JPH0371027B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 −産業上の利用分野− この発明は、手形や小切手等を電子計算機を用
いて発行する際に用いられる印刷装置に関するも
ので、通常文字の印刷と共に金額を表示する数字
を改ざん防止文字で印刷できるようにした印刷装
置に関するものである。

−従来の技術− 手形、小切手等の金券を発行する場合には、従
来、チエツクライタを用いて所定の用紙に金額を
図形文字にて印刷し、この図形文字に対応して用
紙に凹凸を形成することにより、発行された金券
の金額が改ざんされるのを防止するようにしてい
る。

チエツクライタは第４図や第５図に示すよう
に、外周に数字が刻設された活字輪１とこれに対
向する圧接軸２または圧接ピン３とで用紙４を挟
圧することにより、手形５等の金額欄６に数字を
印刷するとともに、活字輪１の文字の面に形成さ
れた凹凸により紙面に凹凸を形成して印刷された
金額が改ざんされないようにするものである。こ
こで、第４図に示すものは、複数の活字輪を有し
て金額を表す数字の全桁を一時に印刷するもので
あり、第５図に示すものは、一対の活字輪と圧接
ピンにより用紙を長手方向に送りながら数字を一
字ずつ印刷してゆくものである。

しかしながら、チエツクライタによる場合は、
手形や小切手の金額の印刷が手作業により行われ
るので、非能率的であるばかりでなく、ミスも発
生し易い問題がある。手形や小切手には、金額の
他に振出人や発行日などが記載されており、これ
らの記載データを電子計算機から与えてやれば事
務能率を大幅に改善することができるので、手形
や小切手を電子計算機のプリンタで直接発行した
いという要求が生じてきている。

しかし、電子計算機システムに備えられている
通常のプリンタでは、改ざん防止文字を印刷する
ことはできない。そこで、第５図に示すような活
字輪と圧接ピンの一対をプリンタの用紙通路に設
け、第５図と同様に用紙を長手方向に送りながら
改ざん防止文字を印刷できるようにしたプリンタ
が提唱されており、また、ワイヤドツトインパク
ト型のプリンタにおいて、ワイヤを用紙の同一箇
所に何度も衝打して用紙に凹凸を形成することに
より当該文字の改ざんを不可能にしようとする手
段が提唱されている（例えば特開昭58−104766
号、特開昭59−29182号）。

−発明が解決しようとする問題点− 手形や小切手には、振出人や発行日あるいは支
払期日や支払場所等、金額以外の各種事項が記載
されるが、これら金額以外の記載事項は、改ざん
防止用の特殊文字ではなく、通常文字で印刷して
問題ない。そこで、手形や小切手を電子計算機の
プリンタで発行する場合には、これら金額以外の
記載事項をプリンタに備えられている通常の印刷
ユニツトで印刷するが、金額を改ざん防止用の特
殊文字で印刷するために用紙４を第５図に示すよ
うに長手方向に給送すると、金額以外の記載事項
の印刷を通常の行単位の印刷で行うことが出来な
くなり、イメージ印刷処理となるため、該印刷処
理が複雑となり、印刷に時間がかかるという問題
が生ずる。

また、ワイヤを同一箇所で何度も衝打して改ざ
ん防止文字を印刷する手段では、用紙にチエツク
ライタを使用した場合のように明確な凹凸を形成
できる訳ではないから、改ざん防止文字として必
ずしも満足すべきではなく、同一箇所に何度も印
字動作が行われるので、印刷処理に時間がかかる
という欠点もある。

この発明は、金額を改ざん防止文字で印刷した
手形や小切手等を能率よく印刷処理できるプリン
タを得ることを目的としてなされたもので、特に
多数の手形や小切手を電子計算機からのデータに
基づいて自動的に能率良く印刷処理できるプリン
タを得ることを目的としている。

