JPH036842B2 - - Google Patents
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- JPH036842B2 JPH036842B2 JP59190665A JP19066584A JPH036842B2 JP H036842 B2 JPH036842 B2 JP H036842B2 JP 59190665 A JP59190665 A JP 59190665A JP 19066584 A JP19066584 A JP 19066584A JP H036842 B2 JPH036842 B2 JP H036842B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B3/00—Rolling materials of special alloys so far as the composition of the alloy requires or permits special rolling methods or sequences ; Rolling of aluminium, copper, zinc or other non-ferrous metals
- B21B3/02—Rolling special iron alloys, e.g. stainless steel
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metal Rolling (AREA)
- Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、一方向性けい素鋼板の製造技術の分
野における熱間圧延技術の改良に関し、方向性け
い素鋼スラブを高温加熱するときに生ずる熱間圧
延時の耳荒れ、耳割れの如き耳きずを有効に阻止
して主として磁気特性の良好な方向性けい素鋼板
を高い製品歩留りの下で製造する方法についての
提案である。 (従来の技術) 方向性けい素鋼板は、高い磁束密度と低い鉄損
を示す優れた磁気特性により変圧器などの鉄心材
料として広く用いられている。近年、磁気特性に
優れた安価な方向性けい素鋼板を供給することが
大きな課題となつており、製造コストを如何に低
減させるかが当業者にとつて大きな関心である。 一般に、磁気特性の優れた方向性けい素鋼板を
得るためには、最終焼鈍に際して、{110}<001>
方位(ゴス方位)が選択成長する2次再結晶現象
を制御し、ゴス方位の高度に集積した均一な2次
再結晶組織を得ることが重要である。ゴス方位の
再結晶集合組織を得るには、適切な析出分散相を
活用することが有効であり、そのためにはMnS
やMnSe、AlN等のインヒビターと呼ばれる不純
物の導入が広く利用されている。この技術は、ま
ずスラブ加熱時にMnS等を十分解離固溶させた
後の適切な熱間圧延を施すことにより、インヒビ
ターとして好ましい分散相を得ることが重要であ
る。 インヒビターの解離固溶(溶体化処理)に要す
るスラブ加熱温度は、1250〜1450℃という高温域
で長時間行われるのが普通である。 しかしながら、1250℃以上の高温域での長時間
加熱は、スラブ結晶粒の異常成長を誘発し、粗大
化した結晶粒が熱間圧延段階で十分に再結晶せ
ず、粗い結晶粒を残したままとなり、しばしばホ
ツトコイルの耳部の割れに代表される耳きずの原
因となつていた。かようなホツトコイルの耳きず
は、次工程の冷間圧延で破断の原因ともなり、冷
間圧延前にその耳荒れ部を耳切り除去しなければ
ならず、歩留りの大きな低下を招き、製造コスト
アツプの主因となつていた。 上述した現象は、連鋳スラブの場合にとりわけ
顕著に見られるが、それは連鋳スラブの特徴であ
る急速凝固に伴う柱状晶組織に起因している。す
なわち、柱状晶組織は、通常造塊材に較べて異常
成長しやすく、粗圧延後に未再結晶粒として残り
やすい傾向をもつからである。そして粗大未再結
晶粒は、靭性に乏しいので熱間仕上圧延中に際し
てこれが耳きずとなるのである。 従来、かかる耳きず防止技術については、特公
昭57−4690号公報として開示された「粗圧延時の
