JPH0368142B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数の同軸的な部分ロールに区分さ
れて対向押圧ロールと共同作用する編物引出しロ
ールを持ち、共通な軸上で一方向のみ回転可能に
支持される各部分ロールが、調節可能な連結器を
介して別々に駆動可能であり、駆動機構としての
回転する星形カムの作用を受けかつばね荷重を受
ける揺動レバーが各部分ロールに付属し、この揺
動レバーが部分ロール内に設けられる巻付きばね
連結器を介して引出し方向に回転しないように部
分ロールに結合されている、横編機用引出し装置
に関する。

〔従来の技術〕

このような引出し装置は特開昭58−208451号公
報に提案されている。この引出し装置では、部分
ロールの揺動レバーに荷重をかけるばねの予荷重
が、引出し装置自体の所で手により共通に調節可
能である。しかしこの調節は、横編機を運転する
前にしか可能でない。横編機の運転中は予荷重の
変化が不可能である。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の基礎になつている課題は、各部分ロー
ルのばねの予荷重を横編機の運転中にも調節可能
であるように、最初にあげた引出し装置を構成す
ることである。

〔課題を解決するための手段〕

この課題を解決するため本発明によれば、揺動
レバーに荷重をかけて編物引出し力を決定するば
ねの予荷重を変化する調節装置が、ばねを支持す
る支持部材と、この支持部材を移動させる電動機
とを含み、この電動機によりばねの予荷重が、各
部分ロールについて個々に調節可能である。

〔発明の効果〕

こうして本発明によれば、部分ロールの揺動レ
バーに荷重をかける予荷重は、従来のように手に
よることなく、調節装置の電動機により変化され
るので、横編機の運転中に個々の部分ロールにつ
いて、ばね予荷重の変化を行なうことができる。
このように個々の部分ロールについてばね予荷重
の変化を行なうにもかかわらず、電動機は遠隔制
御可能なので、複数の横編機にしたがつて引出し
装置が存在する場合、従来のように個々の横編機
を所でなく、１個所例えばすべての横編機に対し
て共通な中央の制御装置で、それぞれのばね予荷
重変化を行なうことができる。

〔実施態様〕

こじんまりとした好ましい構成では、電動機が
ねじ軸に結合され、支持部材に結合されるナツト
部分がこのねじ軸上に回転しないようにはまつて
いる。

〔実施例〕

本発明により構成される引出し装置の実施例が
図面に示されている。

第１図は横編機の両方の針床１０及び１１とこ
の横編機で作られる編物帯１２とを示し、この編
物帯は針床の先端間隙１３から下方へ編物引出し
ロール１４の所まで延び、更に対向押圧ロール１
５を経て下方へ導かれる。網物引出しロールのう
ちその軸１６と部分ロールの１つ１４．ｘが見え
る。編物引出しロール１４用駆動装置は共通は駆
動軸１７を持ち、この駆動軸が、各部分ロール１
４．ｘに対して、ここでは挿入される複数のピン
１８により形成される星形カム１８′を持ち、こ
れらのピン１８が軸１６上に支持される揺動レバ
ー１９．ｘへ作用して、揺動レバー１９．ｘを介
して対応する部分ロール１４．ｘに引出し方向の
予荷重をかける圧縮ばね２０．ｘへ荷重をかける
ことができる。圧縮ばね２０．ｘの上端は揺動レ
バー１９．ｘに間接に連結され、その下端は支持
部材としての支持壁２１に支持されている。

第１図は更に戻しばね２４を持つ手動荷重レバ
ー２３を示している。これらの部分は、すべての
部分ロール１４．ｘに対して共通な軸１６用のこ
こには示していない調節装置に属している。この
ような調節装置は特開昭58−208451号公報に記載
されている。

第１図には更に調節装置４０．ｘが断面で示さ
れ、各部分ロール１４．ｘに１つの調節装置が付
属して、部分ロール１４．ｘから編物帯１２へ及
ぼされる編物引出しモーメント、従つて部分ロー
ル１４．ｘの所で編物帯１２へ及ぼされる編物引
出し力を決定する圧縮ばね２０．ｘの予荷重を変
化することができる。支持壁２１は、２つの壁４
１と４２との間に回転しないように案内されて下
端にナツト部分４４を持つ中空体４３の上端に形
成されている。両方の壁４１及び４２には、電動
機４５なるべくステツプモータが取付けられて、
ねじ軸４６を持つている。ねじ軸４６はナツト部
分４４と共同作用するので、一方向又は他方向へ
のねじ軸４６の回転の際、中空体４３が支持壁２
１と共に図面において上方又は下方へ動かされ
る。支持壁２１の位置の変化により圧縮ばね２
０．ｘの予荷重が変化する。中空体４３及びへじ
軸４６は充分な長さに構成されているので、支持
壁２１に対して大きい調節行程が与えられて、調
節装置４０．ｘの図示した位置にある圧縮ばね２
０．ｘが完全に伸びており、従つて部分ロール１
４．ｘの引出しモーメントを生ずることがない。

