JPH037047B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子はかりに関する。

一般に、電子天びんと呼ばれている装置は、質
量を直接に質量を測定する装置でなく、重力を分
銅により校正して質量を測定する装置であるか
ら、測定場所が変われば重力加速度ｇが変るため
に測定値に誤差が生じ、或いは、環境温度が変化
するとビームスパンの実効長などが変化して測定
値が変化するなどの諸要因により、製造過程で正
しく校正しておいても使用時には校正値が変化す
る。そのため、例えばドライバ等を用いて背面の
スパン調整用抵抗器を調節するなどの校正機構を
設け、随時校正が出来るようになつている。しか
し、使用者は測定機器に不慣れなため、誰もが容
易にかつ正しく校正操作を行えるとは限らず、随
時容易に実行できるスパン校正手段が要望されて
いた。

本発明の目的は、従来より電子天びんが備えて
いる風袋消去用キーを活用し、操作盤上から簡単
にスパン校正を実行することができる機能を備え
た電子はかりを提供することにある。

本発明の電子はかりは、要約すれば、風袋消去
指示用キーの押圧時間が所定時間未満か以上かを
判別するキー押圧時間判別手段と、スパン校正期
間中にはかり皿上に作用する荷重があらかじめ設
定された範囲内にあるか否かを判別する荷重判別
手段を有し、上記のキーの押圧時間が所定時間未
満のときには風袋消去演算を実行し、かつ、その
キーの押圧時間が所定時間以上のときにはスパン
校正指示があつたものとして認識するとともに、
そのスパン校正指示があつたときには、荷重判別
手段による判別結果が所定範囲内である場合に限
り、演算部によるスパン校正演算を実行するよう
構成したことを特徴としている。

以下、本発明の実施例を説明する。

第１図に本発明実施例のブロツク図を示す。荷
重検出器１ははかり皿に作用する荷重Ｗを所定の
微少時間、例えば0.2秒毎に刻々とデジタル信号
に変換して制御部２へ出力する。この制御部２へ
の入力信号は入力ポート２１及びバス２２を通つ
てCPU（中央処理ユニツト）２３、及びRAM２
４に導入される。RAM２４には刻々と入力され
るいくつかのデータが順次書込まれてゆき、所定
時間記憶されたのち、最も古いデータは捨てられ
る。CPU２３は、ROM２５に書込まれているプ
ログラムに従い制御部全体を制御する。CPU２
３は、演算部のほか、表示レジスタ、風袋レジス
タ、補正係数レジスタ、カウンタ、スパン校正フ
ラグ、校正完了フラグ、ゼロ調整フラグを有して
いる。操作キー３には風袋消去指示用キー３１を
有している。表示部４はCPUによる演算処理結
果をデコーダ及びドライバ２６を介して表示す
る。記録装置５はCPUの演算処理結果をプリン
タにより記録する。

第２図に、ROM２５に書込まれているプログ
ラムの内容をフローチヤートにより示す。

このプログラム内容の説明に先立ち、この実施
例による校正手順を説明する。風袋消去指示用キ
ーを例えば３秒間以上押しつづけると、キーの機
能がスパン校正機能に切換わり「C0.00ｇ」が表
示される。その後キーの押圧を解いても「C0.00
ｇ」の表示は継続される。次にスパン校正分銅を
はかり皿上に載せるとその分銅値例えば2000ｇが
記号Ｃとともに「C2000.00ｇ」と表示され、同時
に補正係数Ｋが算出され、記憶される。そこで校
正分銅を降ろすと記号Ｃが消え表示が「0.00ｇ」
に戻り、それ以後補正データにより測定値が表示
される。

次に第２図を説明する。

処理１において、RAMの内容がd₀→d₁→d₂→
…→d_oの順にシフトされ、最も古いデータd_oは押
し出されて捨てられ、空になつたd₀の中に新しい
データが採取される。次の処理２においてｎ個の
データの平均演算が実行され平均値D₀が求めら
れ、風袋レジスタＴの内容が減算される。補正係
数レジスタの内容Ｋが０でなければ処理３へ進
み、補正演算 W′₀＝W₀×Ｋ が実行される。風袋消去キーが押されていなけれ
ばデータW₀又はW′₀が表示レジスタに転送され
表示される。以上は、校正後における一般の重量
測定の際に実行される。