圧下スケジユールを変更することにより粗大粒の
再結晶を促進する方法」、あるいは特開昭55−
62124号公報として開示された「仕上圧延時の開
始と終了の温度差を制御する方法」、特開昭57−
165102号公報として開示された「仕上圧延前の被
圧延材の長手方向、幅方向の温度差を少なくする
方法」などの方法が提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) 上述の従来技術にあつて、まず粗圧延時の圧下
スケジユールを変更する方法の場合、この提案は
水平ロールだけによるものであるために被圧延材
の側面に十分な応力が加わらず、効果が乏しいと
いう問題点がある。一方、上述した残る3つの主
として温度制御を行う既知技術は、いずれも温度
的不均一性を排除することで耳きず防止を図るも
のであるが、ストリツプ両側縁部(耳部)の現象
に対しては、むしろ消極的な方法であり、根本的
な解決手段を与えるまでには至つていないのが実
情である。 本発明は、従来の技術がいずれも耳きずを根本
的に解決する手段になつていないという問題点を
克服することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、“耳きず”を効果的に防止するため
に、 Si:2.5〜4.1%を含有するけい素鋼スラブを、
1250〜1450℃の温度に加熱し、その後粗圧延に引
続く圧延開始温度が950〜1150℃である仕上圧延
を経ることにより方向性けい素鋼用熱間圧延鋼帯
を得る方法において、 上記熱間圧延に当り、粗圧延機の最経スタンド
出側と仕上圧延機第1スタンド入側との間にエツ
ヂヤーを配置して5〜60m/mの範囲でシートバ
ー巾圧下を行い、かつ仕上圧延前のシートバー側
面温度を1150〜1250℃の範囲に保持する手段を採
用する。 このとき、シートバー側面温度を上記範囲に維
持するために、単に保熱するのみならず加熱手段
を採用してその目的を達成させ、上述の技術的課
題を解決するようにしたのである。 (作用) さて、本発明者らは、耳荒れ等がどの時点で起
き、どのように発展してゆくかについて圧延途中
の現象を追跡調査した。その結果以下に述べるよ
うな知見を得た。すなわち、粗圧延を終了したシ
ートバー段階での幅方向の両側耳部は、加熱によ
り粗大成長したスラブの結晶粒が十分再結晶せ
ず、粗大延伸粒と細かな再結晶粒の混ざり合つた
状態にある。これは、加熱後の粗大粒が粗圧延の
段階において側面からの抗力が小さいと完全に再
結晶させ得るに足りる十分な応力が伝達されず、
その結果として未再結晶粒として残るものと考え
られる。この場合のシートバー両側面部の形状
は、粗大粒が不連続に飛び出して複雑なうねりを
生じたものとなつている。 通常、被圧延材は、圧延に際しその両側縁部
に、3軸応力が作用してストリツプは幅拡がりを
起こす。 このときシートバーの側面すなわち耳部の形状
が不規則にうねつていると、不均一な幅拡がりと
局部的な応力集中が起こり、3軸応力下にある耳
部の内部にクラツクが生じ、やがて耳割れへと発
展してゆくのである。 かかる内部クラツクの発生は、スラブの加熱に
よつて固溶させたMnS等が、温度低下の際に析
出するとき温度低下の大きい耳部で粗大成長した
析出物の周囲にボイドを生成し、3軸応力下でボ
イドがクラツクへと発展するものと考えられる。
MnS等の解離平衡温度は、通常の成分範囲では
1250℃前後であり、この温度以下になるとMnS
等の析出が始まり低温であるほど析出物の粗大化
が進み耳割れに不利な状況となる。特に析出物の
大きさが1μm以上になると耳割れの原因となる
ばかりでなく、インヒビターとしての機能まで失
われて磁気特性も損われるため、MnS等の析出
後の成長を防止する必要があり、温度の下りやす
い耳部で特に温度を制限する必要がある。 本発明はかような知見により、磁気特性の向上
を目的として熱間圧延法を施す際、ホツトコイル
の耳きずを効果的に防止するために、仕上圧延前
にシートバーの両側面形状をエツヂヤーロールに
て機械的に矯正する際仕上圧延前シートバー両側
