JPH0372865B2 - - Google Patents

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JPH0372865B2
JPH0372865B2 JP57083928A JP8392882A JPH0372865B2 JP H0372865 B2 JPH0372865 B2 JP H0372865B2 JP 57083928 A JP57083928 A JP 57083928A JP 8392882 A JP8392882 A JP 8392882A JP H0372865 B2 JPH0372865 B2 JP H0372865B2
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JP
Japan
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throttle opening
engine
vehicle speed
speed change
speed
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JP57083928A
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English (en)
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JPS58203259A (ja
Inventor
Haruyoshi Hisamura
Yoshihisa Anho
Hiroyuki Hirano
Yoshikazu Tanaka
Shigeaki Yamamuro
Yoshiro Morimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP8392882A priority Critical patent/JPS58203259A/ja
Priority to US06/486,331 priority patent/US4566354A/en
Priority to DE8383103773T priority patent/DE3375561D1/de
Priority to EP83103773A priority patent/EP0093313B1/en
Publication of JPS58203259A publication Critical patent/JPS58203259A/ja
Publication of JPH0372865B2 publication Critical patent/JPH0372865B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明はVベルト式無段変速機の変速制御装置
に関するものである。
(ロ) 従来の技術 従来のVベルト式無段変速機の変速制御装置と
しては、例えば特開昭56−46153号公報に開示さ
れるものがある。すなわち、駆動プーリの回転速
度とエンジンのスロツトル開度(又はエンジン吸
気管負圧)とを検出し、これによつて判定される
エンジンの実際の運転状態とあらかじめ設定して
あつた変速パターンに基づくエンジンの理想の運
転状態とを比較し、両者の偏差が小さくなるよう
に変速比を制御していた。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような従来のVベルト式
無段変速機の変速制御装置では、エンジン始動時
のエンジン冷却水温の低いときにも通常の場合と
同様の変速パターンによつて走行するように制御
していたので、エンジン冷却水温が低いエンジン
不調時には動力不足、エンジンの不快な振動、エ
ンジン停止などの不具合を生じ、円滑に走行する
ことができないという問題点があつた。なお、特
開昭54−159928号公報には、有段自動変速機の場
合に、エンジン低温時などの特殊状態を検出した
とき変速パターンを高車速型のものに切り替える
ことが示されている。しかし、これの場合にはエ
ンジンが低温であれば、必ず変速パターンが高車
速型のものに切り替えられることになり、変速パ
ターンの変更が不必要な運転条件においても変速
パターンが修正されてしまうという問題がある。
すなわち、エンジンが低温であつても、比較的高
い車速で定常的な走行が開始された場合、アクル
ペダルを踏み込んで急速に加速している場合など
には、変速パターンを修正しなくても安定的な走
行が可能であるが、このような場合にも一津に変
速パターンが変更されるため、不必要にエンジン
を高速で回転させることになり、燃料消費量が増
大する。なお、上記公報にはパラメータに応じて
変速パターンの補正量を複合させるという技術も
示されているが、これは例えばエンジンが低温で
あつて、かつ積載量が大きい場合、坂道走行中、
クーラ作動時などには、補正量を複合させるため
変速パターンが更に高速型のものとなることにな
る。この場合には燃料消費量が更に増大すること
になる。本発明はこのような課題を解決すること
を目的としている。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、エンジン冷却水温が低い温度であつ
ても本当に変速比の修正が必要な場合以外は変速
比の修正を行わないようにすることによつて、上
記課題を解決する。すなわち、本発明によるVベ
ルト式無段変速機の変速制御装置は、第26図に
示すように、エンジン冷却水温を検出するエンジ
ン冷却水温センサーと、エンジン負荷を検出する
エンジン負荷センサー及び車速を検出する車速セ
ンサーのいずれか一方又は両方と、エンジン冷却
水温が所定値よりも低くかつエンジン負荷及び車
速のいずれか一方又は両方が各所定量よりも小さ
い場合にこれ以外の場合よりも変速比が大きくな
るように目標とする変速比を修正する変速比修正
手段(後述の第1実施例では、ステツプ802〜
807によつて構成される)とを有している。
(ホ) 実施例 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。
本発明を適用する無段変速機の動力伝達機構を
第1及び2図に示す。エンジンのクランクシヤフ
ト(図示していない)と一体に回転するエンジン
出力軸2に、ポンプインペラー4、タービンラン
ナ6、ステータ8及びロツクアツプクランチ10
から成るトルクコンバータ12が取り付けられて
いる。ロツクアツプクラツチ10はタービンラン
ナ6に連結されると共に軸方向に移動可能であ
り、ポンプインペラー4と一体の部材4aとの間
にロツクアツプクラツチ油室14を形成してお
り、このロツクアツプクラツチ油室14の油圧が
トルクコンバータ12内の油圧よりも低くなる
と、ロクアツプクラツチ10は部材4aに押し付
けられてこれと一緒に回転するようにしてある。
タービンランナ6は軸受16及び18によつてケ
ース20に回転自在に支持された駆動軸22の一
端とスプライン結合されている。駆動軸22の軸
受16及び18間の部分には駆動プーリ24が設
けられている。駆動プーリ24は、駆動軸22に
固着された固定円すい板26と、固定円すい板2
6に対向配置されてV字状プーリみぞを形成する
と共に駆動プーリシリンダ室28(第3図)に作
用する油圧によつて駆動軸22の軸方向に移動可
能である可動円すい板30とから成つている。な
お、V字状プーリみぞの最大幅を制限する環状部
材22aが駆動軸22上に可動円すい板30と係
合可能に固着してある(第3図)。駆動プーリ2
4はVベルト32によつて従動プーリ34と伝動
可能に結合されているが、この従動プーリ34
は、ケース20に軸受36及び38によつて回転
自在に支持された従動軸40上に設けられてい
る。従動プーリ34は、従動軸40に固着された
固定円すい板42と、固定円すい板42に対向配
置されてV字状プーリみぞを形成すると共に従動
プーリシリンダ室44(第3図)に作用する油圧
によつて従動軸40の軸方向に移動可能である可
動円すい板46とから成つている。駆動プーリ2
4の場合と同様に、従動軸40上に固着した環状
部材40aにより可動円すい板46の動きは制限
されて最大のV字状プーリみぞ幅以上にはならな
いようにしてある。固定円すい板42には前進用
多板クラツチ48を介して従動軸40上に回転自
在に支承された前進用駆動ギア50が連結可能に
されており、この前進用駆動ギア50はリングギ
ア52とかみ合つている。従動軸40には後退用
駆動ギア54が固着されており、この後退用駆動
ギア54はアイドラギア56とかみ合つている。
アイドラギア56は後退用多板クラツチ58を介
