JPH0370626B2 - - Google Patents
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- JPH0370626B2 JPH0370626B2 JP58197972A JP19797283A JPH0370626B2 JP H0370626 B2 JPH0370626 B2 JP H0370626B2 JP 58197972 A JP58197972 A JP 58197972A JP 19797283 A JP19797283 A JP 19797283A JP H0370626 B2 JPH0370626 B2 JP H0370626B2
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Description
本発明は、高導電性層を有する熱硬化性樹脂成
形品およびその製造方法に関するものであり、さ
らに詳しくは、成形品の中間層に高導電性層を設
ける積層構造により、優れた電波反射特性を有す
る成形品を得ることを目的とした熱硬化性樹脂成
形材料およびこれを用いる成形方法に関する。 主としてガラス繊維を補強材とする強化プラス
チツクは、軽量、強度特性、耐食性、成形加工
性、デザインの自由度、コスト・パフオーマンス
等、その優れた機能性を生かして金属に代替する
分野で需要を伸ばし、近年さらに電磁波シールド
特性および電波反射特性を要求される分野にまで
及んでいる。 電気絶縁性である強化プラスチツクに高導電性
を付与する方法としては、1)樹脂マトリツクス
中に金属短繊維、金属フレーク等の導電性物質を
均一に分散する;2)金属繊維、表面金属化ガラ
ス繊維、炭素繊維等の導電性繊維のマツトまたは
クロスの導電性層を成形品内に形成する;等が挙
げられる。 樹脂マトリツクス中に導電性物質を均一に分散
する方法には1)電磁波シールド特性や電波反射
特性を満足するには、かなりの添加量を要するた
めに、流動特性や強度特性の低下を招く;2)特
に電波反射特性に対しては、充分な導電性物質の
表面密度を得ようとすれば、これに伴つて成形が
より困難になる。等の欠点がある。 これに対して、導電性繊維のマツトまたはクロ
スの導電性層を成形品内に形成する方法が種々検
討されているが、公知の方法では、1)成形時、
導電性繊維層の破れ、あるいは伸びが生じて、部
分的に導電性層の表面密度が低下する、2)導電
性層面の波打ち等により電波反射特性が低下した
り、不均一になる、等の欠点が残されている。前
者は、樹脂マトリツクスが流動する時、導電性層
が移動するため、また後者は導電性層の移動と導
電性繊維に固有の凹凸のためと考えられる。 本発明者らは、上記の導電性繊維を成形品内に
形成する方法における欠点に着目して、その改良
法の検討を重ねて本発明を完成するに到つた。 すなわち、本発明は、優れた電波反射特性を有
する熱硬化性樹脂成形品を提供することを目的と
するものであつて、短繊維を主体としたガラス繊
維層、導電性繊維層、長繊維のガラス繊維層の3
層の繊維層を熱硬化性樹脂が包み込む構成であつ
て、導電性層の成形物表面側に長繊維のガラス繊
維層が設けられており、この長繊維のガラス繊維
層側の成形物表面から0.1〜1.0mmの位置に導電性
層表面が形成されることを特徴とする熱硬化性樹
脂成形品およびその熱硬化性樹脂成形材料と成形
法を提示する。 本発明に用いられる短繊維を主体としたガラス
繊維は、強化プラスチツクに一般に用いられるガ
ラス繊維系補強材であり、ガラス・マツト、繊維
の長さが1インチ前後のチツプド・ストランド等
のガラス基材が好適である。 本発明の導電性繊維としては、アルミニウム、
黄銅、鉄等の金属繊維、表面金属化ガラス繊維、
炭素繊維等が挙げられ、繊維の形状は、長繊維、
特に連続長繊維が好適である。このうち表面金属
化ガラス繊維にはアルミニウムやニツケルで被覆
したガラス繊維があげられるが、これらは比重が
