JPH0365956B2 - - Google Patents

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JPH0365956B2
JPH0365956B2 JP24095983A JP24095983A JPH0365956B2 JP H0365956 B2 JPH0365956 B2 JP H0365956B2 JP 24095983 A JP24095983 A JP 24095983A JP 24095983 A JP24095983 A JP 24095983A JP H0365956 B2 JPH0365956 B2 JP H0365956B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、キチン酵素水解物の製造法に関し、
その目的とするところはキチン質原料のキチン分
解酵素に対する被分解性を向上させて、キチン酵
素水解物の収率を増大せしめることにある。 キチン酵素水解物は、N−アセチルグルコサミ
ン及びジ−N−アセチルキトビオーズ等のN−ア
セチルグルコサミンのオリゴマーからなり、これ
らの成分がたとえばリゾチームの検定試薬として
用いられる等、生化学的試薬として重要であると
ころからその単離用原料として注目されているも
のである。 しかしながら、天然のキチンはそのまゝでは極
めて酵素水解を受け難いものであり、キチン質原
料に直接キチン分解酵素を作用させてもキチン酵
素水解物の収率は著しく低いため、経済性の点よ
りこのキチン酵素水解物ないしはこれを製造する
方法は未だ実用段階には到つていない。 また従来、キチン質原料のキチン分解酵素に対
する被分解性を向上せしめる方法として、キチン
をアセトン中濃塩酸で処理するコロイド化、濃ア
ルカリ溶液中でエチレンオキサイドを作用せしめ
るグリコール化、あるいは濃リン酸を使用する膨
潤化等の化学的処理方法が知られている。 しかしながらこれらの方法は操作が煩雑である
上に随伴する脱アセチル、グリコール化等の副反
応によつてキチン本来の構造に変化が生じ、その
結果としてこのような処理をしたキチンにキチン
分解酵素を作用せしめた場合、キチンに直接キチ
ン分解酵素を作用せしめて得られるキチン酵素水
解物と同質のものは得られず、キチン酵素水解物
における前記成分と構造を異にする低分子成分な
いしはそれらが混在する複雑な成分からなるもの
となり、前記目的に適合したキチン酵素水解物は
得られない。 本発明者らは、このようにキチン本来の構造の
変化を生ぜしめることなくキチン質原料のキチン
分解酵素に対する被分解性を向上し得る方法につ
き鋭意検討した結果、キチン質原料を加圧加熱し
たのち急激に減圧膨化させることにより、キチン
本来の構造に何らの変化を生ぜしめることなく、
キチン質原料のキチン分解酵素に対する被分解性
が向上し、キチン酵素水解物の収率が顕著に増大
することを見出し本発明を完成した。 すなわち、本発明はキチン質原料にキチン分解
酵素を作用せしめてキチン酵素水解物を製造する
に際し、キチン質原料を飽和水蒸気または過熱水
蒸気の存在下で加圧加熱し、次いで急激に減圧膨
化させ、これにキチン分解酵素を作用せしめるこ
とを特徴とするキチン酵素水解物の製造法であ
る。 以下本発明につき詳述する。 本発明に用いるキチン質原料は、キチンを含有
するものであればいずれでもよく、たとえば甲殻
類(エビ、カニ等)の甲殻、昆虫類の外殻、真菌
類や緑藻類の細胞壁等、およびこれらをさらに塩
酸で脱カルシウム処理したり、水酸化ナトリウム
で除蛋白処理したキチンの部分精製物や精製物が
これに該当する。 本発明ではこれらのキチン質原料をそのまゝ、
あるいは加水したものを飽和水蒸気または過熱水
蒸気の存在下で加圧加熱し、次いで減圧膨化させ
る。 この場合、ゲージ圧力2Kg/cm2以上の飽和水蒸
気の存在下で15分以内加圧加熱し、次いで急激に
大気圧下に放出するかまたは解圧して減圧膨化さ
せることにより本発明の効果が得られるが、特に
この際の加圧加熱の好ましい条件はゲージ圧力2
〜4Kg/cm2では10分、ゲージ圧力8〜10Kg/cm2
は5分等の処理である。 なお、上記加圧加熱装置としては連続式、回分
式を問わず如何なる形状及び構造のものでも用い
ることができ、また、使用する飽和水蒸気または
過熱水蒸気は、空気等の他のガス体を全く含まな