してアイドラ軸60と連結可能にされており、ア
イドラ軸60には、リングギア52とかみ合う別
のアイドラギア62が固着されている(なお、第
1図においては、図示を分かりやすくするために
アイドラギア62、アイドラ軸60及び後退用駆
動ギア54は正規の位置からずらしてあるので、
アイドラギア62とリングギア52とはかみ合つ
てないように見えるが、実際には第2図に示すよ
うにかみ合つている)。リングギア52には1対
のピニオンギア64及び66が取り付けられ、こ
のピニオンギア64及び66とかみ合つて差動装
置67を構成する1対のサイドギア68及び70
にそれぞれ出力軸72及び74が連結されてお
り、軸受76及び78によつてそれぞれ支持され
た出力軸72及び74は互いに反対方向にケース
20から外部へ伸長している。この出力軸72及
び74は図示していないロードホイールに連結さ
れることになる。なお、軸受18の右側には、後
述の制御装置の油圧源である内接歯車式のオイル
ポンプ80が設けられているが、このオイルポン
プ80の中空の駆動軸22を貫通するオイルポン
プ駆動軸82を介してエンジン出力軸2よつて駆
動されるようにしてある。
このようにロツクアツプ装置付きトルクコンバ
ータ、Vベルト式無段変速機構及び差動装置を組
み合わせて成る無段変速機にエンジン出力軸2か
ら入力された回転力は、トルクコンバータ12、
駆動軸22、駆動プーリ24、Vベルト32、従
動プーリ34、従動軸40へと伝達されていき、
次いで、前進用多板クラツチ48が締結され且つ
後退用多板クラツチ58が解放されている場合に
は、前進用駆動ギア50、リングギア52、差動
装置67を介して出力軸72及び74が前進方向
に回転され、逆に、後退用多板クラツチ58が締
結され且つ前進用多板クラツチ48が解放されて
いる場合には、後退用駆動ギア54、アイドラギ
ア56、アイドラ軸60、アイドラギア62、リ
ングギア52、差動装置67を介して出力軸72
及び74が後退方向に回転される。この動力伝達
の際に、駆動プーリ24の可動円すい板30及び
従動プーリ34の可動円すい板46を軸方向に移
動させてVベルト32との接触位置半径を変える
ことにより、駆動プーリ24と従動プーリ34と
の回転比を変えることができる。例えば、駆動プ
ーリ24のV字状プーリみぞの幅を拡大すると共
に従動プーリ34のV字状プーリみぞの幅を縮小
すれば、駆動プーリ24側のVベルト接触位置半
径は小さくなり、従動プーリ34側のVベルト接
触位置半径は大きくなり、結局大きな変速比が得
られることになる。可動円すい板30及び46を
逆方向に移動させれば、上記と全く逆に変速比は
小さくなる。また、動力伝達に際してトルクコン
バータ12は、運転状況に応じてトルク増大作用
を行なう場合と流体継手として作用する場合とが
あるが、これに加えてこのトルクコンバータ12
にはロツクアツプ装置としてタービンランナ6に
取り付けられたロツクアツプクラツチ10が設け
てあるのでロツクアツプクラツチ油室14の油圧
をドレーンさせてロツクアツプクラツチ10をポ
ンプインペラー4と一体の部材4aに押圧するこ
とにより、エンジン出力軸と駆動軸22とを機械
的に直結した状態とすることができる。
次に、この無段変速機の油圧制御装置について
説明する。油圧制御装置は第3図に示すように、
オイルポンプ80、ライン圧調圧弁102、マニ
アル弁104、変速制御弁106、ロツクアツプ
弁108、ロツクアツプソレノイド200、変速
モータ110、変速基準スイツチ240、変速操
作機構112等から成つている。
オイルポンプ80は、前述のようにエンジン出
力軸2によつて駆動されて、タンク114内の油
を油路116に吐出する。油路116は、ライン
圧調圧弁102のポート118d、118f及び
118gに導かれて、後述のようにライン圧とし
て所定圧力に調圧される。また、油路116は、
マニアル弁104のポート120b及び変速制御
弁106のポート122cにも連通している。
マニアル弁104は、5つのポート120a,
120b,120c,120d及び120eを有
する弁穴120と、この弁穴120に対応した2
つのランド124a及び124bを有するスプー
ル124とから成つており、運転席のシフトレバ
ー(図示していない)によつて動作されるスプー
ル124はP,R,N,D及びLレンジの5つの
停止位置(シフトポジシヨン)を有している。ポ
ート120aは、油路126によつてポート12
0dと連通すると共に油路128によつて後退用
多板クラツチ58のシリンダ室58aと連通して
いる。またポート120cは油路130によつて
ポート120eと連通すると共に前進用多板クラ
ツチ48のシリンダ室48aに連通している。ポ
ート120bは前述のように油路116のライン
圧と連通している。スプール124がPの位置で
は、ライン圧が加圧されたポート120bはラン
ド124bによつて閉鎖され、後退用多板クラツ
チ58のシリンダ室58a及び前進用多板クラツ
チ48のシリンダ室48aは油路126とポート
120d及び120eを介して共にドレーンされ
る。スプール124がR位置にあると、ポート1
20bとポート120aとがランド124a及び
124b間において連通して、後退用多板クラツ
チ58のシリンダ室58aにライン圧が供給さ
れ、他方、前進用多板クラツチ48のシリンダ室
48aはポート120eを経てドレーンされる。
スプール124がN位置にくると、ポート120
bはランド124a及び124bによつてはさま
れて他のポートに連通することができず、一方、
ポート120a,120eは供にドレーンされる
から、P位置の場合と同様に後退用多板クラツチ
58のシリンダ室58a及び前進用多板クラツチ
48のシリンダ室48aは共にドレーンされる。
スプール124のD及びL位置においては、ポー
ト120bとポート120cとがランド124a
及び124b間において連通して、前進用多板ク
ラツチ48のシリンダ室48aにライン圧が供給
され、他方、後退用多板クラツチ58のシリンダ
室58aはポート120aを経てドレーンされ
る。これによつて、結局、スプール124がP又
はN位置にあるときには、前進用多板クラツチ4
8及び後退用多板クラツチ58は共に解放されて
動力の伝達がしや断され出力軸72及び74は駆
動されず、スプール124がR位置では後退用多
板クラツチ58が締結されて出力軸72及び74
は前述のように後退方向に駆動され、またスプー
ル124がD又はL位置にあるときには、前進用
多板クラツチ48が締結されて出力軸72及び7
4は前進方向に駆動されることになる。なお、D
位置とL位置との間には上述のように油圧回路上
は何の相違もないが、両位置は電気的に検出され
て異なつた変速パターンに応じて変速するよう後
述の変速モータ110の作動が制御される。
ライン圧調圧弁102は、8つのポート118
a,118b,118c,118d,118e,
118f,118g及び118hを有する弁穴1
18と、この弁穴118に対応して4つのランド
132a,132b,132c及び132dを有
するスプール132と、スプール132の左端に
配置されたスプリング133と、ピン135によ
つて弁穴118内に固定されたスプリングシート
134とから成つている。なお、スプール132
の右端のランド132dは他の中間部のランド1
32a,132b及び132cよりも小径にして
ある。弁穴118の入口部には負圧ダイヤフラム
143が設けられている。負圧ダイヤフラム14
3はケース136を構成する2つの部材136a
及び136b間に膜137をはさみ付けることに
より構成されている。ケース136内は膜137
によつて2つの室139a及び139bに分割さ
れている。膜137には金具137aによつてス
プリングシート137bが取り付けられており、
室139a内には膜137を図中で右方向に押す
スプリング140が設けられている。室139a
にはポート142からエンジン吸気管負圧が導入
され、一方室139bはポート138によつて大
気に開放されている。負圧ダイヤフラム143の
膜137とスプール132との間には、スプリン
グシート134を貫通するロツド141が設けら
れており、これによつてスプール132に右向き
の押付力を作用するようにしてある。この押付力
は、エンジン吸気管負圧が小さいほど大きくな
る。すなわち、エンジン吸気管負圧が小さい(大
気圧に近い)場合には、室139a及び139b
間の差圧が小さく、差圧が膜137に与える左向
きの力が小さいので、スプリング140による大
きな右向きの力がロツ141を介してスプール1
32に与えられる。逆に、エンジン吸気管負圧が
大きい場合には、室139a及び139b間の差
圧が膜137に与える左向きの力が大きくなり、
