JPH037312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、液体洗剤等の液体用容器の蓋、特に
ノズル体と計量カツプを有する液体容器の蓋に関
する。

従来の技術 従来、液体洗剤等の容器の蓋として、容器口部
に係合する係合手段と円筒状の注出ノズルを有す
るノズル体と、該ノズル体に係合する計量カツプ
との組合せからなる蓋は周知である（例えば、特
開昭59−152160号、実公昭54−22525号、特開昭
54−163186号、特開昭61−104962号、実公昭60−
20599号公報）。

この種のノズル体と計量カツプとの組合せから
なる蓋は、主に液体洗剤やシヤンプー等の比較的
粘性の高い内溶液の注出用に使用される。そのた
め使用に際して、液切れが悪く、ノズル体のノズ
ル外周部及び計量カツプ内外周面に液滴が付着し
て残留し、カツプを再びノズル体に嵌合するとカ
ツプ内外周面に液垂れが発生する。

また、粘性が高いために流動性が悪いので、ノ
ズルから液をスムーズに流出させるには容器内に
十分空気を入れる必要がある。

そのため、特開昭59−152160号公報、特開昭61
−104962号公報記載のものでは、計量カツプをノ
ズル体に内嵌合構造にし、注出後計量カツプを係
合すると計量カツプ内に残留付着した液が、ノズ
ル体内に落下するようにしている。また、特開昭
59−152160号記載のものでは、ドレン穴を設けて
計量カツプ内周面及びノズル外周面から流下した
液を容器内に回収できるようにしている。しかし
ながら、従来、計量カツプの外周面に付着した液
を回収するための手段を講じたものはない。

また、注出時に容器内に空気を導入する手段と
して、従来のものは、円筒状ノズルの径を十分に
大きくするか、特開昭59−152160号、実公昭60−
20599号公報に記載されているように注出穴と独
立したドレン兼用の通気穴を設けている。

考案が解決しようとする問題点 上記のように従来技術は、計量カツプ外面に螺
子が形成され計量カツプをノズル体に内嵌合する
構造であるので、計量カツプ内面に付着している
残留液は容器内に戻すことができるが、計量カツ
プ外周面に付着した液は、液密に嵌合した螺合部
に邪魔されて容器内に戻ることはできず、そのま
まノズル体外壁を伝つて流れ、容器外周部まで汚
してしまうという欠点がある。

また、従来のノズル体のノズルは、円柱状であ
り、しかも通気するためにその径を大きくしてあ
るので、液切れが悪く液垂れが多く発生し易い欠
点がある。

本考案は、計量カツプとノズル体の組合せから
なる容器の蓋における従来技術の上記欠点を解消
しようとするものであつて、本考案が達成しよう
とする技術的課題は、計量カツプとノズル体の組
合せからなる容器の蓋において、ノズル体からの
液垂れが少なく液の注出を容易にすると、且つ分
与時計量カツプ内外周に付着した液を、該計量カ
ツプをノズル体に係合することによつて、容器本
体へ自然に戻すことができ、ノズル体及び容器外
周面に液が垂れ流れることを防止することにあ
る。

問題点を解決するための手段 上記問題点を本考案の液体容器の蓋は、計量カ
ツプ内外周面に付着した液を容器内に回収できる
手段、及びノズル体に液注出穴と通気ドレン穴を
連通して全体に細幅のＵ状長穴に形成し、液注出
穴と通気ドレン穴を区画する手段を講じることに
よつて解決した。本考案の液体容器の蓋は、より
具体的には次のような構成を有する。

