JPH036222Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、釣竿保持具の基台を下方が狭隘な
船縁に容易に固定可能とし、また上記基台に竿尻
固定用のサポートをワンタツチで着脱自在とする
と共に、該サポートを左右方向へ随時旋回し得る
ようにした船釣り用釣竿保持具の改良に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来のこの種釣竿保持具の脚部構造は、船内側
の船縁下面を挟定する後脚として上下に移動する
締付けボルト等を設けたものや、後脚背面に穿設
された長孔内をスライド自在な支板を蝶ネジ等に
よつて緊締するようにしたものが知られている
が、前者はその挟定に際し、船縁の厚さ分だけボ
ルト自体が下方に突出するため、該船縁下方の船
内側スペースが狭い箇所等では、その取付け操作
が極めて困難であつたし、又後者では、該船縁に
対して強固な狭定が望めないだけでなく、使用中
に保持台の緩みやガタ付きが発生する等の不都合
が見られたものである。

また上記保持具構造は、これに釣竿を取付ける
場合、竿尻固定用のサポートを上記基台に設けら
れたホルダーの通孔等にスライドさせて挿入係止
する方式のものであつたから、通常大型の電動リ
ールを装備して相当の重量となつた釣竿を、ロー
リングやピツチングの大きい船上で上記ホルダー
に装脱するには、多くの困難と労力を要するもの
であつた。

更に又、釣上げた魚を仕掛けから取外したり、
仕掛けを手直しするような場合に、屡々釣竿を左
または右方向に旋回する必要があるが、これに対
処して出願人は第６図に示したように、基台イに
軸支した支持台ロ上にボルトナツトハでホルダー
ニを回転可能に軸支し、該ホルダーに対してサポ
ートホの支持板ヘを長孔ト及びピンチを介して一
定量スライド自在に装着し、常態では上記保持台
ロ及びホルダーニと係合する支持板の屈成縁リに
よつてサポートホを保定する一方、上記支持板ヘ
を前方にスライドさせ、上記屈成縁リの係合を解
除することにより上記ボルトハを軸に左右に旋回
し得るように構成したサポートの回転制御機構を
考案したものである。しかしながら上記機構で
は、特に釣竿を持上げた状態で屈成縁リの係合を
解除しなければならなかつたから、釣竿の旋回操
作が迅速に行えなかつた等、なお改善すべき問題
点が見られたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本案は、基台の両端近くに船縁を挟定可
能とした前後の脚を取付け、又その後端に起伏自
在な保持台を軸支する一方、上記後脚に沿つて長
ボルトを回転自在に支持し、支板の基部を上記長
ボルトに非回転の状態で螺合してなる脚部構造と
し、また上記保持台に固定されたホルダーを貫通
するレバーの軸杆上に、例えば２ケの突爪を設
け、その一つを先端が該ホルダーの凹孔内に弾性
的に突出するスライド爪に係合せしめて上記サポ
ートの下方に突成され、上記ホルダーの凹孔に押
入可能な連結軸を係止するようにしたサポートの
着脱機構と、上記他方の突爪をスプリング等を介
して上方に付勢され、該サポートの支持板に貫設
された小孔に嵌入するストツパーに係合させて、
これを下降自在としたサポートの回転制御機構と
から構成したことにより、上述した問題点を一気
に解決したものである。

〔作用〕

叙上の構成に係る本案保持台は、基台を船縁に
着脱するに際し、長ボルトを正逆に回転すること
により、支板のみが上下に移動して船縁を強固に
挟定し、またホルダーの凹孔にサポートの連結軸
を押入するだけで釣竿がワンタツチで装着でき、
更に上記レバー操作によつてサポートの左右旋回
並びに釣竿の離脱が簡単に行えるという格別の作
用を奏するものである。