−問題点を解決するための手段− 上記目的を達成する為に、本発明のプリンタ
は、給紙部から排紙部に至る用紙通路に通常文字
印刷ユニツトと特殊文字印刷ユニツトとの２組の
印刷ユニツトを有している。通常文字印刷ユニツ
トは、一般のプリンタに用いられているワイヤド
ツト、インクジエツト、熱転写等の印刷ユニツト
である。特殊文字印刷ユニツトは、活字輪と圧接
ピンとで用紙を挟圧して用紙の凹凸を伴う改ざん
防止文字を形成するもので、用紙通路を横断する
方向に往復移動するキヤリアに搭載されて設けら
れる。通常文字印刷ユニツトと特殊文字印刷ユニ
ツトとは、用紙の送り方向に間隔を隔てて配置さ
れる。また上記キヤリアには、用紙通路を横断し
て移動するときに用紙と干渉しないように用紙の
前縁または後縁を通過させる切欠を設け、特殊文
字印刷ユニツトの活字輪と圧接ピンとの対は、上
記キヤリア上に上記切欠を挟んで対向するように
設けられる。キヤリアには活字輪をインデツクス
駆動する駆動機構と所定のタイミングで活字輪と
圧接ピンとを押接させる駆動機構とが設けられて
いる。

−作用− このような構造のプリンタで手形や小切手を印
刷する際には、給紙部から送り込まれた用紙にま
ず通常文字印刷ユニツトで金額以外の記載事項を
印刷してから次いで特殊文字印刷ユニツトで金額
を改ざん防止文字で印刷するか、あるいは逆に、
特殊文字印刷ユニツトで金額を印刷してから通常
文字印刷ユニツトで金額以外の記載事項を印刷す
ることとなる。特殊文字は、その印刷位置に用紙
を停止させた状態で、活字輪と圧接ピンとを搭載
したキヤリアを用紙通路を横断する方向に走行さ
せながら行われる。このとき、キヤリアの切欠に
用紙の前縁または後縁が納まり、同一キヤリア上
の活字輪と圧接ピンとが用紙の所定の改ざん防止
文字印刷位置を挟んで対向する。この場合、特殊
文字印刷ユニツトは通常文字印刷ユニツトに比べ
て印刷速度が遅いけれど、特殊文字印刷ユニツト
で印刷すべき文字の量と通常文字印刷ユニツトで
印刷すべき文字の量との差がその印刷速度の差に
ほぼ見合うので、用紙を順次送り込んでやれば両
印刷ユニツトはほぼ等しいサイクルタイムで並行
して作動し、能率よく印刷処理がおこなわれる。

また、改ざん防止用の特殊文字は、用紙を保持
ローラ等で停止保持した状態で特殊文字印刷ユニ
ツトをトラバースさせながら行われるので、体裁
よくかつ正確な位置に印刷できるばかりでなく、
用紙の長手直角方向に用紙を給送するこができる
ので、印刷ユニツトを行単位で制御して印刷を行
わせることができるから、制御が容易となり、処
理速度も早くできる。

−実施例− 第１図ないし第３図は本発明のプリンタの一実
施例を示したものである。第１図はプリンタ装置
全体を示す側面図で、７は給紙部、８は通常文字
の印刷ユニツト、９は特殊文字の印刷ユニツト、
１０は排紙部である。

給紙部７において、１１は昇降自在に設けたホ
ツパ、１２はホツパ１１に積重された印刷用紙、
１３は積重用紙１２の前縁の位置を規制する前面
ガイド、１４は積重用紙１２の上面に当接してい
るピツクローラ、１５は分離ローラ、１６は分離
ローラ１５に弾圧されている摩擦パツド、１７は
給紙ローラであり、ピツクローラ１４で送り出さ
れた用紙１２が分離ローラ１５と摩擦パツド１６
との間を通過して１枚に分離され、給紙ローラ１
７に挟持されて通常文字印刷ユニツト８と送られ
て行く。

図示実施例の通常文字印刷ユニツト８は、シリ
アル型のワイヤドツト式印刷ユニツトで、１８は
プラテン、１９，２０はプラテン１８と平行に装
架されたガイドロツド、２１はガイドロツド１
９，２０に摺動自在に装着されたキヤリア、２２
はキヤリア２１に搭載されてプラテン１８に対向
している印刷ヘツド、２３，２４は印刷ユニツト
の前後に配置された紙送りローラである。キヤリ
ア２１は、図示しない駆動機構によりガイドロツ
ド１９，２０に沿つて往復駆動され、印刷ヘツド
２２は、キヤリア２１の移動に従う所定のタイミ
ングにおいて指令されたワイヤをプラテン１８に
衝打し、例えば24×24のドツトマトリツクスによ
り通常文字を印刷する。

