JPH0360943B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 本発明は、横編機における度目の制御装置に関
する。

〓従来の技術〓 横編機における編地の編成に際して、度目の大
きさは、度山によつて針を下降させたときの針の
最下降位置、即ち度山の最下端位置によつて決定
される、従つて、所定コースにおける編地の度目
に応じて当該コースを編成する都度、度山はその
位置まで下降される。

横編機において、１ロツクの度山は、上げ山の
両側に位置して針の当接する斜面を八字状にして
キヤリツジに設けられている。編地編成時にキヤ
リツジが横行動するとき、先行側の度山は最高位
置に上昇させ、上げ山によつて上昇される針が上
げ山に当接するのを妨害しないようにしている。
そして、針は、上げ山によりニツト位置或いはタ
ツク位置に上昇させられて後、度山の前記斜面に
より下降され、その下降の程度により所望の度目
を構成する。そのため、キヤリツジの左行又は右
行の一行程毎に先行側度山は上昇し、後行側の度
山により針が引き下げられ編地は編成されること
になるが、上記先行側度山となつたときに次に当
該度山で編成するコースの度目に応じ下降する位
置がセツトされる。その操作は次の如く行なわれ
る。

第５図に示す如く、一対の度山５１，５２はそ
れぞれ上げ山５３の両側に地板５４の長溝５５，
５６にガイド板５７，５８により摺動自在に嵌合
支持されており、ガイド板５７，５８にはそれぞ
れ第１のカムローラ５９ａ，５９ｂ、第２のカム
ローラ６０ａ，６０ｂが設けられている。そし
て、第１のカムローラ５９ａ，５９ｂは、キヤリ
ツジの地板５４にキヤリツジの進行方向と同方向
に往復摺動自在に設けたカム板６１と当接し、第
２のカムローラ６０ａ，６０ｂは度目調整カム６
２ａ，６２ｂと当接するようスプリング６３ａ，
６３ｂにより付勢されている。上記カム板６１は
キヤリツジの第５図右方向への進行時キヤリツジ
の進行方向に対し遅れた状態で位置しており、そ
のときカム板６１に設けた凹部６４に後行側度山
５２の第１のカムローラ５９ｂがスプリング６３
ｂの付勢で陥没し度山５２は下降しているが、第
２のカムローラ６０ｂが度目調整カム６２ｂと当
接し下降位置を規制されている。先行度山５１
は、そのガイド板５７に設けた第１のカムローラ
６０ａがカム板６１の凹部６４から出ているた
め、スプリング６３ａの付勢に抗して上昇してい
る。そのために先行度山５１のガイド板５７に設
けられている第２のカムローラ６０ａは度目調整
カム６２ａとは離れている。この状態のもとで、
キヤリツジの反転動による次のコースで編成する
編地の度目に応じて度目調整カム６２ａを回転し
ておく。キヤリツジが反転動し次のコースの編成
が開始されるときに、カム板６１は摺動するの
で、その凹部６４に位置していた先の後行側の第
１のカムローラ５９ｂは該凹部６４から出て、新
たに後行側となつた度山５１の第１のカムローラ
５９ａがカム板６１の凹部６４に入り、ガイド板
５７はスプリング６３ａの付勢により下降し、該
度山５３のガイド板５８の第２のカムローラ６０
ａの度目調整カム６２ａと当接し、先に同カム６
２ａが回転し調整された位置に下降することにな
る。

また、従来装置にあつては、度山５１，５２は
それぞれスプリング６３ａ，６３ｂにより下向動
するよう付勢され、第２のカムローラ６０ｂが度
山調整カム６２ｂと当接され編成時の度山５２の
位置を維持している。そして編成軌道にある針は
この度山５２にガイドされ引き下され移動する
が、何等かの理由、例えば、編成のために供給さ
れる糸に大きな結び目がある時、編地が厚すぎて
個々の針の編成運動が適切に遂行されない時、糸
に対し異常なほどのテンシヨン過重がかけられる
とき、針が度山により引き降ろすことができない
ときでも針の負荷により度山はスプリングの付勢
に反して上昇することができるので、例えば針折
れ等の事故発生を防いでおり、このような度山の
逃げは度山構成上必要である。

〓発明が解決しようとする課題〓 上記の如く、従来の装置にあつては、度山は常
にスプリングで下降方向に付勢されているため
に、度目の調整を行なう度に度山制御カムと度山
のガイド板に設けたカムローラとを離反させなけ
れば度山制御カムを回転させるためのモータの出
力を大としなければならず、そのためにはキヤリ
ツジ自体が大型となり、その駆動のための設備も
小さくすることができなかつた。