〔実施例〕

以下、本案の構成を図面に示す実施例に従つて
更に具体的に述べると、第１，２図はその脚部構
造を示し、１は基台、２はその一端に垂下し、下
端近傍に螺装された締付けボルト２′を設けてな
る通常の前脚、又３は、その上孔３′を介して上
記基台の他端近傍に枢支されたチヤンネル状の後
脚であつて、上部内面に固定された受板４の透孔
４′内に長ボルト５の上端部を遊嵌し、その上側
をピン５′等で係止することによつて、上記長ボ
ルト５を後脚に沿つて回転自在に支持してなるも
のである。

更に、上記長ボルト５には後脚３内面に当接し
て非回転の状態で昇降自在な支板６の基部６′を
螺入すると共に、長ボルトの下端にハンドル７を
付設したものである。

又第３〜５図はサポートの着脱並びに回転制御
機構を示し、８は上記基台１の後端に起伏自在に
軸支された保持台であつて、下述するサポートの
連結軸とストツパーが挿通可能な大小の透孔８′，
８″を貫設したものである。

而して、上記竿尻固定用のサポート９は、上方
に締付けバンド１０，１０を備え、その下方に上
記保持台の小孔８″と互いに連通可能な小孔１
１′を貫設してなる支持板１１を備え、該支持板
１１下面に突成された連結軸１２の下端に下面を
球面状とした頭部１２′を膨成してなるものであ
る。

更に１３はホルダーを示し、内部を所定の形状
に成形した上下のホルダー函体をビス１４等によ
つて、上記保持台８に一体的に結合したものであ
り、又１５は上記ホルダー１３内の一側に弾装さ
れたスプリング１６によつて付勢され、その先端
部が上記ホルダーの凹孔１３′内に露出するスラ
イド爪であつて、その上面を球面ないしは傾斜面
とした先端部が、上記凹孔１３′に嵌入されるサ
ポートの連結軸頭部１２′上面に係合可能とした
ものである。

更に又、１７は上記ホルダーの下部に弾装され
たスプリング１８によつて上記保持台８の小孔
８″と連通する支持板１１の小孔１１′に嵌入し、
該支持板の回転を規制するストツパー、１９は下
端に段部１９′を突成し、上記ストツパーと一体
をなすケース、又２０は上記ホルダー１３と保持
台８の両側板を貫通するレバーであつて、その軸
杆２０′上の２ケ所に設けられた突爪２１，２
１′の一方２１を上記スライド爪の段部１５′に、
また他方２１′をストツパー１７の段部１９′にそ
れぞれ係合し、上記レバーを介してその軸杆２
０′を第３図の矢印方向に回転すれば、上記スラ
イド爪１５が後退し、また反対方向に回転するこ
とにより上記ストツパー１７を下降可能としたも
のである。

尚、図中２２は基台１の前方に立設される竿
受、または２３は釣糸止めを示し、該釣糸止め２
３は特にその取付け位置を限定するものではない
が、上記保持台８の支軸両側に設けることによ
り、糸止め後における竿操作によつても釣糸の外
れがないという利点を有するものである。

而して、本案船釣り用釣竿保持具を船縁Ｅに固
定するに当たつては、その前脚の締付けボルト
２′で船縁の海側を押圧することは猶、従前のも
のと同様であるが、後脚３については上記長ボル
ト５下端のハンドル７を一方向に回転することに
より、該ボルトに螺装された支板の基部６′は後
脚内面に当接してその回転が阻止されるため、上
記長ボルトの回転に伴つて基部と一体の支板６の
みが上方に移動し、上記船縁Ｅの内段部を確実強
固に挟定するものである。

次に、予め上記締付けバンド１０，１０を介し
て竿尻に取付けられたサポート９の連結軸１２を
保持台８の上板透孔８′を貫通してホルダーの凹
孔１３′に押入すれば、下面が球面状の頭部１
２′によつて凹孔１３′に突出しているスライド爪
の先端をスプリング１６に抗して後退させ、該頭
部１２′が通過した時点で上記スプリング１６の
反発力によりスライド爪１５が再び凹孔内に突出
するため、サポート９はホルダー１３に確実に係
着されるものである。

又このように係着されたサポートの釣竿が基台
上の竿受２２方向に指向する位置においては、上
記ホルダーのストツパー１７が保持台８の小孔と
連通する支持板の小孔１１′に弾性的に嵌入する
ため、上記サポート９は固定されて旋回すること
はない。