比較的小さく、表面の酸化による導電率の低下が
少ない点で好適であるが、特に、アルミニウムで
被覆した連続ガラス繊維マツトは本発明に極めて
好適である。炭素繊維は、強度、弾性率に基づく
各種グレードを問わず、化学的に安定である点で
好適である。 本発明の長繊維のガラス繊維としては目抜平織
程度に織目を粗くしたガラス・クロスやコンテイ
ニユアス・ストランド・マツト等が適する。 本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹脂の
組成は本発明においては特に制限のとなることは
ない。成形性や成形品の変性を目的として、ビニ
ルエステル樹脂やフタル酸ジアリル樹脂等の他の
熱硬化性樹脂、および、さらに硬化剤の他、低収
縮付与剤、増粘剤、充填材、離型剤等を混合する
ことは差し支えない。 良好な電波反射特性を有する熱硬化性樹脂成形
品の成形に際して、成形品の機械的強度を向上さ
せるために、ある程度の成形品の肉厚およびリブ
構造による補強が要求される場合には、本発明の
積層構成の裏側、すなわち短繊維を主体としたガ
ラス繊維層側に接して、適当な熱硬化性樹脂成形
材料を重ねて一体成形することは有効であり、本
発明に含有されるものである。この場合、成形品
のひずみ、変形、割れなどのトラブルを避けるた
めで、樹脂混合物の成分が類似ないし共通のも
の、すなわち、短繊維を主体とするガラス繊維層
に不飽和ポリエステル樹脂を主たる樹脂成分とす
る樹脂混合物を含浸した熱硬化性樹脂成形材料を
一体成形することが好適である。 本発明によつて得られる高導電性繊維層を有す
る熱硬化性樹脂成形品において、導電性層の表面
は、長繊維のガラス繊維層を介して成形表面から
0.1〜1.0mmの位置に形成される。このためには長
繊維のガラス繊維のマツトまたはクロスの厚さと
使用枚数及び樹脂混合物の量を変えることによつ
て達成できる。長繊維のガラス繊維層の存在は、
成形時の導電性繊維層の移動を抑制するのに効果
があると考える。導電性繊維層が成形品表面に
0.1mm以内に近接すると導電性層の移動と波打ち
が起る。また、長繊維のガラス繊維層を含む表面
層の厚さが1.0mmを越えると、電波反射特性が低
下する。本発明による成形品は導電性繊維層の凹
凸が0.2mm以下で極めて平坦である。 以下、実施例によつて本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例 1 不飽和ポリエステル樹脂、低収縮付与剤、増粘
剤、充填材、硬化剤、離型剤から成る樹脂混合物
を2枚のポリエチレンシートに各シート当たり
1300g/m2の均一の厚さにそれぞれ塗布した後、
一方のシートの樹脂混合物を塗布した面上に、
2.5cm1インチの長さに切断したガラス短繊維を
880g/m2の厚さに均一に散布し、その上にもう一
方の樹脂混合物を塗布したポリエチレンシートを
樹脂混合物塗布面をガラス短繊維層に接して重ね
合わせた。このものを加圧ロールに通すことによ
り樹脂混合物をガラス繊維に含浸させて、ガラス
含量25%、単位重量3.5Kg/m2のシート状樹脂成形
材料(SMC−1)を作成した。 次いで上記の不飽和ポリエステル樹脂混合物を
2枚のポリエチレンシートに各シート当たり300
g/m2の均一の厚さにそれぞれ塗布し、一方のシ
ートの樹脂混合物の塗布面上に、100g/m2のアル
ミニウム被覆ガラス繊維マツト(ローモグラスマ
ツト:米国ランデイ社)を置き、その上にもう一
方のシートを樹脂混合物塗布面をマツトに接して
重ね合わせ、加圧ロールを通してマツトに樹脂混
合物を含浸させて、導電性シート状樹脂成形材料
(SMC−2)を作成した。 SMC−1およびSMC−2は共に作成後直ちに
40℃の空気恒温槽に4日間入れて増粘した。 セミポジテイブ金型の底面に21cm×21cmの単位
重量210g/m2のガラスクロス(マイクログラス・
クロスYEM2101:日本硝子繊維)を置き、その