いか、または少量含む程度であれば支障なく用い
ることができる。 次に、上記の如く膨化処理したキチン質原料
に、常法によりキチン分解酵素を作用せしめるの
であるが、この際用いられるキチン分解酵素とし
ては動物及び微生物起源のいかなるキチン分解酵
素ないしはその含有物でもよく、動物起源のもの
としてはたとえばカタツムリ、ナメクジ等より抽
出されるキチン分解酵素が、また、微生物起源の
ものとしては、バチルス属、ビブリオ属、エーロ
モナス属、ブレビバクテリウム属、アスロバクタ
ー属、セラチア属等の細菌、ストレプトミセス属
の放線菌、アスペルギルス属、バシデイオミセー
テス属等の糸状菌、トリコデルマ属等の不完全菌
により生産されるキチン分解酵素がこれに該当す
る。 なお、これらの中好適なものの具体例として
は、カタツムリ起源のキチン分解酵素含有物(ヘ
リカーゼ、フランス生化学工業社製)、ストレプ
トミセス・グリセウスにより生産されるキチン分
解酵素(キチナーゼ、米国シグマ社製)、ストレ
プトミセスNo.0143(FERM P−7276)の培養ブ
ロスないしは、これより常法により分離されたキ
チン分解酵素製剤等が挙げられる。 膨化処理したキチン質原料に上記キチン分解酵
素を作用せしめる際の水溶液中に懸濁するキチン
質原料の濃度は通常5〜20%であり、また、温
度、PHはそれぞれ使用する酵素に適した条件が選
択されるが、通常温度は30〜60℃、PHは3〜10の
範囲の条件が用いられる。 なお、この場合有害な微生物による汚染防止の
ためにPH5以上の場合55℃以上の温度を用いるこ
とが好ましい。 このようにして水に不溶性のキチンは、キチン
分解酵素によつて水解され、低分子化されて水溶
液中に移行してくるので、反応液中のキチン酵素
水解物の濃度(窒素濃度で測定)が定常に到達し
たら反応を止め、濾過によつて未反応のキチン質
原料を除去し、濾液を場合によつては活性炭で脱
色するなどして精製し、濃縮しあるいは乾燥する
ことによつてキチン酵素水解物が得られる。 次に本発明の効果につき実験例により詳述す
る。 実験例 リン酸1カリウム0.2%、酵母エキス0.05%、
塩化カリウム0.05%、グルコース0.25%、硫酸マ
グネシウム(7水塩)0.1%、ポリペプトン0.1
%、食塩0.1%、硝酸ナトリウム0.1%、キチン
(キチン粉末、半井化学社製)1%、PH5.0の組成
の培地1を5容のひだ付三角フラスコに入
れ、オートクレーブ中でゲージ圧力1Kg/cm2の飽
和水蒸気で30分間加圧殺菌したものに、予め同組
成の培地にストレプトミセスNo.0143菌(FERM
P−7276)を接種し、培養して得られた種培養液
50mlを接種し、ロータリーシエーカー上で
180rpm、30℃の条件下に8日間振盪培養したの
ち培養物を濾過し、塩酸を用いて濾液のPHを6.0
に調整して、キチン分解酵素活性を有する培養ブ
ロスを調製した。 一方、キチン質原料(キチン粉末、半井化学社
製)を60メツシユ程度になるように粉砕機(サイ
ロテツク、スウエーデン、テカツター社製)を用
いて再粉砕し、これを布袋に入れて水中に20時間
浸漬したのち圧搾して水を切り、回分式試験用小
型高圧膨化機(内径15m/m、奥行23m/m)に
入れて密閉し、第1表に示すような条件で飽和水
蒸気の存在下で加圧加熱し、急激に大気圧中に放
出して膨化させ、この膨化処理したキチン質原料
(水分含量70.2%)5gに上記培養ブロス50mlを
加えて50℃で24時間酵素水解し、反応物をホモジ
ナイザー(バイオミクスチヤー、日本精機製)で
処理して均質化したのちその一定量を濾過し、濾
液と残渣の窒素量をケールダール法により測定し
てその値より濾液中のキチン酵素水解物の収率
(%)を算出して第1表の結果が得られた。
【表】 この第1表の結果より、キチン質原料を飽和水
蒸気の存在下で加圧加熱し、次いでより低圧下に
放出して膨化させることにより、無処理のものと
比較しキチン質原料のキチン分解酵素に対する被
分解性が顕著に向上し、キチン酵素水解物の収率
が増大することがわかる。 以上詳述したように、本発明によればそのまゝ
では極めて酵素水解を受け難い天然のキチン質原
料を、キチン本来の構造を変化せしめることなく
酵素水解を受け易い形に変えることができ、その
結果として生化学的試薬として重要なN−アセチ
ルグルコサミン、ジ−N−アセチルキトビオーズ
等のオリゴマー単離用原料として注目されている
