JP4520658B2 - 発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法及び装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂からなる発泡性粒子を金型内にて加熱、発泡、融着させて発泡成形品を製造する発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形法における金型内への発泡性熱可塑性樹脂粒子の充填方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、成形品における複雑な形状の部分や厚みの薄い部分への発泡性熱可塑性樹脂粒子の充填性を向上したり、それらの部分に対して発泡性熱可塑性樹脂粒子を他の部分に較べて高密度に充填して成形品における当該部分の強度の向上を可能とする充填方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形に用いる成形機における金型は、移動型及び固定型によりキャビティ(成形空間)が形成されており、前記移動型及び固定型のキャビティに臨む側壁には、キャビティ内の空気を排出するためのコアベントが設けられている。通常、前記キャビティは大気圧に開放されており、成形に際しては、前記移動型と固定型とを型閉めした状態で、金型に取り付けたフィーダーの充填空気供給口から前記大気圧に開放されたキャビティ内に向かって加圧空気(充填空気)を吹き込むとともに前記移動型及び固定型に設けたコアベントから空気を排出させることで、前記フィーダーが有する減圧吸引作用により発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンク内から発泡性熱可塑性樹脂粒子を吸引してキャビティ内に搬送して充填する。こうして充填された発泡性熱可塑性粒子を、該キャビティ内で加熱媒体である蒸気等により加熱し、発泡、融着させることにより発泡成形品を製造する。
【0003】
前記発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形における発泡性熱可塑性樹脂粒子の金型内への充填方法の代表的なものとして、クラッキング充填法、加圧充填法及び圧縮充填法の3つの方法が挙げられる。前記クラッキング充填法は、金型の移動型及び固定型の側壁に設けられたコアベントからだけでは、充填時にフィーダーからキャビティ内に吹き込まれる空気を充分に排気できない場合に、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子(以下、適宜「発泡性粒子」と略記する。)のキャビティ内への充填不良を防止するために採用する方法であり、充填時に移動型と固定型とを完全に閉めずに隙間(クラッキング)を設けておき、キャビティ内に吹き込まれる空気を前記移動型と固定型との隙間からも排出しながらキャビティ内に発泡性粒子を搬送する充填方法であり、一般的に広く使用されている方法である。
【0004】
また、前記加圧充填法は、充填する発泡性粒子を予め加圧タンク内で0.02〜0.15MPa程度に空気加圧しておき、移動型と固定型を型閉めした状態、又は移動型と固定型との間に隙間(クラッキング)を設けた状態で、キャビティ内を大気圧に開放しておき、前記加圧タンク内と大気圧に開放されたキャビティ内との圧力差を利用してキャビティ内に発泡性粒子を搬送する充填方法であり、比較的発泡力の大きな発泡性ポリスチレン系樹脂粒子等の場合に用いられることが多い。
【0005】
更に、前記圧縮充填法は、充填する発泡性粒子を予め加圧タンク内で0.1〜0.5MPa程度に空気加圧して収縮させておき、移動型と固定型を型閉めし、キャビティ内を前記加圧タンクと同圧あるいは低圧に空気加圧した状態で、加圧収縮させた発泡性粒子を加圧タンクからキャビティ内に搬送する充填方法であり、発泡性ポリオレフィン系樹脂粒子等のような比較的発泡力の小さな発泡性粒子の成形に用いられることが多い。更に、この圧縮充填時に、例えば特開平1−209127号公報に開示されているように、加圧タンク内の空気加圧圧力及びキャビティ内の空気加圧圧力を連続的又は段階的に変化させることによって、同倍率発泡性粒子を用いて部分的に充填密度を変化させる充填方法も知られている。
【0006】
上記のような3つの方法のなかでも、一般に広く使用されている方法はクラッキング充填法であり、発泡成形品の形状が比較的簡単なものについては、移動型と固定型との間の隙間(クラッキング)の設定や充填時にフィーダーから吹き込まれる加圧空気圧力調整及び充填時間等を調整することで、キャビティ内に発泡性粒子を良好に充填することが可能である。しかし、複雑な形状を有する発泡成形品、例えば魚箱や野菜箱等の嵌合部のように、小さくて形状が複雑な部分を有する成形品や、側壁の厚さが薄い箱、更には箱の中に薄い仕切り部分が一体に成形されている成形品等の場合には、クラッキング充填法では充填不良を起こしやすい。このように充填不良が起こるとキャビティ内で発泡性粒子間の間隙が大きくなり、成形の際には、前記発泡性粒子間の間隙を埋める発泡力を必要とするため過剰な加熱発泡を行うことから、必要以上の熱量及び成形時間を要するだけでなく、過大な発泡力付与は冷却時間をも延長させて成形サイクルが長くなり、生産効率が低下する。また、過剰な発泡のため、当然に成形品の強度も低下する。従って、このような複雑な形状部分や厚みの薄い部分を有する発泡成形品の場合には、充填性向上のため、上記した加圧充填法や圧縮充填法が採用されている。
【0007】
しかし、加圧充填法の場合、あまり高い圧力に設定すると、キャビティ全体に加圧した発泡性粒子が密に充填されて成形品の重量が重くなり、また、この重量増加は冷却時間を延長させ、成形サイクルが長くなり、生産効率が低下する。一方、圧縮充填法の場合、前記加圧タンク内には一般に数ショット分の発泡性粒子を貯留させてあるため、一回の加圧収縮でキャビティ内に搬送される発泡性粒子もあれば、複数回の加圧収縮を受けた後、キャビティ内に搬送される発泡性粒子もある。更には、タンクの構造上、一部の発泡性粒子は加圧タンク内に長期間にわたって滞留し加圧収縮を繰り返し受けることもある。また、この種の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形においては、金型内へ発泡性粒子が充填されてフィーダーのピストンが閉じた後に、該フィーダー内及び加圧タンクからフィーダーへの充填ホース内に残った発泡性粒子はフィーダーに吹き込まれる加圧空気により加圧タンクへ逆流(ブローバック)され、再び加圧される。その結果、キャビティ内に搬送される発泡性粒子には圧力履歴の違いが生ずる。このような粒子毎の圧力履歴の違いにより、キャビティ内に充填される発泡性粒子の粒子径が安定せず、成形品の品質、重量のバラツキの原因となる。更に、金型チャンバ及びキャビティに圧力がかかる分だけ金型への負担が大きくなるため、この負担に耐える金型を使用することから金型やそれに付帯する装置が高価かつ複雑なものにもなる。また、加圧空気の使用量も増加するといった問題もある。
【0008】