２５は連帳用紙給送用のピン駆動装置、２６，
２７は単票用紙給送用のローラ、２８は連帳と単
票との用紙通路切り換えガイドである。手形や小
切手の用紙は勿論単票用紙であるから、その印刷
処理時には切り換えガイド２８が斜立状態となつ
て通常文字印刷ユニツト８から送り出される用紙
をローラ２６，２７の方へと案内する。

特殊文字印刷ユニツト９は、用紙通路を横断す
る方向に装架されたガイドロツド２９，３０に沿
つて往復移動するキヤリア３１に搭載されてお
り、周面に￥、※、０ないし９の文字が凸設され
た活字輪３２と該活字輪に対向する圧接ピン３３
とにより用紙を挟圧して凹凸のある改ざん防止文
字を印刷する。キヤリア３１の直上には、保持ロ
ーラ３４が設けられており、用紙はこの保持ロー
ラ３４で停止状態で保持されて印刷される。すな
わち、手形又は小切手用紙がローラ２７から送り
出されてその先端が保持ローラ３４に達したこと
が光電センサ３５で検知されると、保持ローラ３
４は所定量回転した後停止して用紙の金額記載欄
６が活字輪３２と圧接ピン３３との間に位置する
ように保持し、金額欄の印刷が行われる。第２図
は特殊文字印刷ユニツト９部分の概要を示す斜視
図で、３７はキヤリア３１を駆動するベルト装
置、３８はその駆動用電動機である。

第３図は、活字輪３２および圧接ピン３３の駆
動機構を示したもので、３９は活字輪３２に固着
された軸、４０は軸３９に固着されたエンコー
ダ、４１は一方向クラツチ４２を介して軸３９に
装着された歯車であり、一方向クラツチ４２は、
歯車４１が図示矢印の方向に回動したときのみ当
該回動を軸３９に伝達する。圧接ピン３３は、キ
ヤリアフレーム４３に固着されたガイド４４に摺
動自在に嵌装され、その基端にレバー４５の一端
が長孔を以て枢着されている。レバー４５とクラ
ンク型のレバー４６とは、ピン４７，４８により
キヤリアフレーム４３に枢支されており、リンク
４９により枢支連結されている。５０はキヤリア
フレーム４３に軸支されたカム軸で、５１はカ
ム、５２は一方向クラツチ５３を介してカム軸５
０に装着された歯車である。５４はリンク４９と
キヤリアフレーム４３とに張架された引張バネで
ある。一方向クラツチ５３は、歯車５２が図示矢
印の方向に回動したときのみその回動をカム５１
に伝達し、該方向のカム５１の回動によりリンク
４９とレバー４６の枢着部が押動され、リンク４
９がトグルリンクの如く作動して圧接ピン３３を
活字輪３２に向けて押動させる。

５５はパルスモータ、５６はその出力軸に固設
された歯車であり、歯車５６と４１とは噛合して
おり、歯車５６と５２とは中間歯車５７を介して
噛合している。そしてパルスモータ５５が図示矢
印ａの方向に回転すれば該回転は一方向クラツチ
４２を経て活字輪３２に伝達されて活字輪３２上
の文字の選択がおこなわれ、パルスモータ５５が
図示矢印ｂの方向に回転すれば該回転は一方向ク
ラツチ５３を経てカム５１に伝達されて印刷動作
が行われる。

エンコーダ４０は、活字輪３２の回転角を検知
して印刷活字を位置決めするために設けられたも
のであり、印刷動作の確認は、光電センサ５８に
よりレバー４６の揺動動作を検知することにより
行なわれる。圧接ピン３３が一動作して一文字の
印刷が行われると、ベルト装置３７によりキヤリ
ア３１が一文字分移動し、その間に活字輪３２を
回動させて次に印刷すべき数字を圧接ピン３３に
対向させ、順次印刷を行つて行く。この間、用紙
は保持ローラ３４に把持されて停止状態を保つて
いる。

