JPH0366632B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、複写装置等において紙等の物体の通
過を検出するのに適した物体検出方式に関する。

従来、複写装置等においてコピー用紙の進入、
通過を検出するものとしては、光学式や機械リミ
ツトスイツチ式のものがあるが、複写装置内にお
いて光を用いることは必しも好ましいことではな
く、またリミツトスイツチでは高速応答性に欠け
る等の短所がある。このため、紙通路を隔てて超
音波送波器と超音波受波器とを対向させた物体検
知装置が本出願人により先に提案されている。

しかし、紙通路を隔てて超音波送波器と超音波
受波器とを対向させる構成は、送波器と受波器と
の対向設置距離の制約があり、２箇所取付スペー
スが必要なため取付実装がめんどうとなる。

本発明は、上記の点に鑑み、固定構造物又は反
射物に、超音波送波器と超音波受波器との組ある
いは１個の超音波送受波器を対向させるように
し、被検出物体が前記固定構造物又は反射物と前
記超音波送波器と超音波受波器との組あるいは超
音波送受波器との間を遮断したときに、前記固定
構造物又は反射物からの超音波反射信号がなくな
ることにより前記被検出物体の検知を行うことに
よつて、紙等の物体の進入や通過を検出可能で実
用化に適した物体検出方式を提供しようとするも
のである。

以下、本発明に係る物体検出方式の実施例を図
面に従つて説明する。

第１図は本発明の第１実施例であつて、１個の
超音波送受波器を固定構造物又は反射物に対向さ
せた構成を示す。この図において、超音波送受波
器TDには、超音波発振回路等を具備していてト
リガー信号TGを受けて高周波パルス信号を発生
する送波回路１と、増幅器２と振幅検波器３と波
形整形器４と消去信号発生器５と論理回路６と出
力回路７とを有する受波回路８とが接続されてい
る。ここで、波形整形器４は例えばシユミツトト
リガー回路等で構成され、振幅検波信号を論理回
路６での処理に適した方形波に整形するものであ
る。また、消去信号発生器５にもトリガー信号が
加えられ、論理回路６に加えられる消去信号の同
期をとるようにしている。前記超音波送受波器
TDは固定構造物又は反射物１０に対し被検出物
体としての紙１１の通路を隔てて一定距離で対向
している。

以上の構成において、トルガー信号TGが送波
回路１に加えられると、送波回路１は一定周期で
高周波パルス信号を超音波送受波器TDに加え、
この結果、超音波送受波器TDは超音波パルス信
号Ｓ１を第２図Ａのように一定間隔で固定構造物
又は反射物１０方向に発射する。

被検出物体として紙１１が固定構造物又は反射
物１０と超音波送受波器TDとの間になれば、固
定構造物又は反射物１０で反射された超音波反射
信号Ｓ２は超音波送受波器TDで受波される。こ
のときの受波信号Ｓ３は第２図Ｂの如くなる。こ
こで、波形Ｂ１は超音波送受波器TDの送波動作
に伴う残響であり、波形Ｂ２が超音波反射信号Ｓ
２である。このような受波信号Ｓ３は増幅器２で
増幅された後、振幅検波器３で検波され、さらに
波形整形器４で波形整形されて第２図Ｃの如き信
号Ｓ４になる。

一方、消去信号発生器５はトリガー信号TGを
受けて、固定構造物又は反射物１０よりの超音波
反射信号Ｓ２が受波される期間のみ「１」とな
り、それ以外では「０」となる第２図Ｄの如き消
去信号SEを発生して論理回路６に加える。

論理回路６は、信号Ｓ４とSEとの論理積をと
つて、第２図Ｅのように固定構造物又は反射物１
０による超音波反射信号Ｓ２に対応したパルス信
号を作り、出力回路７に加える。そして、出力回
路７はそのパルス信号の存在により、紙１１が存
在していないことを検知する。

一方、被検出物体としての紙１１が第１図一点
鎖線のように固定構造物又は反射物１０と超音波
送受波器TDとの間に進入して遮断すれば、固定
構造物又は反射物１０による超音波反射信号Ｓ２
はなくなり、それよりも時間的に早く紙１１によ
る超音波反射信号SDが超音波送受波器TDで受波
される。このときの受波信号は第２図Ｆの如くな
り、超音波反射信号SDによる波形Ｆ２は超音波
送受波器TDの残響による波形Ｆ１と重なつてし
まう。従つて、消去信号SEの「０」の期間によ
り、波形Ｆ１、Ｆ２による信号は消去され、第２
図Ｇの如く、論理回路６の信号は「０」のままで
あり、本来の固定構造物又は反射物１０による超
音波反射信号Ｓ２に対応したパルス信号は現れな
い。これにより、出力回路７は、紙１１の存在を
検知して、表示素子、リレーを動作させたり、複
写装置等の制御回路を駆動する。

