JPH036676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 壁面内等に埋設されている給水、給湯配管を経
年使用による発錆等が生じて取り替える場合、一
般に経費節減のために壁面等を壊して新たに給
水、給湯配管を配設するということはせずに、既
設の給水、給湯配管はそのままにして壁面等に沿
つて新たに給水、給湯配管を配設して施工するこ
とが行なわれている。

本考案は、斯かる給水、給湯配管の取替工事の
際に使用する水栓金具に関するものである。

この水栓金具としては、吐水口と開閉バルブを
有し給水、給湯配管に直接接続してそれ自身にお
いて吐水機能を有する水栓と、それ自身において
吐水機能は有しないが、吐水機能を有する湯水混
合栓もしくはシヤワー金具を給水、給湯配管に接
続する接続脚部とが含まれる。

「従来の技術」 従来において、斯かる給水、給湯配管の取替工
事は第４図示の方法にて施工されていた。すなわ
ち、壁面１内等に埋設されている給水、給湯配管
２の壁面１等外に露出されている給水、給湯口を
閉塞板３により閉塞し、壁面１等に沿つて新たに
給水、給湯配管４を配設し、この新設の給水、給
湯配管４に支持金具５を介して既存の水栓６もし
くは混合栓、シヤワー金具に対する接続脚部を取
り付けるようになしていた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし、前記従来技術においては、壁面等に
開口せる既設配管の給水、給湯口の閉塞跡が残り
外観体裁が良好でないとともに、その閉塞に手間
と部材を要する、壁面等に沿つて配設した新設
配管への水栓等の取付は、水栓等の取付の安定性
を図るため支持金具を介して行なわなければなら
ず、支持金具を介して取り付けた場合においても
水栓の使用頻度が高いため時間の経過とともに次
第に支持金具に弛みが生じ水栓の安定性が損われ
る、支持金具を介して相当な重量を有する水栓
の荷重が新設配管に直接にかかるため、新設配管
の壁面等に対する支持を相当に強固にしなければ
ならない、水栓等の取付位置が既存の位置と異
なる結果となるため（既存の配管の接続口に対し
て上下いずれかにずれる、又支持金具の介在の分
だけ壁面から既存の位置より前方に突出する）、
水栓が使いずらくなるとともに、この水栓等の取
付位置の既存の位置との相違と時間の経過に伴な
う水栓の安定性が損われることにより湯水の出具
合にも変化が生ずる、等の問題点を有している。

本考案は、斯かる配管取替工事における従来技
術の有している諸難点を解消することを目的とす
る。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、上記問題点を解決するために、給
水、給湯配管に接続しそれ自身において吐水機能
を有する水栓としての、もしくは吐水機能を有す
る混合栓、シヤワー金具を配管に接続する接続脚
部としての水栓金具の構造に簡潔にして格別な工
夫を施したものである。

すなわち、本考案における水栓金具は、筒状胴
体の一側端部に既設配管への接続取付部を有し、
その一側端部内面に既設配管との接続を閉塞する
メクラ栓を嵌合しているとともに、筒状胴体の他
側端部に吐水口もしくは混合栓、シヤワー金具へ
の接続取付部を有し、かつ、筒状胴体の中間部適
宜個所に新設配管への接続口を有してなるもので
あり、水栓金具を新設配管に支持金具を介して接
続せずに既設配管の給水、給湯配管口に接続して
既設配管により安定支持せしめ、既設配管と水栓
金具内との接続をメクラ栓を介して閉塞するとと
もに、新設配管と水栓金具との接続は新設配管に
対する接続口と接続管を介して行なうようになし
たものである。

「作用」 水栓、もしくは混合水栓等に対する接続脚部と
しての水栓金具をその筒状胴体の一側端部の接続
取付部を介して、壁面内等に埋設されている既設
の給水、給湯配管の壁面外等に露呈している給
水、給湯口に接続すると、水栓金具は既設の配管
により安定支持され、既設配管と水栓金具との接
続口は水栓金具の筒状胴体に設けられているメク
ラ栓により閉塞されて既設配管よりの給水、給湯
は停止される。壁面等に沿つて配設された新設の
給水、給湯配管に、水栓金具の筒状胴体に設けら
れている新設配管への接続口と接続管を介して水
栓金具を接続すると、新設配管より水栓金具内に
給水、給湯が行なわれ、水栓金具が水栓である場
合には開閉バルブの操作により吐水口より水、湯
が吐出される、又、水栓金具が接続脚部である場
合にはこれに接続せる混合栓の吐水口もしくはシ
ヤワー金具のシヤワーヘツドより水、湯が吐出さ
れる。