容器口部に係合し注出ノズルを有するノズル体
と該ノズル体に係合する計量カツプからなる液体
容器において、前記ノズル体は、容器口部に係合
する係合手段を内側に有する環状外壁と、該環状
外壁内部に突出した鍔部と、該鍔部先端から下方
に垂下した環状内壁と、該環状内壁内を斜めに遮
断して設けられ、中央部に格周が略Ｕ字状の液注
出穴と該液注出穴の傾斜下部側に連続して通気ド
レン穴とを開口した斜壁と、前記液注出穴の外周
に突設した断面略Ｕ字状のノズルと、前記液注出
穴と前記通気ドレン穴間に立設され前記ノズルに
連設された前記液注出穴と前記通気ドレン穴を区
画する仕切壁と、前記鍔部から上方に立設され上
部外周面に係合手段を形成したカツプ係合壁とを
一体成形してなり、前記環状外壁は前記カツプ係
合壁に沿つて延長され、該カツプ係合壁と前記鍔
部とで液溜めを形成している。また、前記計量カ
ツプは、前記ノズル体のカツプ係合壁の内径より
も若干小さい外径の円筒側壁を有するカツプ本体
と、前記ノズル体のカツプ係合壁と係合する係合
手段を内側に形成した係合環壁とを有し、前記係
合環壁は前記カツプ本体の円筒側壁の外周部に、
前記ノズル体のカツプ係合壁の肉厚よりも若干大
きい間隔を有し下底部が閉塞状になるようにカツ
プ本体と一体成形してなる。そして、前記ノズル
体に前記計量カツプを係合した状態で前記ノズル
体のカツプ係合壁内周と前記キヤツプ本体の円筒
側壁外周との間にカツプ本体の円筒外壁に付着し
た液が落下できる隙間が形成され、前記環状壁内
周とカツプ係合壁外周との係合部下方に前記ノズ
ル体の液溜めが位置するようにしたことを特徴と
する。

作 用 ノズル体の液注出穴と通気ドレン穴が仕切壁で
区画されているので、容器から計量カツプに液分
与時には通気ドレン穴が液で塞がれることがな
く、容器内への通気を良好に行う。しかも、ノズ
ルが断面Ｕ字状で細くなつているので、良好に注
出でき液垂れが少ない。また、ノズル外周面に液
滴が付着した場合、該液滴は注出を終えて容器を
正立状態に戻したとき、ノズル外周から流下して
斜壁に沿つて流れ、通気ドレン穴から容器内に回
収される。

一方、計量カツプから注出中に、液垂れによつ
て計量カツプ本体の円筒壁外周面に付着した液
は、多い場合は一旦係合環壁の間隙底部に受け止
められるが、計量カツプを反転してノズル体に係
合すると、ノズル体のカツプ係合壁内面とカツプ
本体の側壁外面との間に隙間が形成されるので、
該隙間を通つてノズル体の連設肩部に落下し、計
量カツプ内面に付着した液と同様に、斜壁に沿つ
て流れ通気ドレン穴より容器内に回収される。ま
た、間隙内の液が、係合部から係合壁外周に垂れ
た場合は、ノズル体に形成された液溜めに回収さ
れる。従つて、液がノズル体の環状外壁に垂れる
ことを完全に防止することができ、容器外周部を
残留液で汚すことがなく、また、液が回収される
ので液の節約を図ることができる。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図は本考案に係る蓋の実施例を示し、該蓋
１は、容器口部に係合する注出ノズル体２と、該
ノズル体２に係合する計量カツプ３とから構成さ
れている。第２〜４図は前記ノズル体２を、第５
〜６図は前記計量カツプを個別に示している。

注出ノズル体２は、全体として筒状の外壁５を
有し、該外壁５の内側には容器口部４に螺合する
ように内ネジ６が形成され、外側には指の摩擦力
を高めるためにローレツト８が適宜形成されてい
る。また外壁内側の前記ネジ６の上部には鍔７が
形成され、該鍔７から下方に筒状内壁１０を、上
方に計量カツプ３が係合するカツプ係合壁１１が
各々立設されている。カツプ係合壁１１の外側に
は、後述する計量カツプ３が螺合するためのネジ
１２が形成されている。前記カツプ係合壁１１と
筒状内壁１０との連接肩部１３は、注出後残留液
体が後述する通気ドレン穴１７を介して容器本体
内に戻りやすい様に、斜面に形成されている。前
記環状外壁５は、カツプ係合壁１１に沿つて延長
され、該カツプ係合壁１１と前記鍔７とで液溜め
９を形成している。

