくはアスコルビン酸
を加える方法、パラジウム黒またはパラジウム炭
素触媒存在下水素ガスにより還元する方法、E.
Hasegawa他、Biochemical and Biophysical
Research Communications,104,793(1982)、
に報告した酵素系による還元方法などが使用でき
る。還元により得られた鉄()錯体の水溶液は
室温で酸素を吹き込むと酸素錯体となり、これに
窒素を吹き込むと元の鉄()錯体へ戻ることか
ら可逆的な酸素の吸脱着を確認した。使用する水
系媒質には1ないし30%(w/v)の量のデキス
トランまたはヒドロキシエチルスターチもしくは
ポリL−グルタミン酸あるいはポリビニルピロリ
ドンまたはアルブミンもしくは各種糖類、アミノ
酸などの良く知られた輸液成分を添加することも
可能で、この際にも酸素吸脱着機能には何ら悪影
響はない。かくして本発明の酸素吸着剤は工業的
利用はもちろん生体へも投与可能なものとしての
価値が大きい。 ここで使用される置換イミダゾールは一般式 (ここでR1は水素またはメチル基もしくはエ
チル基、R2およびR3は水素またはメチル基もし
くはエチル基、R4は水素またはC1〜C20アルキル
基もしくはフエニル基、ベンジル基、フエネチル
基、トリチル基)で示されるイミダゾール誘導体
であればいずれも良いが、そのままでは水に溶け
ないものは水溶化を計る必要がある。例えば疎水
性基をその空洞内に包接し水溶化をできることが
良く知られているα−シクロデキストリン、β−
シクロデキストリンと一般式で示される置換イ
ミダゾールとの包接体を用いる方法がある。たと
えばR4がC5〜C20アルキル基もしくはフエニル
基、ベンジル基、フエネチル基、トリチル基など
の置換イミダゾールは水に溶け難いが、これらを
少量の有機溶媒(エーテル、アセトン、クロロホ
ルム、メタノールなど)に溶かし、シクロデキス
トリンの水溶液に過剰量加えて室温で1ないし5
時間撹拌ののち、凍結乾燥して得た白色ないし淡
黄色の粉末を無水エーテルで洗い次いで30ないし
60℃で真空乾燥してシクロデキストリンに包接さ
れた置換イミダゾールを調製できる。これらは水
に可溶となり、そのモル比はプロトン核磁気共鳴
スペクトルの積分曲線から算出して1対1であつ
た。また合成界面活性剤や水溶性高分子を使用し
て水溶化もできるがより好ましくは天然あるいは
合成のリン脂質、例えば卵黄レシチン、大豆レシ
チン、ジパルミトイルホスフアチジルコリン、ジ
ミリストイルホスフアチジルコリン、ジステアロ
イルホスフアチジルコリン、ホスフアチジルエタ
ノールアミン、ホスフアチジルイノシトール、ス
フインゴミエリンなどを難水溶性の置換イミダゾ
ール1当量に対して5ないし200当量、好ましく
は10ないし150当量加えて超音波撹拌処理するこ
とで均一分散した置換イミダゾール水溶液とでき
る。もちろん水に溶解する置換イミダゾールはこ
の様な操作なしにそのまま使用できる。 本発明を以下の実施例によりさらに詳細な説明
するが、これは本発明を限定するものではない。 参考例 1 10−ベンジルオキシデカニルブロミドは1,10
−ジブロモデカン100gと当量のナトリウムベン
ジルオキシドをテトラヒドロフラン中で還流反応
させ、沈殿を過し濃縮後減圧蒸留した。収量46
g、沸点185〜189℃/3mmHg。 George R.Newkome他、Synthesis,1975
517.の報告に従つて、窒素雰囲気下、テトラフラ
ン中でリチウムジイソプロパピルアミドにより2
−メチルプロピオン酸のリチウムジアニオンを発
生させ、−20℃で10−ベンジルオキシデカニルブ
ロミド18gを滴下後、45℃で2時間反応させた。
冷希塩酸中に反応混合物を加え、エーテルで抽出
し、分離したエーテル層を希塩酸、次いで水で洗
い、分離して芒硝で乾燥させた。蒸発乾固して得
た粗油状物を石油エーテルから再結晶させ、無色
結晶の12−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルド
デカン酸を収量8.4g、収率46%で得た。融点53
〜55℃。元素分析:C21H34O3として計算値