部の温度を1150〜1250℃とすることを提案する。 すなわち、本発明にかかる方向性けい素鋼板の
製造は、Si:2.5〜4.1%を含有する鋼を造塊法あ
るいは連続鋳造法によりスラブとしたものを素材
とし、これを熱間圧延を施してホツトコイルとす
る。次に1回あるいは中間焼鈍を挾む2回以上の
冷間圧延により最終板厚とした後、脱炭焼鈍及び
仕上焼鈍を施す工程から成る。このような工程に
あつて本発明の特徴とするところは、スラブの再
加熱、粗圧延後の工程にある。すなわち、シート
バーの側面形状を平担に矯正する際、仕上圧延前
のシートバー温度を950〜1150℃でかつ側面温度
を1150〜1250℃とすることである。 以下に上記製造工程における各条件限定の理由
を述べる。 本発明で用いる鋼の成分組成は、重量%でSi:
2.5〜4.1%を必須成分とし、その他C:0.01〜
0.08%、Mn:0.03〜0.1%、S及び/又はSe:
0.005〜0.1%を含有させ、残り鉄および若干の不
可避成分からなるものを代表例とする。 このうちSi量は、2.5%より少ないと磁気特性
が十分得られず4.1%より多いと冷間圧延が困難
となるため上記の範囲とした。C量は、0.01%よ
り少ないと熱延時に十分な量のγ相が生成せず、
熱延組織や冷延組織に悪影響を及ぼし、0.08%よ
り多いと後工程の脱炭に長時間を要するのでC:
0.01〜0.08に限定した。Mn、SおよびSeは析出
分散相として使用するインヒビターを形成するの
で、それぞれの含有量がMn:0.03%、S及び/
又はSe:0.005%より少ないと析出分散相の量的
不足を生じ、一方それぞれ0.1%を越えるとスラ
ブ加熱時の溶体化不足が生じ適切な分散相が得ら
れないので、Mn:0.03〜0.1%、S及び/又は
Se:0.005〜0.1%に限定した。その他Cr、Ni、
Cu、Mo、Sb、PおよびSnなどの溶質原子を意
識的に添加する場合があるが、この場合も本発明
の効果は失なわれない。 上記成分組成を含有するスラブは、プツシヤー
あるいはウオーキングビームタイプのスラブ加熱
炉にて1250〜1450℃の温度に加熱するが、これは
スラブの加熱温度が1250℃より低いと析出分散相
として使用する不純物の固溶が不十分となり1450
℃より高すぎると膨大なスケールの発生による歩
留り、炉寿命の低下を招くため、1250〜1450℃の
範囲が好ましい。その後、粗圧延機にて複数パス
圧延し20〜60mm程度の板厚のシートバーとする。 本発明の特徴の1つであるシートバーの幅圧下
は、5〜60mmの矯正圧下とする。この幅圧下の範
囲は、第1図に示すように5mmより少ないと形状
矯正の効果が少なく、一方60mmを越えると形状不
良が生じるため、5〜60mmに限定した。 次に仕上圧延開始前温度を950〜1150℃とした
のは、本発明者らが先に提案した特願昭58−
083640号(特開昭59−208021号)でも詳細に述べ
たように、熱延集合組織を改善して磁気特性の向
上を目的とするためであり、またこのときの側面
温度を1150〜1250℃としたのは、被圧延材耳部の
温度が低下しやすいため、1150℃より低いと析出
物が粗大化しやすく形状矯正の効果が十分得られ
ず、1250℃以上にしても特に効果は変らず必要以
上に温度を上げる必要は無い。耳部は通常のエツ
ヂバーナーあるいは方射式の保熱カバー等によつ
て加熱あるいは保熱により1150〜1250℃に制御す
ることができる。 次いで1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の
冷間圧延を行い成品厚とした後、780〜850℃の湿
水素雰囲気中で1次再結晶を兼ねる脱炭焼鈍を3
〜15分程度行い1200℃前後の最終仕上焼鈍を行つ
て製品とする。 (実施例) 重量%で、C:0.04%、Si:3.20%、Mn:0.07
%、S:0.018%およびSb:0.020%を含有し、残
部が実質的にFeからなる組成の鋼を溶製し、連
続鋳造により、200m/m厚のスラブとし、1320
〜1380℃の温度で加熱した後、最終圧下率50%の
粗圧延を行つて40m/mのシートバーとし、その
後下記の(a)〜(d)の4条件で熱間圧延し、厚さ2.5