スプリング140の右向きの力が減じられるの
で、スプール132に作用する力は小さくなる。
ライン圧調圧弁102のポート118d,118
f及び118gには、前述のように油路116か
らオイルポンプ80の吐出圧が供給されている
が、ポート118gの入口にはオリフイス149
が設けてある。ポート118a,118c及び1
18hは常にドレーンされており、ポート118
eは油路144によつてトルクコンバータ・イン
レツトポート146及びロツクアツプ弁108の
ポート150c及び150dに接続され、またポ
ート118bは油路148によつてロツクアツプ
弁108のポート150b及びロツクアツプクラ
ツチ油室14に連通している。なお、油路144
には、トルクコンバータ12内に過大な圧力が作
用しないようにオリフイス145が設けてある。
結局このライン圧調圧弁102のスプール132
には、スプリング133による力、ロツド141
を介して伝えられる負圧ダイヤフラム143によ
る力及びポート118bの油圧がランド132a
の左端面に作用する力という3つの右方向の力
と、ランド132c及び132d間の面積差に作
用するポート118gの油圧(ライン圧)による
力という左方向の力とが作用するが、スプール1
32はポート118f及び118dからポート1
18e及び118cへの油の洩れ量を調節して
(まずポート118fから118eへ洩れ、これ
だけで調節できない場合にポート118dからポ
ート118cへドレーンされるようにしてある)、
常に左右方向の力が平衡するようにライン圧を制
御する。従つてライン圧は、エンジン吸気管負圧
が低いほど高くなり、またポート118bの油圧
(この油圧はロツクアツプクラツチ油室14の油
圧と同じ油圧である)が高いほど(この場合、後
述のようにトルクコンバータ12は非ロツクアツ
プ状態にある)高くなる。このようにライン圧を
調節するのは、エンジン吸気管負圧が小さいほど
エンジン出力トルクが大きいので油圧を上げてプ
ーリのVベルト押圧力を増大させて摩擦による動
力伝達トルクを大きくするためであり、またロツ
クアツプ前の状態ではトルクコンバータ12のト
ルク増大作用があるためこれに応じて油圧を上げ
て伝達トルクを大きくするためである。
変速制御弁106は、5つのポート122a,
122b,122c,122d及び122eを有
する弁穴122と、この弁穴122に対応した4
つのランド152a,152b,152c及び1
52dを有するスプール152とから成つてい
る。中央のポート122cは前述のように油路1
16と連通してライン圧が供給されており、その
左右のランド122b及び122dはそれぞれ油
路154及び156を介して駆動プーリ24の駆
動プーリシリンダ室28及び従動プーリ34の従
動プーリシリンダ室44と連通している。両端の
ポート122a及び122eは共にドレーンされ
ている。スプール152の左端は後述の変速操作
機構112のレバー160のほぼ中央部に連結さ
れている。ランド152b及び152cの軸方向
長さはポート122b及び122dの幅よりも多
少小さくしてあり、またランド152b及び15
2c間の距離はポート122b及び122d間の
距離にほぼ等しくしてある。従つて、ランド15
2b及び152c間の油室にポート122cから
供給されるライン圧はランド152bとポート1
22bとのすきまを通つて油路154に流れ込む
が、その一部はランド152bとポート122b
との他方のすきまからドレーンされるので、油路
154の圧力は上記両すきまの面積の比率によつ
て決定される圧力となる。同様に油路156の圧
力もランド152cとポート122dとの両側の
すきまの面積の比率によつて決定される圧力とな
る。従つて、スプール152が中央位置にあると
きには、ランド152bとポート122bとの関
係及びランド152cとポート122dとの関係
は同じ状態となるので、油路154と油路156
とは同じ圧力になる。スプール152が左方向に
移動するに従つてポート122bのライン圧側の
すきまが大きくなりドレーン側のすきまが小さく
なるので油路154の圧力は次第に高くなつてい
き、逆にポート122dのライン圧側のすきまは
小さくなりドレーン側のすきまは大きくなつて油
路156の圧力は次第に低くなつていく。従つ
て、駆動プーリ24の駆動プーリシリンダ室28
の圧力は高くなりV字状プーリみぞの幅が小さく
なり、他方、従動プーリ34の従動プーリシリン
ダ室44の圧力は低くなつてV字状プーリみぞの
幅が大きくなるので、駆動プーリ24のVベルト
接触半径が大きくなると共に従動プーリ34のV
ベルト接触半径が小さくなるので変速比は小さく
なる。逆にスプール152を右方向に移動させる
と、上記と全く逆の作用により、変速比は大きく
なる。
変速操作機構112のレバー160は前述のよ
うにそのほぼ中央部において変速制御弁106の
スプール152とピン結合されているが、その一
端は駆動プーリ24の可動円すい板30の外周に
設けた環状みぞ30aに係合され、また他端はス
リーブ162にピン結合されている。スリーブ1
62は内ねじを有しており、変速モータ110に
よつてギア164及び166を介して回転駆動さ
れる軸168上のねじと係合させられている。こ
のような変速操作機構112において、変速モー
タ110を回転することによりギア164及び1
66を介して軸168を1方向に回転させてスリ
ーブ162を例えば左方向に移動させると、レバ
ー160は駆動プーリ24の可動円すい板30の
環状みぞ30aとの係合部を支点として時計方向
に回転し、レバー160に連結された変速制御弁
106のスプール152を左方向に動かす。これ
によつて、前述のように、駆動プーリ24の可動
円すい板30は右方向に移動して駆動プーリ24
のV字状プーリみぞ間隔は小さくなり、同時に従
動プーリ34のV字状プーリみぞ間隔は大きくな
り、変速比は小さくなる。レバー160の一端は
可動円すい板30の環状みぞ30aに係合されて
いるので、可動円すい板30が右方向に移動する
と今度はレバー160の他端側のスリーブ162
との係合部を支点としてレバー160は時計方向
に回転する。このためスプール152は右方向に
押しもどされて、駆動プーリ24及び従動プーリ
34を変速比が大きい状態にしようとする。この
ような動作によつてスプール152、駆動プーリ
24及び従動プーリ34は、変速モータ110の
回転位置に対応して所定の変速比の状態で安定す
る。変速モータ110を逆方向に回転した場合も
同様である(なお、スリーブ162が図中で最も
右側に移動した場合には、変速基準スイツチ24
0が作動するが、これについては後述する)。従
つて、変速モータ110を所定の変速パターンに
従つて作動させると、変速比はこれに追従して変
化することになり、変速モータ110を制御する
ことによつて無段変速機の変速を制御することが
できる。
変速アクチユエータである変速モータ(以下の
実施例の説明においては「ステツプモータ」とい
う用語を使用する)110は、変速制御装置30
0から送られてくるパルス数信号に対応して回転
位置が決定されるが、ステツプモータ110及び
変速制御装置300については後述する。
ロツクアツプ弁108は、4つのポート150
a,150b,150c及び150dを有する弁
穴150と、この弁穴150に対応した2つのラ
ンド170a及び170bを有するスプール17
0と、スプール170を右方向に押圧するスプリ
ング172と、ポート150dに連通する油路に
設けたロツクアツプソレノイド200とから成つ
ている。ポート150aはドレーンされており、
またポート150bは油路148によつてライン
圧調圧弁102のポー118b及びトルクコンバ
ータ12内のロツクアツプクラツチ油室14と連
通されている。ポート150c及び150dは油
路144に接続されているが、油路144のポー
ト150dに近接した部分にはオリフイス201
が設けられており、ポート150dとオリフイス
201との間の部分には分岐油路207が設けら
れている。分岐油路207はオリフイス203を
介して開口されており、その開口部はロツクアツ
プソレノイド200のオン及びオフに応じて閉鎖
及び開放されるようにしてある。オリフイス20
3の断面積はオリフイス201の断面積よりも大
きくしてある。ロツクアツプソレノイド200が
オンのときには、分岐油路207の開口が閉鎖さ
れるため、ポート150dにはトルクコンバー
タ・インレツトポート146に供給されている油
圧と共通の油圧が油路144から供給され、スプ
ール170はスプリング172の力に抗して左側
に押された状態とされる。この状態では、ポート
150cはランド170bによつて封鎖されてお
り、またポート150bはポート150aへとド
