JPH0364710B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、各シリンダに附属された、そのポン
プ・ピストンが、それぞれ、カムのローラ軸を介
して作動される噴射ポンプを有しており、この場
合、ローラ軸は、押し棒案内体の中に配置されて
おり、押し棒案内体は、移動装置によつてカムの
回転軸に対して横方向に移動自在に形成されてい
るデイーゼル機関に関するものである。

このような配置によつて、運転の間における噴
射ポンプの供給開始が変更される。この場合、移
動装置は、デイーゼル機関の運転要因に関係する
調節装置と協同し、これにより、噴射ポンプの供
給開始が、その都度の運転条件に自動的に適合さ
れる。

従来の技術 このような特長を有しているデイーゼル機関用
噴射ポンプは、オーストリア特許第189447号から
公知となつている。この公知の噴射ポンプにおい
ては、すべてのポンプ・ピストンのローラ軸は、
共通の、静止している押し棒案内体の中に配置さ
れている。デイーゼル機関の構造の種類に対し
て、この公知の配置の使用の場合には、異なつた
シリンダ個数に対応して、異なつた押し棒案内体
が必要である。それにより、不経済な製作と、貯
蔵品の保持という結果となる。更に、多数のポン
プ・ピストンに対して共通の押し棒案内体の正し
い負荷の軸承が困難であり、移動装置は複雑であ
る。この公知の構造の実用性は、その上、そのカ
ム軸がシリンダ要素数ないしはポンプ要素数に基
づいて、ポンプ・ピストンの圧力行程の間に、依
然として、負荷されていない回転角度範囲を有し
ているデイーゼル機関に限定される。噴射ポンプ
の供給時間が重なり合うや否や、圧力行程によつ
て負荷されないカム軸の回転角度範囲に対して、
飛躍的に上昇された調節力が押し棒案内体の移動
に対して、加えられなければならないようにな
る。このような高い調節力の生成のために必要な
装置は、大きな構造的複雑性を必要とし、これは
実現を不経済とする。

発明が解決しようとする問題点 それ故、本発明の課題は、デイーゼル機関に対
して、噴射ポンプに対する供給開始の調整を、ロ
ーラ軸と、カムとの間の係合点の変更によつて得
ることにあるものであり、また、この発明は、異
なつたシリンダ個数を有するデイーゼル機関に対
して、簡単な製作及び組立てを可能とするもので
ある。

問題点を解決するための手段 この課題の解決は、各ローラ軸が個々の押し棒
案内体の中に配置されることと、各押し棒案内体
が２個の同軸心の案内パイロツトを有しているこ
とと、案内パイロツトが、包囲しているハウジン
グの対応する開口の中に軸方向に移動自在に軸承
されることと、各押し棒案内体の案内パイロツト
の共通の軸心がカムの回転軸に対して直角に配置
されることとによつてなされる。この配置によつ
て、押し棒案内体の簡単な製作によつて、運転の
確実な且つ容易に近付き可能な軸承並びにハウジ
ングの仕上げの正確な形成も達成される。押し棒
案内体の貯蔵は、それ故、意図されている全シリ
ンダ個数に関係するだけであり、従つて、同様
に、大きな経済性が達成される。

本発明の他の形成が、「特許請求の範囲」第２
〜１２項に記載されている。この場合、「特許請
求の範囲」第６〜１２項は、供給開始の調整の際
に、調整の命令と、押し棒案内体に対する調整の
実施との間における時間的な遅延の解消が達成さ
れる。押し棒案内体の移動は、その都度、調整命
令の後に、第一の負荷の無い瞬間において行なわ
れる。それ故、必要な調整力は、噴射ポンプの重
なり合つた供給時間の際にも、低いままである。
導入された供給開始の調整は、カム軸に附属され
たポンプ・ピストンのすべてが噴射のシーケンス
を実施するや終了する。

実施例 第１及び２図、第３及び４図並びに第５及び６
図においては、同じ名称及び機能を有する部品に
対しては、同一の参照符号が使用されている。本
明細書の最後に記載されている実施例にも以下に
説明されるすべての３実施例に対すると同じこと
が、当てはまるものである。