また、前記度山引き下げ用のスプリング、及び
上記度山のガイド板に設けたカムローラと度山制
御カムとを離反させるためのカム及びそれを作動
させるための装置も必要となり装置が大型化し重
量も増加し、編成速度の向上に対して障害となつ
ていた。

本発明は上記の点に鑑みて、度山制御カムを回
転する際に、度山制御カムと度山のガイド板に設
けたカムローラとの接触を断つための装置をなく
し装置を小型化するが、度山の前記逃げの機能は
満足している装置を得ることを目的とする。

〓課題を解決するための手段〓 螺旋状のカム溝を有する度山制御カムの前記カ
ム溝に摺動嵌合するカムロールを度山制御レバー
に支持し、度山と一体に設けた係止部材を、衝撃
吸収機構を介して前記度山制御レバーに係止し
た。

〓作用〓 度目調整は度山モータの回転を利用して行な
う。度山モータの回転により度山制御カムは回転
し、その螺旋状の溝に嵌合しているカムフオロワ
ーを介して度山制御レバーは揺動し、その位置を
変更する。度山制御レバーには、度山と一体に設
けた係止部材としてのカムフオロワーが係止され
ており、前記度山制御レバーの揺動により度山は
カムフオロワーを介してその位置を変更する。度
山制御レバーが度山位置を引き下げる方向に揺動
しても、何等かの原因で度山が引き下げられない
ときは、度山制御レバーのみ揺動し、それと係合
していた係止部材は度山と共に下降を停止する
が、上記係止部材と度山制御レバーとの間に設け
た衝撃吸収機構が作動し、両者の上記動作を障害
なく行なわせる。

また、編成中針に何等かの不具合が生じ、度山
による針の引き下げができない場合、度山と一体
のカムフオロワーに当接する挟持レバーは衝撃吸
収機構として作動し、度山の、スプリングの付勢
に抗する上昇に旋回動により対処し逃げを行なつ
ている。

〓実施例〓 次に本発明装置の実施の一例を図面と共に説明
する。

第１図はキヤリツジの地板１を上面から見た状
態を示し、上げ山２の両側に設けた１対の度山
３，４の位置を、それぞれ調整する度山制御装置
５，６を示している。度山制御装置５，６は対称
形をなしているがその機構は同一なので一方の度
山制御装置５についてその詳細を次に説明する。

地板１には、度山３を斜に上下動するための長
溝７が設けられ、長溝７には摺動部材８を摺動可
能に嵌合し、摺動部材８を挟んでその下面には度
山３を、上面には押え金９をそれぞれ摺動部材８
と一体に固定している。地板１の上面に設けた倒
コ字形の基台１０にはモータ取付板１１を介して
度山制御モータ１２を取り付ける。度山制御モー
タ１２のモータ軸１３には、螺旋状のカム溝１４
を有する度山制御カム１５を取り付ける。前記カ
ム溝１４には度山制御レバー１６に設けられたカ
ムフオロワー１７が嵌合している。度山制御レバ
ー１６は前記基台１０の凹欠部１８内の軸１９に
揺動自在に支持され、その中央部分に前記カムフ
オロワー１７を支持すると共に、挟持レバー２０
を軸２１により支持する。挟持レバー２０の先端
は度山制御レバー１６の先端屈曲部２２と当接
し、挟持レバー２０と度山制御レバー１６とによ
つて押え金９の上面に軸支されたカムフオロワー
２３を挟持する。挟持レバー２０の他端と度山制
御レバー１６との間にはスプリング２４を設け、
常に挟持レバー２０と度山制御レバー１６の先端
屈曲部２２とがカムフオロワー２３を囲つて当接
しているようにし衝撃吸収機構２５とする。

２６は度山制御カム１５のＯ位置検出用の近接
センサで、度山制御カム１５の突出部２７が近接
したときにそれを検出しＯ位置を知り、度山制御
モータ１２を停止する。上記Ｏ位置は、度山制御
カム１５のカム溝１４に嵌合しているカムフオロ
ワー１７が最もカム１５の中心、即ちモータ軸１
３に近い位置にあるときで、第１図に示される左
側の度山制御装置６に見られるように度山制御カ
ム１５の突出部２７は近接センサ２６に接近して
いる。このとき度山４は最も上昇している。第１
図に示される右側の度山制御装置５は逆に度山３
が最も下降している。

今、編地の１コースの編成が終了しキヤリツジ
は反転し、次のコースの編成にかかろうとしたと
する。新コースの編成においてキヤリツジは第１
図左方向に移動する。新コース編成のためのキヤ
リツジのスタート前に度山制御装置５，６を作動
させ、度山３を所定の度目の編成ができる位置に
下げ、度山４を最上昇させておく。

