JPH036709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、割岩時の外力による割岩反力を吸収
する機構とともに割岩機の芯出し機構を設けたこ
とに特徴を有する割岩機の芯出し装置に関するも
のである。

（従来の技術） 楔式割岩機の従来例を第３，４図によつて説明
すると、油圧式パワーシヨベルの上部旋回体１
に、油圧シリンダ２ａで起伏操作されるブーム２
と、油圧シリンダ３ａで揺動操作されるアーム３
とを連設し、アーム３の先端部にピン４ａで支持
部材５を枢着するとともに、アーム３と支持部材
５との間にリンク機構７を介して油圧シリンダ６
を連結し、支持部材５に取付けられたサポートケ
ーシング８で割岩機１０が支持され、また、割岩
機１０は、第４図Ａ，Ｂに示すようにサポートケ
ーシング８の内側に配設された複数のスプリング
９でその中央部に弾性支持され、穿孔（図示省
略）にライナ１０ａ，１０ａとともにウエツジ１
０ｂを挿入し、ウエツジ１０ｂでライナ１０ａ，
１０ａを拡開させて割岩する楔式の構造になつて
いるとともに、割岩時における穿孔周壁の割岩抵
抗力差でライナ、ウエツジが横移動の外力を受け
ると、その外力による割岩反力を各スプリング９
の撓みで吸収し、通常時はサポートケーシング８
の中央部に割岩機１０が弾性支持される。

（従来技術の問題点） 従来の前記割岩機においては、スプリング自体
の品質のバラツキ等によつて、サポートケーシン
グ内における割岩機の支持位置や各スプリングの
支持力が不均衡になり勝ちであり、傾斜した穿孔
に挿入するために割岩機を傾斜させると、各スプ
リングの支持力が変化し割岩機の支持位置が変わ
り不安定な支持状態になるため、穿孔への割岩機
のライナおよびウエツジの芯合せ挿入操作が著し
く面倒となり、作業能率低下の大きな原因になつ
ているなどの問題点がある。

（考案の目的、問題点の解決手段） 本案は、前記のような問題点に対処する考案で
あつて、支持部材に固結されるサポートケーシン
グと該サポートケーシングに支持される割岩機と
からなり、前記サポートケーシングに対し、前記
割岩機を該割岩機の軸線に直交する方向に摺動自
在に配設する一方、前記割岩機本体の外周に進退
するローラ組を有するアームをロツドに設けたラ
ツクギアを介して歯車連結するシリンダからなる
芯出し機構を設けた構成に特徴を有し、割岩機の
本体とその周囲のサポートケーシングとの間を割
岩機の軸線に直交する方向に摺動自在に連結支持
することにより、割岩時の外力による割岩反力を
吸収してライナ、ウエツジ等の損傷を防止し耐久
性を高めるとともに、シリンダによりギヤ組を介
して操作され前記本体外周に進退操作されるロー
ラ組からなる芯出し機構を併設することにより、
前記割岩反力の吸収性能とともに割岩機の芯出し
性能を独立に両立せしめ、サポートケーシングの
中央位置への割岩機の芯出し精度を高め同位置へ
の強力な固定機能を有し、芯出し性能を著しく向
上するとともに割岩機の穿孔への芯合せ挿入操作
を極めて容易にし作業能率を向上して前記のよう
な問題点を解消した割岩機の芯出し装置を提供す
るにある。

（実施例） 第１図、第２図に本考案の一実施例を示してお
り、図中１０はライナ１０ａ，１０ａ、ウエツジ
１０ｂ、ウエツジ操作用の油圧シリンダ等からな
る楔式の割岩機、１１は割岩機１０の本体１０ｃ
外周に間隔をおいて配置された環状のサポートケ
ーシングであつて、本体１０ｃ外周とサポートケ
ーシング１１間を連結、支持するとともに、サポ
ートケーシング１１に前記本体１０ｃの芯出し機
構を配設し、サポートケーシング１１の外側にピ
ン穴を有する取付ブラケツト１２が突設され、該
取付ブラケツト１２は、第３図に示すアーム３と
リンク機構７にピン４ａ，４ｂで連結される構成
になつている。

前記本体１０ｃ外周とサポートケーシング１１
間との連結支持について詳述すると、割岩機１０
の本体１０ｃ外周にベアリング２１が装着され、
ベアリング２１によつて割岩機１０が揺動可能に
なつており、サポートケーシング１１の内側にそ
の全円周方向にわたり固設されたガイドレール２
２に、ベアリング２１の外側ベアリングケース２
３を進退可能に嵌装して、割岩時にライナ１０
ａ，１０ａ、ウエツジ１０ｂが穿孔側から２点鎖
線位置→実線方向への横移動の外力を受けると、
その外力による割岩反力ｃが、ガイドレール２２
に対する外側ベアリングケース２３の移動即ちベ
アリング２１と本体１０ｃの２点鎖線位置から実
線方向への横移動ｌによつて吸収される構成にな
つている。