詳細に示されていないデイーゼル機関のシリン
ダ・クランク室１１は、カム１５を有しているカ
ム軸１２を含んでおり、また、各シリンダに対し
て、ポンプ・ピストン１３を有している噴射ポン
プ及びローラ軸１４を含んでいる。カム１５とロ
ーラ軸１４との協同によつて、ポンプ・ピストン
１３の行程運動が行なわれる。ローラ軸１４のそ
れぞれは、個々の押し棒案内体１６の中に滑動自
在に軸承されているが、押し棒案内体１６は、カ
ム１５の回転軸に対して横方向に移動自在に形成
されている。この場合、押し棒案内体１６のカム
１５の回転方向における移動は、噴射ポンプのよ
り遅い供給開始を、また、カム１５の回転方向に
対して反対方向における移動は、そのより早い供
給開始を、それぞれ、生じさせる。

各押し棒案内体１６は、円筒形の、同軸心の２
個の案内パイロツト１７，１８を有しているが、
これらの案内パイロツト１７，１８は、シリン
ダ・クランク室１１の中の対応する開口１９，２
０の中に軸承されており、この場合、案内パイロ
ツト１７，１８の共通軸は、カム軸１２に対して
直角に配置されている。案内パイロツト１７，１
８の正面側において、開口１９，２０は、閉塞さ
れた空所として形成されており、これらの空所
は、押し棒案内体１６の移動の際に、運転におい
て案内パイロツト１７，１８の円筒状の滑り面の
上に形成される油フイルムと一諸に、押し棒案内
体１６の振動に対する減衰を生じさせる。

円筒状の案内パイロツト１７，１８は、各押し
棒案内体１６の共通軸心の回りの少なくとも小さ
な角度の旋回を許す。カム１５と接触しているロ
ーラ軸１４のそれぞれは、それ故、不可避的な、
カム軸１２の継続的に交代する曲げに対処するこ
とができる。ローラ軸１４と、カム１５との間に
おける危険な角による接触は除去され、従つて、
より高い面負荷が許され、カムとローラ軸との対
に対する保守が向上されるようにする。

第１及び２図に示す実施例においては、押し棒
案内体１６の調整は、制御軸２１によつて行なわ
れるが、この制御軸２１は、エキセン２２を介し
て、それぞれ、押し棒案内体１６と係合してい
る。制御軸２１はレバー２３を介して旋回可能で
あり、この場合、エキセン２２は、押し棒案内体
１６の移動を生じさせる。レバー２３は動力源２
４に連結されているが、この動力源２４は、例え
ば、従動体制御装置を有している水圧サーボモー
タとして形成されることができる。

第３及び４図に示された第二実施例において
は、案内パイロツト１８の上に制御ブシユ２５が
配置されているが、このブシユ２５は、回し金２
７を介して制御軸２６に作動的に連結されてい
る。この作動連結は、例えば、歯のかみ合い２８
から成立つている。制御ブシユ２５は、横穴２９
を有している。案内パイロツト１８は、外径に制
御縁を形成している環状溝３１を有しており、こ
の溝３１は、少なくとも１個の穴３２を介して空
所３３に、案内パイロツト１８の正面側の端部に
おいて連結されている。空所３３は、導管３４，
３５及び逆止め弁３６を介してデイーゼル機関の
潤滑回路から圧油を供給される。押し棒案内体１
６の他の案内パイロツト１７は、中空に形成され
ており、シリンダ・クランク室１１に対して支持
されているばね３７を含んでいる。

第３及び４図に示された制御ブシユ２５の横穴
２９及び案内パイロツト１８の環状溝３１の位置
は、押し棒案内体１６の調整に対する持続状態を
示すものである。ばね３７の力及び案内パイロツ
ト１８の正面側の上に作用する油圧は、その場
合、つり合いを保つている。制御ブシユ２５の右
方への移動は、穴３２、環状溝３１及び横穴２９
を介する空所３３の圧力の解放を生じさせる。そ
れ故、ばね３７の力の過剰を生じ、従つて、押し
棒案内体１６の右方への移動が生ずる。制御ブシ
ユ２５の左方への移動の際には、空所３３の圧力
の解放を遮断し、これにより、その中により大き
な油圧を形成することができるようにする。これ
により、ばね３７と、空所３３内の油圧との間に
再びつり合いが作られるまで、押し棒案内体１６
の左方への移動を生じさせる。