上に19cm×19cmのSMC−2を、さらにその上に
16cm×16cmのSMC−1をそれぞれ両面のポリエ
チレンシートをはぎとつて重ね合わせ、加熱圧縮
成形によつて、20cm×20cm、厚さ約3.0mmの平板
を作製した。この平板から、42mm×42mmの試料片
を切り出し、ガラスクロス面の電波反射特性を測
定した。結果は表−1に示すように良好であつ
た。 実施例 2 SMC(シートモールデイングコンパウンド)製
造機を用いて、実施例1のSMC−1と同じ組成
のシート状樹脂成形材料(SMC−3)を作成し
増粘処理を施した。 次にSMC製造機によりSMC−3を作成する過
程において、ガラス短繊維の散布量を780g/m2と
し、さらにこのガラス短繊維層と一方のポリエチ
レンシートの樹脂混合物塗布面との間に、100g/
m2のアルミニウム被覆ガラス繊維マツトを挾みこ
んだ組成のシート状樹脂成形材料(SMC−4)
を作成し、増粘処理を施した。 実施例1と同様に、金型上に下からガラスクロ
ス、SMC−4、SMC−3と3層重ね合わせて圧
縮成形し、平板を作成し、さらに試料片を切りと
つて電波反射特性を測定した。 実施例 3 実施例2と同様のSMC製造機によりシート状
樹脂成形材料を作成する過程において、樹脂混合
物塗布面が向い合つた2枚のポリエチレンシート
の間に570g/m2のガラス短繊維層、100g/m2のア
ルミニウム被覆ガラス繊維層、次いで210g/m2の
ガラスクロスの3層を同時に挾み込んだ樹脂成形
材料(SMC−5)を作成し、増粘処理をした。 金型底面にガラスクロス側が接するように
SMC−5を置き、その上に実施例2で作成した
SMC−3を重ねて、圧縮成形し、平板試料の電
波反射特性を測定した。 実施例 4 金型上にガラスクロス、実施例3で得たSMC
−5、実施例2で得たSMC−3を順次重ねて圧
縮成形をし、平板試料の電波反射特性を測定し
た。 実施例 5 実施例2のSMC−4を作成する過程において、
アルミニウム被覆ガラス繊維に代えて、50g/m2
の炭素繊維マツト(クレハ・ベールマツトV−
205P:呉羽化学工業)2プライを挾んだシート
状樹脂成形材料(SMC−6)を作成し、増粘処
理をした。 金型上にガラスクロス、その上に炭素繊維マツ
ト面がガラスクロスに接するようにSMC−6を
重ね、さらにその上に実施例2で得たSMC−3
を重ねて圧縮成形をし、平板試料の電波反射特性
を測定した。 実施例 6 実施例3のSMC−5を作成する過程において、
アルミニウム被覆ガラス繊維に代えて、実施例5
に記載の炭素繊維マツト2プライを用いてシート
状樹脂成形材料(SMC−7)を作成し、増粘処
理をした。 金型底面にガラスクロス面が接するように
SMC−7を置き、その上に実施例2で得たSMC
−3を重ねて、圧縮成形をし、平板試料の電波反
射特性を測定した。 比較例 1 実施例2において、ガラスクロスを除いて、
SMC−4とSMC−3の2枚のシート状樹脂成形
材料のみを20cm×20cmの平板に圧縮成形したと
き、SMC−4のチヤージ面積が17cm×17cmの場
合チヤージ面積を除く成形品周辺部に導電性層の
波打ちが見られた。またSMCのチヤージ面積が
19cm×19cmの場合、成形板の導電性層側表面が平
滑でなかつた。 比較例 2 実施例4の圧縮成形の際、ガラスクロス側にさ
らに実施例3で得られたSMC−3を2枚重ねて
圧縮成形をして、平板試料の電波反射特性を測定
した。この成形板のガラスクロス層側の成形表面
から導電性繊維層面までの距離は1.1〜1.2mmであ
つた。
形品およびその製造方法に関するものであり、さ
らに詳しくは、成形品の中間層に高導電性層を設
ける積層構造により、優れた電波反射特性を有す
る成形品を得ることを目的とした熱硬化性樹脂成
形材料およびこれを用いる成形方法に関する。 主としてガラス繊維を補強材とする強化プラス
チツクは、軽量、強度特性、耐食性、成形加工