風袋消去キーが押されたときは、時間ｔ、例え
ば0.2秒間を計測するタイマステツプ21、カウン
タの値Ｐが所定値、例えばＰ＝15と設定されてい
る場合、Ｐ＜15が否かが判断するステツプ22、Ｐ
＋１→Ｐを実行するステツプ23などが繰り返し実
行され、Ｐが所定値に達する迄の間は単なる風袋
消去指示と判断され、ステツプ24にて風袋消去演
算が実行され表示レジスタに数値０が転送され、
それが表示される。Ｐが所定値以上になると判断
ステツプ22が“Yes”へ進みスパン校正フラグが
セツトされる。校正分銅が載せられる前では、未
だ校正完了フラグがセツトされていないからステ
ツプ25へ進み、未だゼロ調整フラグもセツトされ
ていないからつづいて26へ進み、ここでデータ
W₀を風袋レジスタＴに加算後、校正中であるこ
とを表わす記号「Ｃ」と「0.00ｇ」が表示され
る。この際、ゼロ調整フラグをセツトしておき、
「C0.00ｇ」の表示を継続させる。

次に、はかり皿上に校正分銅が載せられ、風袋
消去キー３１が再び押されるとステツプ27におい
てデータW₀が校正分銅の真値近傍にあることを
確認した上で処理４へ進み、補正係数Ｋを次式 Ｋ＝分銅真値Ｗ／測定値W₀ により算出して、その補正係数Ｋを補正係数レジ
スタに格納する。また、補正データW′₀を W′₀＝W₀×Ｋ により算出し、これを表示レジスタに転送、同時
に校正完了フラグをセツトする。前述した判断ス
テツプ27にて“No”と判断されたときは、校正
分銅以外の物がはかり皿上に載せられたり、或い
は何らかの力が作用したときであるから、ステツ
プ32にてスパン校正フラグと零調整フラグをリセ
ツトするとともに信号「Ｃ」を消去する。

次に、校正分銅をはかり皿上から降ろすと、校
正完了フラグがONであるからステツプ28へ進
み、ここで測定値が０近傍にあること確認した上
で次のステツプ29へ進み、ここで補正データW′₀
を風袋レジスタに加算して表示レジスタの内容を
「0.00ｇ」とし、同時にスパン校正フラグと零調
整フラグをリセツトすることにより記号「Ｃ」を
消去する。このような校正操作を行つたのちは、
前述した通り補正係数Ｋにより補正されたデータ
W′₀がステツプ30にて表示される。また、再びス
パン校正操作を行うときは補正係数Ｋが改められ
る。

本発明によれば、電子はかりが本来備えている
風袋消去用キーを利用し、所定時間以上押圧した
ときにスパン校正用キーに機能変更されその旨が
記号「Ｃ」などにより表示されるので、操作キー
を増設することなく誰でもがきわめて容易に校正
操作を行うことができる。また、校正分銅を載せ
たときはその真値が表示され、しかもその分銅を
降ろしたとき自動的にゼロ修正が実行されるの
で、常に使用者に信頼される表示を行うことがで
きる。さらに、スパン校正分銅の真値を予めはか
りに記憶させておき、校正分銅の測定値がその真
値近傍の場合しか自動校正しないので、所定の校
正分銅以外の物を用いた誤つた校正などが未然に
防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の全体を示すブロツク図
である。第２図は第１図のROM２５に記憶され
ているプログラムの内容を示すフローチヤートで
ある。 １……荷重検出部、２……制御部、３……操作
キー、４……表示部、３１……風袋消去指示用キ
ー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ はかり皿上の荷重を電気量に変換する荷重検
   出部と、その荷重検出部の出力データを入力して
   風袋消去演算およびスパン校正演算を含む演算処
   理を行う演算部と、その演算部の出力を表示する
   表示部と、風袋消去指示用キーと、その風袋消去
   指示用のキー押圧時間が所定時間以上であるか否
   かを判別するキー押圧時間判別手段と、スパン校
   正期間中に上記はかり皿上に作用する荷重の大き
   さがあらかじめ設定された所定範囲内にあるか否
   かを判別する荷重判別手段を有し、上記演算部
   は、上記キー押圧時間判別手段による判別結果に
   基づき、キー押圧時間が上記所定時間未満のとき
   は上記キーの押圧により風袋消去演算を実行する
   とともに、キー押圧時間が上記所定時間以上で、
   かつ、上記荷重判別手段による判別結果が上記所
   定範囲内である場合に限り、上記キーの押圧によ
   りスパン校正演算を実行するよう構成された電子
   はかり。 ２ スパン校正期間中にはかり皿上に載せられて
   いた校正分銅を取りのぞいたとき、表示値を０に
   修正するよう構成された、特許請求の範囲第１項
   記載の電子はかり。