(%);C75.40,H10.25,分析値(%);C75.64,
H10.09。プロトン核磁気共鳴スペクトル
(CDCl3)δppm:1.18(6H,s,−C(CH3
2COOH),1.26(16H,s,−OCH2(CH2 8CH2
−)3.46(2H,t PhCH2OCH2 CH2−),4.51
(2H,s,PhCH2 O−),7.33(5H,s,フエニ
ルプロトン)。 得られたこのカルボン酸3.34gを無水ベンゼン
5mlに溶解し塩化チオニル1.2mlを加え室温で12
時間反応させ、減圧下乾固して無色オイルの12−
ベンジルオキシ−2,2−ジメチルドデカン酸ク
ロリドを収量3.53gで得た。赤外吸収スペクトル
(CCl4)ν1790cm-1【式】プロトン核磁気 共鳴スペクトル(CDCl3)δppm:1.28(22H,s,
−CH3 及び−CH2 −),3.46(2H,t,PhCH2O
CH2CH2−),4.50(2H,s,PhCH2 O−),7.32
(5H,s,フエニルプロトン)。 実施例 1 5,10,15,20−テトラ(α,α,α,α−O
−アミノフエニル)ポルフイン(以下H2TamPP
と省略する。)はJ.P.Collman他、Journal of the
American Chemical Society,97,1427(1975)
の文献に従つて合成した。 H2TamPP1.0gを無水テトラヒドロフラン
(40ml)溶液とし、ピリジン0.81mlを加え室温で
実施例1で得た12−ベンジルオキシ−2,2−ジ
メチルドデカン酸クロリド3.53gを滴下し、3時
間反応させた。エーテルで抽出し水洗ののち、分
離したエーテル層を芒硝で乾燥後、減圧乾固して
得た粗生成物をベンゼン:エーテルの混合溶媒
(体積比15:1)でシリカゲルカラムクロマトグ
ラフ精製して褐色油状物として5,10,15,20−
テトラ〔α,α,α,α−O−(12−ベンジルオ
キシ−2,2−ジメチルドデカンアミド)フエニ
ル〕ポルフインを収量1.69g、収率60%で得た。 赤外吸収スペクトル(CHCl3)ν3440,3330,
3000,2930,2860,1680,1580,1510,1450,
1300,1100,970,910,700cm-1。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:−2.6(2H,s,ポルフイン環内N)、
−0.23(24H,s,−C(CH3 2CONH−)、3.46
(8H,t,PhCH2OCH2 CH2−)、4.50(8H,s,
PhCH2 O−)、7.12(4H,s,【式】)、 7.32(20H,s)8.82(8H,s)。 実施例 2 5,10,15,20−テトラ(α,α,α,α−O
−(12−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルドデ
カンアミド)フエニル〕ポルフイン1.68gを無水
のジクロルメタン25mlとニトロメタン25mlの混合
溶媒溶液とし、アニソール2mlを加えたのち無水
塩化アルミニウム2gを加え室温で4時間反応さ
せた。氷水100ml中に注ぎ、過剰の塩化アルミニ
ウムを分解させ、ジクロルメタンで抽出し、分離
して得たジクロルメタン層を水洗、次いで10%炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗い、分離して芒硝で
乾燥し減圧下濃縮した。残渣をベンゼンから再結
晶させ、紫色板状結晶の5,10,15,20−テトラ
(α,α,α,α−O−12−ヒドロキシ−2,2
−ジメチルドデカンアミド)フエニル〕ポルフイ
ンを収量1.10g、収率80%で得た。融点127〜
129.5℃ 磁場脱離マススペクトル:1579(M+1)+ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν3600〜3350(幅
広い)、3440,3330,2940,2860,1690,1585,
1515,1450,1302,1060,970,810,770,740cm
-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3).