他方、上記釣竿を左右に旋回する必要が生じた
場合は、レバー２０を介して軸杆２０′を第５図
に示す矢印方向に回転すれば、該軸杆の突爪２
１′によつて引下げられるストツパー１７の先端
が支持板１１よりも下降し、ホルダー１３を含む
保持台と支持板との係合が解除されるため、その
釣竿はサポート９と共に連結軸１２を支点として
左または右方向に自由に旋回し得るものとなるの
である。

また、上記釣竿をホルダー１３から取外すに当
たつては、レバーの軸杆２０′を上記と逆方向に
回転することにより、それに伴つて該軸杆の突爪
２１と係合するスライド爪１５が後退して、該爪
先と連結軸の頭部１２′との係合が解除されるか
ら、この時点でサポート９を上方に持上げると釣
竿はサポートと共に簡単に取外すことができるも
のである。

尚、上記レバーの軸杆２０′に設けられた各突
爪２１，２１′は、その係合方向が互いに逆向き
となつているため、一方の操作が他方の作動を干
渉するおそれは全くないのである。

更に、上記ストツパー１７の作動機構は、突爪
２１′と段部１９′による係合方式に限らず、上記
突爪２１′を延長してこれを直接ストツパー１７
の下端に軸支するようにしたものであつても良
く、又この場合には上記スプリング１８をねじり
バネ等として軸杆２０′に弾装させても、上例の
ストツパーと全く同等の作用効果が得られるもの
である。

〔考案の効果〕

以上述べた通り本案船釣り用釣竿保持具は、そ
の長ボルト５が上下に移動することなく、支板６
のみが昇降して自由に船縁の内段部を挟圧又は解
除するものであるから、特に船内側が挟隘な船縁
にも容易に取付け可能であるだけでなく、使用中
等に該部に緩みやガタ付きが全く起生せず、しか
も上記サポート９とホルダー１３の連結はワンタ
ツチで行えるものであるから、大型の電動リール
を装備した釣竿に対しても揺動する船上での取付
け操作が安全かつ容易に行える上、一個のレバー
２０操作によつて、釣竿の左右方向への旋回並び
に取外しが簡単に行える時、従来のこの種保持具
には期待出来なかつた優れた多くの効果が齎らさ
れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は釣竿保持具を船縁に取付けた状態を示
す側面図、第２図はその後脚の拡大縦断面図、第
３図はサポートとホルダーが分離した状態の要部
を示す拡大断面図、第４図はＡ−Ａ線断面図、ま
た第５図はＢ−Ｂ線断面図、更に第６図はサポー
トを装着したホルダーの従来例を示す要部断面図
である。 尚、図中、１……基台、２……前脚、３……後
脚、４……受板、５……長ボルト、６……支板、
８……保持台、９……サポート、１０……締付け
バンド、１１……支持板、１２……連結具、１３
……ホルダー、１４……ビス、１５……スライド
爪、１７……ストツパー、２０……レバー、２１
……突爪、２２……竿受、２３……釣糸止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台の両端近くに船縁を挟定可能とした前後の
   脚を取付け、又その後端に起伏自在な保持台を軸
   支する一方、該保持台に対して左右に旋回可能な
   サポートを設けてなる船釣り用釣竿保持具におい
   て、上記後脚３に沿つて長ボルト５を回転自在に
   支持する一方、支板６の基部６′を上記長ボルト
   に非回転の状態で螺合してなる脚部構造と、上記
   保持台８に固定されたホルダー１３のレバー２０
   によつて前後に移動可能なスライド爪１５の先端
   を、上記サポート９の連結軸１２が嵌入する凹孔
   １３′内に臨ましめてなるサポートの着脱機構と、
   上記サポート９の支持板１１の小孔１１′に係入
   するストツパー１７を上記レバー２０を介して下
   降可能としたサポートの回転制御機構とから構成
   したことを特徴とする船釣り用釣竿保持具。