JPH036757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、屋根に降り積もつた雪を屋根から降
ろす雪降ろし機に関するものである。

〔従来の技術〕

本件出願人は屋根の積雪を除去（特に降雪の最
中に運転して屋根上に大量の積雪が起こることを
防止）するため、第４図に示すような屋根用雪降
ろし機を提案している（実願昭60−101221号）。
この屋根用雪降ろし機には雪かき部材３がチエン
２の中間に架け渡され、チエン２の回転に伴つて
雪かき部材３が屋根上面７と平行に移動する。雪
かき部材３としては雪かき棒１８およびピアノ線
１９を使用をしている。雪かき棒１８は第４図に
示すように、その断面を略Ｌ字状に形成するとと
もに、雪かき棒１８が屋根上面７と近接するチエ
ン２の往路においては、チエン２の移動方向であ
る屋根下方に雪かき捧１８のＬ字状の角度の開い
ている方を向けてチエン２に取り付けている。ま
た、ピアノ線１９は屋根上面７から所定高さの位
置で積雪を屋根上面７に平行に切り分ける。切り
分けられた積雪は雪かき捧１８により往路におい
て屋根下方へ運ばれ屋根から降ろされることにな
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、チエン２は屋根上面７との接触を防
ぐため、屋根上面７対して所定の間隔をおいて取
り付けられている。そのため、その間隔に相当す
る厚みの雪層は取り除くことができない。さら
に、この雪層は雪かき部材３により圧縮され、或
は凍結するなどにより固められて次第に厚みを増
し、遂には雪降ろし機の運転を不可能にするとい
う問題点を有していた。

そこで、本考案は上記の問題点を解決するため
になされたものであり、屋根上に厚い雪層が形成
されるのを防止することができる屋根用雪降ろし
機を提供することを目的としてなされたものであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、屋根上面に近接して配置されたスプ
ロケツトに掛け回され、互いに離間した平行面内
で等速で回転する一対のチエンと、これらのチエ
ンの間に架け渡たされチエンの回転に伴つて屋根
面と平行に移動する複数本の雪かき部材と、上記
チエンを回転させるための駆動装置とからなる屋
根用雪降ろし機において、前記雪かき部材の少な
くとも１つに、屋根上面に付着した雪層を切断す
る雪切断板を、その板面がチエンの進行方向と平
行になるように設けるようにしたものである。

〔作用〕

屋根上面に付着した雪層は、雪かき部材により
圧縮され、或は凍結するなどによつて固められる
ことがあるが、これが前記雪かき部材の少なくと
も１つに設けられた雪切断板により、チエンの進
行方向と平行に切断される。そこで屋根上面の積
雪が、雪かき部材によつて除雪し易くなる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図に示すように、１は一対のスプロケツ
トであり屋根上面７に近接して配置されている。
２はチエンであり、上記の一対のスプロケツト１
に掛け回され、互いに離間した平行面内で夫々回
転する。屋根上面７とチエン２との間の距離は約
50mm程度とする。これは、屋根上面とチエン２と
の直接接触を防ぐためである。

３は雪かき部材であり、チエン２の間に両端部
を固定されチエン２の回転に伴つて屋根上面７と
平行に移動する。この雪かき部材としては、第１
図に示すように雪かき捧１８及びピアノ線１９が
あるが、この他第２図に示すように、複数の円板
状の切断板２０を備えた雪切断捧２１が設けられ
る。雪切断棒２１は雪かき部材３のうちの少なく
とも１本のピアノ線１９に、複数（この例では８
個）の切断板２０を一定間隔で取付け、中心とな
るピアノ線１９に対して、切断板２０の板面が、
垂直になるようにしたものである。各切断板２０
はピアノ線１９に固定してもよいし、回転自在に
とりつけてもよい。

