JPH0374172B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はポリオレフイン系樹脂型内発泡成型体
の製造法に関する。 ポリオレフイン系樹脂予備発泡粒子を成型用型
内で発泡成型して得られる型内発泡成型体の製造
には、従来加圧タンク内で加圧処理して内圧を付
与した予備発泡粒子の適宜量（例えば数回の成型
に必要な量）をホツパーに分散し、該ホツパーよ
り１回の成型に必要な所定量の予備発泡粒子を取
出して成型用型に充填し、成型を行なう方法が採
用されている。しかしながら従来の製造方法にお
いてはホツパー内で予備発泡粒子が大気圧下にさ
らされた状態となるためホツパー内の予備発泡粒
子内圧がホツパー内で大気圧下にさらされた時間
の経過に伴つて減少し、この結果得られる型内成
型体の寸法のバラツキが大きくなる欠点があり、
しかも粒子径２mm以下の予備発泡粒子の場合には
内圧減少が、より大きくなるため予備発泡粒子の
二次発泡力不足を生じ、粒子の融着不良や成型体
表面に大きな凹凸を生じる欠点があつた。 また予備発泡粒子を加圧し、予備発泡粒子を圧
縮した状態で成型用型に充填して成型する方法も
知られており、このような方法によれば予備発泡
粒子内圧の減少に伴う上記の欠点は一応解消でき
るものの、成型用型に充填された予備発泡粒子が
圧縮されてその体積が減少している為、前記非圧
縮充填方式の成形方法に比して、同一予備発泡粒
子から得られる発泡成型体は密度の高い（即ち、
倍率の低い）ものとなる。換言すれば、同一密度
の（同一倍率の）発泡成型体を得るには、前記非
圧縮充填方式の成型方法に比して、より高い倍率
の予備発泡粒子を必要とし、発泡効率が悪いとい
う欠点があり、更には、予備発泡粒子を圧縮する
為の高圧設備を必要とする等の欠点があつた。 本発明者らは上記の点に鑑み鋭意研究した結
果、予備発泡粒子を成型用型に充填するまでの間
常に予備発泡粒子を加圧下におくとともに、予備
発泡粒子を実質的に圧縮することなく成型用型に
加圧充填することにより従来の欠点を解消できる
ことを見い出し本発明を完成するに至つた。 即ち本発明は加圧タンク内で加圧下に保持され
たポリオレフイン系樹脂予備発泡粒子の適宜量を
中間タンクに移送して該中間タンク内で加圧下に
保持し、次いで該中間タンク内の予備発泡粒子の
所定量を、クラツキングを設けた成型用型内に予
備発泡粒子の体積を実質的に減少させることなく
加圧充填し、しかる後成型用型内の予備発泡粒子
を加熱して発泡膨張せしめ、粒子相互を融着せし
めて型内発泡成型体を得ることを特徴とするポリ
オレフイン系樹脂型内発泡成型体の製造法を要旨
とする。 本発明において用いられるポリオレフイン系樹
脂予備発泡粒子は例えば密閉容器内でポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体等のオレフイン系樹脂粒子を加熱軟化せしめ
て該粒子にブタン、プロパン、ジクロロジフロロ
メタン等の揮発性発泡剤および／または二酸化炭
素等の無機発泡剤を含浸させた後、該粒子を容器
内より低圧下に放出して発泡せしめる等により得
られる。該予備発泡粒子には成型に際して内圧が
付与されるが、この内圧付与は、予備発泡粒子を
空気、二酸化炭素等の無機ガスまたは無機ガスと
前記揮発性発泡剤との混合ガスにより加圧処理す
ることによつて行なわれ、通常は空気により加圧
処理して内圧を付与される。予備発泡粒子に内圧
を付与するための加圧処理は、本発明における加
圧タンク内で行なつてもよく、また別の工程で行
なつてもよい。 以下本発明の一実施例を図面に基き説明する。 第１図〜第７図は本発明の実施に係る製造装置
による型内発泡成型体製造の各工程を略図的に示
すもので、図中１は加圧タンク、２は該加圧タン
ク１に、圧搾空気供給管３に連結された図示しな
い空気タンク等から送られる圧搾空気を所定の圧
力に調整して供給する加圧用レギユレーター、４
は固定タンク５と上下に移動可能に構成された可
動タンク６とからなる中間タンク、７は中間タン
ク４の内容積表示目盛、８はエアシリンダー９を
備えた充填機、１０は第１型１１と第２型１２と
から構成される成型用型である。 第１図は、製造開始前の状態を示すもので、加
圧タンク開閉弁１３、中間タンク開閉弁１４、加