δppm:−2.59(2H,s,ピロールN)、−0.22
(24H,s,−C(CH3 2−CONH−)、3.64(8H,
t,HOCH2 CH2−)、7.15(4H,s)、7.36〜8.73
(16H,m)、8.82(8H,s)。なおベンジル基に
由来する4.50(8H,s)及び7.32(20H,s)の吸
収は消失した。 元素分析:C100H138N8O8として計算値(%);
C76.00,H8.80,N7.09分析値(%);C75.62,
H8.90,N7.09。 実施例 3 5,10,15,20−テトラ(α,α,α,α−O
−(12−ヒドロキシ−2,2−ジメチルドデカン
アミド)フエニル〕ポルフイン0.65gを無水テト
ラヒドロフラン(50ml)溶液とし、ピリジン0.3
mlを加え窒素置換操作ののち、臭化第一鉄、4水
和物2.0gを加え窒素下3時間還流反応させた。
クロロホルムで抽出し、水洗ののち分離したクロ
ロホルム層を芒硝で乾燥し減圧で溶媒を留去して
得た残渣をクロロホルム/メタノールの混合溶媒
(体積比9/1)を用いアルミナカラムクロマト
により精製した。溶出溶液を48%臭化水素酸2ml
と撹拌ののち芒硝で乾燥し蒸発乾固して黒紫色固
体のブロモ{5,10,15,20−テトラ(α,α,
α,α−O−(12−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルドデカンアミド)フエニル〕ポルフイナト}鉄
()を収量0.38g、収率54%で得た。融点76〜
79℃ 磁場脱離マススペクトル:1713(M+1)+ただ
し分子式C100H136N8FeBr=1712として。 赤外吸収スペクトル(KBr):ν3600〜3150
(broad),3440,2930,2860,1690,1580,
1510,1440,1300,1075,1000,805,760,715
cm-1 元素分析:C100H156N8O8・FeBrとして計算値
(%);C70.13、H8.00,N6.54分析値(%);
C70.37,H8.40,N6.63。 実施例 4 実施例3で得られたテトラアルコール体のホスホ
リルコリン化はN.S.Chandrakumar他、
Tetrahedron Letters,23,1043(1982)の報告
に従つて実施できる。ブロモ{5,10,15,20−
テトラ(α,α,α,α−O−(12−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルドデカンアミド)フエニル〕
ポルフイナト}鉄()0.15gを無水ジクロルメ
タン(10ml)溶液とし、トリエチルアミン0.07ml
及び2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン0.08gを加え室温で12時間反応さ
せた。反応の完結はシリカゲル薄層クロマトグラ
フイー(溶媒クロロホルム/メタノール=10/
1)によりRf値0.30のスポツトの消失とRf値0.40
のスポツトの生成から確認できる。減圧で溶媒を
留去し、残渣を無水アセトニトリル25mlに溶解
し、−60〜−40℃でトリメチルアミン5mlを加え
耐圧ステンレス容器に封入して60〜65℃に加温し
て16時間反応させた。室温まで冷却し過して得
られる黒色沈殿をメタノールに溶解しセフアデツ
クスLH−60によりゲルカラム精製し、溶出溶液
を蒸発乾固、次いで五酸化リン存在下真空乾燥し
た。黒色固体として、鉄()−5,10,15,20
−テトラ(α,α,α,α−O−〔12−(2′−トリ
メチルアミノエチル)ホスホリルオキシ−2,2
−ジメチルドデカンアミド〕フエニル}ポルフイ
ン錯体を収量0.18g、収率90%で得た。融点145
〜150℃ 赤外吸収スペクトル(KBr):ν3650〜3150
(broad),3430,2940,2860,1690,1580,
1510,1440,1220,1080,1000,950,800,760,
710cm-1 可視吸収スペクトル(H2O):λmax412,
564nm 参考例 2 1,18−ジブロモオクタデカンは例えばLester
FriedmanおよびArnon Shani,Journal of the
American Chemical Society,96,7101〜7103
(1974)、の報告に従つて合成できる。参考例1と
同様の方法により、1,10−ジブロモデカンに代
え1,18−ジブロモオクタデカン42gから18−ベ
ンジルオキシオクタデカニルブロミド18.3g(収
率41%)を得た。この18gを2−メチルプロピオ