予荷重をかけられる圧縮ばね２０．ｘがどのよ
うに部分ロール１４．ｘに作用するかを第２図つ
いて説明する。第２図は、表面に例えばゴム被覆
２５を持つ３つの部分ロール１４．１，１４．２
及び１４．ｘと、これらに付属する揺動レバー１
９．１，１９．２及び１９．ｘと、共通な駆動軸
１７の対応する星形カム１８′とを示している。
各揺動レバーは自由端に駆動軸１７の星形カム１
８′のピン１８用の幅広い当り面３７を持ち、揺
動レバーの他端はねじ２６を介して、通常は固定
的に保持される軸１６上に自由に回転可能に支持
されるスリーブ２７に結合されている。更に各揺
動レバーは軸１６に対して同心的な保護環２８に
結合され、各部分ロール１４．１〜１４．ｘの間
にある間隙２９が、この保護環２８により内方に
対して覆われて、糸がこの間隙へ引込まれるのを
防止している。

各部分ロール１４．ｘは、同心的なスリーブ２
７上に自由に回転可能に支持される内側の基部環
３１にねじ３０で固定的に結合されている。各部
分ロール１４．１〜１４．ｘには更に連結環３２
があつて、軸１６の縦溝３３へはまるばね３４を
介して、軸１６に回転しないように結合されてい
る。

各部分ロール１４．ｘの基部環３１は、一部が
基部環３１上にまた一部がスリーブ２７上に延び
る右ねじ巻付きばね３５を介して、また一部が基
部環３１上にまた一部が連結環３２上に延びる左
ねじ巻付きばね３６を介して、連結環３２に連結
されている。巻付きばね３５，３６は周知のよう
に一方向連結器として作用する。その際右ねじ巻
付きばね３５によつて、星形カム１８′により反
時計方向に行なわれる揺動レバー１９．１〜１
９．ｘの調節運動の際、対応する部分ロール１
４．１〜１４．ｘは一緒に動かされず、予荷重を
かけられる圧縮ばね２０．ｘの作用で反時計方向
に行なわれる揺動レバー１９．１〜１９．ｘの戻
り運動の際、右ねじ巻付きばね３５が対応する部
分ロール１４．ｘを一緒に動かす。

【図面の簡単な説明】

第１図は引出し装置を持つ山形針床横編機の概
略断面図、第２図は編物引出しロールの３つの部
分ロールを切欠いた側面図である。 １２……編物帯、１４……編物引出しロール、
１４．１〜１４．ｘ……部分ロール、１５……対
向ロール、１６……軸、１９．１〜１９．ｘ……
揺動レバー、２０．ｘ……ばね、２１……支持部
材（支持壁）、３１〜３６……巻付きばね連結器、
４０．ｘ……調節装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の同軸的な部分ロールに区分されて対向
   押圧ロールと共同作用する編物引出しロールを持
   ち、共通な軸上で一方向のみ回転可能に支持され
   る各部分ロールが、調節可能な連結器を介して
   別々に駆動可能であり、駆動機構としての回転す
   る星形カムの作用を受けかつばね荷重を受ける揺
   動レバーが各部分ロールに付属し、この揺動レバ
   ーが部分ロール内に設けられる巻付きばね連結器
   を介して引出し方向に回転しないように部分ロー
   ルに結合されているものにおいて、揺動レバー１
   ９．ｘに荷重をかけて編物引出し力を決定するば
   ね２０．ｘの予荷重を変化する調節装置４０．ｘ
   が、ばね２０．ｘを支持する支持部材２１と、こ
   の支持部材２１を移動させる電動機４５とを含
   み、この電動機４５によりばね２０．ｘの予荷重
   が、各部分ロール１４．ｘについて個々に調節可
   能であることを特徴とする、横編機用引出し装
   置。 ２ 電動機４５がねじ軸４６に結合され、支持部
   材２１に結合されるナツト部分４４がねじ軸上に
   回転しないようにはまつていることを特徴とす
   る、請求項１に記載の引出し装置。