圧弁１５、第１排気弁１６、第２排気弁１７、充
填用空気弁１８は全て閉じた状態にあり、加圧タ
ンク１内で、予備発泡粒子１９が所定の圧力下に
加圧保持されている。中間タンク４は成型用型１
０の成型室２０の容積に応じて数回の成型に必要
な予備発泡粒子を収容できる容積に、可動タンク
６の上下位置が調節されている。 加圧タンク開閉弁１３、第２排気弁１７が開く
と加圧タンク１内の予備発泡粒子１９は加圧タン
ク１内の圧力によつて押し出され、中間タンク４
内の空気はメツシユ状の排気フイルター２１を通
過して第２排気弁１７より排出され、中間タンク
４に予備発泡粒子が移送され（第２図）、中間タ
ンク４への予備発泡粒子の移送が終了すると、加
圧タンク開閉弁１３、第２排気弁１７が閉じて、
加圧弁１５より供給される圧搾空気により中間タ
ンク４内の予備発泡粒子１９′が、所定の圧力に
加圧される（第３図）。 次いで、切換弁２２が作動してエアシリンダー
９のピストン軸２３を退動せしめる方向に圧搾空
気が供給されてピストン軸２３が退動し、中間タ
ンク開閉弁１４、充填用空気弁１８が開き、中間
タンク４内の予備発泡粒子１９′は、加圧弁１５
を経て供給される圧搾空気によつて中間タンク４
内より押し出されるとともに充填用空気弁１８を
経て供給される圧搾空気よつて成型用型１０の成
型室２０に送り込まれる（第４図）。この時予備
発泡粒子とともに成型室２０に送り込まれた空気
は第１型１１と第２型１２との間に設けられたク
ラツキング２４より外部に排出され、以つて成型
用型１０の成型室２０に予備発泡粒子が該予備発
泡粒子の体積を実質的に減少させることなく加圧
充填される。 成型室２０内に所定量の予備発泡粒子が充填さ
れると加圧弁１５が閉じるとともに第１排気弁１
６が開き余りの予備発泡粒子は充填用空気弁１８
を経て供給される圧搾空気によつて中間タンク４
方向へ押し戻される。この時中間タンク４内の空
気は加圧タンク開閉弁１３の下部に設けられたメ
ツシユ状の排気フイルター２５を通過して第１排
気弁１６より排出される（第５図）。 次いで切換弁２２が切換えられて、エアシリン
ダー９のピストン軸２３を進動せしめる方向に圧
搾空気が供給されて、ピストン軸２３が進動し、
成型室２０の充填口２６が閉じられると余りの予
備発泡粒子は充填用空気弁１８を経て供給される
圧搾空気により完全に中間タンク４内まで押し戻
される（第６図）。 成型用型１０に充填された予備発泡粒子１９″
は蒸気等によつて加熱されて発泡膨張せしめら
れ、型通りの型内発泡成型体が得られる。一方第
１排気弁１６、中間タンク開閉弁１４、充填用空
気弁１８を閉じて、加圧弁１５が開き、中間タン
ク４内に押し戻された余りの予備発泡粒子は加圧
弁１５を経て供給される圧搾空気により型内発泡
成型体の製造が終了するまでの間、加圧下に保持
される（第７図）。 本発明において加圧タンク１内で予備発泡粒子
を加圧保持するための加圧タンク１内の圧力は
0.5〜５Kg／cm²（Ｇ）が好ましく、中間タンク４
内の予備発泡粒子１９′を加圧する圧力は加圧タ
ンク１内の圧力同様0.5〜５Kg／cm²（Ｇ）が好ま
しく加圧タンク１内の圧力と同じでも異なつてい
てもよい。また中間タンク４内の予備発泡粒子１
９′を成型用型１０に加圧充填する際の充填圧は
0.5〜５Kg／cm²（Ｇ）が好ましい。 本発明においては上記実施例に示した如く、数
回の成型に必要な量の予備発泡粒子を中間タンク
４に移送する場合に限らず１回の成型に必要な量
の予備発泡粒子を中間タンク４に移送してもよ
く、この場合中間タンク４の内容積を１回の成型
に必要な予備発泡粒子を収容できる大きさより大
きめに設定することが好ましい。また成型を行な
う間、中間タンク４内では成型用型１０への充填
余りの予備発泡粒子のみを加圧下に保持してもよ
く、成型に消費された分の予備発泡粒子を加圧タ
ンク１より中間タンク４に補充して後加圧下に保
持してもよい。更に中間タンク４、成型用型１０
は一組のみ設ける場合に限らず、数回の成型に必
要な予備発泡粒子を収容できる内容積に設定した
１つの中間タンクと複数の成型用型とにより、中
間タンクより各成型用型に順次予備発泡粒子を充
填して成型を行なつてもよく、また複数の中間タ
ンクと該中間タンクの数に対応した数の成型用型
とを組合わせて各々の中間タンクと成型用型とに
