JPH0375262A

JPH0375262A - 耐溶湯浸透性、耐溶湯摩耗性を有するアルミナ・コージエライト質耐火物

Info

Publication number: JPH0375262A
Application number: JP1210249A
Authority: JP
Inventors: Akira Iwasaki; 明岩崎
Original assignee: Nippon Crucible Co Ltd; Nippon Rutsubo KK
Current assignee: Nippon Crucible Co Ltd; Nippon Rutsubo KK
Priority date: 1989-08-15
Filing date: 1989-08-15
Publication date: 1991-03-29
Anticipated expiration: 2009-11-30
Also published as: JPH0696470B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、アルミナ・コージエライト質成形体よりな
る低融点金属溶湯用耐火物において、マトリックスが主
としてペタライト質であることを特徴とする燐酸アル、
ミニラム結合のアルミナ・コージエライト質耐火物に関
するもので、耐溶ｔＩＡ浸透性、耐溶湯摩耗性、耐熱衝
撃性および断熱性を具備するから、とくにアルミニウム
溶湯の輸送用イブに適する。

（従来の技術）溶解炉から手許炉への給湯は、取鍋をフォークリフトま
たはレール上を運搬車で運搬したり、炉と炉の間の樋に
よる運搬が行われているが、溶湯が大気に触れるため熱
損失が生じたり、酸化物の生成や、ガス吸収によるピン
ホールの発生等により不良率が増加するなどの問題があ
る。最近、溶解炉から手許炉、手許炉から鋳造機間の給
湯経路を溶湯の輸送用パイプでつなぎ、溶湯を大気に触
れることなく、鋳造する自動給湯システムが普及してき
た。

アルミニウム溶湯の輸送用パイプとして、鋼製パイプの
内張層に管状のセラミックファイバー成形品を使用した
もの、またはセラミックファイバーを含有するキャスタ
ブル耐火物を管と、それに同心に設けた型枠との間に流
し込んで成形したものが使用されている。

セラミックスとしては窒化珪素質、炭化珪素質、アルミ
ナ質や珪酸カルシウム質が使用されている。

また、パイプの構造としては、鋼製パイプと窒化珪素パ
イプの間にセラミックファイバーを設けたものや、セラ
ミックス管に亀裂が発生して、その亀裂から溶湯が滲出
しても、セラミックス管に被覆したセラミックスペーパ
ー層で溶湯を外部へ漏出させない方法などが開示されて
いる（実開昭６２−１６５０５６号公報、実開昭６４−
５４９６４号公報）。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、内張層であるセラミックファイバーや珪
酸カルシウム層は断熱層として湯温低下の防止に有効に
働くが、セラミックファイバー層や珪酸カルシウム層に
は気孔が多量にあること、これらの層とアルミニウム溶
湯が接触部で反応すること等の原因によって、加熱収縮
による亀裂が発生し、溶湯が浸透あるいは付着するため
閉塞があり、また溶湯の流れにより摩耗すること等から
寿命が短い。窒化珪素質、炭化珪素質は耐熱衝撃性、耐
溶湯浸透性、耐溶湯摩耗性にすぐれるのであるが、熱伝
導率が高く、断熱性が劣るので、パイプの放散熱が大き
くなることから、パイプの外側をセラミックファイバー
で断熱するか（実開昭６２−１６５０５６号公報）、パ
イプの外側からヒーターで加熱するか、またはヒーター
を内蔵して（特開昭６２−３４６５８号公報）パイプを
加熱しなければならないという欠点がある。アルミナ質
は断熱性、耐熱衝撃性、耐溶湯浸透性および耐溶湯摩耗
性の諸性質において、窒化珪素質、炭化珪素とセラミッ
クファイバー、珪酸カルシウムの中間にあり、満足され
るものではない。本願出願人は、アルミナ質の耐熱衝撃
性、耐溶湯浸透性にすぐれる耐火物の研究を行った結果
、焼結アルミナ、焼成アルミナ、焼成ボーキサイト等の
アルミナ原料に耐火粘土および燐酸アルミニウムを混合
して成形し、加熱処理した耐火物を開示した（特開昭５
９−２１３６６７号公報）。従来のアルミナ質耐火物で
は耐食性を向上させるため、耐火粘土の使用量をできる
だけ少なくして高圧成形し、高温焼成して製造していた
ものに対し、この開示した発明は耐火粘土の使用量を多
くし、かつ燐酸アルミニウムと併用し、比較的低温度で
加熱処理した結果、気孔率の小さい緻密な耐火組織にし
、耐溶湯浸透性を向上させたものである。この開示した
発明に係るアルミナ質耐火物を、アルミニウム溶湯の輸
送用パイプに適用したところ、耐溶湯浸透性は充分満足
されるものの、耐熱衝撃性および断熱性が不足した。約
６８０℃の溶湯がパイプ内を間欠的に通過する間に亀裂
が発生し、その亀裂に溶湯の侵入が起こることから亀裂
が拡大していく。したがって、パイプは加熱放冷の繰り
返し応力を受ける使用状態では、−層耐熱衝撃性の高い
ものが必要であった。そして、パイプの外側からの加熱
またはパイプの外側を断熱構造としなければならないと
いう問題が残った。耐熱衝撃性を改良する材料として、
コージェライトおよびペタライトが知られている。した
がって、アルミナ質原料にコージェライトまたはペタラ
イトを添加すれば、アルミナ質耐火物の耐熱衝撃性が向
上することが予想される。ところが、アルミナ質原料に
コージェライトまたはペタライトを添加し、耐火粘土を
結合材とし、プレス成形し、焼成した耐火物はアルミニ
ウム溶湯の浸透が大きく、アルミニウム溶湯用パイプに
使用できないものであった。また、アルミナ質原料にコ
ージェライトまたはペタライトを添加し、アルミナセメ
ントを結合材とし、鋳込み成形し、焼成した耐火物も同
様の理由で使用できないものであった。