上記第１実施例によれば、次のような効果を上
げることができる。

(1) 固定構造物又は反射物１０に対向させて超音
波送受波器TDを設置し、超音波反射信号Ｓ２
の有無を検出する構成であり、１個の超音波送
受波器を送受兼用に使用でき、装置の小型化及
び原価低減を図ることができる。

(2) 複写装置等への取付の場合、取付スペースは
１箇所でよく、実装容易となる。

第３図は本発明の第２実施例であつて、超音波
送波器と超音波受波器との組を固定構造物又は反
射物に対向させた構成を示す。この図において、
超音波送波器TD１は送波回路１に接続され、こ
れによつて駆動されるようになつており、超音波
受波器TD２は受波回路８に接続される。これら
の超音波送波器TD１と超音波受波器TD２との
組は共に固定構造物又は反射物１０に対向配置さ
れる。なお、その他の構成は前述の第１実施例と
同じでよい。

上記第２実施例によれば、超音波送波器TD１
には送波に適した特性を持たせることでき、超音
波受波器TD２には受波に適した特性を持たせる
ことができる利点がある。

なお、上記各実施例では、固定構造物又は反射
物１０に対し、被検出物体としての紙１１が平行
に進入し、超音波送受波器TDあるいは超音波送
波器と超音波受波器との組の指向方向が固定構造
物又は反射物１０に垂直である如く図示している
が、紙１１の進入角度は任意でよく、固定構造物
又は反射物１０の反射面は傾いていてもよい。

以上説明したように、本発明によれば、固定構
造物又は反射物に、超音波送波器と超音波受波器
との組あるいは１個の超音波送受波器を対向させ
るようにし、被検出物体が前記固定構造物又は反
射物と前記超音波送波器と超音波受波器との組あ
るいは超音波送受波器との間を遮断したときに、
前記固定構造物又は反射物からの超音波反射信号
がなくなることにより前記被検出物体の検知を行
うことによつて、紙等の物体の進入や通過を検出
可能で実用性に富んだ物体検出方式を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る物体検出方式の第１実施
例を示すブロツク図、第２図はその動作を示す波
形図、第３図は本発明の第２実施例を示すブロツ
ク図である。 １……送波回路、２……増幅器、３……振幅検
波回路、４……波形整形回路、５……消去信号発
生器、６……論理回路、７……出力回路、８……
受波回路、１０……固定構造物又は反射物、１１
……紙、TD……超音波送受波器、TD１……超
音波送波器、TD２……超音波受波器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定構造物又は反射物に所定距離をおいて対
   向配置された超音波送波器と超音波受波器との組
   あるいは１個の超音波送受波器と、 トリガー信号を受けて高周波パルス信号を発生
   し、前記超音波送波器又は超音波送受波器に加え
   る送波回路と、 前記超音波受波器又は超音波送受波器の受波信
   号を増幅する増幅器と、該増幅器の出力を振幅検
   波する振幅検波器と、該振幅検波器の出力を波形
   整形する波形整形器と、前記トリガー信号を受け
   て消去信号を発生する消去信号発生器と、前記波
   形整形器の出力及び前記消去信号を受ける論理回
   路と、該論理回路の出力を受ける出力回路とを有
   する受波回路とを備え、 前記超音波送波器又は超音波送受波器は前記高
   周波パルス信号を受けて超音波パルス信号を前記
   固定構造物又は反射物方向に発射し、前記消去信
   号発生器は前記固定構造物又は反射物からの超音
   波反射信号が前記超音波受波器又は超音波送受波
   器で受波される期間以外は前記消去信号で前記波
   形整形器の出力を遮断するように前記論理回路を
   作動させ、被検出物体が前記固定構造物又は反射
   物と前記超音波送波器と超音波受波器との組ある
   いは超音波送受波器との間を遮断したときに、前
   記固定構造物又は反射物からの超音波反射信号が
   前記受波回路の出力に得られなくなることにより
   前記被検出物体の検知を行うことを特徴とする物
   体検出方式。