また、例えば、特開2000−210965号公報には、発泡性粒子を充填しにくい形状のキャビティ部分に第1のクラッキング充填をした後、金型を型閉めするとともに充填工程を一旦止めてチャンバ間に圧力差を設け、充填された発泡性粒子をキャビティの一方の側に押圧することで充填性(密度)を高める一方向加圧圧縮を行い、その後、再び金型を所定のクラッキング隙間を設けた状態にして第2のクラッキング充填を行い、最後に型閉めする充填方法が記載されている。更に、特開2000−176956号公報には、キャビティ内の圧力を段階的に変動させるに際して、発泡性粒子の供給を一旦停止して圧縮エアを供給し充填済の発泡性粒子をキャビティの一方の側に押圧した後、発泡性粒子の供給を再開することでキャビティ内の部位によって充填密度に差を設ける充填方法が開示されている。しかし、前記特開2000−210965号公報や特開2000−176956号公報に開示された充填法のように、キャビティ内の部位によって充填密度に差を設けるために、キャビティ内への発泡性粒子の充填工程の途中で発泡性粒子の供給を一旦停止する方法では、充填時間が延長され、成形サイクルが長くなり生産効率が低下する傾向にある。
【0009】
更に、上記以外に、発泡成形品における特定部分の密度を変更する方法として、2種以上の異種原料や粒径、発泡倍率等が異なる発泡性粒子を各々分割して、キャビティ内における成形品の特定部分となる区画部分に充填する方法もある。
しかし、この方法の場合には、原料粒子の種類が増えることから、実生産においては原料の管理が難しくなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑み、発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形における金型内への発泡性粒子の充填に際し、成形品の重量を大きく増加させることなく、また、発泡性粒子の圧力履歴の違いによる成形品の品質や重量のバラツキもなく、しかも同一原料を上手く使用することで煩雑な原料管理を必要とすることもなく、更には、キャビティ内への発泡性粒子の供給を途中で停止することなく連続的にキャビティ内へ発泡性粒子を搬送可能として充填時間の延長による生産効率の低下を招くこともなく、発泡性粒子の金型内への部分的な充填性を向上させ、更には成形品強度を部分的に向上させることが可能な発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法及び装置を提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形品において、形状が複雑であったり、厚みが薄いといった、充填性向上又は強度向上が必要な部分に、加圧した発泡性粒子を充填し、その他の部分においては無加圧の発泡性粒子を充填する。これにより、成形品重量の増加を抑え、また、発泡性粒子の加圧を成形1サイクル毎に行うことで発泡性粒子の圧力履歴の違いに起因する粒径変化による成形品の品質及び重量のバラツキをも防止し、更には、加圧した発泡性粒子をキャビティ内に搬送した直後に連続的に無加圧状態の発泡性粒子をキャビティ内の残りの空間へ搬送することで充填時間の延長を防止し得るものである。
【0012】
即ち、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法は、チャンバを通じて大気圧に開放されたキャビティからなる金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンク(以下、適宜「発泡性粒子貯留タンク」と略記する。)との間に、発泡性粒子の収容量が前記キャビティよりも小さいホッパを設け、前記金型とホッパとの間及びホッパと発泡性粒子貯留タンクとの間を開閉弁を介して連結し、前記発泡性粒子貯留タンクからホッパに供給した無加圧状態の発泡性粒子を該ホッパ内で0.02MPa以上の圧力で加圧し、この加圧した発泡性粒子を、該ホッパとキャビティとの圧力差を利用して、又は金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内の一部の空間へ搬送した後、発泡性粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性粒子を、金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送することを特徴とするものである。なお、本発明における加圧圧力は、大気圧に開放された状態との圧力差を意味するものであり、ゲージ圧である。
【0013】
上記のような本発明の充填方法によれば、発泡性粒子をホッパ内で加圧してからキャビティ内の一部の空間に搬送することで、成形品における形状が複雑な部分への充填性を向上させ、更には成形品における当該部分の強度を向上させることができる。また、発泡性粒子を加圧しての充填と無加圧での充填とを組み合わせることにより、成形品における形状が複雑な部分や厚みの薄い部分等、充填性向上が必要な部分のみの充填性を向上させることができる。また、発泡性粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性粒子を成形1サイクル毎に必要な分だけ前記ホッパに供給して該ホッパ内で加圧するようにしたことから、加圧により収縮させる場合でも発泡性粒子は1回加圧収縮されるだけでキャビティ内に充填され、従来の圧縮充填法の場合のように、発泡性粒子が加圧タンク内で繰り返し圧縮されることによる粒子毎の圧力履歴の違いが発生することもない。加えて、キャビティ内を大気開放した状態で発泡性粒子を充填することから、金型への負担もない。
【0014】
また、本発明においては、前記金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に、発泡性粒子の総収容量が前記キャビティと同じかそれより小さい複数のホッパを設け、各ホッパ間を開閉弁を介して連結するとともに、前記と同様に金型とホッパとの間及びホッパと発泡性粒子貯留タンクとの間を開閉弁を介して連結し、前記発泡性粒子貯留タンクから各ホッパに供給した発泡性粒子を、各ホッパ内で0.02MPa以上の圧力で加圧した後、順次キャビティ内に搬送するようにしてもよい。更に、この場合、前記複数のホッパの少なくとも一つに供給した発泡性粒子は加圧することなく無加圧状態のままで、金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送することもできる。また、前記各ホッパ内の発泡性粒子をキャビティ内に搬送した後、キャビティ内に空間が残っている場合には、発泡性粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性粒子を、金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内の残りの空間に搬送する。
【0015】
上記のように、複数のホッパのそれぞれで発泡性粒子を加圧してキャビティに搬送し、又は一部のホッパに供給される発泡性粒子は無加圧状態のままキャビティへ搬送することで、成形品形状に応じて各部の発泡性粒子の充填密度を微調整して充填性を向上させ、更には成形品における当該部分の強度を向上させることもできる。
【0016】
更に、前記ホッパ内で発泡性粒子を加圧することで収縮させ、これを該ホッパとキャビティとの圧力差を利用してキャビティ内に搬送するようにしてもよい。このように、発泡性粒子を加圧収縮させてからホッパ内へ搬送することで、充填密度や製品強度をより一層向上させることができる。
【0017】