また、これらのアルミナ・コージエライト質耐火物は耐
熱衝撃性においても溶湯輸送用パイプとしては、なお不
充分であった。特開昭６０−１８６４６１号公報におい
ては、コージェライト質耐火物の耐熱衝撃性を改善する
ために微粒のコージェライトに、それより粗粒の炭化珪
素粒子を分散させることが開示されているが、炭化珪素
は断熱性を低下させるので本発明の目的に適さない。そ
こで本発明者はアルミナ・コージエライト質耐火物の耐
溶湯浸透性を抑えるべく研究したところ、コージェライ
トとペタライトの併用および燐酸アルミニウムとの組合
せにおいて、アルミニウム溶湯輸送用パイプに適する本
発明を完成することができた。

（課題を解決するための手段）このは発明は、以上説明した従来の耐火物、とくにセラ
ミックスパイプの問題点を解決するために行われたもの
で、重量でコージェライト粉３５〜６０％、ペタライト
粉１０〜５０％、アルミナ粉１０〜４０％からなる原料
粉に燐酸アルミニュウムを結合材として添加し、混練し
、成形し、焼成したことを特徴とする耐溶湯浸透性、耐
溶湯摩耗性を有するアルミナ・コージエライト質耐火物
に関するものである。

（作用）第１表にホワイトコージェライトおよびペタライトの原
料の性質を示した。いずれも低膨張性で、耐熱衝撃性に
すぐれた原料である。コージェライトは高気孔質で、断
熱性を有する。

コージェライトは、レッドとホワイトがあるが、レッド
コージェライトは鉄分を２％含有するのに対して、ホワ
イトコージェライトは鉄分が０．１５％と極めて少ない
から、鉄分を嫌うアルミニウム溶湯と接触する耐火材に
使用する場合には、ホワイトコージェライトの方が適す
る。コージェライトは耐熱衝撃性および断熱性をもたせ
るために使用する。２０以下の中粒を使用する。コージ
ェライトは耐熱衝撃性を有するものの、約６８０℃のア
ルミニウム溶湯が通過するパイプにおいては、耐熱衝撃
性がなお不足する。耐熱衝撃性の改善には、種々研究し
た結果、低膨張性を有するペタライト粉の添加が効果的
であるという知見を得た。

耐熱衝撃性の改善には、マトリックス部を強固にする必
要があるので、微粉のマトリックス部には、コージェラ
イトより低膨張性のペタライトを使用するのが良好であ
った。ペタライトは１２５μｍ以下のものを使用した。