「実施例」 １０は、水栓金具がそれ自身において吐水機構
を有する水栓の場合で、筒状胴体１１の一側端部
外周面に既設配管２への接続取付部としてのネジ
部１２が形成されているとともに、一側端部内面
には既設配管２と筒状胴体１１との接続口を閉塞
するメクラ栓１３が嵌合されている。筒状胴体１
１の他側端部には、吐水口１４と開閉バルブ１５
を有している。又、筒状胴体１１の中間部適宜個
所には新設配管４への接続口１６が設けられてい
る。この接続口１６は、筒状胴体１１の中間部外
面に開口された開口部１６₁とこの開口部に嵌合
する内部に接続孔を有し外周面にネジ部を刻設し
た接続栓１６₂とにより形成されている。１７は、
水栓金具１０の一側端部を既設配管２の給水、給
湯口に接続した際に壁面１に当接するフランジで
ある。２０は、水栓金具が混合栓もしくはシヤワ
ー金具に対する接続脚部の場合で、筒状胴体２１
の一側端部外周面に既設配管２への接続取付部と
してのネジ部２２が形成されているとともに、一
側端部内面には既設配管２と筒状胴体２１との接
続口を閉塞するメクラ栓２３が嵌合されている。
筒状胴体２１の他側端部には混合栓もしくはシヤ
ワー金具（図示せず）への接続取付部２４を有し
ており、筒状胴体２１の中間部適宜個所には新設
配管４への接続口２５が設けられている。この接
続口２５は、筒状胴体２１の中間部外面に開口さ
れた開口部２５₁とこの開口部に嵌合する内部に
接続孔を有し外周面にネジ部を刻設した接続栓２
５₂とにより形成されている。

しかして、上記実施例に係る水栓金具を用いて
給水、給湯配管の取替工事を行なう場合には、第
３図示の方法にて行なう。すなわち、水栓金具１
０の筒状胴体１１一側端部における接続取付部と
してのネジ部１２を壁面１内に埋設されている既
設配管２の壁面１外面に露呈している給水、給湯
口に接続することにより、水栓金具１０を既設配
管２にて固定支持せしめる。この場合水栓金具１
０の筒状胴体１１の一側端部内面にはメクラ栓１
３が嵌合されているので、既設配管２と水栓金具
１０の筒状胴体１１内とはこのメクラ栓１３を介
して閉塞され、既設配管２より水栓金具１０内へ
の給水、給湯は遮断される。水栓金具１０の筒状
胴体１１中間部外面に開口している開口部１６₁
に接続栓１６₂を嵌合し、この接続栓１６₂に可撓
性接続管１８の一側端部を接続する一方、可撓性
接続管１８の他側端部を壁面１に沿つて配設した
新設の給水、給湯配管４に接続することによつて
新設配管４と水栓金具１０とを接続する。

水栓金具が接続脚部２０の場合も第３図と同様
に、接続脚部２０の一側端部を既設配管２の給
水、給湯口に取り付けるとともに、メクラ栓２３
を介して既設の配管２内と接続脚部２０の筒状胴
体２１内との接続を遮断し、接続口２５と可撓性
接続管１８を介して接続脚部２０の筒状胴体２１
内と新設配管４内との接続を図る。そして、接続
脚部２０の他側端部には湯、水混合栓もしくはシ
ヤワー金具が取り付けられる。

第３図において、３０は配管支持金具で、新設
配管４はこの配管支持金具３０を介して壁面１に
沿つて配設される。配管支持金具３０は、合成樹
脂等の稍弾力性を有する材質にて周面の一部を切
欠した欠円環状形に作製されており、この配管支
持金具３０適宜数を、適宜間隔を配して、その欠
円環状形中央部を壁面１にビス止め等により固定
することにより壁面１に沿つて取り付け、この欠
円環状形の配管支持金具３０内周面に新設配管４
の外周面を嵌合装着せしめる。３１は、適宜材質
により作製されたコ字形状のカバーで、このカバ
ー３１内には前記壁面に沿つて適宜数取り付けら
れた配管支持金具３０と同様の配管支持金具３２
が配支持金具３０と取付位置をずらして適宜数取
り付けられており、この配管支持金具３２を新設
配管４の外周面に嵌合せしめることによつて新設
配管４の外面をカバー３１にて覆つたものであ
る。