更に、複数の金型を有する型内発泡成形機の場合には、前記各金型のそれぞれに前記ホッパを設け、それぞれのホッパ内で加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子をそれぞれの金型へ搬送することが好ましい。このように、複数の金型のそれぞれに発泡性粒子の加圧用のホッパを設けることで、各ホッパ毎の加圧圧力の設定や微調整が可能となり、多数個取りで生ずる充填性及び製品重量のバラツキを軽減することができる。
【0018】
また、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置は、発泡性粒子の型内発泡成形機におけるチャンバを通じて大気圧に開放されたキャビティからなる金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に設置され、前記金型との間及び発泡性粒子貯留タンクとの間に開閉弁を介して連結される前記キャビティよりも小さい発泡性粒子の収容量を有するホッパと、前記発泡性粒子貯留タンクから無加圧状態の発泡性粒子を減圧吸引して前記ホッパへ供給する発泡性粒子吸引機と、前記ホッパ内を加圧して該ホッパ内の発泡性粒子を加圧する加圧空気供給手段と、該加圧空気供給手段からホッパへ供給される加圧空気の圧力調整弁とを有するものである。前記ホッパは、一定の発泡性粒子量を計量可能な機能を有する。更に、前記成形機の金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に、発泡性粒子の総収容量が前記キャビティと同じかそれよりも小さい複数のホッパを設け、前記各ホッパ間を開閉弁を介して連結するようにしてもよい。また、複数の金型を有する型内発泡成形機の場合には、前記成形機の各金型のそれぞれと発泡性粒子貯留タンクとの間に前記ホッパを設けることが好ましい。
【0019】
上記のような本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置は、既存の型内発泡成形機における金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に前記ホッパをホース等で接続するだけで簡単に取り付けることができ、既存の成形機をそのまま使用することができる。
【0020】
更に、前記充填装置は、成形機の金型に取り付けられたフィーダーの動作空気信号により、成形機と同期運転させるようにすることができる。これにより成形機への充填装置の取り付けに際して、成形機側のシーケンスを特に改造する必要がなく、成形機フィーダーへの動作空気供給系統に空気ホース等を接続するだけで簡単に接続することができる。
【0021】
また、前記金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に、発泡性粒子貯留タンクから直接金型へ無加圧状態の発泡性粒子を供給する無加圧粒子搬送ラインを別に設けてもよい。これにより、金型キャビティ内への発泡性粒子の充填時間の短縮を図ることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる発泡性熱可塑性樹脂粒子としては、成形機の金型内に充填されて加熱媒体としての蒸気等により加熱することで、発泡、融着して成形品を得ることができる発泡性熱可塑性樹脂粒子であれば特に制限はなく、例えばポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなる発泡性粒子が挙げられる。本発明においては、金型のキャビティ内を大気圧に開放した状態で充填することから、これら発泡性熱可塑性樹脂粒子の中でも、非圧縮状態でも比較的発泡力を有するポリスチレン系樹脂からなる発泡性粒子の成形に特に適している。また、これら発泡性粒子は、予備発泡(一次発泡)されているものが好ましい。
【0023】
次に、本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法を、図面に示した充填装置の実施例に基づき説明する。
【0024】
図1は、本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法を実施するための充填装置の1例を示す説明図である。図中、符号1は成形機の金型であり、移動型側チャンバ2と固定型側チャンバ3との間にキャビティ4が形成される。前記移動型側チャンバ2と固定型側チャンバ3におけるキャビティ4に臨む側壁には多数のコアベント5を設けてあり、また、各チャンバ2、3には外部に開口した排気孔6が設けてある。更に、固定型側チャンバ3を貫通して発泡性粒子のフィーダー7が取り付けてあり、該フィーダー7には発泡性粒子の充填ホース8が接続してある。尚、符号9で示すものは充填空気供給口である。また、図中、符号10で示すものが、前記金型1へ供給する発泡性熱可塑性樹脂粒子の貯留タンクであり、該発泡性粒子貯留タンク10には、前記金型1へ発泡性粒子を搬送するための充填ホース8を接続してある。該発泡性粒子貯留タンク10内には、無加圧の状態で発泡性粒子が貯留されている。上記金型1と貯留タンク10とは、既存の成形機のものをそのまま使用することができる。
【0025】
そして、図中、符号11で示す部分(図中、一点鎖線で囲まれた部分)が、前記成形機の金型1と発泡性粒子貯留タンク10とに充填ホース8で連結された本発明の充填装置である。この充填装置11は、前記金型1のキャビティ4の内容積よりも小さい容量で耐圧性を有するホッパ12を有し、該ホッパ12の両側に設けた開閉弁13、14を介して前記金型1と発泡性粒子貯留タンク10とに充填ホース8により連結してある。また、前記ホッパ12には、前記発泡性粒子貯留タンク10から無加圧状態の発泡性粒子を減圧吸引してホッパ12へ供給する発泡性粒子吸引機15を設けてある。更に、前記ホッパ12には、その内部を加圧する加圧空気供給手段16を接続し、該加圧空気供給手段16からホッパ12へ供給される加圧空気の圧力を調整する圧力調整弁としてのレギュレータ17を設けてある。また、ホッパ12で加圧した発泡性粒子を該ホッパ12とキャビティ4との差圧によりキャビティ4内に搬送する際の搬送速度を維持するために、ホッパ12に圧縮空気のみを溜める図示しない圧力タンクを耐圧パイプ等により取り付ける場合もある。この搬送用圧力タンクを取り付ける場合には、ホッパ12における無加圧の発泡性粒子の導入口付近(発泡性粒子貯留タンク10側)に取り付けることが好ましい。
【0026】
前記ホッパ12は、所定の容量及び耐圧性を有するものであれば、その形状、構造は特に制限はなく、単なるパイプ状のものでもよい。また、ホッパ12の容量は、金型1のキャビティ4の内容積よりも小さく、成形品における充填性を向上させる必要のある部分の容積、例えば、箱の側壁部分に充填される分の発泡性粒子を収容可能な大きさに設定する。また、前記発泡性粒子吸引機15は、例えば基端部を前記ホッパ12に接続したパイプに真空吸引エジェクターを取り付けたものであり、該真空吸引エジェクターから前記パイプ内へ該パイプの先端側に向けて加圧空気を吹き込むことで、ホッパ12内を減圧吸引して発泡性粒子貯留タンク10からホッパ12内へ発泡性粒子を供給可能とするものである。尚、前記発泡性粒子吸引機15とホッパ12との接続部、例えば前記真空吸引エジェクターを取り付けたパイプの基端部とホッパ12との接続部分には、ホッパ12から発泡性粒子が発泡性粒子吸引機15側へ流れ出さないようにパンチングメタル等の発泡性粒子遮断用網が設けてある。
【0027】