m/mのホツトコイルとした。 熱間圧延の条件として仕上圧延前温度を1020〜
1080℃とし、エツジヤーでの幅圧下を全く行わな
い条件を(a)とし、20m/mの幅圧下を施したもの
を(b)とし、エツジバーナーにてシートバー側面を
1200℃に加熱し、20m/mと50m/mの幅圧下を
施したものを、それぞれ(c)、(d)とした。 得られたホツトコイルは、約70%の1次冷延を
行い、950℃で3分間の中間焼鈍後約60%の2次
冷延を施し、0.3m/mの成品厚とした。その後
820℃の湿水素中にて4分間脱炭焼鈍を施した。
次いでMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、
1200℃で最終仕上焼鈍を行なつた。 その結果を表1に示す。
野における熱間圧延技術の改良に関し、方向性け
い素鋼スラブを高温加熱するときに生ずる熱間圧
延時の耳荒れ、耳割れの如き耳きずを有効に阻止
して主として磁気特性の良好な方向性けい素鋼板
を高い製品歩留りの下で製造する方法についての
提案である。 (従来の技術) 方向性けい素鋼板は、高い磁束密度と低い鉄損
を示す優れた磁気特性により変圧器などの鉄心材
料として広く用いられている。近年、磁気特性に
優れた安価な方向性けい素鋼板を供給することが
大きな課題となつており、製造コストを如何に低
減させるかが当業者にとつて大きな関心である。 一般に、磁気特性の優れた方向性けい素鋼板を
得るためには、最終焼鈍に際して、{110}<001>
方位(ゴス方位)が選択成長する2次再結晶現象
を制御し、ゴス方位の高度に集積した均一な2次
再結晶組織を得ることが重要である。ゴス方位の
再結晶集合組織を得るには、適切な析出分散相を
活用することが有効であり、そのためにはMnS
やMnSe、AlN等のインヒビターと呼ばれる不純
物の導入が広く利用されている。この技術は、ま
ずスラブ加熱時にMnS等を十分解離固溶させた
後の適切な熱間圧延を施すことにより、インヒビ
ターとして好ましい分散相を得ることが重要であ
る。 インヒビターの解離固溶(溶体化処理)に要す
るスラブ加熱温度は、1250〜1450℃という高温域
で長時間行われるのが普通である。 しかしながら、1250℃以上の高温域での長時間
加熱は、スラブ結晶粒の異常成長を誘発し、粗大
化した結晶粒が熱間圧延段階で十分に再結晶せ
ず、粗い結晶粒を残したままとなり、しばしばホ
ツトコイルの耳部の割れに代表される耳きずの原
因となつていた。かようなホツトコイルの耳きず
は、次工程の冷間圧延で破断の原因ともなり、冷
間圧延前にその耳荒れ部を耳切り除去しなければ
ならず、歩留りの大きな低下を招き、製造コスト
アツプの主因となつていた。 上述した現象は、連鋳スラブの場合にとりわけ
顕著に見られるが、それは連鋳スラブの特徴であ
る急速凝固に伴う柱状晶組織に起因している。す
なわち、柱状晶組織は、通常造塊材に較べて異常
成長しやすく、粗圧延後に未再結晶粒として残り
やすい傾向をもつからである。そして粗大未再結
晶粒は、靭性に乏しいので熱間仕上圧延中に際し
てこれが耳きずとなるのである。 従来、かかる耳きず防止技術については、特公
昭57−4690号公報として開示された「粗圧延時の
圧下スケジユールを変更することにより粗大粒の
再結晶を促進する方法」、あるいは特開昭55−
62124号公報として開示された「仕上圧延時の開
始と終了の温度差を制御する方法」、特開昭57−
165102号公報として開示された「仕上圧延前の被
圧延材の長手方向、幅方向の温度差を少なくする
方法」などの方法が提案されている。 (発明が解決しようとする問題点) 上述の従来技術にあつて、まず粗圧延時の圧下
スケジユールを変更する方法の場合、この提案は
水平ロールだけによるものであるために被圧延材
の側面に十分な応力が加わらず、効果が乏しいと
いう問題点がある。一方、上述した残る3つの主
として温度制御を行う既知技術は、いずれも温度
的不均一性を排除することで耳きず防止を図るも
のであるが、ストリツプ両側縁部(耳部)の現象
に対しては、むしろ消極的な方法であり、根本的
な解決手段を与えるまでには至つていないのが実