ン酸のリチウムジアニオン(当量モル)と反応し
参考例1と同様の抽出後処理ののち得た粗油状物
をベンゼン:エーテルの混合溶媒(体積比15:
1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーで精製して無色結晶の20−ベンジルオキシ−
2,2−ジメチルエイコサン酸を収量5.7g、収
率31%で得た。融点72〜73℃ 元素分析:C29H50O3として計算値(%);C,
77.97、H,11.28、分析値(%);C,78.25、H,
11.21。 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:2930,2860,
1705,1470,1130,1120,950,740,700cm-1。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:1.18(6H,s,−C(CH3 2COOH),1.25
(32H,brs,PhCH2OCH2(CH2 16CH2−)、3.46
(2H,t,J=6.5Hz)、PhCH2OCH2 CH2−)、
4.50(2H,s,PhCH2 O−)、7.33(5H,m,ベン
ゼン環プロトン)。 得られたこのカルボン酸5.2gを塩化チオニル
4mlと室温で4時間反応させ減圧下乾固して無色
固体の20−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルエ
イコサン酸クロリドを収量5.6gで得た。 赤外吸収スペクトル(CCl4)ν:2930,2860,
1790,1460,1365,1100,905,700cm-1 実施例 5 得られた20−ベンジルオキシ−2,2−ジメチ
ルエイコサン酸クロリド5.6gをH2TamPP1.3g
の無水テトラヒドロフラン(50ml)とピリジン
(1.5ml)の溶液と実施例1と同様の条件で反応、
後処理精製して、5,10,15,20−テトラ(α,
α,α,α−O−(20−ベンジルオキシ−2,2
−ジメチル−エイコサンアミド)フエニル〕ポル
フインを収量3.70g、収率80%で得た。融点33〜
35℃ 元素分析:C160H230N8O8として計算値(%);
C,80.29、H,9.68、N,4.68、分析値(%);
C,80.11、H,9.88、N,4.77。 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3440,2920,
2850,1690,1580,1510,1450,1360,1300,
1100,965,800,750cm-1。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:−2.60(2H,s,ポルフイン環内N−
H)、−0.22(24H,s,−C(CH3 2−CONH−)、
3.45(8H,t,J=6.4Hz、PhCH2OCH2 CH2−)、
4.49(8H,s,PhCH2 O−)、7.13(4H,s,
【式】)、7.31(20H, s,【式】)、8.76(4H,d, J=7Hz,【式】)、8.82(8H, s,ポルフイン環β−位プロトン) 実施例 6 5,10,15,20−テトラ(α,α,α,α−O
−(20−ベンジルオキシ−2,2−ジメチルエイ
コサンアミド)フエニル〕ポルフイン3.5gを実
施例2と同様の方法でジクロルメタン(30ml)、
ニトロメタン(15ml)及びアニソール(3ml)の
混合溶媒中で無水塩化アルミニウム6gと反応後
処理、抽出操作を行ない減圧下乾固して得た残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒ク
ロロホルム/メタノール=15/1)して精製し、
ジクロルメタンとメタノールの混合溶媒から再結
晶した。赤褐色針状結晶の5,10,15,20−テト
ラ(α,α,α,α−O−(20−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルエイコサンアミド)フエニル〕ポル
フインを収量1.89g、収率64%で得た。 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3430,3320,
2920,2860,1675,1580,1510,1470,1450,
1300,970,805,760,720cm-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:−2.60(2H,s,ポルフイン環内N−