１５は、筒状内壁１０の内部に斜めに形成さ
れ、中央部にＵ字状液注出穴１６（第４図参照）
と傾斜下部に通気ドレン穴１７とを連通して細長
穴状に開口した斜壁である。前記Ｕ字状液注出穴
１６の外周にはＵ字状截頭ノズル１８が図示のよ
うに立設されている。また、１９は前記液注出穴
１６と通気ドレン穴１７とを区画する仕切板であ
り、計量カツプへ液を注ぎ易くするために設けた
ものである。

計量カツプ３は、第５図及び第６図に示すよう
に、前記ノズル体２のカツプ係合壁１１の内径よ
りも若干小さい外径の円筒側壁２３を有するカツ
プ本体２２の外周部に、前記ノズル体２のネジ１
２に螺合する雌ネジ２５が形成された係合環壁２
４が前記ノズル体２のカツプ係合壁１１の肉厚よ
りも若干大きい間隙２６をもつて形成され、間隙
２６の下底部が閉鎖状態になるように係合環壁２
４が計量カツプ本体２２に連設されている。係合
環壁２４の外周部には、ノズル体２への着脱が容
易に行なえるように、ローレツト２７が適宜形成
されている。また、計量カツプ３の開口先端縁
を、図示のように内方にテーパー状に形成し、注
出時及び注出終了時の液雫切りが良好に行われる
ようにした。さらに、計量カツプ本体には、計量
目盛（図示せず）を適宜施してある。

上記ノズル体２及び計量カツプ３は、各々ポリ
プロピレン等任意の可成形樹脂で一体に成形す
る。なお、上記実施例では、容器本体とノズル
体、及びノズル体と計量カツプとの係合手段とし
てネジ手段を採用したが、スナツプばめ等適宜の
手段を採用することができる。

以上のように構成された蓋によつて容器内の液
体を分与する場合の作動を次に説明する。

容器口部４の封鎖時には、第１図に示すよう
に、計量カツプ３を反転してノズル体２にノズル
１８を被つて螺嵌して、容器口部に密封してあ
る。その際、容器口部４が筒状内壁１０と外壁５
との間に嵌合され、容器口部４の先端縁が鍔７の
下面と密接しているので、容器口部４と注出口体
２との係合部に於けるシール効果を高めている。

液分与時には、計量カツプ３に、ノズル１８か
ら適量注出して液を計量する。その際、通気ドレ
ン穴１７より容器内に通気が行われ液の流出を良
くするが、本実施例では、通気ドレン穴１７と液
注出穴１６とが仕切板１９によつて区画されてい
るので、通気ドレン穴１７から内容液が流出して
通気ドレン穴１７を塞ぐことを防止する。

液注出後、ノズル１８先端外周部に雫として残
留した液体は、ノズル外周部に沿つて流下し、さ
らに斜壁１５に沿つて流下して、通気ドレン穴１
７より容器本体内に戻る。

計量カツプ３に所定量分与された液体は、カツ
プを傾けて目的物に分与される。その際、注出口
からの液垂れによつて計量カツプ本体２２外周に
液が付着するが、該付着液は係合環底部の間隙２
６内に受け止められる。

液分与後、計量カツプ３を再び注出口体に螺嵌
すると、前記隙間２６内に受け止められた液は、
再び計量カツプ本体２２の外周壁に沿つて流下
し、ノズル体２の斜面状の連接肩部１３に落下
し、斜壁１５、通気ドレン穴１７を介して容器内
に戻される。また、間隙２６内の液のごく少量
は、カツプ係合壁と係合環壁の係合部からカツプ
係合壁外周に垂れる場合もあるが、その場合は、
ノズル体に形成された液溜め９に回収される。ま
た、計量カツプ本体２２に残留している液は、内
周壁に沿つて流下し、連接肩部１３に落下し、同
様に容器内に戻される。