情である。 本発明は、従来の技術がいずれも耳きずを根本
的に解決する手段になつていないという問題点を
克服することを目的とする。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、“耳きず”を効果的に防止するため
に、 Si:2.5〜4.1%を含有するけい素鋼スラブを、
1250〜1450℃の温度に加熱し、その後粗圧延に引
続く圧延開始温度が950〜1150℃である仕上圧延
を経ることにより方向性けい素鋼用熱間圧延鋼帯
を得る方法において、 上記熱間圧延に当り、粗圧延機の最経スタンド
出側と仕上圧延機第1スタンド入側との間にエツ
ヂヤーを配置して5〜60m/mの範囲でシートバ
ー巾圧下を行い、かつ仕上圧延前のシートバー側
面温度を1150〜1250℃の範囲に保持する手段を採
用する。 このとき、シートバー側面温度を上記範囲に維
持するために、単に保熱するのみならず加熱手段
を採用してその目的を達成させ、上述の技術的課
題を解決するようにしたのである。 (作用) さて、本発明者らは、耳荒れ等がどの時点で起
き、どのように発展してゆくかについて圧延途中
の現象を追跡調査した。その結果以下に述べるよ
うな知見を得た。すなわち、粗圧延を終了したシ
ートバー段階での幅方向の両側耳部は、加熱によ
り粗大成長したスラブの結晶粒が十分再結晶せ
ず、粗大延伸粒と細かな再結晶粒の混ざり合つた
状態にある。これは、加熱後の粗大粒が粗圧延の
段階において側面からの抗力が小さいと完全に再
結晶させ得るに足りる十分な応力が伝達されず、
その結果として未再結晶粒として残るものと考え
られる。この場合のシートバー両側面部の形状
は、粗大粒が不連続に飛び出して複雑なうねりを
生じたものとなつている。 通常、被圧延材は、圧延に際しその両側縁部
に、3軸応力が作用してストリツプは幅拡がりを
起こす。 このときシートバーの側面すなわち耳部の形状
が不規則にうねつていると、不均一な幅拡がりと
局部的な応力集中が起こり、3軸応力下にある耳
部の内部にクラツクが生じ、やがて耳割れへと発
展してゆくのである。 かかる内部クラツクの発生は、スラブの加熱に
よつて固溶させたMnS等が、温度低下の際に析
出するとき温度低下の大きい耳部で粗大成長した
析出物の周囲にボイドを生成し、3軸応力下でボ
イドがクラツクへと発展するものと考えられる。
MnS等の解離平衡温度は、通常の成分範囲では
1250℃前後であり、この温度以下になるとMnS
等の析出が始まり低温であるほど析出物の粗大化
が進み耳割れに不利な状況となる。特に析出物の
大きさが1μm以上になると耳割れの原因となる
ばかりでなく、インヒビターとしての機能まで失
われて磁気特性も損われるため、MnS等の析出
後の成長を防止する必要があり、温度の下りやす
い耳部で特に温度を制限する必要がある。 本発明はかような知見により、磁気特性の向上
を目的として熱間圧延法を施す際、ホツトコイル
の耳きずを効果的に防止するために、仕上圧延前
にシートバーの両側面形状をエツヂヤーロールに
て機械的に矯正する際仕上圧延前シートバー両側
部の温度を1150〜1250℃とすることを提案する。 すなわち、本発明にかかる方向性けい素鋼板の
製造は、Si:2.5〜4.1%を含有する鋼を造塊法あ
るいは連続鋳造法によりスラブとしたものを素材
とし、これを熱間圧延を施してホツトコイルとす
る。次に1回あるいは中間焼鈍を挾む2回以上の
冷間圧延により最終板厚とした後、脱炭焼鈍及び
仕上焼鈍を施す工程から成る。このような工程に
あつて本発明の特徴とするところは、スラブの再
加熱、粗圧延後の工程にある。すなわち、シート
バーの側面形状を平担に矯正する際、仕上圧延前
のシートバー温度を950〜1150℃でかつ側面温度
を1150〜1250℃とすることである。 以下に上記製造工程における各条件限定の理由
を述べる。 本発明で用いる鋼の成分組成は、重量%でSi:
2.5〜4.1%を必須成分とし、その他C:0.01〜
0.08%、Mn:0.03〜0.1%、S及び/又はSe:
0.005〜0.1%を含有させ、残り鉄および若干の不