H)、−0.21(24H,s,−C(CH3 2−CONH−)、
3.69(8H,t,J=6.4Hz、HOCH2 CH2−)、7.14
(4H,s,アミド基−CON−)、8.73(4H,d,
J=7Hz、【式】)、8.82(8H, s,ポルフイン環β位プロトン)。 元素分析:C132H202N8O8として計算値(%);
C78.14、H9.98、N5.52分析値(%);C78.42、
H10.20、N5.39。 実施例 7 5,10,15,20−テトラ〔α,α,α,α−O
−(20−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエイコサ
ンアミド)フエニル〕ポルフイン1.06gを実施例
3と同様の方法で反応後処理、シリカゲルカラム
クロマトグラフイー(クロロホルム/メタノール
=25/1の混合溶媒)により精製し、さらにジク
ロルメタン/メタノールの混合溶媒から再結晶さ
せた。黒紫色結晶のブロモ{5,10,15,20−テ
トラ〔α,α,α,α−O−(20−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルエイコサンアミド)フエニル〕
ポルフイナト}鉄()を収量0.82g、収率73%
で得た。融点49〜50℃ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3430,2930,
2860,1690,1580,1510,1460,1440,1300,
1000,800,760,720cm-1 元素分析:C132H200N8O8FeBr・1/2CH2Cl2
して 計算値(%);C72.16、H9.19、N5.08、 分析値(%):C72.41、H9.09、N4.92。 実施例 8 ブロモ{5,10,15,20−テトラ〔α,α,
α,α−O−(20−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ルエイコサンアミド)フエニル〕ポリフイナト}
鉄()0.55gを実施例4と同様の方法によりト
リエチルアミン0.3ml存在下2−クロロ−2−オ
キソ−1,3,2−ジオキサホスホラン0.30gと
反応させたのち、減圧下乾固した残渣をN,N−
ジメチルホルムアミド(15ml)とアセトニトリル
(15ml)の混合溶媒に溶かし、トリメチルアミン
10mlを加え反応させ同様の後処理、精製ののち、
黒色固体として鉄()−5,10,15,20−テト
ラ{α,α,α,α−O−〔20−(2′−トリメチル
アミノエチル)ホスホリルオキシ−2,2−ジメ
チルエイコサンアミド〕フエニル}ポルフイン錯
体を収量0.45g、収率61%で得た。融点235〜237
℃ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3430(幅広
い)2940,2860,1690,1590,1515,1470,
1440,1300,1230,1090,1000,970,810,760,
730cm-1 元素分析:C152H248N12O20P4Fe・9H2Oとして 計算値(%);C62.83、H9.23、N5.78、 分析値(%);C62.55、H9.42、N5.99。 参考例 3 ベンジルオキシメチルクロリドはA.J.Hill他、
Journal of the American Chemical Society,
48,257(1926)の報告に従つて合成し、この
10.96gを参考例1と同様の方法により当量の2
−メチルプロピオン酸のリチウムジアニオンと反
応させ、n−ヘキサンから再結晶精製し、3−ベ
ンジルオキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸を
収量7.75g、収率53%で得た。融点72〜74℃ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3400〜2400
(broad),1700,1480,1320,1250,1120,940,
740,700cm-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:1.23(6H,s,−CH2C(CH3 2COOH)、
3.47(2H,s,PhCH2OCH2 C(CH32−)、4.55
(2H,s,PhCH2 O−)、7.31(5H,s,フエニ
ル環プロトン)。 元素分析:C12H16O3として計算値(%);
