JPH0369644A - 手芸用キルティング生地 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、手芸用キルテイングとして好適な、特に取
り扱い性に優れたふくみの大きい手芸用キルテイング生
地に関するものである。

（従来の技術） 手芸用キルテイング生地は、表生地および裏生地の２枚
の布地間に中入綿を挟み、これらをキルテイングミシン
で任意の模様状に縫合することによって作られている。

（発明が解決しようとする課題） 従来は、表生地および裏生地の熱収縮率に差がほとんど
無く、上記の差があっても１０％未満であったので、キ
ルテイング生地としてのふくらみが小さいものしか得ら
れなかった。そして、大きいふくらみを得るために中入
綿を大量に封入した場合は、表生地および裏生地の双方
が湾曲し、表裏両面に凹凸が形成される結果になり、裏
面が平坦で、表面のみに大きい凹凸のあるキルテイング
生地は得られなかった。

そして、裏生地として高収縮性糸条からなる収縮性編織
物を用いた場合、キルテイング前に裏生地の収縮性編織
物を染色すると、この染色に伴なう熱処理によって裏生
地が収縮し、キルテイング後に熱処理を行なっても収縮
が生じなくなって所期の目的を達することができなくな
るので、裏生地を染色することができず、そのためキル
テイング生地の商品価値が低下し、また裏生地が収縮に
より硬い風合になるという不都合があった。そして、未
染色の裏生地を用いてキルテイングし、収縮処理後に染
色済みの別布量を上記裏生地に積層して裏生地を隠すよ
うにした場合は、工数が増加し、製品衣服が重くなる等
の問題があった。

更に、家庭手芸等においてキルテイング生地を裁断する
際に中綿が吹き出すという不都合があった。

本発明の課題は大きなふくらみを表面に有し、しかも取
り扱い性に優れた手芸用キルテイング生地を提示するこ
とである。

（課題を解決するための手段） 即ち、高収縮性基布［Ａ］、その少なくとも片面に位置
する表生地［Ｂ］及び繊維集合体中綿［Ｃ］からなるキ
ルテイング生地において、上記高収縮性基布［Ａ］と表
生地［Ｂ］との収縮差がたて方向またはよこ方向の少な
くとも一方向に２０％以上あり、しかも繊維集合体中綿
［Ｃ］の少なくとも繊維表面が上記高収縮性基布［Ａ］
もしくは表生地［Ｂ］の少なくとも一方に接着固定する
ことにより達成される。

上記の高収縮性基布［Ａ］を主として構成する高収縮性
糸条は、合成繊維のフィラメント糸または紡績糸であり
、その好ましい湧水収縮率は２５〜７０％である。また
、表生地［Ｂ］を主として構成する低収縮性糸条は、合
成繊維のフィラメント糸、または合成繊維もしくは天然
繊維の紡績糸であり、その好ましい湧水収縮率は５％以
下である。しかして、上記の高収縮性糸条および低収縮
性糸条の好ましい繊度は１０〜１０００デニールであり
、用途に応じて選択される。

表生地［Ｂ］は、低収縮性糸条を用いて好ましくは日付
量３０〜５００ｇ／／の任意の組織に編織され、高収縮
性基布［Ａ］は、高収縮性糸条を用いて、または高収縮
性糸条と低収縮性糸条を混用して好ましくは３０〜１０
０ｇ／＋＋？の目付量となるように編織されるが、高収
縮性糸条の使用により、高収縮性基布［Ａ］の熱収縮率
と表生地［Ｂ］の熱収縮率の差が２０％以上になるよう
に上記の熱収縮率が選択される。

この発明において、上記の表生地［Ｂ］は、高収縮性基
布［Ａ］の片側または両側に繊維集合体中綿［Ｃ］を介
し重ねられてキルテイングされるが、上記の中綿［Ｃ］
は、目付量は目的に応じて１００ｇ／♂未満、または２
００　ｇ／／、３００ｇ／Ｔ１１５００ｇ／イ等に設定
される。

次に、繊維集合体中綿［Ｃ１の少なくとも繊維表面は、
高収縮性基布［Ａ］または表生地［Ｂ］の少なくとも一
方に接着固定していることが必要である。

即ち、家庭手芸等の生地裁断時に中綿が吹き出すのを防
止せしめるものである。上記中綿［Ｃ］の集合体は、繊
維相互の絡合により保形されており、熱融着性繊維が好
ましい。又、通常の高捲縮性にアクリル系樹脂等を付与
したものでもよい。

（作用） この発明のキルテイング生地は、高収縮性基布とその片
側もしくは両側の表生地との間に中入綿を挟み、または
挟むことなく任意の模様状に縫合し、しかるのち乾熱ま
たは湿熱により熱処理を施し、高収縮性基布を形成する
高収縮性糸条を収縮させることにより製造され、高収縮
性基布が収縮することにより低収縮性の表生地のふくら
みが増大し、キルテイング生地の表面の凹凸が大きくな
る。ただし、高収縮性基布わよび表生地の収縮差が２０
％未満の場合は、凹凸が小さく、柄が不鮮明になって所
期の目的が達成されない。なお、上記の収縮差が大きく
なり過ぎると、すなわち高収縮性基布の収縮率が過大の
場合は、高収縮性基布の目付量や硬さが過大になり、用
途によっては不適当になるので、８０％以下にするのが
好ましい。