アルミナは溶−湯の摩耗に対する耐食性を向上させる。

アルミナは４４μｍ以下の微粉を使用した。アルミナ質
原料はコランダム、仮焼アルミナ、ムライト、ボーキサ
イト等が使用できる。次に各原料の使用割合とその理由
について説明する。

コージェライト粉は重量で、３５〜６０％使用する。３
５％以下では、耐熱衝撃性が不足する。

６０％以上では、ペタライトおよびアルミナの使用量が
不足するので、耐熱衝撃性および耐溶湯摩耗性が不足す
る。ペタライト粉は重量で、１０〜５０％使用する。１
０％以下では、耐熱衝撃性が不足する。５０％以上では
、コージェライトやアルミナの使用量が不足するので、
断熱性、耐熱性および耐溶湯摩耗性が不足する。ペタラ
イトの使用量が多いと、熱伝導率が高くなり、断熱性が
失われる。アルミナ粉は重量で、１０〜４０％使用する
。１０％以下では耐溶湯摩耗性が不足し、４０％以上で
は耐熱衝撃性、断熱性が不足する。これらの粉体に対し
結合材として燐酸アルミニウムを添加して混練し、成形
する。燐酸アルミニウムは、アルミニウム溶湯に対する
耐浸透性、耐食性にすぐれる。結合材として、各種燐酸
アルミニウムが使用できる。成形は、高圧成形すると成
形体の組織が緻密となり、耐熱衝撃性の改善になる。

パイプの成形ではラバープレスが適する。成形体は乾燥
後、約１０００℃で焼成する。

（実施例）第２表は本発明品の実施例を示す。実施例は全てコージ
ェライト粉はホワイトコージェライト２０００μｍ以下
、ペタライト粉は１２５μｍ以下、アルミナ粉は仮焼ア
ルミナ４４μｍ以下および結合材として、多木化学株式
会社製／燐酸アルミニウム９５％溶液（商品名ニアシト
ホス７５を加水して、濃度９５％とした。）を粉体１０
０重量部に対して８．６〜９．６重量部使用した。混合
物をラバープレスで８００　ｋ　ｇ　／　ｃｊの加圧力
でパイプ状に成形した。乾燥後、１０５０℃で３時間焼
成した。焼成後の供試体について第２表に掲げる諸物性
を測定した。実施例は全て高気孔質である。

アルミニウム浸透試験では、８０Ｘ８０Ｘ６５Ｉｌｌの
素材に５０φＸ５０ｍｍの穴を形成し、るつぼ形とした
供試体の中にアルミニウムＡＤＣ−１２を１６０ｇ入れ
、９００℃で４８時間大気中で保持したのちのアルミニ
ウム溶湯が、供試体に浸透したときの最も浸透深さの大
きい部分の寸法を、浸透深さ（−）として測定した。

耐熱衝撃性では内径５０ｍ５、外径８Ｃ１ａｎ、長さ２
００■■のパイプ状の供試体を８５０℃で２０分間加熱
したのち、パイプ外表面に冷水をかけ３０秒間冷却した
。冷却後空冷して乾燥し、再び前記と同様の方法を繰り
返した。そして、繰り返し回数とパイプ表面の亀裂の発
生状況を測定した。耐溶湯摩耗性の代用として耐摩耗試
験を行った。耐摩耗試験では、直径３Ｉ１ｍの鉄製散弾
１５ｋｇを高さ７ｍから供試体表面に落下させたときの
、供試体の落下面に生じた凹面の体積を摩耗量として測
定した。通気率測定では、１ｋｇ／ｃ−および２ｋｇ　
／　ｃ−の圧縮空気で行った。熱伝導率測定では、ＪＩ
Ｓ　　Ｒ２６１８−７９による熱線法に準じたもので行
った。試料は、直径１００１１％長さＬｏｏｍｍを半円
柱状に２分割したものを試用した。

第３表は比較例を示す。比較例ＮＯ６６はアルミナ質低
アルミナセメントの高強度キャスタブル耐火物であり、
Ｎｏ、７はアルミナ質キャスタブル耐火物であり、Ｎｏ
、８はアルミナ質燐酸アルミニウムボンドキャスタブル
耐火物であり、Ｎｏ。