押し棒案内体１６の移動は、その都度、カム軸
２６を介する調整運動の開始の後、それぞれ附属
されたポンプ・ピストン１３の圧力行程の終りの
後の負荷されていない状態において行なわれる。

制御ブシユ２５の案内パイロツト１８の上にお
ける移動は、実際上逆作用がない。それ故、レバ
ー３９による制御軸２６の旋回に対しては、制御
装置によつて、単に、わずかな制御力を加えるだ
けで済むこととなる。

第５及び６図による第三実施例においては、押
し棒案内体１６の移動は、第二実施例の場合のよ
うに、空所３３の中において案内パイロツト１８
の正面側の上に作用をする油圧によつて行なわれ
る。押し棒案内体１６の持続位置においては、案
内パイロツト１８の正面側の上に作用をする油圧
は、案内パイロツト１７の正面側及びシリンダ・
クランク室１１において支持されているばね３７
の力とつり合つている。

シリンダ・クランク室１１の中には、カム軸１
２に対して平行に延びている穴の形状の圧力油導
管４０が配置されている。附属される押し棒案内
体１６のすべての案内パイロツト１８は、横穴３
０を有しており、この横穴３０は、圧力油導管４
０と持続的に連結されている。横穴３０は、穴４
１、逆止め弁３６及び穴４２を介して空所３３に
連結されている。

圧油導管４０は、油供給開導管４６によつて、
例えば、デイーゼル機関の潤滑系統から、圧力油
を圧力調整弁４３及び導管４５を経て供給され
る。圧力調整弁４３は、詳細には示されていない
調節装置から信号導線４７を介して遠隔制御され
る。導管経路４５−４０−３０−４１の中の油圧
の実際値は、圧力自動制御機構４４によつて確認
され、信号導線４８を介して制御装置に信号され
る。

押し棒案内体１６の各位置は、ばね３７の性能
に対応して、ある一定の油圧を空所３３の中に附
属させる。ある希望された位置のために必要な油
圧は、圧力調整弁４３によつて導管径路４５−４
０−３０−４１の中に維持される。

押し棒案内体１６の左方への移動に対しては、
導管径路４５−４０−３０−４１の中の油圧が高
められ、これにより、逆止め弁３６は開放し、従
つて、空所３３内に油が供給されるようにする。
押し棒案内体１６は、空所３３の中におけるより
高い油圧のために、再び力のつり合いが達成され
るまでの間、ばね３７に向かつて移動される。右
方への移動に対しては、導管径路４５−４０−３
０−４１の中の油圧が低下され、これにより、逆
止め弁３６が閉塞のままでであるようにする。空
所３３からの案内パイロツト１８と開口２０との
間のはめ合いを介して、空所３３内の油圧は低下
する。それ故、ばね３７の力は、再び力のつり合
いが達成されるまで、押し棒案内体１６を右方へ
移動させる。運転の際に持続的に案内パイロツト
１８と開口２０との間のはめ合いを介して空所３
３から吐出される油は、その都度、押し棒案内体
１６の運転におけるすべての滑り面の強力な潤滑
を行う。逆止め弁３６のその都度の短時間の開放
によつて、導管径路４５−４０−３０−４１から
の油の漏れは、つり合わされる。

本発明の応用は、これらの３実施例による個々
の噴射ポンプを有する配置だけに限定されるもの
ではなく、本発明は、同様に、いわゆる、直列射
出ポンプの場合にも、有利に応用することが可能
である。