上記高収縮性基布の交編織に際し、製水収縮率２５〜７
０％の高収縮性糸条と湧水収縮率５％以下の低収縮性糸
条とを用いたときは、上記の高収縮性基布および表生地
の収縮差を容易に２０％以上にすることができる。そし
て、熱処理に際し乾熱を採用した場合は、以後の乾熱が
不要になり、キルテイング後、熱処理用チャンバにオー
バーフィードしながら連続的に処理することにより、高
収縮性基布の熱収縮が円滑に行なわれ、所望の製品が容
易に得られる。この場合、処理温度および処理時間は、
中入綿の日付量に応じて調節することが望ましく、上記
目付量が１００ｇ／／未満では１４０℃、０．５〜１秒
が、１００ｇ／＋ｒＦ以上２００ｇ／♂未満で１４０℃
、１．０〜１．５秒が、２００ｇ／♂以上３００ｇ／ｒ
！未満で１５０℃、１．５〜２．０秒が、３００ｇ／♂
以上５００　ｇ／ｄ未満で１６０°Ｃ１２〜４秒がそれ
ぞれ好ましい。

しかして、高収縮性基布の片側のみに中入綿を介し、ま
たは介することなく表生地を重ねた場合に、高収縮性糸
条と交編織される低収縮性糸条として先染糸を用いたと
きは、高収縮性糸条の熱収縮に伴って低収縮性の先染糸
に弛みが生じて上記高収縮性糸条がキルテイング生地の
内側に多く浮き、低収縮性の先染糸が外側に多く浮く組
織を選択したときは、低収縮性の先染糸が小さいパイル
を形成し、この先染糸のパイルによって未染色の高収縮
性糸条が隠されると共にソフトな風合を呈する。

（実施例） 潮水収縮率５０％のポリエステルマルチフィラメント糸
（７５デニール、３６フイラメント）の未染色糸を用い
て日付量９０ｇ／ｒ／のトリコットハーフを編成し、た
て方向およびよと方向の潮水収縮率がそれぞれ５０％の
高収縮性基布を得た。また、先染めされた潮水収縮率０
．５％ポリエステルマルチフィラメント糸（５０デニー
ル、２６フイラメント）を用いて目付量６０ｇ／ｎｌ１
ｌのトリコットを編成し、たて方向およびよこ方向の潮
水収縮率がそれぞれ１．０％の表生地を得た。

第１図左側に示すように、上記の高収縮性基布１の上面
にポリエステルステープル（１０デニール、６４−ｍ）
をカーデイングし、積層して厚み１．２ｃｍに熱セット
して得られた目付量３００ｇ／♂のアクリル樹脂を付与
したポリエステルに綿２および上記の表生地３を順に重
ね、たて、よこ８側間隔の格子状に縫糸４で縫合してキ
ルト幅ＩＧＯｃｍ、長さ５０　ｍ　％厚さ１５ｍｍの原
反Ａを得、これに１６０℃×３秒間の乾熱処理を施し、
第１図の右側に示すようなキルテイング生地Ｂを得た。

そのキルト幅は１１０ｃｍ、長さは３５ｍ１厚さは２０
　＝＋＝であり、格子の大きさがたて、よこ共５．６ｃ
ｍの極めて鮮明な凹凸模様が形成された（実施例１）。

第２図左側に示すように、上記実施例１の高収縮性基布
１の上下両側に同じ中わた２および表生地３をそれぞれ
重ね、同様に縫合してキルト幅１６０ｃｍ１長さ５０　
ｍ　Ｎ厚さ３０山の原反Ｃを得、これに１６０℃×３．
５秒間の乾熱処理を施し、第２図右側に示すキルテイン
グ生地りを得た。そのキルト幅は１１５ｃｍ１長さは３
８Ｉｌ１１１厚さは３８ｖａ１１であり、格子の大きさ
がたて、よこ共５．９ｃｍの鮮明な凹凸模様が得られた
（実施例２）。

（発明の効果） この発明のキルテイング生地は、表生地との間の収縮差
が２０％以上の高収縮性基布を用い、その熱収縮により
表生地を大きくふくらませたものであるから、キルテイ
ングによる柄模様の凹凸が大きく、鮮明になり、しかも
高収縮性基布の収縮に伴って中入綿が高密度化されて日
付量が増大し、中入綿のへたり耐久性が向上する。

そして、生地の裁断時にも中綿が吹き出すこともなく、
家庭手芸等に適したキルテイングが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１の第２図は実施例２の製造工程を説明
するキルテイング生地の断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 高収縮性基布［Ａ］、その少なくとも片面に位置する表
   生地［Ｂ］及び繊維集合体中綿［Ｃ］からなるキルティ
   ング生地において、上記高収縮性基布［Ａ］と表生地［
   Ｂ］との収縮差がたて方向またはよこ方向の少なくとも
   一方向に２０％以上あり、しかも繊維集合体中綿［Ｃ］
   の少なくとも繊維表面が上記高収縮性基布［Ａ］または
   表生地［Ｂ］の少なくとも一方に接着固定してなること
   を特徴とする手芸用キルティング生地。