前記芯出し機構について詳述すると、第１図
Ａ，Ｂに示すようにサポートケーシング１１の内
側に基端部をピン３１ａで枢着しロツド先端の角
形断面の先端部３０ａが角ボス３１ｂに摺動のみ
自在に嵌装され、割岩機１０の本体１０ｃ外周に
対し間隔をおいて平行にかつ逆向きに１対の芯出
し用のシリンダ３０，３０を配設し、両シリンダ
３０，３０の両ロツドに嵌着した各ラツクギヤ３
２に固定軸３４で支持されたピニオンギヤ３３を
それぞれ噛合し、固定軸３６で支持されたアーム
３５の基部側のギヤ３７をピニオンギヤ３３に噛
合するとともに、固定軸３６で支持されたアーム
３８の基部側のギヤ３９を前記ギヤ３７に噛合さ
せて、１対のシリンダ３０，３０の伸縮によつて
ギヤ組３２，３３，３７，３８を介し各アーム３
５，３５，３８，３８を揺動操作し、各アームの
先端部に軸支された各ローラ４０（図示では４
個）が同様に割岩機１０の本体１０ｃ外周に対し
進退操作されて、本体１０ｃ外周を各方面から支
持しサポートケーシング１１内の中央位置に移動
して芯出しするとともに同位置に固定し、また、
各ローラ４０が本体１０ｃ外周から外側へ退去し
て解放する構成になつており、前記芯出し機構は
第１図Ａに示すようにガイドレール２２の図示
上、下部にそれぞれ設けられている。

（作用） 本考案の実施例は、前記のような構成になつて
いるので、サポートケーシング１１の外側に設け
た取付ブラケツト１２は、例えば第３図に示すア
ーム３とリンク機構７にピン４ａ，４ｂで連結し
て操作される。

割岩機１０のライナ１０ａ，１０ａをウエツジ
１０ｂとともに穿孔（図示省略）内に挿入し、ウ
エツジ１０ｂでライナ１０ａ，１０ａを外側へ拡
開させるとその割岩力で穿孔の周囲を割岩でき、
穿孔の内壁における割岩抵抗力には通常大きい差
があり（自由面の近接側が割岩され易い）、ライ
ナ１０ａ，１０ａおよびウエツジ１０ｂが、第１
図Ａに示すように例えば２点鎖線位置から実線方
向に横移動される外力を受けると、該外力による
割岩反力ｃが生ずるが、割岩時は芯出し機構の各
ローラ４０が第１図Ａに示すように本体１０ｃ外
周から遠く退去されているため、ガイドレール２
２に対し外側ベアリングケーシング２３がベアリ
ング２１、本体１０ｃとともに２点鎖線位置から
実線位置へ横移動され、割岩反力ｃが吸収されて
ライナ、ウエツジ等の損傷が防止される。前記ロ
ーラ４０組は本体１０ｃを完全に解放しているた
め前記横移動の妨げにはならない。

割岩機のライナ、ウエツジ１を穿孔から取出し
て、芯出し機構の各シリンダ３０を伸長すると、
ギヤ組３２，３３，３７，３９を介して各アーム
３５，３５，３８，３８の先端の各ローラ４０が
本体１０ｃに向つて進出され、各ローラ４０は割
岩機１０の本体１０ｃ外周を各方向から押して移
動するため、該本体１０ｃはサポートケーシング
１１内の中央位置に正確に移動されかつ同位置に
固定される。シリンダ３０によりギヤ組を介して
各アームを揺動させるためアーム先端の各ローラ
４０の移動が正確となりかつ本体１０ｃの移動、
固定支持力が大きく、サポートケーシング１１と
ともに割岩機１０を傾斜させても、本体１０ｃの
固定支持力が十分に確保される。なお、シリンダ
３０，３０を短縮すると各ローラ４０を本体１０
ｃ外周から外側へ退去できる。

（考案の効果） 前述のように本考案はサポートケーシング１１
に対し、割岩機１０を、該割岩機１０の軸線に直
交する方向に摺動自在に配設する一方、割岩機本
体１０ｃの外周に進退するローラ組４０を有する
アーム３５，３８をロツドに設けたラツクギヤ３
２を介して歯車連結するシリンダ３０からなる芯
出し機構を設けたので、割岩時の外力による割岩
反力ｃを吸収してライナ、ウエツジ等の損傷が防
止され耐久性が高められているとともに、割岩反
力の吸収性能とともに割岩機の芯出し性能が独立
に両立され、さらに、サポートケーシングの中央
位置への割岩機の芯出し作動力が著しく高められ
芯出し精度、信頼性が高められており、さらに前
記位置への強力な固定機能を有し、優れた芯出し
性能を有し割岩機の穿孔への芯合せ挿入操作が極
めて容易となり作業能率が著しく向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例を示す外力吸収機
構と芯出し装置部分の縦断側面図、第１図Ｂは第
１図Ａの−部分の断面図、第２図は第１図Ａ
に相当するその作用を示す縦断側面図、第３図は
従来例を示す全体の側面図、第４図Ａは第３図の
割岩機の支持機構を断面で示した拡大側面図、第
４図Ｂは第４図Ａの−部分の断面図である。 １０：割岩機、１０ｃ：本体、１１：サポート
ケーシング、３０：シリンダ、３２，３３，３
７，３９……ギヤ組、４０：ローラ組。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材に固結されるサポートケーシングと該
   サポートケーシングに支持される割岩機とからな
   り、前記サポートケーシングに対し、前記割岩機
   を該割岩機の軸線に直交する方向に摺動自在に配
   設する一方、前記割岩機本体の外周に進退するロ
   ーラ組を有するアームをロツドに設けたラツクギ
   アを介して歯車連結するするシリンダからなる芯
   出し機構を設けたことを特徴とする割岩機の芯出
   し装置。