次に、上記のような充填装置11を用いて金型1のキャビティ4内へ発泡性熱可塑性樹脂粒子を充填する手順を説明する。先ず、ホッパ12における金型1側の開閉弁13を閉じ、発泡性粒子貯留タンク10側の開閉弁14を開いた状態で、発泡性粒子吸引機15によりホッパ12内を減圧して、発泡性粒子貯留タンク10からホッパ12内へ無加圧状態の発泡性粒子を供給する。所定の時間吸引を続けることによりホッパ12内に発泡性粒子が満たされる。このとき、ホッパ12と発泡性粒子貯留タンク10とを接続している充填ホース8にも発泡性粒子が充満する。このようにしてホッパ12内に発泡性粒子が満たされた後、発泡性粒子吸引機15による吸引を停止する。前記発泡性粒子吸引機15の作動及び停止はタイマー設定により行われる。
【0028】
尚、前記ホッパ12内への発泡性粒子の供給に際しては、ホッパ12における発泡性粒子の収容量を可変式にして加圧収縮した発泡性粒子のキャビティ4への充填量を調整可能とすることもできる。前記収容量可変式のホッパとしては、例えば図2に示すように、異径のパイプ12A,12Bを気密性を確保した状態で伸縮自在に組み合わせた構造のもの等を使用することができる。また、固定容量を有するホッパ12に発泡性粒子吸引機15により発泡性粒子貯留タンク10内の発泡性粒子を送粒する途中でタイマー等をもって開閉弁14を開状態から閉状態へ動作させることで、ホッパ12の容量が固定されたままでホッパ12への発泡性粒子供給量をコントロールすることにより、ホッパ12における発泡性粒子の収容量を変えるような実施も可能である。
【0029】
次に、上記のようにしてホッパ12内へ発泡性粒子の供給が完了した後、発泡性粒子貯留タンク10側の開閉弁14を閉じ、加圧空気供給手段16からホッパ12及び取り付けられている場合には図示しない搬送用圧力タンク内へ加圧空気を供給し、レギュレータ17により圧力調整してホッパ12内の発泡性粒子を0.02MPa以上、好ましくは0.25MPa以上の圧力で加圧又は加圧収縮させる。
【0030】
上記のようにホッパ12内で発泡性粒子を加圧又は加圧収縮させた後、金型1に取り付けたフィーダー7内のピストン18を開ける(後退させる)とともに、ホッパ12の金型1側の開閉弁13を開ける。このとき、金型1は移動型側チャンバ2及び固定型側チャンバ3のキャビティ4に臨む側壁に設けたコアベント5により大気圧に開放されている。また、移動型側チャンバ2と固定型側チャンバ3とを完全には型閉めせずに、両者の間に隙間(クラッキング)を設けておいてもよい。このように、金型1のキャビティ4が大気圧に開放された状態で、前記ピストン18及び開閉弁13を開けることで、ホッパ12内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子を、ホッパ12内との圧力差を利用してキャビティ4内の一部の空間に搬送し、充填する。更に、このホッパ12内の発泡性粒子をキャビティ4内に搬送する場合には、ホッパ12内で発泡性粒子を加圧又は加圧収縮させるための加圧空気供給手段16から加圧空気を導入してキャビティ4内への発泡性粒子の搬送速度を上げることも可能である。
【0031】
前記のようにしてホッパ12内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子をキャビティ4内に搬送した後、ホッパ12における発泡性粒子貯留タンク10側の開閉弁14を開く。この開閉弁14を開くと同時、又はそれ以前に、金型1に取り付けたフィーダー7の充填空気供給口9から大気圧に開放されたキャビティ4内へ向けて加圧空気を吹き込むことにより充填ホース8内を減圧吸引し、発泡性粒子貯留タンク10から無加圧状態の発泡性粒子をキャビティ4内の残りの空間に搬送し充填する。このとき、加圧空気供給手段16より吐出される圧縮空気をホッパ12内にて発泡性粒子の搬送方向に向かって供給すれば、発泡性粒子吸引力も向上させることが可能となり、充填時間短縮効果が得られる。尚、横開閉式金型の場合、前記ホッパ12内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子は、キャビティ4内に一旦充填された後は、重力により下方に落下してしまうことから、無加圧発泡性粒子の充填は、ホッパ12内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子の充填後、該充填された発泡性粒子が落下しない程度に速いタイミングで行うことが好ましい。また、前記ホッパ12内で加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子をキャビティ4内に充填する前に、ホッパ12を一旦大気開放させた後、金型1に設置したフィーダー7による減圧吸引作用により、ホッパ12内の加圧した発泡性粒子、ホッパ12と発泡性粒子貯留タンク10の間に接続されている充填ホース8内に貯留されている無加圧状態の発泡性粒子及び発泡性粒子貯留タンク10内に貯留されている無加圧状態の発泡性粒子とを連続的にキャビティ4内に搬送し、充填することも可能である。
【0032】
上記のようにして無加圧発泡性粒子のキャビティ4内への充填が完了した後、フィーダー7のピストン18を閉じるとともに、ピストン18を閉じたままで充填空気供給口9から加圧空気を吹き込むことで、充填ホース8内及びホッパ12内の発泡性粒子を発泡性粒子貯留タンク10へ逆流(ブローバック)させる。ブローバック後、充填装置11は上記のような工程を繰り返し、ホッパ12内で発泡性粒子を加圧又は加圧収縮させた状態で待機する。一方、成形機の金型1のキャビティ4内に充填された発泡性粒子は、通常の方法により金型1内で蒸気等の加熱媒体により加熱することで、発泡、融着して成形品が成形される。
【0033】
上記のような本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法及び装置によれば、成形品における充填性の向上又は強度向上が必要な特定の部分に相当する量の発泡性粒子をホッパ12内で加圧又は加圧収縮させてホッパ12との圧力差あるいは金型1に設置したフィーダー7の有する減圧吸引作用を利用して大気圧に開放されたキャビティ4内へ充填するとともに、キャビティ4における他の部分へは金型1に取り付けたフィーダー7の有する減圧吸引作用により発泡性粒子貯留タンク10内の無加圧発泡性粒子を充填することから、充填不良が解消され、充填不良による発泡性粒子間の隙間を埋めるための過剰な加熱等を行う必要もなく、成形品の強度の低下を招くようなことがない。しかも必要な部分のみに加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子を充填することから、成形品の重量を必要以上に増加させることもなく、冷却時間を延長させることもない。従って、充填不良が引き起こす成形サイクル低下あるいは重量増加による成形サイクル低下を解消することができる。更に、ホッパ12内で加圧又は加圧収縮した発泡性粒子は、1回の成形サイクルでその全てが使用され、ブローバックにより貯留タンクへ逆流する発泡性粒子は無加圧粒子のみであることから、従来の圧縮充填法の場合のように、一旦加圧収縮した発泡性粒子が再び加圧タンクにブローバックされて繰り返し加圧圧縮されることはなく、圧力履歴の違いによる発泡性粒子の粒径のバラツキやそれに伴う充填密度のバラツキに起因して成形品の品質、重量のバラツキが発生するといった問題もない。また、加圧又は加圧収縮した粒子と無加圧粒子とを連続的にキャビティ4内に搬送することから、充填に要する時間も、例えば従来のクラッキング充填法に比較的近い時間で完了することができ、成形サイクルが長くなって生産効率が大幅に低下するということもない。