圧接ピン３３は、活字輪３２に対向して用紙１
２の反対側に設けられねばならないので、キヤリ
ア３１には用紙１２挿通用の切欠５９が形成さ
れ、圧接ピン３３は用紙１２の前縁を囲むように
用紙１２の裏側へと伸びている。金額欄の印刷が
終了すれば、キヤリア３１は用紙通路の側方に退
避し、保持ローラ３４が再び回転して用紙１２を
排紙部１０へと落下させる。

排紙部１０は、排紙ローラ６０のスタツカ６１
とからなり、印刷処理済みの用紙は排紙ローラ６
０によりスタツカ６１上へと順次送り出されて積
重状態でスタツクされる。

上記一連の印刷処理において、通常文字印刷ユ
ニツト８と特殊文字印刷ユニツト９とは並行して
動作し、１枚の手形用紙が特殊文字印刷ユニツト
９で金額欄の印刷が行われる間に、次の手形用紙
に通常文字印刷ユニツト８で金額欄以外の記載事
項が印刷される。印刷ユニツト８，９における処
理が終了すれば、給紙部７は次の用紙を通常文字
印刷ユニツト８へと送り込み、通常文字印刷ユニ
ツト８で処理された用紙は特殊文字印刷ユニツト
９へ、特殊文字印刷ユニツト９で処理された用紙
はスタツカ６１へと送られる。この動作を順次行
うことにより、改ざん防止文字を含む手形や小切
手の印刷処理が自動的に能率良く行われてゆくこ
ととなる。

−発明の効果− 以上のように本発明のプリンタは、通常文字の
印刷ユニツトと改ざん防止文字の印刷ユニツトと
を有しており、電子計算機からのデータに基づい
て両印刷ユニツトが並行して印刷処理を行う構成
としたので、自動給紙装置を用いることにより、
多量の手形や小切手の発行を正確かつ能率よく行
うことができる。また、手形や小切手用紙を長手
方向と直角の方向に供給して印刷処理を行うもの
であるから、行単位の印刷制御が可能で、制御が
容易であり、処理速度も早くできる。また、改ざ
ん防止文字を活字輪と圧接ピンとで印刷形成する
ものであるから、文字や用紙の凹凸を鮮明に形成
することができ、一対の活字輪と圧接ピンを停止
状態で保持された用紙の行方向に移動させながら
印刷を行わせるようにしたので、印刷位置を正確
に制御することができ、通常文字の印刷ユニツト
とほぼ等しいサイクルタイムで待ち時間を生ずる
ことなく、比較的簡単な装置で改ざん防止文字を
印刷することができる、

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本発明の印刷装置の一実
施例を示したもので、第１図は印刷装置全体を示
す側面図、第２図は特殊文字印刷ユニツト部分の
概要を示す斜視図、第３図は活字輪および圧接ピ
ンの駆動機構を示す斜視図である。第４図および
第５図は従来例を示す斜視図である。 図中、７は給紙部、８は通常文字の印刷ユニツ
ト、９は特殊文字の印刷ユニツト、１０は排紙
部、３１はキヤリア、３２は活字輪、３３は圧接
ピン、３４は保持ローラ、３７はベルト装置、３
８は電動機、４０はエンコーダ、４４はガイド、
４５はレバー、４６はクランク型のレバー、４
７，４８はピン、４９はリンク、５１はカム、５
４は引張バネ、５５はパルスモータ、５９はキヤ
リアに設けた切欠である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 給紙部７から排紙部１０に至る用紙通路に通
   常文字印刷ユニツト８と特殊文字印刷ユニツト９
   とが用紙の送り方向に間隔を隔てて設けられてお
   り、 特殊文字印刷ユニツト９は用紙の送り方向と直
   交する方向に往復移動するキヤリア３１に搭載さ
   れ、 このキヤリア３１は移動時に用紙通路の定位置
   に保持された用紙の前縁または後縁を通過させて
   該用紙との干渉を避ける切欠５９を備えており、 特殊文字印刷ユニツト９の対向する活字輪３２
   と圧接ピン３３との対は上記キヤリア３１上に上
   記切欠５９を挟んで搭載されており、 かつ、活字輪３２をインデツクス駆動する駆動
   機構と所定のタイミングで活字輪３２と圧接ピン
   ３３とを押接させる駆動機構とを有している、改
   ざん防止文字の印刷装置。