性、デザインの自由度、コスト・パフオーマンス
等、その優れた機能性を生かして金属に代替する
分野で需要を伸ばし、近年さらに電磁波シールド
特性および電波反射特性を要求される分野にまで
及んでいる。 電気絶縁性である強化プラスチツクに高導電性
を付与する方法としては、1)樹脂マトリツクス
中に金属短繊維、金属フレーク等の導電性物質を
均一に分散する;2)金属繊維、表面金属化ガラ
ス繊維、炭素繊維等の導電性繊維のマツトまたは
クロスの導電性層を成形品内に形成する;等が挙
げられる。 樹脂マトリツクス中に導電性物質を均一に分散
する方法には1)電磁波シールド特性や電波反射
特性を満足するには、かなりの添加量を要するた
めに、流動特性や強度特性の低下を招く;2)特
に電波反射特性に対しては、充分な導電性物質の
表面密度を得ようとすれば、これに伴つて成形が
より困難になる。等の欠点がある。 これに対して、導電性繊維のマツトまたはクロ
スの導電性層を成形品内に形成する方法が種々検
討されているが、公知の方法では、1)成形時、
導電性繊維層の破れ、あるいは伸びが生じて、部
分的に導電性層の表面密度が低下する、2)導電
性層面の波打ち等により電波反射特性が低下した
り、不均一になる、等の欠点が残されている。前
者は、樹脂マトリツクスが流動する時、導電性層
が移動するため、また後者は導電性層の移動と導
電性繊維に固有の凹凸のためと考えられる。 本発明者らは、上記の導電性繊維を成形品内に
形成する方法における欠点に着目して、その改良
法の検討を重ねて本発明を完成するに到つた。 すなわち、本発明は、優れた電波反射特性を有
する熱硬化性樹脂成形品を提供することを目的と
するものであつて、短繊維を主体としたガラス繊
維層、導電性繊維層、長繊維のガラス繊維層の3
層の繊維層を熱硬化性樹脂が包み込む構成であつ
て、導電性層の成形物表面側に長繊維のガラス繊
維層が設けられており、この長繊維のガラス繊維
層側の成形物表面から0.1〜1.0mmの位置に導電性
層表面が形成されることを特徴とする熱硬化性樹
脂成形品およびその熱硬化性樹脂成形材料と成形
法を提示する。 本発明に用いられる短繊維を主体としたガラス
繊維は、強化プラスチツクに一般に用いられるガ
ラス繊維系補強材であり、ガラス・マツト、繊維
の長さが1インチ前後のチツプド・ストランド等
のガラス基材が好適である。 本発明の導電性繊維としては、アルミニウム、
黄銅、鉄等の金属繊維、表面金属化ガラス繊維、
炭素繊維等が挙げられ、繊維の形状は、長繊維、
特に連続長繊維が好適である。このうち表面金属
化ガラス繊維にはアルミニウムやニツケルで被覆
したガラス繊維があげられるが、これらは比重が
比較的小さく、表面の酸化による導電率の低下が
少ない点で好適であるが、特に、アルミニウムで
被覆した連続ガラス繊維マツトは本発明に極めて
好適である。炭素繊維は、強度、弾性率に基づく
各種グレードを問わず、化学的に安定である点で
好適である。 本発明の長繊維のガラス繊維としては目抜平織
程度に織目を粗くしたガラス・クロスやコンテイ
ニユアス・ストランド・マツト等が適する。 本発明に用いられる不飽和ポリエステル樹脂の
組成は本発明においては特に制限のとなることは
ない。成形性や成形品の変性を目的として、ビニ
ルエステル樹脂やフタル酸ジアリル樹脂等の他の
熱硬化性樹脂、および、さらに硬化剤の他、低収
縮付与剤、増粘剤、充填材、離型剤等を混合する
ことは差し支えない。 良好な電波反射特性を有する熱硬化性樹脂成形
品の成形に際して、成形品の機械的強度を向上さ
せるために、ある程度の成形品の肉厚およびリブ
構造による補強が要求される場合には、本発明の
積層構成の裏側、すなわち短繊維を主体としたガ
ラス繊維層側に接して、適当な熱硬化性樹脂成形
材料を重ねて一体成形することは有効であり、本
発明に含有されるものである。この場合、成形品
のひずみ、変形、割れなどのトラブルを避けるた