【0034】
更に、図3に示すように、金型1のキャビティ4への発泡性粒子の搬送ラインとして、前記金型1と発泡性粒子貯留タンク10との間に、発泡性粒子貯留タンク10から直接金型1へ無加圧状態の発泡性粒子を供給する無加圧粒子搬送ラインを設けて、加圧又は加圧収縮粒子の搬送ラインと無加圧粒子の搬送ラインとを個別に設けることで、充填時間の更なる短縮を図ることが可能となり、従来のクラッキング充填法と同時間で充填することが可能となる。
【0035】
この図3の場合を具体的に説明すると、図1の場合と同様に加圧又は加圧収縮粒子搬送ラインとしての充填ホース8により発泡性粒子貯留タンク10と金型とに接続した充填装置11を設けるとともに、前記充填ホース8とは別に、無加圧粒子搬送ラインとしての充填ホース54の一端を発泡性粒子貯留タンク10に接続し、他端を接合継手53に接続する。接合継手53は、充填ホース8と充填ホース54、更にはフィーダー7とを接続するための継手である。即ち、無加圧粒子をホッパ12を経由せずに発泡性粒子貯留タンク10から直接キャビティ4内に搬送できるようにする。この場合の充填手順は、先ず、発泡性粒子貯留タンク10内の無加圧状態の発泡性粒子をホッパ12へ搬送し、加圧又は加圧収縮させ、該発泡性粒子を該ホッパ12とキャビティ4との差圧を利用して、あるいはホッパ12内を一旦大気開放させた後、フィーダー7の減圧吸引作用によりキャビティ4内の一部の空間に搬送する。ここまでは前記図1の場合と同様の手順である。尚、図1の場合と同様、このホッパ12内の加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子の搬送時には加圧空気供給手段16から加圧空気を導入してもよい。続いて、充填空気供給口9に取り付けた開閉弁55により、充填空気の導入タイミングの制御を行い、ホッパ12の金型1側の開閉弁13を開けるより早く、開けると同時に、もしくは開けた後に充填空気供給口9より大気圧に開放されたキャビティ4内に向けて加圧空気を吹き込むことにより、ホッパ12内の加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子に引き続き発泡性粒子貯留タンク10内の無加圧状態の発泡性粒子を充填ホース54を介してキャビティ4内の残りの空間に搬送し、キャビティ4内への発泡性粒子の充填を完了する。このとき、開閉弁14は閉じた状態の方が好ましい。その後、フィーダー7のピストン18を閉じるとともに、充填空気供給口9より加圧空気を吹き込み、かつ充填ホース8へ加圧空気供給手段16より加圧空気を吹き込むことで、充填ホース8内、ホッパ12及び充填ホース54内の発泡性粒子を発泡性粒子貯留タンク10へ逆流(ブローバック)させる。ブローバック後、充填装置11は、上記の場合と同様にしてホッパ12内で発泡性粒子を加圧又は加圧収縮させた状態で待機する。このように、加圧又は加圧収縮粒子の搬送ラインと無加圧粒子の搬送ラインとを個別に設けることで、充填時間の更なる短縮を図ることが可能となる。
【0036】
次に、図4に示すものは、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置の他実施例を示す説明図であり、複数の金型21が設けられた多数個取りの成形機の場合である。各金型21は、図1の場合と同様に、移動型側チャンバ22と固定型側チャンバ23とでキャビティ24が形成され、前記移動型側チャンバ22と固定型側チャンバ23におけるキャビティ24に臨む側壁には図示しない多数のコアベントを設けてあり、また、各チャンバ22、23は排気孔等により外部に連通させてある。また、各固定型側チャンバ23のそれぞれには2つずつのフィーダー25、26(前記図1の7に相当する。)が取り付けてあり、両フィーダー25、26は分岐継手27を介して1本の充填ホース28(前記図1の8に相当する。)に接続してある。また、図中、符号30(前記図1の10に相当する。)は無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子が貯留される発泡性粒子貯留タンクであり、該発泡性粒子貯留タンク30には、各金型21へ発泡性熱可塑性樹脂粒子を搬送するための充填ホース28を接続してある。これらの金型21や発泡性粒子貯留タンク30も既存の成形機のものをそのまま使用することができる。
【0037】
図中、符号31で示す部分(図中、一点鎖線で囲まれた部分)が、発泡性粒子の充填装置である。この充填装置31の基本的構成は図1に示す充填装置11と同様であるが、ここでは一つの金型21について3つのホッパ32、33、34を直列に設けてあり、両端のホッパ32、34は、その外側に設けた開閉弁35、36を介して前記金型21と発泡性粒子貯留タンク30とに充填ホース28により連結するとともに、各ホッパ32、33間及びホッパ33、34間にも開閉弁37、38を設けてある。前記ホッパ32〜34の総容量は、それぞれの金型21のキャビティ24の内容積と同じかそれよりも小さく設定してある。尚、前記各ホッパ32〜34の容積は同じでも異なっていてもよい。また、前記各金型21の最も近くに位置するホッパ32は、発泡性粒子貯留タンク30から発泡性粒子を減圧吸引して3つのホッパ32、33、34へ供給する発泡性粒子吸引機39に接続している。更に、各ホッパ32、33、34は、それらの内部を加圧する加圧空気供給手段40に接続するとともに、各ホッパ32、33、34のそれぞれには、加圧空気供給手段40から供給される加圧空気の圧力を調整するレギュレータ41、42、43を設けてある。更には、各ホッパ32、33、34には、発泡性粒子の搬送速度を維持するための図示しない搬送用圧力タンクを取り付けてもよい。
【0038】
また、金型21に取り付けられた各フィーダー25、26のそれぞれには該フィーダー25、26内のピストン44を駆動するための加圧空気供給手段45を接続するとともに、該加圧空気供給手段45は、圧力センサー46を介して前記充填装置31の制御部47に接続してあり、ピストン44の動作空気信号を前記圧力センサー46により電気信号に変換して充填装置31の制御部47へ伝達することにより、充填装置31を成形機と同期運転させるようにしてある。
【0039】
次に、上記の充填装置31による金型キャビティ24内への発泡性粒子の充填方法を説明する。先ず、金型21に一番近い開閉弁35を全て閉じた状態で発泡性粒子吸引機39を作動させることにより、発泡性粒子貯留タンク30内の無加圧発泡性粒子を全てのホッパ32、33及び34内へ供給する。前記ホッパ32〜34内が発泡性粒子で満たされた時点で発泡性粒子吸引機39を停止するとともに、残りの開閉弁36〜38の全てを閉じ、レギュレータ41〜43により圧力調整しながら加圧空気供給手段40により各ホッパ32〜34内の加圧を開始する。そして、成形機側のシーケンスにおいて充填工程が開始されると、各金型21のフィーダー25、26のピストン44が加圧空気供給手段45のエア信号により開く。この加圧空気供給手段45のエア信号は、同時に圧力センサー46にも伝達され、電気信号に変換される。この電気信号により、充填装置31のタイマー(図示せず)が起動する。