発明の効果 本発明によつて達成される利点は、特に、対応
する開口及び閉塞された空所の中における案内パ
イロツトの回りに案内パイロツトの正面側に油フ
イルムないしは油クツシヨンが形成され、これに
より、振動が減衰され、磨耗が阻止されること、
案内パイロツトの軸心の回りに旋回可能な押し棒
案内体が、ローラ軸のカム軸の不可避なたわみに
対する自動的な調整を許し、これにより、ローラ
軸とカムとの間の運転を危険とする角による接触
が回避されることにある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、個々の押し棒案内体及び機械的制御
装置と共にポンプ・ピストンの領域内においてデ
イーゼル機関を示す第２図の−線による部分
横断面図、第２図は、第１図の−線によるデ
イーゼル機関の部分縦断面図、第３図は、個々の
押し棒案内体及び水圧的機械的制御装置と共にポ
ンプ・ピストンの領域内におけるデイーゼル機関
の第４図の−線による部分横断面図、第４図
は、第３図の−線によるデイーゼル機関の部
分断面図、第５図は、個々の押し棒案内体及び水
圧的機械的制御装置と共にポンプ・ピストンの領
域内におけるデイーゼル機関の第６図における
−線による部分断面図、第６図は、第５図にお
ける−線によるデイーゼル機関の部分縦断面
図である。 １１……シリンダ・クランク室；１４……ロー
ラ軸；１５……カム；１６……押し棒案内体；１
７，１８……案内パイロツト；１９，２０……開
口；２１，２６……制御軸；２２……エキセン；
２４……動力源；２５……制御ブツシユ；３０…
…横穴、３３……空所；３６……逆止め弁；４０
……圧油導管；４１……圧力調節装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 各シリンダに附属された、そのポンプ・ピス
   トンが、その都度、カムのローラ軸を介して作動
   される噴射ポンプを有しており、この場合、ロー
   ラ軸は、押し棒案内体の中に配置されており、押
   し棒案内体が移動装置によつてカムの回転軸に対
   して横方向に移動自在に形成されているデイーゼ
   ル機関において、各ローラ軸１４が個々の押し棒
   案内体１６の中に配置されており、各押し棒案内
   体１６は２個の同軸心の案内パイロツト１７，１
   ８を有しており、案内パイロツト１７，１８は包
   囲しているハウジング１１の対応する開口１９，
   ２０の中に軸方向に移動自在に軸承されており、
   各押し棒案内体１６の案内パイロツト１７，１８
   の共通の軸心が、カム１５の回転軸に対して直角
   に配置されていることを特徴とするデイーゼル機
   関。 ２ 各押し棒案内体１６が、案内パイロツト１
   ７，１８の共通の軸心の回りに、少なくとも小さ
   な角度を旋回自在に形成されている特許請求の範
   囲第１項記載のデイーゼル機関。 ３ 案内パイロツト１７，１８の正面側に、開口
   １９，２０が閉塞された空所として形成されてい
   る特許請求の範囲第１項記載のデイーゼル機関。 ４ 押し棒案内体１６の移動装置が、案内パイロ
   ツト１７，１８と協同する、行程を制御される少
   なくとも１個の動力源２４を有している特許請求
   の範囲第１項記載のデイーゼル機関。 ５ 動力源２４からレバー２３を介して旋回可能
   な制御軸２１が配置されており、この制御軸２１
   がそれぞれ附属された押し棒案内体１６とエキセ
   ン２２を介して係合している特許請求の範囲第４
   項記載のデイーゼル機関。 ６ 個々の押し棒案内体１６のそれぞれに行程を
   制御される動力源２４が附属されている特許請求
   の範囲第４項記載のデイーゼル機関。 ７ 案内パイロツト１７，１８の正面が、各押し
   棒案内体１６において油圧を加えられる動力源ピ
   ストン面として形成され、案内パイロツト１７の
   正面と、ハウジング１１との間に圧縮ばね３７が
   配置されている特許請求の範囲第６項記載のデイ
   ーゼル機関。 ８ 動力源ピストンとして形成された案内パイロ
   ツト１８の上に、制御ブシユ２５が滑動自在に配
   置されている特許請求の範囲第７項記載のデイー
   ゼル機関。 ９ 制御軸２６が配置されており、この制御軸２
   ６が附属された押し棒案内体１６の各制御ブシユ
   ２５に係合している特許請求の範囲第８項記載の
   デイーゼル機関。 １０ ハウジング１１の中に圧油導管４０が配置
   されており、この圧油導管４０が、附属された押
   し棒案内体１６の各案内パイロツト１８に常時連
   結されている特許請求の範囲第７項記載のデイー
   ゼル機関。 １１ 押し棒案内体１６の各案内パイロツト１８
   の中に、横穴３０と空所３３との間に逆止め弁３
   ６が配置されている特許請求の範囲第１０項記載
   のデイーゼル機関。 １２ 圧油導管４０が支配している圧力調節装置
   ４１が配置されている特許請求の範囲第１０又は
   １１項記載のデイーゼル機関。