レーンされている。従つて、ポート150bと油
路148を介して接続されたロツクアツプクラツ
チ油室14はドレーンされ、ロツクアツプクラツ
チ10はトルクコンバータ12内の圧力によつて
締結状態とされ、トルクコンバータとしての機能
を有しないロツクアツプ状態とされている。逆に
ロツクアツプソレノイド200をオフにすると、
分岐油路207の開口が開放されるため、ポート
150dの油圧が低下して(なお、油圧が低下す
るのはオリフイス201とポート150dとの間
の油路のみであつて、油路144の他の部分の油
圧は、オリフイス201があるので低下しない)、
スプール170を左方向に押す力がなくなり、ス
プリング172による右方向の力によつてスプー
ル170は右方向に移動してポート150bとポ
ート150cとが連通する。このため、油路14
8と油路144とが接続され、ロツクアツプクラ
ツチ油室14にトルクコンバータ・インレツトポ
ート146の油圧と同じ油圧が供給されるので、
ロツクアツプクラツチ10の両面の油圧が等しく
なり、ロツクアツプクラツチ10は解放される。
なお、ポート150cの入口及びポート150a
のドレーン油路にはそれぞれオリフイス174及
び178が設けてある。オリフイス178はロツ
クアツプクラツチ油室14の油圧が急激にドレー
ンされないようにして、ロツクアツプ時のシヨツ
クを軽減するためのものであり、油路144のオ
リリフイス174は逆にロツクアツプ油室14に
油圧が徐々に供給されるようにしてロツクアツプ
解除時のシヨツクを軽減するためのものである。
トルクコンバータ・アウトレツトポート180
は油路182に連通されているが、油路182に
はボール184とスプリング186とから成るレ
リーフ弁188が設けてあり、これによつてトル
クコンバータ12内を一定圧力に保持する。レリ
ーフ弁188の下流の油は油路190によつて図
示していないオイルクーラ及び潤滑回路に導びか
れて最終的にはドレーンされ、また余分の油は別
のレリーフ弁192からドレーンされ、ドレーン
された油は最終的にはタンク114にもどされ
る。
次に、ステツプモータ110及びロツクアツプ
ソレノイド200の作動を制御する変速制御装置
300について説明する。
変速制御装置300には、第4図に示すよう
に、エンジン回転速度センサー301、車速セン
サー302、エンジン負荷センサーであるスロツ
トル開度センサー(又は吸気管負圧センサー)3
03、シフトポジシヨンスイツチ304、変速基
準スイツチ240、エンジン冷却水温センサー3
06、及びブレーキセンサー307からの電気信
号が入力される。エンジン回転速度センサー30
1はエンジンのイグニツシヨン点火パルスからエ
ンジン回転速度を検出し、また車速センサー30
2は無段変速機の出力軸の回転から車速を検出す
る。スロツトル開度センサー(又は吸気管負圧セ
ンサー)303はエンジンのスロツトル開度を電
圧信号として検出する(吸気管負圧センサーの場
合は吸気管負圧を電圧信号として検出する)。シ
フトポジシヨンスイツチ304は、前述のマニア
ルバルブ104がP,R,N,D,Lのどの位置
にあるかを検出する。変速基準スイツチ240
は、前述の変速操作機構112のスリーブ162
は変速比の最も大きい位置にきたときにオンとな
るスイツチである。エンジン冷却水温センサー3
06は、エンジン冷却水の温度を電圧として検出
する。ブレーキセンサー307は、車両のブレー
キが使用されているかどうかを検出する。エンジ
ン回転速度センサー301及び車速センサー30
2からの信号はそれぞれ波形整形器308及び3
09を通して入力インターフエース311に送ら
れ、またスロツトル開度センサー(又は吸気管負
圧センサー)303及びエンジン冷却水温センサ
ー306からの電圧信号はそれぞれAD変換機3
10及び341によつてデジタル信号に変換され
て入力インターフエース311に送られる。変速
制御装置300は、入力インターフエース31
1、CPU(中央処理装置)313、基準パルス発
生器312、ROM(リードオンリメモリ)31
4、RAM(ランダムアクセスメモリ)315、
及び出力インターフエース316を有しており、
これらはアドレスバス319及びデータバス32
0によつて連絡されている。基準パルス発生器3
12は、CPU313を作動させる基準パルスを
発生させる。ROM314には、ステツプモータ
110及びロツクアツプソレノイド200を制御
するためのプログラム、及び制御に必要なデータ
を格納してある。RAM315には、各センサー
及びスイツチからの情報、制御に必要なパラメー
タ等を一時的に格納する。変速制御装置300か
らの出力信号は、それぞれ増幅器317及び31
8を介してステツプモータ110及びロツクアツ
プソレノイド200に出力される。
次に、この変速制御装置300によつて行なわ
れるステツプモータ110及びロツクアツプソレ
ノイド200の具体的な制御の内容について説明
する。
制御は大きく分けて、ロツクアツプソレノイド
制御ルーチン500と、ステツプモータ制御ルー
チン700とから成つている。
まず、ロツクアツプソレノイド200の制御に
ついて説明する。ロツクアツプソレノイド制御ル
ーチン500を第5図に示す。このロツクアツプ
ソレノイド制御ルーチン500は一定時間毎に行
なわれる(すなわち、短時間内に以下のルーチン
が繰り返し実行される)。まず、スロツトル開度
センサー303からスロツトル開度THの読み込
みを行ない(ステツプ501)、車速センサー3
02から車速Vの読み込みを行ない(同503)、次
いでシフトポジシヨンスイツチ304からシフト
ポジシヨンを読み込む(同505)。次いで、シ
フトポジシヨンがP,N,Rのいずれかの位置に
あるかどうかの判別を行ない(同507)、P,
N,Rのいずれかの位置にある場合にはロツクア
ツプソレノイド200を非駆動(オフ)状態にし
(同567)、その信号をRAM315に格納して
(同569)、1回のルーチンを終了しリターンす
る。すなわち、P,N及びRレンジにおいては、
トルクコンバータ12は常に非ロツクアツプ状態
とされる。ステツプ507におけるシフトポジシ
ヨンの判別の結果がD及びLのいずれかの場合に
は、前回のルーチンにおけるロツクアツプソレノ
イドの作動状態データ(駆動又は非駆動)を
RAM315の該当番地から読み出し(同50
9)、前回ルーチンにおいてロツクアツプソレノ
イド200が駆動(オン)されていたかどうかを
判別する(同511)。前回ルーチンにおいてロ
ツクアツプソレノイド200が非駆動(オフ)と
されていた場合には、ロツクアツプソレノイド2
00を駆動すべき車速(ロツクアツプオン車速
VON)に関する制御データを検索する(同52
0)。このデータ検索ルーチン520の詳細を6
及び7図に示す。ロツクアツプオン車速VONが、
第6に示すように、各スロツトル開度に対応して
ROM314に格納されている。データ検索ルー
チン520では、まず、比較基準スロツトル開度
TH*を0(すなわち、アイドル状態)と設定し
(同521)、これに対応するROM314のアド
レスiを標数i1に設定する(同522)。次に、
実スロツトル開度THと比較基準スロツトル開度
TH*とを比較する(同523)。実スロツトル開
度THが比較基準スロツトル開度TH*よりも小さ
い場合又は等しい場合には、実スロツトル開度
THに対応したロツクアツプオン連速データVON
が格納されているROM314のアドレスが標数
i1で与えられ、標数i1のアドレスのロツクアツプ
オン車速データVON1の値が読み出される(同5
26)。逆に、実スロツトル開度THが比較基準
スロツトル開度TH*よりも大きい場合には、比
較基準スロツトルTH*に所定の増分△TH*を加
算し(同524)、標数iも所定の増分△iだけ
加算する(同525)。その後、再びステツプ5
23に戻り、実スロツトル開度THと比較基準ス
ロツトル開度TH*とを比較する。この一連の処
理(同523、524及び525)を何回か繰り
返すことにより、実スロツトル開度THに対応し
たロツクアツプオン連速データVONが格納されて
いるROM314のアドレスの標数iが得られ
る。こうしてアドレスiに対応するロツクアツプ
オン連速データVONを読み出して、リターンす
る。
次に、上記のようにして読み出されたロツクア
ツプオン車速VONと実車速Vとを比較し(同56
1)、実車速Vの方がロツクアツプオン車速デー
タVONよりも大きい場合には、ロツクアツプソレ
ノイド200を駆動し(同563)、逆の場合に
はロツクアツプソレノイド200を非駆動にし
(同567)、その作動状態データ(駆動又は非駆
動)をRAM315に格納し(同569)、リタ
ーンされる。