タイマーアップした時点で、各金型21のそれぞれに連結された3つのホッパのうち先端のホッパ32の開閉弁35が開き、該ホッパ32内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子が、ホッパ32と金型21のキャビティ24との圧力差により、又はホッパ32内を大気開放させた後、フィーダー25、26の減圧吸引作用により、各金型21のキャビティ24内に搬送される。前記開閉弁35が開くと同時に別のタイマーが起動し、そのタイマーアップ後に次のホッパ33の開閉弁37が開き、該ホッパ33内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子が、ホッパ33と金型21のキャビティ24内との圧力差により、又はホッパ33内を大気開放させた後、フィーダー25、26の減圧吸引作用により、キャビティ24内に搬送され、次いでホッパ34内の発泡性粒子が同様にしてキャビティ24内に搬送される。尚、前記各ホッパ32〜34からキャビティ24内への加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子の搬送に際しては、加圧空気供給手段40から各ホッパ32〜34を通じて加圧空気を導入してキャビティ24内への発泡性粒子の搬送速度を上げることも可能である。更に、前記ホッパ32〜34の総容量がキャビティ24の内容積よりも小さいものでは、前記開閉弁36〜38が開くと同時かそれ以前に成形機の金型21に取り付けたフィーダー25、26を作動させて充填空気供給口29から加圧空気を吹き込み、ホッパ32〜34からの加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子に引き続き、発泡性粒子貯留タンク30から無加圧状態の発泡性粒子を各金型21のキャビティ24内へ充填する。上記のようにして発泡性粒子をキャビティ24内へ充填完了後、各金型21のフィーダー25、26のピストン44を閉じ、充填ホース28及び各ホッパ32〜34内の発泡性粒子を発泡性粒子貯留タンク30へ逆流(ブローバック)させる。一方、成形機の金型21のキャビティ24内に充填された発泡性粒子は、通常の方法により金型21内で加熱媒体である蒸気等により加熱することで、発泡、融着して成形品が成形される。
【0040】
尚、図示しないが、この図4の場合にも、前記図3の場合と同様に、加圧粒子の搬送ラインとしての充填ホース28とは別に、無加圧粒子搬送ラインとして、発泡性粒子貯留タンク30とフィーダー25、26とを別の充填ホース(以下、充填ホースAという。)によって直接接続してもよい。この場合、フィーダー25、26と充填ホース28及び充填ホースAとは図3の場合と同様に接合継手により接続される。この場合の充填手順は以下の通りである。先ず、前記の場合と同様に、ホッパ32、33、34内の加圧又は加圧収縮した発泡性粒子、あるいは無加圧の発泡性粒子を、各ホッパ32、33、34内とキャビティ24内との圧力差により、又はフィーダー25、26が有する減圧吸引作用により充填ホース28内を通してキャビティ24内に搬送する。この時、空気供給手段40からレギュレーター41、42、43を通して発泡性粒子の搬送方向に向かって加圧空気を吹き込むようにしてもよい。こうしてホッパ32、33、34内の発泡性粒子をキャビティ24内へ搬送した後、連続的にフィーダー25、26が有する減圧吸引作用により充填ホース28及び充填ホースAを通して発泡性粒子貯留タンク30内の無加圧状態の発泡性粒子をキャビティ24内の残りの空間に搬送し、充填を完了する。その後、フィーダー25、26のピストン44を閉じ、充填空気供給口29より加圧空気を吹き込み、かつ充填ホース28内に空気加圧供給手段40から加圧空気を吹き込むことで充填ホース内28及び充填ホースA内の残留発泡性粒子を発泡性粒子貯留タンク30にブローバックする。
【0041】
上記のような充填装置31によれば、一つの金型21のキャビティ24に充填する発泡性粒子を複数のホッパ32〜34に分けて加圧又は加圧収縮させることから、充填する発泡性粒子の充填密度を微調整することができ、成形品の形状に応じて充填性を向上させることができると同時に、充填不良が引き起こす加熱時間及び冷却時間の延長による成形サイクルの低下や成形品重量の増加による成形サイクルの低下を解消することができる。また、前記の場合においては、3つのホッパ32〜34の内の一部のホッパにおいては加圧することなく無加圧状態のままの発泡性粒子を金型のフィーダー25,26を用いて通常のフィーダーの有する減圧吸引作用によりキャビティ24内に充填するようにしてもよい。このように、成形品の形状、構造等に応じて、キャビティ24内への発泡性粒子の充填密度を様々に変化させることによって、成形品の重量増加を可能な限り抑えつつ、部分的な強度の向上も可能となる。
【0042】
更に、図例のように、フィーダー25、26のエア信号を圧力センサー46により電気信号に変換して充填装置31の制御部47へ送るようにした場合には、充填装置31を成形機と確実に同期運転させることができる。
【0043】
【実施例】
図1又は図3に示す金型1及び充填装置11(ただし、ホッパ12における発泡性粒子貯留タンク10側の無加圧発泡性粒子の導入口付近に、ホッパ12内の発泡性粒子を該ホッパ12とキャビティ4との差圧によりキャビティ4内に搬送する際の搬送速度を維持するための搬送用圧力タンクを耐圧パイプにより取り付けてある。)を用い、下記の成形条件で図5に示すような、側壁51上部に形状が複雑で小さな嵌合部52を有する魚箱50を成形した。図5に示す魚箱の長さaは650mm、幅bが350mm、高さcは120mmである。また、側壁51の厚さdは25mmであり、嵌合部52の幅寸法eは13.5mm、嵌合部52外側の上下の寸法f、gはそれぞれ4mm、更に嵌合部52内側の上下の寸法h及びiはそれぞれ6mm及び4mmである。
【0044】
(成形条件)
使用した発泡性熱可塑性樹脂粒子:ポリスチレン製予備発泡粒子(鐘淵化学工業株式会社製カネパール(登録商標)、発泡倍率60倍、平均粒径約4mm、養生時間24時間)。
魚箱成形体(金型キャビティ4)の容量:7.4L。
ホッパ12の容量:0.9L。
ホッパ12内設定圧力:0.5MPa(ゲージ圧)。
充填エアー圧力:0.5MPa(ゲージ圧)。
搬送用圧力タンクの容量:5.0L。
ホッパ12からの加圧粒子の充填と無加圧粒子の充填とのタイムラグ:0.15秒。
【0045】
上記のような成形条件で図5に示すような魚箱50を成形したところ、同様の発泡性粒子を金型に設けられたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に充填するだけの場合と比較して、嵌合部52の充填性が向上していることが目視で確認でき、また成形品外観も良好であった。また、成形品の重量は減圧吸引充填するだけの場合と比較して数%増加したものの、減圧吸引充填するだけでは充填性の悪かった嵌合部52の充填性が向上し、成形時に発泡性粒子を必要以上に加圧発泡させる必要がなくなったことで、加熱時間及び加圧時間を短縮することができた。
【0046】
上記と同様にして発泡成形した結果の一例を、充填装置11を使用しない通常の成形機を用いた従来のクラッキング充填法の場合と比較して具体的に示したものが下記の表1である。表1では、充填向上性の判定を、目視判断の充填性と定量データである嵌合部の硬度として示し、また充填(設定)時間と製品重量も併せて示している。尚、前記嵌合部の硬度については、高分子計器株式会社のアスカーゴム硬度計CS型(発泡スチロール測定用:押針形状が直径10mmの円柱状)を図5(b)の幅寸法e部に対して垂直方向に押すことによって測定した。