効 果 本考案の液体容器の蓋は、以上のような構成か
らなり次のような格別の効果を奏する。

(イ) 計量カツプ本体側壁の外面に付着した液は、
カツプを正立状態では係合環の下底部に受けと
められるが、計量カツプをノズル体に嵌合する
と、ノズル体のカツプ係合壁内面とカツプ本体
の側壁外面との間に隙間が形成されるので、該
隙間を通つて容器内に戻され、また、間隙内の
液がたとえ、係合部から係合壁外周に垂れて
も、ノズル体に形成された液溜めに回収され
る。従つて、液がノズル体の環状外壁に垂れる
ことを完全に防止することができ、容器外周部
を残留液で汚すことがなく、しかも液の節約を
図ることができる。

(ロ) 計量カツプとノズル体の係合は、ノズル体の
カツプ係合壁が計量カツプのカツプ本体と係合
環壁との隙間に嵌挿されて行われるので、シー
ルが確実である。

(ハ) 同様にノズル体と容器口部との係合も、容器
口部がノズル体の外壁と内壁との間隙に嵌挿さ
れて行われるので、シールが確実である。

(ニ) 液注出穴と通気ドレン穴が仕切壁で区画され
ているので、通気ドレン穴から液が注出するの
を防止し、容器内への通気を良好に行なうこと
ができる。

(ホ) ノズルが断面Ｕ字状で先尖になつているの
で、液垂れが少なく注出し易い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の液体容器の蓋の実施例を示し、
第１図は全体の側断面図、第２図はノズル体の側
断面図、第３図はノズル体の正面部分断面図、第
４図はノズル体の平面図、第５図は計量カツプの
側断面図、第６図は計量カツプの反転状態におけ
る側面部分断面図である。 １：蓋、２：ノズル体、３：計量カツプ、５：
環状外壁、６，１２，２５：ネジ（係合手段）、
７：鍔部、１０：内壁、１１：カツプ係合壁、１
３：肩部、１５：斜壁、１６：液注出穴、１７：
通気ドレン穴、１８：ノズル、１９：仕切壁、２
２：計量カツプ本体、２４：係合環壁、２６：隙
間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 容器口部に係合し注出ノズルを有するノズル体
   と該ノズル体に係合する計量カツプからなる液体
   容器において、 前記ノズル体は、 容器口部に係合する係合手段を内側に有する環
   状外壁と、 該環状外壁内部に突出した鍔部と、 該鍔部先端から下方に垂下した環状内壁と、 該環状内壁内を斜めに遮断して設けられ、中央
   部に格周が略Ｕ字状の液注出穴と該液注出穴の傾
   斜下部側に連続して通気ドレン穴とを開口した斜
   壁と、 前記液注出穴の外周に突設した断面略Ｕ字状の
   ノズルと、 前記液注出穴と前記通気ドレン穴間に立設され
   前記ノズルに連設された前記液注出穴と前記通気
   ドレン穴を区画する仕切壁と、 前記鍔部から上方に立設され上部外周面に係合
   手段を形成したカツプ係合壁と を一体成形してなり、前記環状外壁は前記カツプ
   係合壁に沿つて延長され、該カツプ係合壁と前記
   鍔部とで液溜めを形成しており、 前記計量カツプは、 前記ノズル体のカツプ係合壁の内径よりも若干
   小さい外径の円筒側壁を有するカツプ本体と、 前記ノズル体のカツプ係合壁と係合する係合手
   段を内側に形成した係合環壁とを有し、 前記係合環壁は前記カツプ本体の円筒側壁の外
   周部に、前記ノズル体のカツプ係合壁の肉厚より
   も若干大きい間隔を有し下底部が閉塞状になるよ
   うにカツプ本体と一体成形してなり、 前記ノズル体に前記計量カツプを係合した状態
   で前記ノズル体のカツプ係合壁内周と前記キヤツ
   プ本体の円筒側壁外周との間にカツプ本体の円筒
   外壁に付着した液が落下できる隙間が形成され、
   前記環状壁内周とカツプ係合壁外周との係合部下
   方に前記ノズル体の液溜めが位置するようにした
   ことを特徴とする液体容器の蓋。