ステツプ511において、前回のルーチンでロ
ツクアツプソレノイド200が駆動されていた場
合には、ロツクアツプを解除すべき車速(ロツク
アツプオフ車速)データVOFFを検索するルーチン
(同540)を行なう。このデータ検索ルーチン
540は、ロツクアツプオン車速データVONを検
索するデータ検索ルーチン520と基本的に同様
である(入力されているデータが下記のように異
なるだけである)ので説明を省略する。
なお、ロツクアツプオン車速データVONとロツ
クアツプオフ車速データVOFFとは、第8図に示す
ような関係としてある。すなわち、VON>VOFF
してヒステリシスを与えてある。これによつてロ
ツクアツプソレノイド200のハンチングの発生
を防止してある。
次いで、上記のようにしてステツプ540にお
いて検索されたロツクアツプオフ車速データVOFF
と実車速Vとを比較して(同565)、実車速V
が大きい場合には、ロツクアツプソレノイド20
0を駆動し(同563)、逆の場合には、ロツク
アツプソレノイド200を非駆動状態にし(同5
67)、その作動状態データをRAM315に格
納して処理を終りリターンする。
結局、D及びLレンジにおいては、ロツクアツ
プオン車速VON以上の車速においてトルクコンバ
ータ12はロツクアツプ状態とされ、ロツクアツ
プオフ車速VOFF以下の車速において非ロツクアツ
プ状態とされることになる。
次に、ステツプモータ110の制御ルーチン7
00について説明する。ステツプモータ制御ルー
チン700を第9図に示す。このステツプモータ
制御ルーチン700は一定時間毎に行なわれる
(すなわち、短時間内に以下のルーチンが繰り返
し実行される)。まず、上述のロツクアツプソレ
ノイド制御ルーチン500のステツプ569にお
いて格納されたロツクアツプソレノイド作動状態
データが取り出され(同698)、その状態が判
定され(同699)、ロツクアツプソレノイド2
00が駆動されている場合にはステツプ701以
下のルーチンが開始され、逆にロツクアツプソレ
ノイド200が非駆動の場合には後述のステツプ
713以下のステツプが開始される(この場合、
後述のように変速比が最も大きくなるように制御
が行なわれる。すなわち、非ロツクアツプ状態で
は常に最大変速比となるように制御される)。
ロツクアツプソレノイド200が駆動されてい
る場合、まずスロツトル開度センサ303からス
ロツトル開度を読み込み(同701)、車速セン
サー302から車速Vを読み込み(同703)、
シフトポジシヨンスイツチ304からシフトポジ
シヨンを読み込む(同705)、次に、エンジン
冷却水温センサー306から実際のエンジン冷却
水温TWを読み込み(同802)、この実水温
TWが所定値TW0以下かどうかを判断し(同8
03)、TW0以下ならばスロツトル開度THが所
定の値TH0より小さいかどうかを判断する(同
804)。ここでTH<TH0ならば、所定値TW0
と水温TWとの差(TW0−TW)に、所定値TH0
とスロツトル開度THとの差(TH0−TH)を乗
じ、さらにこれに係数k1を乗じ、その結果をスロ
ツトル開度補正量CTW1とし(同805)、次の
ステツプ806でスロツトル開度THにスロツト
ル開度補正量CTW1を加えて修正スロツトル開度
CTHを求める。ステツプ803においてTW≧
TW0ならば又はステツプ804でTH≧TH0なら
ば、修正スロツトル開度CTHをスロツトル開度
THとする(同807)。こうして得られる修正
スロツトル開度CTHとスロツトル開度THとの
関係を図示すると第22図に示すようになる。す
なわち、TW≧TW0ではA線で示すようにTH=
CTHであり、TW<TW0となるに従つてB線、
C線で示すようにTHに対してCTHが大きくな
つていく、例えば、TW0=60℃とすると、A線
は60℃以上に対応し、B線は35℃に対応し、C線
は10℃に対応するというような関係となる。次
に、シフトポジシヨンがD位置にあるかどうかを
判断し(同707)、D位置にある場合には、D
レンジ変速パターンの検索ルーチン(同720)
を実行する。
Dレンジ変速パターン検索ルーチン720は第
10図に示すように実行される。また、Dレンジ
変速パターン用のステツプモータパルス数データ
NDは第11図に示すようにROM314に格納さ
れている。すなわち、ROM314の横方向には
車速が、また縦方向にスロツトル開度が、それぞ
れ配置されている(右方向にいくに従つて車速が
高くなり、下方向にいくに従つてスロツトル開度
が大きくなるようにしてある)。Dレンジ変速パ
ターン検索ルーチン720では、まず、比較基準
スロツトル開度TH′を0(すなわち、アイドル状
態)とし(同721)、スロツトル開度が0にな
つている場合のパルス数データが格納されている
ROM314のアドレスj1を標数jに設定する
(同722)。次いで、修正スロツトル開度CTH
と比較基準スロツトル開度TH′とを比較して(同
723)、修正スロツトル開度CTHの方が大きい
場合には、比較基準スロツトル開度TH′に所定の
増分△TH′を加算し(同724)、標数jにも所
定の増分△jを加算する(同725)。この後、
再び修正スロツトル開度CTHと比較基準スロツ
トル開度TH′とを比較し(同723)、修正スロ
ツトル開度CTHの方が大きい場合には前述のス
テツプ724及び725を行なつた後、再度ステ
ツプ723を実行する。このような一連の処理
(ステツプ723,724及び725)を行なつ
て、修正スロツトル開度CTHが比較基準スロツ
トル開度TH′よりも小さくなつた時点において修
正スロツトル開度CTHに照応する標数jが得ら
れる。次いで、車速Vについても上記と同様の処
理(ステツプ726,727,728,729及
び730)を行なう。これによつて、実際の車速
Vに対応した標数kが得られる。次に、こうして
得られた標数j及びkを加算し(同731)、修
正スロツトル開度CTH及び車速Vに対応するア
ドレスを得て、第11図に示すROM314の該
当アドレスからステツプモータのパルス数データ
NDを読み取る(同732)。こうして読み取られ
たパルス数NDは、修正スロツトル開度CTH及び
車速Vにおいて設定すべき目標のパルス数を示し
ている。このパルス数NDを読み取つて、Dレン
ジ変速パターン検索ルーチン720を終了しリタ
ーンする。
第9図に示すステツプ707において、Dレン
ジでない場合には、Lレンジにあるかどうかを判
断し(同709)、Lレンジにある場合には、L
レンジ変速パターン検索ルーチンを検索する(同
740)。Lレンジ変速パターン検索ルーチン7
40は、Dレンジ変速パターン検索ルーチン72
0と基本的に同様の構成であり、ROM314に
格納されているステツプモータのパルス数データ
NLがDレンジの場合のパルス数データNDと異な
るだけである(パルス数データNDとNLとの相違
については後述する)。従つて、詳細については
説明を省略する。
ステツプ709においてLレンジでない場合に
は、Rレンジにあるかどうかを判断し(同71
1)、Rレンジにある場合にはRレンジ変速パタ
ーンの検索ルーチン760を実行する。このRレ
ンジ変速パターン検索ルーチン760もDレンジ
変速パターン検索ルーチン720と同様であり、
パルス数データNRが異なるだけあるので、詳細
については説明を省略する。
以上のように、ステツプ720,740又は7
60において、シフトポジシヨンに応じて、それ
ぞれ目標のステツプモータパルス数データND
NL又はNRを検索し終ると、変速基準スイツチ2
40の信号を読み込み(同778)、変速基準ス
イツチ240がオン状態であるかオフ状態である
かを判断する(同779)。変速基準スイツチ2
40がオフ状態である場合には、RAM315に
格納されている現在のステツプモータのパルス数
NAを読み出す(同781)。このパルス数NAは、
ステツプモータ110を駆動するための信号とし
て変速制御装置300により発生されたパルス数
であり、電気的雑音等がない場合にはこのパルス
数NAとステツプモータ110の実際の回転位置
とは常に1対1に対応している。ステツプ779
において変速基準スイツチ240がオン状態にあ
る場合には、ステツプモータ110の現在のパル
ス数NAを0に設定する(同780)。変速基準ス
イツチ240は、変速操作機構112のスリーブ
162が最大変速比位置にあるときにオン状態に
なるように設定されている。すなわち、変速基準
スイツチ240がオンのときには、ステツプモー
タ110の実際の回転位置が最大変速比位置にあ
ることになる。従つて、変速基準スイツチ240
がオンのときにパルス数NAを0にすることによ
り、ステツプモータ110が最大変速比位置にあ
るときにはこれに対応してパルス数NAは必ず0