C69.20、H7.75、分析値(%);C69.43、H7.80。 得られたカルボン酸3.0gを塩化チオニル4ml
と参考例1と同様の方法で反応させ、3−ベンジ
ルオキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸クロリ
ドを油状物として定量的に得た。 赤外吸収スペクトル(CCl4)ν:1830,1790,
1460,1100,915,700cm-1。 実施例 9 得られた3−ベンジルオキシ−2,2−ジメチ
ルプロピオン酸クロリド3.4gを実施例1と同様
の方法でH2TamPP1.1gと反応させたのち、溶
媒としてクロロホルム/エーテル=15/1を用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフイーで精製
し、ジクロルメタン−メタノール混合溶媒から再
結晶させ、5,10,15,20−テトラ〔α,α,
α,α−O−(3−ベンジルオキシ−2,2−ジ
メチルプロパンアミド)フエニル〕ポルフインを
収量1.92g、収率82%で得た。融点170〜172℃ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3440,3320,
2970,2860,1690,1605,1583,1510,1450,
1310,1155,1095,1080,970,800,755,740,
700cm-1 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:−2.53(2H,s,ポルフイン環内N
H)、0.05(24H,s,−C(CH3 2−CONH−)、
2.72(8H,s,PhCH2OCH2 −)、3.29(8H,s,
PhCH2 OCH2−)、6.46〜6.56(8H,m,
【式】)、6.88〜6.96(12H,m, 【式】)、8.70(8H,s,ポル フイン環β−位プロトン)、8.15(4H,s,
【式】)、8.80(4H,d,J=73 Hz)、【式】、7.33〜7.90(12H, m,【式】)。 元素分析:C92H90N8O8として計算値(%);
C76.96、H6.32、N7.81、分析値(%);C76.81、
H6.41、N7.72。 実施例 10 実施例2と同様の方法で5,10,15,20−テト
ラ〔α,α,α,α−O−(3−ベンジルオキシ
−2,2−ジメチルプロパンアミド)フエニル〕
ポルフイン1.50gを脱ベンジル基反応させ、ベン
ゼンからの再結晶により、5,10,15,20−テト
ラ〔α,α,α,α−O−(3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチル−プロパンアミド)フエニル〕ポル
フインを収量1.09g、収率96%で得た。融点294
〜297℃ 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3430
(broad)、3280(broad)、1670,1615,1590,
1530,1470,1450,1350,1310,1290,1160,
1050,970,820,810,760cm-1。 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl3
δppm:−2.89(2H,brs、ポルフイン環内N
H)、−0.78(2H,brs、水和H2 O)、0.49(24H,
s,−C(CH3 2CONH−)、1.02(4H,brt,
OCH2−)、2.22(8H,d,J=4Hz)、HOCH2
(CH32−)、7.35(4H,s,−C(CH32−CON
−)、8.85(8H,s,ポルフイン環β−位プロト
ン)。 元素分析:C64H66N8O8・H2Oとして計算値
(%);C70.31、H6.27、N10.24、分析値(%);
C70.60、H6.34、N9.97。 実施例 11 実施例3と全く同様の方法で5,10,15,20−
テトラ〔α,α,α,α−O−(3−ヒドロキシ
−2,2−ジメチルプロパンアミド)フエニル〕
ポルフイン0.89gを臭化第一鉄、4水和物と反応
させ、クロロホルム/メタノール=50/1の混合
溶媒で精製し、ベンゼン/メタノールから再結晶
させてブロモ{5,10,15,20−テトラ〔α,
α,α,α−O−(3−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチルプロパンアミド)フエニル〕ポルフイナ
ト}鉄()を収量0.37g、収率38%で得た。融