可避成分からなるものを代表例とする。 このうちSi量は、2.5%より少ないと磁気特性
が十分得られず4.1%より多いと冷間圧延が困難
となるため上記の範囲とした。C量は、0.01%よ
り少ないと熱延時に十分な量のγ相が生成せず、
熱延組織や冷延組織に悪影響を及ぼし、0.08%よ
り多いと後工程の脱炭に長時間を要するのでC:
0.01〜0.08に限定した。Mn、SおよびSeは析出
分散相として使用するインヒビターを形成するの
で、それぞれの含有量がMn:0.03%、S及び/
又はSe:0.005%より少ないと析出分散相の量的
不足を生じ、一方それぞれ0.1%を越えるとスラ
ブ加熱時の溶体化不足が生じ適切な分散相が得ら
れないので、Mn:0.03〜0.1%、S及び/又は
Se:0.005〜0.1%に限定した。その他Cr、Ni、
Cu、Mo、Sb、PおよびSnなどの溶質原子を意
識的に添加する場合があるが、この場合も本発明
の効果は失なわれない。 上記成分組成を含有するスラブは、プツシヤー
あるいはウオーキングビームタイプのスラブ加熱
炉にて1250〜1450℃の温度に加熱するが、これは
スラブの加熱温度が1250℃より低いと析出分散相
として使用する不純物の固溶が不十分となり1450
℃より高すぎると膨大なスケールの発生による歩
留り、炉寿命の低下を招くため、1250〜1450℃の
範囲が好ましい。その後、粗圧延機にて複数パス
圧延し20〜60mm程度の板厚のシートバーとする。 本発明の特徴の1つであるシートバーの幅圧下
は、5〜60mmの矯正圧下とする。この幅圧下の範
囲は、第1図に示すように5mmより少ないと形状
矯正の効果が少なく、一方60mmを越えると形状不
良が生じるため、5〜60mmに限定した。 次に仕上圧延開始前温度を950〜1150℃とした
のは、本発明者らが先に提案した特願昭58−
083640号(特開昭59−208021号)でも詳細に述べ
たように、熱延集合組織を改善して磁気特性の向
上を目的とするためであり、またこのときの側面
温度を1150〜1250℃としたのは、被圧延材耳部の
温度が低下しやすいため、1150℃より低いと析出
物が粗大化しやすく形状矯正の効果が十分得られ
ず、1250℃以上にしても特に効果は変らず必要以
上に温度を上げる必要は無い。耳部は通常のエツ
ヂバーナーあるいは方射式の保熱カバー等によつ
て加熱あるいは保熱により1150〜1250℃に制御す
ることができる。 次いで1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の
冷間圧延を行い成品厚とした後、780〜850℃の湿
水素雰囲気中で1次再結晶を兼ねる脱炭焼鈍を3
〜15分程度行い1200℃前後の最終仕上焼鈍を行つ
て製品とする。 (実施例) 重量%で、C:0.04%、Si:3.20%、Mn:0.07
%、S:0.018%およびSb:0.020%を含有し、残
部が実質的にFeからなる組成の鋼を溶製し、連
続鋳造により、200m/m厚のスラブとし、1320
〜1380℃の温度で加熱した後、最終圧下率50%の
粗圧延を行つて40m/mのシートバーとし、その
後下記の(a)〜(d)の4条件で熱間圧延し、厚さ2.5
m/mのホツトコイルとした。 熱間圧延の条件として仕上圧延前温度を1020〜
1080℃とし、エツジヤーでの幅圧下を全く行わな
い条件を(a)とし、20m/mの幅圧下を施したもの
を(b)とし、エツジバーナーにてシートバー側面を
1200℃に加熱し、20m/mと50m/mの幅圧下を
施したものを、それぞれ(c)、(d)とした。 得られたホツトコイルは、約70%の1次冷延を
行い、950℃で3分間の中間焼鈍後約60%の2次
冷延を施し、0.3m/mの成品厚とした。その後
820℃の湿水素中にて4分間脱炭焼鈍を施した。
次いでMgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、
1200℃で最終仕上焼鈍を行なつた。 その結果を表1に示す。
【表】
(発明の効果)
以上説明したように本発明によれば、ホツトコ
イルの耳きずが効果的に防止でき、磁気特性に優
れた一方向性けい素鋼板を高歩留りで製造するこ
とができる。