めで、樹脂混合物の成分が類似ないし共通のも
の、すなわち、短繊維を主体とするガラス繊維層
に不飽和ポリエステル樹脂を主たる樹脂成分とす
る樹脂混合物を含浸した熱硬化性樹脂成形材料を
一体成形することが好適である。 本発明によつて得られる高導電性繊維層を有す
る熱硬化性樹脂成形品において、導電性層の表面
は、長繊維のガラス繊維層を介して成形表面から
0.1〜1.0mmの位置に形成される。このためには長
繊維のガラス繊維のマツトまたはクロスの厚さと
使用枚数及び樹脂混合物の量を変えることによつ
て達成できる。長繊維のガラス繊維層の存在は、
成形時の導電性繊維層の移動を抑制するのに効果
があると考える。導電性繊維層が成形品表面に
0.1mm以内に近接すると導電性層の移動と波打ち
が起る。また、長繊維のガラス繊維層を含む表面
層の厚さが1.0mmを越えると、電波反射特性が低
下する。本発明による成形品は導電性繊維層の凹
凸が0.2mm以下で極めて平坦である。 以下、実施例によつて本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例 1 不飽和ポリエステル樹脂、低収縮付与剤、増粘
剤、充填材、硬化剤、離型剤から成る樹脂混合物
を2枚のポリエチレンシートに各シート当たり
1300g/m2の均一の厚さにそれぞれ塗布した後、
一方のシートの樹脂混合物を塗布した面上に、
2.5cm1インチの長さに切断したガラス短繊維を
880g/m2の厚さに均一に散布し、その上にもう一
方の樹脂混合物を塗布したポリエチレンシートを
樹脂混合物塗布面をガラス短繊維層に接して重ね
合わせた。このものを加圧ロールに通すことによ
り樹脂混合物をガラス繊維に含浸させて、ガラス
含量25%、単位重量3.5Kg/m2のシート状樹脂成形
材料(SMC−1)を作成した。 次いで上記の不飽和ポリエステル樹脂混合物を
2枚のポリエチレンシートに各シート当たり300
g/m2の均一の厚さにそれぞれ塗布し、一方のシ
ートの樹脂混合物の塗布面上に、100g/m2のアル
ミニウム被覆ガラス繊維マツト(ローモグラスマ
ツト:米国ランデイ社)を置き、その上にもう一
方のシートを樹脂混合物塗布面をマツトに接して
重ね合わせ、加圧ロールを通してマツトに樹脂混
合物を含浸させて、導電性シート状樹脂成形材料
(SMC−2)を作成した。 SMC−1およびSMC−2は共に作成後直ちに
40℃の空気恒温槽に4日間入れて増粘した。 セミポジテイブ金型の底面に21cm×21cmの単位
重量210g/m2のガラスクロス(マイクログラス・
クロスYEM2101:日本硝子繊維)を置き、その
上に19cm×19cmのSMC−2を、さらにその上に
16cm×16cmのSMC−1をそれぞれ両面のポリエ
チレンシートをはぎとつて重ね合わせ、加熱圧縮
成形によつて、20cm×20cm、厚さ約3.0mmの平板
を作製した。この平板から、42mm×42mmの試料片
を切り出し、ガラスクロス面の電波反射特性を測
定した。結果は表−1に示すように良好であつ
た。 実施例 2 SMC(シートモールデイングコンパウンド)製
造機を用いて、実施例1のSMC−1と同じ組成
のシート状樹脂成形材料(SMC−3)を作成し
増粘処理を施した。 次にSMC製造機によりSMC−3を作成する過
程において、ガラス短繊維の散布量を780g/m2と
し、さらにこのガラス短繊維層と一方のポリエチ
レンシートの樹脂混合物塗布面との間に、100g/
m2のアルミニウム被覆ガラス繊維マツトを挾みこ
んだ組成のシート状樹脂成形材料(SMC−4)
を作成し、増粘処理を施した。 実施例1と同様に、金型上に下からガラスクロ
ス、SMC−4、SMC−3と3層重ね合わせて圧
縮成形し、平板を作成し、さらに試料片を切りと
つて電波反射特性を測定した。 実施例 3 実施例2と同様のSMC製造機によりシート状
樹脂成形材料を作成する過程において、樹脂混合
物塗布面が向い合つた2枚のポリエチレンシート