になることになる。このように最大変速比位置に
おいてパルス数NAを0に修正することにより、
電気的雑音等のためにステツプモータ110の実
際の回転位置とパルス数NAとに相違を生じた場
合にこれらを互いに一致させることができる。従
つて、電気的雑音が累積してステツプモータ11
0の実際の回転位置とパルス数NAとが対応しな
くなるという不具合は生じない。次いで、ステツ
プ783において、検索した目標パルス数ND
NL又はNRと、実パルス数NAとの大小を比較す
る。
実パルス数NAと目標パルス数ND、NL又はNR
とが等しい場合には、目標パルス数ND、NL又は
NR(=パルス数NA)が0であるかどうかを判断
する(同785)。目標パルス数ND、NL又はNR
が0でない場合、すなわち最も変速比が大きい状
態にはない場合、前回ルーチンと同様のステツプ
モータ駆動信号(これについては後述する)を出
力し(同811)、リターンする。目標パルス数
ND、NL又はNRが0である場合には変速基準スイ
ツチ240のデータを読み込み(同713)、そ
のオン・オフに応じて処理を行なう(同715)。
変速基準スイツチ240がオンの場合には、実パ
ルス数NAを0にし(同717)、また後述するス
テツプモータ用タイマ値Tを0にし(同718)、
パルス数0に対応する前回ルーチンと同様のステ
ツプモータ駆動信号を出力する(同811)。ス
テツプ715において変速基準スイツチ240が
オフの場合には、後述するステツプ801以下の
ステツプが実行される。
次に、ステツプ783において実パルス数NA
が目標パルス数ND、NL又はNRよりも小さい場合
には、ステツプモータ110を、パルス数大の方
向へ駆動する必要がある。まず、前回ルーチンに
おけるタイマ値Tが布又は0になつているかどう
かを判断し(同787)、タイマ値Tが正の場合
には、タイマ値Tから所定の減算値△Tを減算し
てこれを新たなタイマ値Tとして設定し(同78
9)、前回ルーチンと同様のステツプモータ駆動
信号を出力して(同811)リターンする。この
ステツプ789はタイマ値Tが0又は負になるま
で繰り返し実行される。タイマ値Tが0又は負に
なつた場合、すなわち一定時間が経過した場合、
後述のようにステツプモータ110の駆動信号を
アツプシフト方向へ1段階移動し、(同791)、
タイマ値Tを所定の正の値T1に設定し(同79
3)、現在のステツプモータのパルス数NAを1
だけ加算したものとし(同795)、アツプシフ
ト方向に1段階移動されたステツプモータ駆動信
号を出力して(同811)リターンする。これに
よつてステツプモータ110はアツプシフト方向
に1単位だけ回転される。
ステツプ83において現在のステツプモータパ
ルス数NAが目標パルス数ND、NL又はNRよりも
大きい場合には、タイマ値Tが0又は負であるか
どうかを判断し(同801)、タイマ値Tが正の
場合には所定の減算値△Tを減じてタイマ値Tと
し(同803)、前回ルーチンと同様のステツプ
モータ駆動信号を出力し(同811)、リターン
する。これを繰り返すことにより、タイマ値Tか
ら減算値△Tが繰り返し減じられるので、ある時
間を経過するとタイマ値Tが0又は負になる。タ
イマ値Tが0又は負になつた場合、ステツプモー
タ駆動信号をダウンシフト方向へ1段階移動させ
る(同805)。また、タイマ値Tには所定の正
の値T1を設定し(同807)、現在のステツプモ
ータパルス数NAを1だけ減じて(同809)、
ダウンシフト方向へ1段階移動されたステツプモ
ータ駆動信号を出力し(同811)、リターンす
る。これによつてステツプモータ110はダウン
シフト方向へ1単位だけ回転される。
ここでステツプモータの駆動信号について説明
をしておく。ステツプモータの駆動信号を第12
図に示す。ステツプモータ110に配線されてい
る4つの出力線317a,317b,317c及
び317d(第4図参照)には、A〜Dの4通り
の信号の組合せがあり、A→B→C→D→Aのよ
うに駆動信号を与えるとステツプモータ110は
アツプシフト方向に回転し、逆に、D→C→B→
A→Dのように駆動信号を与えると、ステツプモ
ータ110はダウンシフト方向に回転する。従つ
て、4つの駆動信号を第13図のように配置する
と、第12図でA→B→C→Dの駆動(アツプシ
フト)をすることは、第13図で信号を左方向へ
移動することと同様になる。この場合、bit3の
信号はbit0へ移される。逆に、第12図でD→
C→B→Aの駆動(ダウンシフト)を行なうこと
は、第13図では信号を右方向へ移動することに
相当する。この場合、bit0の信号はbit3へ移動
される。
アツプシフトの時の出力線317a,317
b,317c及び317dにおける信号の状態を
第14図に示す。ここで、A,B,C及びDの各
状態にある時間は、ステツプ793又は807で
指定したタイマ値T1になつている。
上述のように、ステツプモータ駆動信号は、実
パルス数(すなわち、実変速比)が目標パルス数
(すなわち、目標変速比)よりも小さい場合は、
左方向に移動させられる(同791)ことによ
り、ステツプモータ110をアツプシフト方向へ
回転させる信号として機能する。逆に、実変速比
が目標変速比よりも大きい場合には、ステツプモ
ータ駆動信号は右方向に移動させられる(同80
5)ことにより、ステツプモータ110をダウン
シフト方向へ回転させる信号として機能する。ま
た、実変速比が目標変速比に一致している場合に
は、左、右いずれかの方向にも移動させないで、
前回のままの状態の駆動信号が出力される。この
場合にはステツプモータ110は回転せず、変速
が行なわれないので変速比は一定に保持される。
前述のステツプ711(第9図)においてRレ
ンジでない場合、すなわちP又はNレンジにある
場合には、ステツプ713以下のステツプが実行
される。すなわち、変速基準スイツチ240の作
動状態を読み込み(同713)、変速基準スイツ
チ240がオンであるかオフであるかを判別し
(同715)、変速基準スイツチがオン状態の場合
には、実際のステツプモータのパルス数を示す実
パルス数NAを0にし(同717)またステツプ
モータ用タイマー値Tを0にする(同718)。
次いで、前回ルーチンと同じ状態のステツプモー
タ駆動信号を出号を出力し(同811)、リター
ンする。ステツプ715において変速基準スイツ
チ240がオフ状態にある場合には、前述のステ
ツプ801以下のステツプが実行される。すなわ
ち、ステツプモータ110がダウンシフト方向に
回転される。従つて、P及びNレンジでは、最も
変速比の大きい状態となつている。
次に、Dレンジにおいてエンジンの最小燃料消
費率曲線に沿つて無段変速機の変速比を制御する
方法について説明する。
エンジンの性能曲線の1例を第15図に示す。
第15図においては横軸にエンジン回転数及び縦
軸にエンジントルクをとり、各スロツトル開度に
おける両者の関係、及び等燃費曲線FC1〜FC8
(この順に燃料消費率が小さい)が示してある。
図中の曲線Gは最小燃料消費率曲線であり、この
曲線Gに沿つてエンジンを作動させれば最も効率
の良い運転状態が得られる。常にこのエンジンの
最小燃料消費率曲線Gに沿つてエンジンが運転さ
れるように無段変速機が制御するために、ステツ
プモータ110のパルス数NDを次のように決定
する。まず、最小燃料消費率曲線Gをスロツトル
開度とエンジン回転速度との関数として示すと第
16図に示すようになる。すなわち、スロツトル
開度に対して一義的にエンジン回転速度が定ま
る。例えば、スロツトル開度40゜の場合にはエン
ジン回転速度は3000rpmである。なお、第16図
において低スロツトル開度(約20度以下)の最低
エンジン回転速度が1000rpmになつているのは、
ロツクアツプクラツチを締結した場合にこれ以下
のエンジン回転速度では無段変速機の駆動系統が
エンジンの振動との共振を発生するからである。
エンジン回転速度N及び車速Vの場合に、変速比
Sは、 S=(N/V)・k で与えられる。ただし、kは最終減速比、タイヤ
半径等によつて定まる定数である。ここで、第1
6図におけるエンジン回転速度を車速に変換して
図示すると、第17図のようになる。同一エンジ
ン回転速度であつても変速比が異なれば車速が異
なるため、第17図の線図においては車速は一定
の幅を有している。すなわち、最も変速比が大き
い場合(変速比a)が線laによつて示してあり、
最も変速比が小さい場合(変速比c)が線lcによ
つて示してある(なお、中間の変速比bの場合を
線lbに示してある)。例えば、スロツトル開度が
40゜の場合には、約25Km/hから約77Km/hの間
の車速で走行することができる。なお、laよりも
低速側の領域にある場合には線laに沿つて制御が