点300℃以上 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3420
(broad)、3250(broad)、1670,1610,1585,
1525,1440,1330,1050,1000,800,760,720
cm-1 元素分析:C64H64N8O8FeBr・H2Oとして計算
値(%);C62.65、H5.42、N9.13、分析値(%)
C62.36、H5.46、N9.01。 実施例 12 実施例4と同様の方法によりブロモ{5,10,
15,20−テトラ〔α,α,α,α−O−(3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジメチルプロパンアミド)フ
エニル〕ポルフイナト}鉄()0.20gと2−ク
ロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホ
ラン0.20g、トリエチルアミン0.20mlを反応させ
たのち、トリメチルアミン10mlと反応させ、セフ
アデツクスLH−60(溶媒メタノール)で精製し
て黒色油状の鉄()−5,10,15,20−テトラ
〔α,α,α,α−O−〔3−(2′−トリメチルア
ミノエチル)ホスホリルオキシ−2,2−ジメチ
ルプロパンアミド)フエニル}ポルフイン錯体を
収量0.15gで得た。 赤外吸収スペクトル(KBr)ν:3400(幅広
い)、3040,2970,1650,1480,1260,1090,
1060,960,760cm-1 実施例 13 鉄()−5,10,15,20−テトラ〔α,α,
α,α−O−〔12−(2−′−トリメチルアミノエ
チル)ホスホリルオキシ−2,2−ジメチルドデ
カンアミド)フエニル}ポルフイン錯体0.586mg
とα−シクロデキストリンに包接させたN−フエ
ネチルイミダゾール(モル比1対1の包接体)41
mg(鉄()錯体に対し140倍当量に相当する。)
とを0.1M−リン酸緩衝液(PH7.15)9mlに溶解
し、還元酵素類としてNADP+1mg、グルコース
−6−リン酸8mg、フエレドキシン0.02mg、フエ
レドキシン−NADPリダクターゼ0.1mgおよびカ
タラーゼ0.05mgを加えた。この水溶液に20分間窒
素ガスを通じて脱酸素ののち、グルコース−6−
リン酸デヒドロゲナーゼ0.06mgを加えて室温で4
ないし12時間静置して還元させた。可視吸収スペ
クトルを測定し、図の曲線aに示す中心鉄が3価
から2価になつた還元型の6配位のスペクトルを
確認した。吸収極大波長は427,533,560nmであ
つた。得られた還元型の水溶液に酸素ガスまたは
窒素ガスを通じると、直ちにスペクトルが変化し
図の曲線bに示される酸素錯体のスペクトルとな
つた。吸収極大波長は424,541nmであつた。得
られた酸素錯体の溶液を再度窒素ガスを吹き込ん
で窒素雰囲気とするとスペクトルは元の図の曲線
aに戻り、可逆的な酸素の吸脱着の起こることが
確認された。なお得られた酸素錯体溶液の経時変
化を可視吸収スペクトルで追跡して求めた半寿命
は約70分間であつた。 ここで用いたα−シクロデキストリンに包接さ
せたN−フエネチルイミダゾールは以下の方法で
合成した。 β−ブロモエチルベンゼン10gとイミダゾール
10.6gを200℃に加熱して5時間反応させたのち、
クロロホルム200mlで抽出し、10%炭酸水素ナト
リウム水溶液ついで水で洗滌した。分離したクロ
ロホルム層を芒硝で乾燥し溶媒を減圧留去して得
た残渣を減圧蒸留により精製し、N−フエネチル
イミダゾールを油状物として収量5.50g、収率45
%で得た。沸点158〜159℃/5mmHg。得られた
N−フエネチルイミダゾール0.43gのエーテル
(5ml)溶液をα−シクロデキストリン2.14gの
水溶液(50ml)に加えて室温で3時間撹拌したの
ち凍結乾燥して無色粉末を得、これをエーテル50
mlで2回洗つたのち、50℃で減圧乾燥した。こう
して合成したα−シクロデキストリンに包接させ
たN−フエネチルイミダゾールは、これを重水に
溶かしプロトン核磁気共鳴スペクトルのプロトン
積分比を測定することにより、α−シクロデキス
トリンとN−フエネチルイミダゾールのモル比が
1対1の包接体であることを確認した。 実施例 14 実施例13で行なつた溶液にさらに平均分子量が
9000,40000,180000のデキストランを5%
(W/V)ないし10%(W/V)添加してその酸
素吸脱着機能を同様に試験したが全く影響はなく
実施例13と同じ結果を与えた。半寿命は40〜70分