の間に570g/m2のガラス短繊維層、100g/m2のア
ルミニウム被覆ガラス繊維層、次いで210g/m2の
ガラスクロスの3層を同時に挾み込んだ樹脂成形
材料(SMC−5)を作成し、増粘処理をした。 金型底面にガラスクロス側が接するように
SMC−5を置き、その上に実施例2で作成した
SMC−3を重ねて、圧縮成形し、平板試料の電
波反射特性を測定した。 実施例 4 金型上にガラスクロス、実施例3で得たSMC
−5、実施例2で得たSMC−3を順次重ねて圧
縮成形をし、平板試料の電波反射特性を測定し
た。 実施例 5 実施例2のSMC−4を作成する過程において、
アルミニウム被覆ガラス繊維に代えて、50g/m2
の炭素繊維マツト(クレハ・ベールマツトV−
205P:呉羽化学工業)2プライを挾んだシート
状樹脂成形材料(SMC−6)を作成し、増粘処
理をした。 金型上にガラスクロス、その上に炭素繊維マツ
ト面がガラスクロスに接するようにSMC−6を
重ね、さらにその上に実施例2で得たSMC−3
を重ねて圧縮成形をし、平板試料の電波反射特性
を測定した。 実施例 6 実施例3のSMC−5を作成する過程において、
アルミニウム被覆ガラス繊維に代えて、実施例5
に記載の炭素繊維マツト2プライを用いてシート
状樹脂成形材料(SMC−7)を作成し、増粘処
理をした。 金型底面にガラスクロス面が接するように
SMC−7を置き、その上に実施例2で得たSMC
−3を重ねて、圧縮成形をし、平板試料の電波反
射特性を測定した。 比較例 1 実施例2において、ガラスクロスを除いて、
SMC−4とSMC−3の2枚のシート状樹脂成形
材料のみを20cm×20cmの平板に圧縮成形したと
き、SMC−4のチヤージ面積が17cm×17cmの場
合チヤージ面積を除く成形品周辺部に導電性層の
波打ちが見られた。またSMCのチヤージ面積が
19cm×19cmの場合、成形板の導電性層側表面が平
滑でなかつた。 比較例 2 実施例4の圧縮成形の際、ガラスクロス側にさ
らに実施例3で得られたSMC−3を2枚重ねて
圧縮成形をして、平板試料の電波反射特性を測定
した。この成形板のガラスクロス層側の成形表面
から導電性繊維層面までの距離は1.1〜1.2mmであ
つた。
【表】
電波反射特性の測定
試料:42mm×42mm厚さ3.0〜3.5mm(実施例の試料)各
2枚
測定法:22.9mm×10.2mmの矩形導波管による電圧定
在波比を測定し、電力反射率(%)と反射損失
(dB)を算出。
試料:42mm×42mm厚さ3.0〜3.5mm(実施例の試料)各
2枚
測定法:22.9mm×10.2mmの矩形導波管による電圧定
在波比を測定し、電力反射率(%)と反射損失
(dB)を算出。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 短繊維を主体としたガラス繊維層(A)と、長繊
維のガラス繊維層(C)との中間層として導電性繊維
層(B)を設けた3層からなる繊維層に不飽和ポリエ
ステル樹脂を主たる樹脂成分とする樹脂混合物を
含浸し一体に成形硬化してなる熱硬化性樹脂成形
品であつて、(C)層側の成形表面から0.1〜1.0mmの
位置に導電性繊維層(B)の表面が設けられることを
特徴とする熱硬化性樹脂成形品。 2 導電性繊維層(B)が表面金属化ガラス繊維であ
る特許請求の範囲第1項記載の成形品。 3 表面金属化ガラス繊維がアルミニウムで被覆
されたガラス繊維である特許請求の範囲第2項記
載の成形品。 4 導電性繊維層(B)が炭素繊維である特許請求の
範囲第1項記載の成形品。 5 短繊維を主体としたガラス繊維層(A)に不飽和
ポリエステル樹脂を主たる樹脂成分とする樹脂混
合物を含浸させて得られる熱硬化性樹脂成形材料
と長繊維のガラス繊維層(C)との中間に、導電性繊
維層(B)に不飽和ポリエステル樹脂を主たる樹脂成
分とする樹脂混合物を含浸して得られる熱硬化性
樹脂成形材料を挟み、一体に成形硬化させ、且つ