行なわれ、また線lcよりも高速側の領域にある場
合には線lcに沿つて制御が行なわれる。一方、変
速操作機構112のスリーブ162の位置と変速
比との間には一定の関係がある。すなわち、ステ
ツプモータ110に与えられるパルス数(すなわ
ち、ステツプモータ110の回転位置)と変速比
との間には、第18図に示すような関係がある。
従つて、第17図における変速比(a,b,c
等)を第18図に基づいてパルス数に変換するこ
とができる。こうしてパルス数に変換した線図を
第19図に示す。なお、第19図に、前述の第8
図のロツクアツプクラツチオン及びオフ線も同時
に記入すると、図示のように、ロツクアツプクラ
ツチオン及びオフ線は最大変速比aの制御線より
も低車速側にある。
第19図に示す変速パターンに従つて無段変速
機の制御を行なうと次のようになる。発進時に
は、車速が低いため無段変速機は最大変速比位置
に制御されており、トルクコンバータ12は非ロ
ツクアツプ状態にある。従つて、発進に必要な強
力な駆動力が得られる。車速がロツクアツプオン
線を越えると、トルクコンバータ12のロツクア
ツプクラツチ10が締結され、トルクコンバータ
12はロツクアツプ状態となる。更に車速が上昇
して線laを越えると、変速比はエンジンの最小燃
料消費率曲線に沿つてa〜c間において無段階に
変化する。例えば線la及びc間の領域において一
定車速・一定スロツトル開度で走行している状態
からスロツトル開度を大きくした場合、スロツト
ル開度が変わるから制御すべき目標エンジン回転
速度も変化するが、目標エンジン回転速度に対応
するステツプモータの目標パルス数は実際のエン
ジン回転速度には関係なく、第16図に示す関係
に基づいて決定される。ステツプモータ110は
与えられた目標パルス数に応じてただちに目標位
置まで回転し、所定の変速比が実現され、実エン
ジン回転速度が目標エンジン回転速度に一致す
る。前述のように、ステツプモータのパルス数は
エンジンの最小燃料消費率曲線Gから導き出され
たものであるから、エンジンは常にこの曲線Gに
沿つて制御される。このように、ステツプモータ
のパルス数に対して変速比が一義的に決定される
ので、パルス数を制御することにより変速比を制
御することができる。
なお、以上の説明は、エンジン冷却水温TWが
所定値TW0よりも高い場合(すなわち、実スロ
ツトル開度TH=修正スロツトル開度CTH)の
制御についてのものである。TW<TW0の場合
には、実スロツトル開度TH<修正スロツトル開
度CTH、となり、この修正スロツトル開度CTH
に基づいて変速パターンの検索が行なわれること
になる。D、L及びRの各変速パターンは、同一
車速においてはスロツトル開度が大きいほど大き
な変速比が得られるように設定されているから、
エンジンが冷却水温が低くかつスロツトル開度が
所定値よりも小さい場合にはそれに応じて大きな
変速比が得られる。これによつてエンジン回転数
が高くなるため、エンジン始動時におけるエンジ
ン不調に伴なう振動、動力不足等を解消すること
ができる。
なお、以上説明した実施例では、エンジンのス
ロツトル開度を基準として制御を行なつたが、エ
ンジンの吸気管負圧又は燃料噴射量を用いても
(それぞれ最小燃料消費率曲線Gは第20図及び
第21図に示すような曲線となる)同様に制御を
行なうことができることは明らかである。
上記はDレンジにおける変速パターンの説明で
あるが、L及びRレンジについてはDレンジとは
異なる変速パターンをデータとして入力しておけ
ばよい。例えば、Lレンジにおいて、同一スロツ
トル開度に対してDレンジの変速パターンよりも
変速比が大きくなる変速パターンとし、加速性能
を向上すると共にスロツトル開度0の状態におい
て好適なエンジンブレーキ性能が得られるように
する。また、RレンジではLレンジよりも更に変
速比大側の変速パターンにする。このような変速
パターンは所定のデータを入力することにより簡
単に得ることができる。また、制御の基本的作動
はDレンジの場合と同様である。従つて、L及び
Rレンジにおける作用の説明は省略する。
次に、第4図に示したブレーキセンサー307
について簡単に説明しておく。
ブレーキセンサー307は、フートブレーキを
作動させたときにオンとなり、これは例えば、次
のような制御に使用する。すなわち、ブレーキセ
ンサー307がオンであり、かつスロツトル開度
が0の場合に、Dレンジの変速パターンを変速比
大側の変速パターンに切換えるようにする。これ
によつて、Dレンジ走行中にブレーキを踏めば、
強力なエンジンブレーキを得ることができる。
次に、第23図に示す第2の実施例について説
明する。
この実施例は第9図に示した第1の実施例のス
テツプ803→707間を第23図に示すように
置き換えたものであり、車速信号を修正すること
により、第1実施例と同様の作用・効果を得るよ
うにしてある。
ステツプ705の後で、まずエンジン冷却水温
センサー306から実際のエンジン冷却水温TW
を読み込み(同802)、この実水温TWが所定
値TW0より小さいかどうかを判断し(同80
3)、TW0より小さければ車速Vが所定値V0より
も小さいかどうかを判断し(同901)、V<V0
ならば所定値TW0と実水温TWとの差(TW0
TW)に所定値V0と車速Vとの差(V0−V)を
乗じ、更にこれに所定の係数k2を乗じて車速補正
量CTW2とし(902)、次のステツプ903で
車速Vから車速補正量CTW2を差し引いて修正車
速CVを求める。次いで、修正車速CVが負になる
ことを避けるために、修正車速CVが正かどうか
を判断し(同904)、修正車速CVが負の場合に
はCVを0にする(同905)。ステツプ803に
おいてTW≧TW0の場合又はステツプ901で
V≧V0の場合には修正車速CVを実車速Vそのま
まに設定する(同906)。こうして得られる修
正車速CVと実車速Vとの関係を図示すると第2
4図に示すようになる。すなわち、TW≧TW0
ではA線で示すようにV=CVであり、TW<
TW0となるに従つてB線、C線で示すようにV
に対してCVが小さくなつていく。例えば、TW0
=60℃とするとA線は60℃以上に対応し、B線は
35℃に対応し、C線は10℃に対応するというよう
な関係となる。こうした処理の後で、ステツプ7
07以下のステツプが実行される。
各変速パターンは、同一スロツトル開度では車
速が小さいほど大きな変速比が得られるように設
定されているため、小さな値に修正された車速に
基づいて検索が行なわれるエンジン冷却水温の低
くかつ車速が低い場合には、通常の場合よりも大
きな変速比を得ることができる。
次に、第25図に示す第3の実施例について説
明する。
この実施例は第9図に示した第1の実施例のス
テツプ705→778間を第25図に示すように
置き換えたものであり、ステツプモータパルス数
信号を直接修正することにより第1の実施例と同
様の作用・効果を得るようにしてある。
ステツプ705の後で、まずエンジン冷却水温
センサー306から実際のエンジン冷却水温TW
を読み込み(同802)、次いでD,L,Rの各
レンジに応じてD,L,Rのパターン検索を行な
う(同707、709、711、720、74
0、760)。次いで実水温TWが所定値TW0
下かどうかを判断し(同1001)、TW0以下な
らばスロツトルTHが所定値TH0以下であるかど
うかを判断し(1002)、TH<TH0ならば車
速Vが所定値V0以下であるかどうかを判断し
(同1003)、V<V0ならば、所定値TW0と実
水温TWとの差(TW0−TW)と、所定値TH0
スロツトル開度THとの差(TH0−TH)と、所
定値V0と車速Vとの差(V0−V)と、所定の係
数k3とを乗じてパルス数補正量CTW3を求め(同
1004)、検索してあつたパルス数ND、NL
はNR(第25図ではNDについてのみ図示してあ
る)からパルス数補正量CTW3を減じて修正パル
ス数データCND、CNL又はCNRを求める(同10
05)。次いで、修正パルス数データCND、CNL
又はCNRが負になることを避けるために、修正パ
ルス数データCND、CNL又はCNRが正かどうかを
判断し(同1006)、修正パルス数データが負
の場合はこれを0にする(同1007)。ステツ
プ1001において実水温TW≧TW0の場合、
ステツプ1002でTH≧TH0の場合又はステツ
プ1003でV≧V0の場合には、修正パルス数
CND、CNL又はCNRを実パルス数ND、NL又はNR
そのままに設定する(同1008)。こうした処
理の後でステツプ778以下のステツプが実行さ
れる。
この実施例においては、エンジン冷却水温が低
くかつスロツトル開度が小さく、しかも車速が低
い場合にパルス数データが通常の場合よりも小さ
くなるので、変速比が通常の場合よりも大きくな