【0047】
【表1】
【0048】
表1に示す結果より明らかなように、従来のクラッキング充填法に較べて、図1に示す実施形態(パターン1)の場合には充填性の向上が見られ、硬度においても7(スプリング荷重408gに相当)向上しており、本発明の充填装置を使用した効果が確認できた。また、充填時間は従来設定より2.0秒程度の超過、製品重量は約2g程度の超過で抑えられている。更に、図1の実施形態(パターン1)において、例えば発泡倍率62倍の予備発泡粒子を使用して上記と同様の成形を行った結果、嵌合部の充填性及び硬度は維持しながら、製品重量は従来法より2.6g程度下げることができた。また、図3に示す実施形態(パターン2)の場合には、充填向上性を維持しながら、充填時間は従来のクラッキング充填法と同設定条件である5.0秒で完了することができた。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以下のような効果を奏する。
即ち、複雑な形状を有する発泡成形品、例えば魚箱や野菜箱等の嵌合部のように、複雑な形状を有する発泡成形品や、側壁の厚さが薄い箱、更には箱の中に薄い仕切り部分が一体に成形されている成形品等の成形において、
(1)成形品のトータル重量を抑えながら、かつ充填時間を大幅に延長させることなく、部分的な充填性の向上、更には強度向上を図ることができる。
(2)成形毎(ショット毎)、更には多数個取り成形機の場合には金型毎の成形品重量のバラツキが少ない。
(3)充填不良に伴う加熱時間延長などによる成形サイクル低下を防ぐことができる。
(4)多数個取り成形機の場合に、金型毎に加圧充填圧力を設定でき、充填性及び充填密度の微調整が可能である。
(5)装置の着脱を比較的容易に行うことができ、既存成形機への取り付けが可能であり、移動式にすることで、必要な成形機に本発明装置を取り付け、また別の成形機へ付け替えることも可能である。
【0050】
以上のように本発明の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法によれば、発泡性粒子をホッパ内で加圧してからキャビティ内に充填することで、形状が複雑な部分への充填性を向上させることができ、充填不良に伴う発泡力付与のための過剰な加熱発泡及びそれに伴う成形サイクル低下、更には製品強度の低下を防止しうる。また、成形1サイクル毎に必要な量だけの発泡性粒子を前記ホッパ内で加圧するようにしたことから、従来の加圧充填法のように製品トータル重量を著しく増大させることがなく、また圧縮充填法の場合のように、発泡性粒子が加圧タンク内で繰り返し圧縮されることによる圧力履歴の違いにより成形品に品質、重量のバラツキが発生することもない。更には、キャビティ内を大気開放した状態で発泡性粒子を充填することから、金型への負担が大きくなることもない。
【0051】
また、前記ホッパ内の発泡性熱可塑性樹脂粒子をキャビティ内に搬送した後、前記発泡性粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性粒子を、金型に設けたフィーダーを用いて通常のフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送することで、成形品における形状が複雑な部分や厚みの薄い部分等、充填性向上が必要な部分のみに加圧収縮させた発泡性粒子を充填して充填性を向上させることで、充填不良が引き起こす加熱時間及び冷却時間の延長による成形サイクルの低下や成形品の重量増加、及びそれによる成形サイクル低下を解消することが可能となる。
【0052】
しかも、ホッパ内の加圧又は加圧収縮させた発泡性粒子のキャビティ内への搬送と、発泡性粒子貯留タンク内からの無加圧状態の発泡性粒子のキャビティ内への搬送を連続的に行うため、充填時間が大幅に延長されることもない。
【0053】
また、前記発泡性粒子を加圧するホッパとして、発泡性粒子の総収容量が金型キャビティと同じかそれよりも小さい複数のホッパを設けたり、更に、前記複数のホッパの少なくとも一つに供給した発泡性熱可塑性樹脂粒子は加圧することなく、金型に設けたフィーダーの有する減圧吸引作用によりキャビティ内に無加圧状態のまま搬送することもできる。このように、成形品形状に応じて各部の発泡性粒子の充填密度を調整することにより、成形品の重量増加を可能な限り抑制しつつ、成形品を部分的に強度を向上させることが可能となる。従って、充填不良が引き起こす加熱時間及び冷却時間の延長や成形品の重量増加による成形サイクル低下の問題を解消することができる。
【0054】
更に、複数の金型を有する型内発泡成形機の場合には、各金型のそれぞれに前記ホッパを設け、それぞれのホッパ内で加圧した発泡性粒子を各金型へ搬送すれば、各ホッパ毎の加圧圧力の設定や微調整が可能となり、多数個取りで生ずる充填性の部分的バラツキを軽減することができる。
【0055】
また、本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置によれば、上記本発明の充填方法による、金型キャビティ内への発泡性粒子の充填性向上効果を達成することができる。しかも、この充填装置は、既存の型内発泡成形機における金型と発泡性粒子貯留タンクとの間に前記ホッパをホース等で接続するだけで簡単に取り付けることができ、既存の成形機をそのまま使用することができる。また、不要になれば成形機から充填装置を簡単に取り外して通常の充填法による成形を行うこともできる。更に、充填装置を移動式にすることで、異なる成形機へも簡単に取り付けることができる。
【0056】
更に、前記充填装置を、成形機の金型に取り付けられたフィーダーの動作空気信号により、成形機と同期運転させるようにすれば、成形機への充填装置の取り付けに際して、成形機側のシーケンスを特に改造する必要がなく、また、充填装置を成形機の成形サイクルに確実に同期運転させることができる。しかも、成形機フィーダーへの動作空気供給系統に空気ホース等を接続するだけで簡単に接続することができる。
【0057】
また、上記のような充填装置における金型と発泡性熱可塑性貯留タンクとの間に、発泡性粒子貯留タンクから直接金型へ無加圧状態の発泡性粒子を供給する無加圧粒子搬送ラインを設けた場合には、金型のキャビティ内への発泡性粒子の充填時間の短縮を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置の1実施例を示す説明図。
【図2】 前記充填装置におけるホッパを収容量可変式とする場合の1例を示す説明図。
【図3】 本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置の他実施例を示す説明図。
【図4】 本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置の更に他の実施例を示す説明図。
【図5】 (a)は実施例で成形した魚箱の斜視図、(b)はその嵌合部の形状を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1:金型、2:移動型側チャンバ、3:固定型側チャンバ、4:キャビティ、5:コアベント、6:排気孔、7:フィーダー、8:充填ホース、9:充填空気供給口、10:発泡性粒子貯留タンク、11:充填装置、12:ホッパ、13:開閉弁、14:開閉弁、15:発泡性粒子吸引機、16:加圧空気供給手段、17:レギュレータ、18:ピストン、21:金型、22:移動型側チャンバ、23:固定型側チャンバ、24:キャビティ、25,26:フィーダー、27:分岐継手、28:充填ホース、29:充填空気供給口、30:発泡性粒子貯留タンク、31:充填装置、32,33,34:ホッパ、35,36,37,38:開閉弁、39:発泡性粒子吸引機、40:加圧空気供給手段、41,42,43:レギュレータ、44:ピストン、45:加圧空気供給手段、46:圧力センサー、47:充填装置制御部、50:魚箱、51:魚箱側壁、52:魚箱嵌合部、53:接合継手、54:充填ホース、55:充填空気制御用開閉弁。