イルの耳きずが効果的に防止でき、磁気特性に優
れた一方向性けい素鋼板を高歩留りで製造するこ
とができる。
第1図は、エツジヤー幅圧下量と耳割れ深さと
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Si:2.5〜4.1%を含有するけい素鋼スラブを、
1250〜1450℃の温度に加熱し、その後粗圧延に引
続く圧延開始温度が950〜1150℃である仕上圧延
を経ることにより方向性けい素鋼用熱間圧延鋼帯
を得る熱間圧延に際し、 上記熱間圧延に当り、粗圧延機の最経スタンド
出側と仕上圧延機第1スタンド入側との間にエツ
ヂヤーを配置して5〜60m/mの範囲でシートバ
ーの巾圧下を行い、かつ仕上圧延前のシートバー
側面温度を1150〜1250℃の範囲に保持することを
特徴とする耳荒れの少ない方向性けい素鋼板の熱
間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59190665A JPS6171104A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 方向性けい素鋼板の熱間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59190665A JPS6171104A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 方向性けい素鋼板の熱間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6171104A JPS6171104A (ja) | 1986-04-12 |
JPH036842B2 true JPH036842B2 (ja) | 1991-01-31 |
Family
ID=16261858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59190665A Granted JPS6171104A (ja) | 1984-09-13 | 1984-09-13 | 方向性けい素鋼板の熱間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6171104A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0763725B2 (ja) * | 1991-03-29 | 1995-07-12 | 新日本製鐵株式会社 | 一方向性電磁鋼板の連続式熱間圧延設備列 |
JP3345540B2 (ja) * | 1995-06-30 | 2002-11-18 | 川崎製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
JP4753558B2 (ja) * | 2004-09-10 | 2011-08-24 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼用熱間圧延鋼帯の圧延方法及び方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN113174546B (zh) * | 2021-04-15 | 2022-06-14 | 鞍钢股份有限公司 | 一种解决取向硅钢热轧板晶粒粗大的方法 |
EP4353848A1 (en) | 2021-05-28 | 2024-04-17 | JFE Steel Corporation | Method for manufacturing grain-oriented electromagnetic steel sheet |
-
1984
- 1984-09-13 JP JP59190665A patent/JPS6171104A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6171104A (ja) | 1986-04-12 |
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