キチン酵素水解物の収率を顕著に増大せしめるこ
とが可能である。 実施例 実験例記載の培養ブロス7.2を分画分子量
6000の限外濾過モジユール(AIL−1010型、旭化
成社製)を用いて380mlに濃縮し、これに−15℃
に冷却した冷エタノール1.5を撹拌しながら添
加したのち1夜5℃の低温下に静置した。生成し
た沈澱物を遠心分離して集め、少量の水に溶解後
凍結乾燥してキチン分解酵素製剤1.74gを得た。 一方、カニの甲殻の凍結粉砕物(クラブP1、
太陽化学社製、水分含量54.4%)を実験例記載の
加圧加熱装置に入れて密閉し、ゲージ圧力4Kg/
cm2(温度175℃)のスーパーヒーターを通した過
熱水蒸気の存在下で5分加圧加熱し、次いで急激
に大気圧中に放出して膨化させ、この膨化処理物
(水分含量54.0%)483gに上記キチン分解酵素製
剤1.09gを水1に溶解して加え、塩酸を用いて
PH6.0に調整し、55℃で30時間酵素水解した。反
応物のPHを塩酸を用いて6.0に再調整し、活性炭
15gを加え、90℃に到達するまで加熱し、放冷後
吸引濾過して濾液を得、この濾液を凍結乾燥して
キチン酵素水解物36.7g(対キチン収率45.6%)
が得られた。なお、キチン質原料の膨化処理は行
わないでその他は上記と同様に処理した対照区で
は、キチン酵素水解物29.2g(対キチン収率36.3
%)しか得ることができなかつた。 実施例 2 ベニズワイガニの甲殻をコロイドミル(T.K.
マイコロイダーM型、特殊機化工業社製)を用い
て粉砕し、この粉砕物(水分含量77.0%)を実験
例記載の加圧加熱装置に入れて密閉し、ゲージ圧
力4Kg/cm2の飽和水蒸気の存在下で10分間加圧加
熱し、次いで急激に大気圧中に放出して膨化さ
せ、この膨化処理物(水分含量70.6%)100gに
市販キチン分解酵素製剤(キチナーゼ、米国シグ
マ社製)100mgを水500mlに溶解して加え、塩酸で
PHを6.0に調整し、50℃で20時間酵素水解した。
反応物のPHを塩酸を用いて6.0に再調整し、活性
炭1gを加え、90℃に到達するまで加熱し、放冷
後吸引濾過して濾液を得、この濾液を凍結乾燥し
てキチン酵素水解物7.2g(対キチン収率49.4%)
が得られた。なお、キチン質原料の膨化処理は行
わないでその他は同様に処理した対照区では、キ
チン酵素水解物6.3g(対キチン収率43.2%)し
か得ることができなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 キチン質原料にキチン分解酵素を作用せしめ
    てキチン酵素水解物を製造するに際し、キチン質
    原料を飽和水蒸気または過熱水蒸気の存在下で加
    圧加熱し、次いで急激に減圧膨化させ、これにキ
    チン分解酵素を作用せしめることを特徴とするキ
    チン酵素水解物の製造法。 2 加圧加熱がゲージ圧力2Kg/cm2以上、15分以
    内である特許請求の範囲第1項記載のキチン酵素
    水解物の製造法。
JP24095983A 1983-12-22 1983-12-22 キチン酵素水解物の製造法 Granted JPS60133895A (ja)

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JP24095983A JPS60133895A (ja) 1983-12-22 1983-12-22 キチン酵素水解物の製造法

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JPS637792A (ja) * 1986-06-30 1988-01-13 Katokichi:Kk 微生物によるn,n′−ジアセチルキトビオ−スの製法
IT1229754B (it) * 1989-05-17 1991-09-10 Farmhispania Procedimento per la preparazione del chitosano e di suoi derivati contenenti gruppi di ammonio quaternario
JP5408446B2 (ja) * 2010-03-24 2014-02-05 直 岩附 廃棄甲殻類の乾燥殺菌粉末の製造方法および廃棄甲殻類の乾燥殺菌粉末。

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