間であつた。 実施例 15 実施例13においてα−シクロデキストリンに包
接させたN−フエネチルイミダゾールに代えN−
メチルイミダゾール1.05mg(鉄()錯体に対し
50倍当量)を使用した以外は同様の方法で実施し
た。得られた酸素錯体の経時変化から求めた半寿
命は約15分間であつた。 実施例 16 実施例13で使用した鉄()−ポルフイン錯体
0.51mgとN−ラウリルイミダゾール1.05mg(錯体
に対し20倍当量)および卵黄ホスフアチジルコリ
ン32mgをメタノール(10ml)溶液とし、減圧下容
器器壁に薄膜として乾固させ、生理食塩水10mlを
加え振とうして乳濁溶液を得て、これを超音波撹
拌処理して均一分散溶液を得た。この溶液に20分
間窒素ガスを通じて脱酸素ののち実施例13の方法
に従つて還元し、得られた鉄()−ポルフイン
錯体の酸素吸脱着機能を可視吸収スペクトルで追
跡し実施例13と同じ結果を得た。なお酸素錯体の
経時変化から求めた半寿命は約15分であつた。 実施例 17 実施例13で用いた溶液に、さらにアルブミンを
5%(W/V)濃度になる様に加えた上で、同様
の還元操作ののち、可視吸収スペクトルを測定
し、酸素の吸脱着の可逆性を確認した。また生成
させた酸素錯体の半寿命は180分間以上であり安
定であつた。ここで用いたアルブミンは人血清、
牛血清、ヒツジ血清、ウサギ血清、マウス血清あ
るいは卵など天然由来のものであり、いずれにも
差はなく同様の結果を与えた。 実施例 18 鉄()−5,10,15,20−テトラ{α,α,
α,α−O−〔20−(2′−トリメチルアミノエチ
ル)ホスホリルオキシ−2,2−ジメチルエイコ
サンアミド〕フエニル}ポルフイン錯体2.7mgと
N−ラウリルイミダゾール2.2mgおよび卵黄ホス
フアチジルコリン35mgをメタノール溶液とし、減
圧下容器器壁に薄膜として乾固させ生理食塩水12
mlを加え振とうして乳濁状溶液を得て、さらに超
音波撹拌処理してほぼ透明な溶液を得た。この溶
液に20分間窒素ガスを通じて脱酸素させ、実施例
13で用いた酵素類を加えて室温で12時間静置して
還元し相当する鉄()−ポルフイン錯体溶液を
得た。実施例13と同様の方法で酸素の吸脱着を確
認し、また酸素錯体の経時変化から半寿命を求め
た。還元型は533および562nm、酸素錯体は
540nmに吸収極大波長を持ち、半寿命は5時間以
上と非常に安定な結果を得た。 実施例 19 鉄()−5,10,15,20−テトラ{α,α,
α,α−O−〔20−(2′−トリメチルアミノエチ
ル)ホスホリルオキシ−2,2−ジメチルエイコ
サンアミド〕フエニル}ポルフイン錯体2.7mg、
N−ラウリルイミダゾール5.6mg、卵黄ホスフア
チジルコリン70mgおよびコレステロール10mgをメ
タノール(10ml)とクロロホルム(10ml)の混合
溶媒溶液とし、実施例18と全く同様の操作によ
り、相当する鉄()−ポルフイリン錯体水溶液
を得て、酸素吸脱着の可逆性と酸素錯体の半寿命
を測定した。還元型は533及び562nm、酸素錯体
は541nmに吸収極大波長を持ち、半寿命は5時間
以上との結果を得た。 実施例 20 実施例18において卵黄ホスフアチジルコリンを
ジミリストイルホスフアチジルコリン35mgに代え
た以外は全く同じ方法で試験し、酸素錯体の吸収
位置および半寿命が同一であるとの結果を得た。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明に従つて実施例13において調製さ
れた鉄()錯体の酸素吹き込みに伴う可視吸収
スペクトル線図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (ここでnは1〜20の整数)で表わされるホス
    ホリルコリン基を有する鉄−5,10,15,20−テ
    トラ〔α,α,α,α−O−(置換アミド)フエ
    ニル〕ポルフイン錯体。 2 一般式 (ここでnは1〜20の整数、Xはハロゲン原
    子)で表わされる化合物を2−クロロ−2−オキ
    ソ−1,3,2−ジオキサホスホランと反応さ
    せ、ついでトリメチルアミンと反応させることを
    特徴とする一般式 (ここでnは1〜20の整数)で示されるホスホ
    リルコリン基を有する鉄−5,10,15,20−テト
    ラ〔α,α,α,α−O−(置換アミド)フエニ
    ル〕ポルフイン錯体の製造方法。
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