なお、上記実施例においては、水栓金具内と新
設配管内との接続を図る手段として水栓金具の筒
状胴体に設けた開口部にネジ部等の接続手段を設
けた接続栓を嵌合せしめるものを示したが、これ
に限らず水栓金具の筒状胴体に接続筒部を一体に
突出形成する等適宜手段を用いてさしつかえな
い。

「考案の効果」 本考案は、叙上のように構成したので、上述の
給水、給湯配管の取替工事における従来技術の有
している諸難点を解消し、次の効果を有する。

(1) 水栓金具の一側端部を既設配管に接続せしめ
るので、従来のように壁面等に開口せる既設配
管の給水、給湯口を閉塞板にて閉塞する必要が
ないとともに、従来のように新設配管の給水、
給湯口の閉塞跡が残り外部に露呈することがな
く、外観体裁が良好である。

(2) 水栓金具は既設配管に接続して既設配管によ
り安定的に支持されるので、水栓金具の支持手
段として既設配管を活用することができ従来の
ように新設配管と水栓金具との間に水栓金具を
支持するための支持金具を介在させる必要がな
いとともに、水栓の使用頻度が高いことに起因
し時間の経過に伴い支持金具に弛みが生じ水栓
の安定性が損われるというおそれがない。

(3) 水栓金具の支持および新設配管との接続は新
設配管に取り付けた支持金具を介して行なうも
のではなく新設配管を水栓金具の支持手段とし
て活用し水栓金具に設けた接続口と接続管を介
して新設配管と接続するため、従来のように支
持金具を介して相当な重量を有する水栓金具の
荷重が新設配管に直接にかかることはなく、し
たがつて従来のように新設配管の壁面等に対す
る支持を相当に強固にしなければならないとい
う必要がない。

(4) 水栓金具の支持は壁面等に沿つて配設した新
設配管に接続せる支持金具を介して行なうもの
ではなく、新設配管に直接に接続して行なうも
のであるため、従来のように水栓金具の取付位
置が既存の位置に対して上下方向および手前方
向にずれるということはなく既存の取付位置と
同一であり、したがつて従来のように水栓金具
の取付位置が既存の取付位置と異なることによ
る水栓が使いずらくなるおよび湯、水の出具合
に変化が生ずるというおそれはない。

また、既設配管内と水栓金具内との接続は水栓
金具内に設けたメクラ栓により閉塞されるため、
新設配管よりの給水、給湯が既設配管内に流入す
るということはない。

なお、配管取替工事において壁面等に沿つて新
設配管を配設する際に第３図示の配管支持金具３
０を用いた場合には、その形状が稍弾力性を有す
る欠円環状形であるため配管支持金具を可及的に
小型化することができ、新設配管の配設作業を簡
易になすことができる（ビス止めの個所が一個所
のみ）とともに、外部にビスが露呈せずそして配
管支持金具の小型化に伴つて配管を壁面或いは壁
面と天井、床面との境目のコーナーに沿つて密接
に配設せしめることができるとともに配管外面を
覆うカバー３１をも小型化できるので外観体裁上
良好である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案実施の一例を示すもの
で、第１図は水栓金具が水栓の場合の一部を断面
とした側面図、第２図は水栓金具が混合栓、シヤ
ワー金具に対する接続脚部の場合の一部を断面と
した側面図、第３図は本考案に係る水栓金具を用
いた配管取替工事の方法の説明図、第４図は従来
の配管取替工事の方法の説明図である。 １０……水栓金具（水栓の場合）、１１……筒
状胴体、１２……既設配管への接続取付部（ネジ
部）、１３……メクラ栓、１４……吐水口、１６
……新設配管への接続口、２０……水栓金具（接
続脚部の場合）、２１……筒状胴体、２２……既
設配管への接続取付部（ネジ部）、２３……メク
ラ栓、２４……混合栓、シヤワー金具への接続取
付部、２５……新設配管への接続口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 筒状胴体の一側端部に既設配管への接続取付
   部を有し、その一側端部内面に既設配管との接
   続を閉塞するメクラ栓を嵌合しているととも
   に、筒状胴体の他側端部にに吐水口もしくは混
   合栓、シヤワー金具への接続取付部を有し、か
   つ、筒状胴体の中間部適宜個所に新設配管への
   接続口を有してなる配管取替工事における水栓
   金具。 ２ 水栓金具が、筒状胴体の他側端部に吐水口と
   開閉バルブを有する水栓である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の配管取替工事における水
   栓金具。 ３ 水栓金具が、筒状胴体の他側端部に混合栓も
   しくはシヤワー金具への接続取付部を有し混合
   栓もしくはシヤワー金具を配管に接続する接続
   脚部である実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の配管取替工事における水栓金具。