即ち、先行側の度山制御装置６において度山制
御モータ１２は回転の信号を受け、反時計方向に
度山制御カム１５を回転する。その回転につれて
度山制御カム１５の突出部２７は近接センサ２６
に接近し近接センサ２６がそれを検出するとモー
タの駆動を停止する。このときカム溝１４に嵌合
しているカムフオロワー１７は最もモータ軸１３
に接近し度山制御レバー１６を軸１９を中心に最
も上挙する。そのため、度山制御レバー１６の先
端屈曲部２２に係止しているカムフオロワー２３
も上昇しそれと一体の度山４も最上昇する。

一方、先のコース編成終了まで最上位置に上昇
していた、即ち突出部２７が近接センサ２６と対
向する位置に度山制御カム１５が回転していた右
側の度山制御装置５は、度山３を所定度目の位置
まで下降させなければならない。下降位置はモー
タの回転時におけるパルス数をその位置に応じて
適宜入力することによつて度山制御モータ１２の
回転角度が決定する、第１図右側に示す度山制御
装置５にあつては最も回転し最下位置にまで下が
つた状態で、度山制御モータ１２の回転で回転し
た度山制御カム１５は同カム１５のカム溝１４に
嵌合しているカムフオロワー１７を介して度山制
御レバー１６の先端を最も下降させ、その先端の
屈曲部２２に係止しているカムフオロワー２３を
下降させ、度山３の下降位置を決定する。

上記の度山３の下降動のときに、何等かの原因
によつて度山３が下降動を阻止されたとする。し
かし、このようなときでも度山制御モータ１２は
回転し、度山制御カム１５は回転をし続けカムフ
オロワー１７を介して度山制御レバー１６を軸１
９を中心に反時計針方向に旋回動する。しかし、
度山と共にカムフオロワー２３は下降動をしない
から、衝撃吸収機構２５が作動する。即ち、カム
フオロワー２３に当接する挟持レバー２０は、軸
２１を中心にしてスプリング２４の付勢力に抗し
て時計針方向に旋回動して逃げ、各部に衝撃が及
ぶのを防いでいる。

また、カムフオロワー２３に当接する挟持レバ
ー２０は軸２１を中心にしてスプリング２６の付
勢に抗して時計針方向に旋回動して逃げることが
でき、針折れ等の事故発生を防いでいる。

〓発明の効果〓 本発明の装置は、螺旋状のカム溝を有する度山
制御カムの前記カム溝に摺動嵌合するカムロール
を度山制御レバーに支持し、度山と一体に設けた
係止部材を係合させてあるため、従来装置にあつ
ては度山位置を変更するときはその都度、度山と
一体のカムフオロワーと度山制御カムとを離反さ
せ、スプリングの力が度山制御カムに及ばないよ
うにして同カムを回転させていたが、本発明装置
にあつては、常に度山と一体のカムフオロワーと
度山制御カムとが連繋された状態のまま度山位置
を変更することができるために、前期従来装置に
如き度山と一体とカムフオロワーを度山制御カム
に当接し、かつ、度山を引き下げるためのスプリ
ング、及び、カムフオロワーと度山制御カムとを
離反させる装置などの必要はなくなり、かつ、そ
の分キヤリツジのスペースを縮少することができ
る。

また、度山と一体に設けたカムフオロワーと度
山制御レバーとの間に衝撃吸収機構を設けてある
ために、何等かの原因により度山が下降できなく
ても、また、針が引き下げられず度山が上昇して
も、その動作は衝撃吸収機構が吸収するため、該
部の機構を破壊することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明装置の実施の一例を
示すもので、第１図はキヤリツジの地板を上面か
ら見た状態で、度山制御モータ及びその取付板を
除いた状態の平面図、第２図は度山制御レバーと
衝撃吸収機構の詳細を示す平面図、第３図は一部
縦断正面図、第４図は一部縦断側面図、第５図は
従来装置の平面図である。 １……地板、５，６……度山制御装置、７……
長溝、１２……度山制御モータ、１３……モータ
軸、１４……カム溝、１５……度山制御カム、１
６……度山制御レバー、１７，２３……カムフオ
ロワー、２０……挟持レバー、２１……軸、２２
……先端屈曲部、２５……衝撃吸収機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 螺旋状のカム溝を有する度山制御カムの前記
   カム溝に摺動嵌合するカムロールを度山制御レバ
   ーに支持し、度山と一体に設けた係止部材を、衝
   撃吸収機構を介して前記度山制御レバーに係止し
   てなる度目制御装置。