(C)層側の成形表面から0.1〜1.0mmの位置に導電性
繊維層(B)の表面が設けられることを特徴とする熱
硬化性樹脂成分品の製造方法。 6 導電性繊維層(B)が表面金属化ガラス繊維であ
る特許請求の範囲第5項記載の製造方法。 7 表面金属化ガラス繊維がアルミニウムで被覆
されたガラス繊維である特許請求の範囲第6項記
載の製造方法。 8 導電性繊維層(B)が炭素繊維である特許請求の
範囲第5項記載の製造方法。 9 短繊維を主体としたガラス繊維層(A)と導電性
繊維層(B)の2層から成る繊維層に不飽和ポリエス
テル樹脂を主たる樹脂成分とする樹脂混合物を含
浸させて得られる熱硬化性樹脂成形材料の(B)層側
に、長繊維のガラス繊維層(C)を設けて、一体に成
形硬化させ、且つ(C)層側の成形表面から0.1〜1.0
mmの位置に導電性繊維層(B)の表面が設けられるこ
とを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造方法。 10 導電性繊維層(B)が表面金属化ガラス繊維で
ある特許請求の範囲第9項記載の製造方法。 11 表面金属化ガラス繊維がアルミニウムで被
覆されたガラス繊維である特許請求の範囲第9項
記載の製造方法。 12 導電性繊維層(B)が炭素繊維である特許請求
の範囲第9項記載の製造方法。 13 短繊維を主体としたガラス繊維層(A)と長繊
維のガラス繊維層(C)との中間層として、導電性繊
維層(B)を設けた3層からなる繊維層に不飽和ポリ
エステルを主たる樹脂成分とする樹脂混合物を含
浸させて得られる熱硬化性樹脂成形材料を、一体
に成形硬化させ、且つ(C)層側の成形表面から0.1
〜1.0mmの位置に導電性繊維層(B)の表面が設けら
れることを特徴とする熱硬化性樹脂成形品の製造
方法。 14 導電性繊維層(B)が表面金属化ガラス繊維で
ある特許請求の範囲第13項記載の製造方法。 15 表面金属化ガラス繊維がアルミニウムで被
覆されたガラス繊維である特許請求の範囲第14
項記載の製造方法。 16 導電性繊維層(B)が炭素繊維である特許請求
の範囲第13項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58197972A JPS6089348A (ja) | 1983-10-22 | 1983-10-22 | 高導電性層を有する熱硬化性樹脂成形品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58197972A JPS6089348A (ja) | 1983-10-22 | 1983-10-22 | 高導電性層を有する熱硬化性樹脂成形品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6089348A JPS6089348A (ja) | 1985-05-20 |
JPH0370626B2 true JPH0370626B2 (ja) | 1991-11-08 |
Family
ID=16383382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58197972A Granted JPS6089348A (ja) | 1983-10-22 | 1983-10-22 | 高導電性層を有する熱硬化性樹脂成形品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6089348A (ja) |
-
1983
- 1983-10-22 JP JP58197972A patent/JPS6089348A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6089348A (ja) | 1985-05-20 |
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