より成型を行なつてもよい。 以上説明したように本発明は加圧処理により成
型に必要な内圧を付与されたポリオレフイン系樹
脂予備発泡粒子を成型用型に充電するまでの間加
圧下に保持し、クラツキングを設けた成型用型に
予備発泡粒子の体積を実質的に減少させることな
く加圧充填して型内発泡成型体を製造するもので
あるから、従来の製造法の如く、成型用型に充填
されるまでの間に予備発泡粒子の内圧が減少して
該粒子の内圧のバラツキや二次発泡力不足を生じ
る虞れがなく、寸法のバラツキが少なく、寸法安
定性、表面平滑性、粒子の融着性に優れたポリオ
レフイン系樹脂型内発泡成型体を効率良く製造す
ることができる効果を有する。 以下に具体的実施例を挙げて本発明を更に詳細
に説明する。 実施例 １〜４ 第１図に示す装置により、第１表に示す予備発
泡粒子を加圧タンク内で空気により加圧処理し第
１表に示す内圧を付与した後、加圧タンク内の予
備発泡粒子を同表に示す圧力下に保持した。 次いで加圧タンクより中間タンクに予備発泡粒
子を移送して加圧タンク内と同圧力で加圧し、該
中間タンクより予備発泡粒子を内寸法300mm×300
mm×50mmのクラツキングを設けた成型用型に第１
表に示す圧力で加圧充填した。成型用型への充填
余りの予備発泡粒子は中間タンク内に押し戻して
成型終了までの間加圧タンク内と同圧力で加圧保
持した。中間タンクは５回の成型に必要な予備発
泡粒子を収容できる内容積に設定し、成型用型の
予備発泡粒子の加熱には3.2Kg／cm²（Ｇ）の蒸気
を用い、15回の成型を連続して行ない、各々15個
の型内発泡成型体を得た。得られた各々15個の型
内発泡成型体の表面状態、平均収縮率、および15
個の面方向の寸法バラツキを測定した結果を第１
表に示す。 比較例 １〜４ 加圧タンク内で上記各実施例と同様にして加圧
処理して内圧を付与した予備発泡粒子を、加圧タ
ンクより、５回の成型に必要な量を大気圧下に取
出して、開放型の充填用ホツパーに分取し、該ホ
ツパーより実施例１〜４と同様の成型用型に予備
発泡粒子を充填して3.2Kg／cm²（Ｇ）の蒸気によ
り成型を行ない各々15個の型内発泡成型体を得
た。充填用ホツパー内の予備発泡粒子は成型が終
了するまでの間大気圧下に保持した。得られた型
内発泡成型体の表面状態、平均収縮率、両方向の
寸法バラツキを測定した結果を第１表にあわせて
示す。 実施例 ５〜８ 加圧タンク内で空気により加圧処理して内圧を
付与した第２表に示す予備発泡粒子を用い、成型
用型として口部内径90mm、深さ105mmの容器成型
用型を用い、加熱に５Kg／cm²（Ｇ）の蒸気を用い
加圧タンク内圧力、充填圧力を第２表に示す値と
して実施例１〜４と同様にして各々15個の成型容
器を得た。これらの容器の性状を測定した結果を
第２表に示す。 比較例 ５〜８ 上記実施例５〜８で加圧処理して内圧を付与し
た予備発泡粒子を加圧タンク内より大気圧下に取
出して５回の成型に必要な量を開放型のホツパー
に分取し、前記比較例１〜４と同様の方法により
実施例５〜８と同様の容器成型用型に充填して５
Kg／cm²（Ｇ）の蒸気で加圧して成型し各々15個の
容器を得た。得られた容器の性状を測定した結果
を第２表にあわせて示す。

【表】

【表】

【表】 【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので第１図〜
第７図は、本発明の実施に係る製造装置により型
内発泡成型体の製造を行なう際の各工程を示す要
部縦断面略図である。 １……加圧タンク、４……中間タンク、１０…
…成型用型、１９，１９′，１９″……予備発泡粒
子、２４……クラツキング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加圧タンク内で加圧下に保持されたポリオレ
   フイン系樹脂予備発泡粒子の適宜量を中間タンク
   に移送して該中間タンク内で加圧下に保持し、次
   いで該中間タンク内の予備発泡粒子の所定量を、
   クラツキングを設けた成型用型内に予備発泡粒子
   の体積を実質的に減少させることなく加圧充填
   し、しかる後成型用型内の予備発泡粒子を加熱し
   て発泡膨張せしめ、粒子相互を融着せしめて型内
   発泡成型体を得ることを特徴とするポリオレフイ
   ン系樹脂型内発泡成型体の製造法。