９は珪酸カルシウム質断熱性キャスタブル耐火物で、全
て市販品である。Ｎｏ、１０．Ｎｏ、１１゜ＮＯ，１２
は試験配合品で、Ｎｏ、１０はホワイトコージェライト
２０以下７４７重量部、ホワイトコージェライト０．２
ｍｍ以下１５３重量部にアシドホス７５／１２重量部を
混合し、８００ｋｇ／　ｃｄでラバー成形し、１０５０
℃で焼成した。Ｎｏ、１１はホワイトコージェライト２
０以下／４２重量部、ペタライト０．１２５ｍ５以下７
２０重量部に電化ハイアルミナセメントスーパー３８重
量部に水２１．１重量部を混合し、振動流し込み成形し
、７００℃で焼成した。Ｎｏ、１２は、ホワイトコージ
ェライト２＋ｕ以下７４７重量部、ペタｙイト０．１２
５＋ｎ以下１５３Ｔｉｆｆｉ部ニアシトホス７５／９．
１重量部を混合し、８００ｋｇ／Ｃ−でラバー成形し、
１０５０℃で焼成した。次に、実施例と比較例を比較す
る。アルミニウム浸透試験では、実施例ＮＯ６１〜ＮＯ
６５の全てに浸透が全くみられなかったのに対して、比
較例Ｎｏ。

１０およびＮｏ、１１では、それぞれ３．４■と１０．
４ｓｎであった。このことは、コージェライトは多孔質
であるため、骨材とともにマトリックスにコージェライ
トを使用したときは、マトリックス部分での緻密度が不
足するため溶湯の浸透が多くなること、燐酸アルミニウ
ム結合が耐浸透性を良好にしていることを示している。

耐熱衝撃試験では、実施例がＮ００４の８回を除いて、
全てが１０回でも亀裂がみられなかったのに対して、比
較例の市販品Ｎｏ、６〜Ｎｏ、９では、３〜６回で大き
な亀裂が発生している。低膨張性原料であるペタライト
をマトリックスに使用したことが、実施例の耐熱衝撃性
を向上させたことを示している。耐溶湯摩耗試験では、
摩耗量が実施例が０゜６２〜１．１７ｃｃに対して、Ｎ
ｏ、６の高強度キャスタブル耐火物には及ばないが、Ｎ
　ｏ　、　　９の断熱性キャスタブル耐火物よりすぐれ
ていることを示している。通気率測定では、実施例Ｎｏ
、１〜Ｎｏ、５は市販品Ｎｏ、　６．　Ｎｏ、　７およ
びＮｏ。

９に比して高い値を示した。熱伝導率は、実施例は０．
９３〜１．２０であり、Ｎｏ、９の断熱性キャスタブル
耐火物には及ばないが、Ｎｏ、６゜Ｎｏ、７．Ｎｏ、８
のキャスタブル耐火物に比して低い値であり、断熱性が
あることを示している。

（発明の効果）本発明の耐火物を溶湯輸送用パイプに使用したときは耐
熱衝撃性にすぐれるので、パイプの割れよる不測のトラ
ブルが解消され、安全操業ができる。しかも、珪酸カル
シウムからなるパイプに比べて耐摩耗性が２倍以上ある
ので、寿命が延長される。本発明は高気孔性、高通気性
であるにもかかわらず、アルミニウム溶湯の浸透がなく
、耐溶湯摩耗性、耐熱衝撃性にすぐれているので、アル
ミニウム溶湯輸送用パイプの用途に限らず、アルミニウ
ム等低融点金属溶湯保持炉の内張用、溶湯樋、搬送用取
鍋の内張用にも適用できる。

Claims

【特許請求の範囲】

　重量で、コージエライト粉３５〜６０％、ペタライト
粉１０〜５０％、アルミナ粉１０〜４０％からなる原料
粉に燐酸アルミニユウムを結合材として添加し、混練し
、成形し、焼成したことを特徴とする耐溶湯浸透性、耐
溶湯摩耗性を有するアルミナ・コージエライト質耐火物
。