４はシヤフト９を介して上記チエン２を回転さ
せるための駆動装置である。駆動装置４として、
モータを使用する。５は駆動装置を駆動させるた
めのスイツチであり、室内または室外に取り付け
る。８はスプロケツト１を取り付けるための止め
金具である。１０は取付具であつて、棟１７をま
たぐように取り付けられ、棟１７をはさむ２つの
屋根面にそれぞれ設置した屋根用雪降ろし機のそ
れぞれのシヤフト９が回転可能なように２つのシ
ヤフト９を連結する。

本実施例に係る屋根用雪降ろし機は次のように
使用する。一対のチエン２を屋根の傾斜方向に一
致させて屋根用雪降ろし機を屋根に取り付ける。
スイツチ５によつて駆動装置４を駆動させると、
駆動用チエン１１を介して駆動装置４とつながつ
ているスプロケツト１及びチエン２が回転する。
スプロケツト１は、チエン２に両端部を固定され
ている複数の雪かき部材３が屋根上面７に近接す
る往路において屋根下方に移動する方向に回転さ
れる。

複数の雪かき部材３のうちピアノ線１９は、屋
根上面７から所定高さの位置で積雪を屋根上面７
に平行に上下に切り分ける。切り分けられた積雪
は、雪かき部材３のうち雪かき棒１８によつて往
路において屋根下方へ運ばれ、屋根から降ろされ
ることになる。

本実施例では雪かき部材３の中の、ピアノ線１
９のうちの１本は、切断板２０を備えた雪切断棒
２１となつている。そこで雪かき棒１８とピアノ
線１９とだけでは降ろすことのできない上記雪層
を、当該雪切断棒２１が屋根面下方に向かつて往
路を移動する際に切断する。こうして、切断され
た各雪層の切片は切断前に比べて屋根面との付着
力が減少するので、屋根面から落下しやすくなる
とともに雪かき棒１８が雪層の上を上すべりする
ことなく雪層の切片を屋根下方に移動させうる。

さらに、第３図に他の実施例に係る雪切断棒２
３を示す。本実施例に係る雪切断棒２３は切断板
２２としてその縁部に歯が刻設されたものを使用
したものである。

なお、雪切断棒２１，２３に取付けられる切断
板２０，２２は、必ずしも円板状又は歯を有する
形状である必要はなく、四角板状等の形状でもよ
い。また雪かき棒１８に切断板を設けてもよい
し、これらの形状も上述のものに限らない。ま
た、切断板の数もこの実施例のように、８個に限
られるものではない。

さらに、チエン２と屋根上面７との間隔を一定
に保つためにチエン２を往路においてガイドする
ガイド部材３０を取り付けている。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成されているため、雪
かき部材と屋根上面との間に生じる層状の雪をチ
エンの進行方向に平行に切断することにより雪か
き部材による除雪を容易にし、そのためこの雪層
が固まりつつ厚みを増しその結果屋根用雪降ろし
機の運転が不可能になるという事態を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る屋根用雪降ろし
機を屋根上面に取り付けた状態を示す斜視図、第
２図は第１図の要部拡大斜視図、第３図は他の実
施例に係る雪切断棒を示す斜視図、第４図は従来
の屋根用雪降ろし機を屋根上面に取り付けた状態
を示す斜視図である。 １…スプロケツト、２…チエン、３…雪かき部
材、４…駆動装置、７…屋根上面、２１，２３…
雪切断棒、２０，２２…切断板、１９…ピアノ
線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根上面に近接して配置された一対のスプロケ
   ツトに掛け回され、互いに離間した平行面内で
   夫々等速で回転する一対のチエンと、該一対のチ
   エンの夫々に両端部を固定され、該チエンの回転
   に伴つて屋根面と平行に移動する複数本の雪かき
   部材と、前記チエンを回転させるための駆動装置
   とからなる屋根用雪降ろし機において、前記雪か
   き部材の少なくとも１つに、屋根上面に付着した
   雪層を切断する雪切断板を、その板面がチエンの
   進行方向と平行になるように設けたことを特徴と
   する屋根用雪降ろし機。