り、前述の実施例と同様の作用・効果が得られ
る。
(ヘ) 発明の効果 以上説明してきたように、本発明によると、エ
ンジン冷却水温が低く、かつスロツトル開度が所
定値よりも小さい場合又は車速が所定値よりも低
い場合、あるいはスロツトル開度及び車速の両方
が各所定値を下回つた場合、変速比を大側に修正
するようにしたので、動力不足、エンジン停止、
不快な振動の発生などの不具合が発生する可能性
がある場合にのみ変速比が修正されて円滑な走行
が可能となる。したがつて、不必要にエンジンを
高速で回転させることがなくなり、燃料消費量を
減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はVベルト式無段変速機の部分断面正面
図、第2図は第1図に示すVベルト式無段変速機
の各軸の位置を示す図、第3図は油圧制御装置全
体を示す図、第4図は変速制御装置を示す図、第
5図はロツクアツプソレノイド制御ルーチンを示
す図、第6図はロツクアツプオン車速データの格
納配置を示す図、第7図はロツクアツプオン車速
検索ルーチンを示す図、第8図はロツクアツプ制
御パターンを示す図、第9図はステツプモータ制
御ルーチンを示す図、第10図はDレンジ変速パ
ターン検索ルーチンを示す図、第11図はパルス
数データの格納配置を示す図、第12図は各出力
線の信号の組み合わせを示す図、第13図は各出
力線の配列を示す図、第14図はアツプシフトの
場合の各出力線の信号を示す図、第15図はエン
ジン性能曲線を示す図、第16図は、スロツトル
開度とエンジン回転速度との関係を示す図、第7
図はスロツトル開度と速度との関係を示す図、第
18図は変速比とステツプモータパルス数との関
係を示す図、第19図はスロツトル開度と車速と
の関係を示す図、第20図は吸気管負圧を基準と
して最小燃料消費率曲線を示す図、第21図は燃
料噴射量を基準として最小燃料消費率曲線を示す
図、第22図はスロツトル開度THと修正スロツ
トル開度CTHとの関係を示す図、第23図は本
発明の第2の実施例の変速制御ルーチンの一部を
示す図、第24図は車速Vと修正車速Vとの関係
を示す図、第25図は本発明の第3の実施例の変
速制御ルーチンの一部を示す図、第26図は本発
明の構成要素間の関係を示す図である。 2…エンジン出力軸、4…ポンプインペラー、
4a…部材、6…タービンランナ、8…ステー
タ、10…ロツクアツプクラツチ、12…トルク
コンバータ、14…ロツクアツプクラツチ油室、
16…軸受、20…ケース、22…駆動軸、24
…駆動プーリ、26…固定円すい板、28…駆動
プーリシリンダ室、30…可動円すい板、32…
Vベルト、34…従動プーリ、36…軸受、38
…軸受、40…従動軸、42…固定円すい板、4
4…従動プーリシリンダ室、46…可動円すい
板、48…前進用多板クラツチ、48a…シリン
ダ室、50…前進用駆動ギア、52…リングギ
ア、54…後退用駆動ギア、56…アイドラギ
ア、58…後退用多板クラツチ、58a…シリン
ダ室、60…アイドラ軸、62…アイドラギア、
64…ピニオンギア、67…差動装置、68…サ
イドギア、70…サイドギア、72…出力軸、7
4…出力軸、76…軸受、78…軸受、80…オ
イルポンプ、82…オイルポンプ駆動軸、102
…ライン圧調圧弁、104…マニアル弁、106
…変速制御弁、108…ロツクアツプ弁、110
…変速モータ(ステツプモータ)、112…変速
操作機構、114…タンク、116…油路、11
8…弁穴、118a〜118h…ポート、120
…弁穴、120a〜120e…ポート、122…
弁穴、120a〜122e…ポート、124…ス
プール、124a,124b…ランド、126…
油路、128…油路、130…油路、132…ス
プール、132a〜132d…ランド、133…
スプリング、134…スプリングシート、135
…ピン、136…ケース、137…膜、137a
…金具、137b…スプリングシート、138…
ポート、139a,139b…室、140…スプ
リング、141…ロツド、142…ポート、14
3…負圧ダイヤフラム、144…油路、145…
オリフイス、146…トルクコンバータ・インレ
ツトポート、147…油路、148…油路、14
9…オリフイス、150…弁穴、150a〜15
0d…ポート、152…スプール、152a〜1
52e…ランド、154…油路、156…油路、
160…レバー、162…スリーブ、164…ギ
ア、166…ギア、168…軸、170…スプー
ル、170a〜b…ランド、172…スプリン
グ、174…オリフイス、176…オリフイス、
178…オリフイス、180…トルクコンバー
タ・アウトレツトポート、182…油路、184
…ボール、186…スプリング、188…レリー
フ弁、190…油路、192…レリーフ弁、20
0…ロツクアツプソレノイド、201…オリフイ
ス、203…オリフイス、207…分岐油路、2
40…変速基準スイツチ、300…変速制御装
置、301…エンジン回転速度センサー、302
…車速センサー、303…スロツトル開度センサ
ー(吸気管負圧センサー)、304…シフトポジ
シヨンスイツチ、306…エンジン冷却水温セン
サー、307…ブレーキセンサー、308,30
9…波形整形器、310…AD変換器、311…
入力インターフエース、312…基準パルス発生
器、313…CPU(中央処理装置)、314…
ROM(リードオンリメモリ)、315…RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)、316…出力インター
フエース、317,318…増幅器、319…ア
ドレスバス、320…データバス、500…ロツ
クアツプソレノイド制御ルーチン、520…ロツ
クアツプオン車速データ検索ルーチン、540…
ロツクアツプオフ車速データ検索ルーチン、70
0…変速モータ制御ルーチン、720…Dレンジ
変速パターン検索ルーチン、740…Lレンジ変
速パターン検索ルーチン、760…Rレンジ変速
パターン検索ルーチン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 それぞれシリンダ室を内蔵した駆動プーリ及
    び従動プーリのV字状みぞ間隔を各シリンダ室に
    供給する油圧を制御する変速制御弁により制御し
    て変速比を連続的に可変とし、変速制御弁は目標
    とする変速比を実現するように変速アクチユエー
    タによつて制御されるVベルト式無段変速機の変
    速制御装置において、 エンジン冷却水温を検出するエンジン冷却水温
    センサーと、エンジン負荷を検出するエンジン負
    荷センサー及び車速を検出する車速センサーのい
    ずれか一方又は両方と、エンジン冷却水温が所定
    値よりも低くかつエンジン負荷及び車速のいずれ
    か一方又は両方が各所定値よりも小さい場合にこ
    れ以外の場合よりも変速比が大きくなるように目
    標とする変速比を修正する変速比修正手段とを有
    することを特徴とするVベルト式無段変速機の変
    速制御装置。 2 変速アクチユエータ制御の基本となるデータ
    は、エンジンのスロツトル開度、吸入管負圧及び
    燃料供給量のうちのいずれか1つに対応した信号
    と、車速信号とに対応させてメモリ内に格納され
    ており、変速比修正手段は、エンジンのスロツト
    ル開度、吸入管負圧及び燃料供給量のうちのいず
    れか1つに対応した前記信号を修正することによ
    つて変速比を修正するように構成される特許請求
    の範囲第1項記載のVベルト式無段変速機の変速
    制御装置。 3 変速アクチユエータ制御の基本となるデータ
    は、エンジンのスロツトル開度、吸入管負圧及び
    燃料供給量のうちのいずれか1つに対応した信号
    と、車速信号とに対応させてメモリ内に格納され
    ており、変速比修正手段は、車速信号を修正する
    ことによつて変速比を修正するように構成される
    特許請求の範囲第1項記載のVベルト式無段変速
    機の変速制御装置。 4 変速アクチユエータ制御の基本となるデータ
    は、エンジンのスロツトル開度、吸入管負圧及び
    燃料供給量のうちのいずれか1つに対応した信号
    と、車速信号とに対応させてメモリ内に格納され
    ており、変速比修正手段は、前記基本となるデー
    タから検索された信号を修正することによつて変
    速比を修正するように構成される特許請求の範囲
    第1項記載のVベルト式無段変速機の変速制御装
    置。
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