Claims (11)
- チャンバを通じて大気圧に開放されたキャビティからなる金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に前記キャビティよりも小さい収容量を有するホッパを設け、前記金型とホッパとの間及びホッパと発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間を開閉弁を介して連結し、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクからホッパに供給した無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を該ホッパ内で0.02MPa以上の圧力で加圧し、この加圧した発泡性熱可塑性樹脂粒子を、該ホッパとキャビティとの圧力差を利用して、又は金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内の一部の空間に搬送した後、発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送することを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- チャンバを通じて大気圧に開放されたキャビティからなる金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に、総収容量が前記キャビティと同じかそれよりも小さい複数のホッパを設け、前記各ホッパ間並びに金型とホッパとの間及びホッパと発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間を開閉弁を介して連結し、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクから各ホッパに供給した無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、各ホッパ内で0.02MPa以上の圧力で加圧した後、各ホッパ内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、各ホッパとキャビティとの圧力差を利用して、又は金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用により順次キャビティ内に搬送することを特徴とする発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- 前記複数のホッパの少なくとも一つに供給した発泡性熱可塑性樹脂粒子は加圧することなく無加圧状態のままで、金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送する請求項2記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- 各前記ホッパ内の発泡性熱可塑性樹脂粒子をキャビティ内に搬送した後、更に発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンク内の無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を、金型に設けたフィーダーが有する減圧吸引作用によりキャビティ内に搬送する請求項2又は3記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- 前記ホッパ内で発泡性熱可塑性樹脂粒子を加圧収縮させ、この加圧収縮させた発泡性熱可塑性樹脂粒子を該ホッパとキャビティとの圧力差を利用してキャビティ内に搬送する請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- 複数の金型を有する型内発泡成形機を用い、前記各金型のそれぞれにホッパを連結し、各ホッパ内で加圧又は加圧収縮させた発泡性熱可塑性樹脂粒子をそれぞれの金型へ搬送する請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填方法。
- 発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内発泡成形機におけるチャンバを通じて大気圧に開放されたキャビティからなる金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に設置され、前記金型との間及び発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に開閉弁を介して連結される前記キャビティよりも小さい収容量を有するホッパと、前記発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクから無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を減圧吸引して前記ホッパへ供給する発泡性熱可塑性樹脂粒子吸引機と、前記ホッパ内を加圧して該ホッパ内の発泡性熱可塑性樹脂粒子を加圧する加圧空気供給手段と、該加圧空気供給手段からホッパへ供給される加圧空気の圧力調整弁とを有する発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置。
- 前記成形機の金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に、総収容量が前記キャビティと同じかそれよりも小さい複数のホッパを設け、前記各ホッパ間を開閉弁を介して連結してなる請求項7記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置。
- 複数の金型を有する発泡成形機の各金型のそれぞれと発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に前記ホッパを設けてなる請求項7又は8に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置。
- 前記成形機の金型に取り付けられたフィーダーの動作空気信号により、成形機と同期運転させる請求項7〜9のいずれかに記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置。
- 前記金型と発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクとの間に、発泡性熱可塑性樹脂粒子貯留タンクから直接金型へ無加圧状態の発泡性熱可塑性樹脂粒子を供給する無加圧粒子搬送ラインを別に設けてなる請求項7〜10のいずれかに発泡性熱可塑性樹脂粒子の型内充填装置。
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