JPH0360830A - 鋼板製のつば付きカップ状体からシールリング嵌合用溝を形成する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば自動車の変速装置に使用される油等の
流体室構成部品の製造方法に関する。

［従来の技術］ この種の流体室構成部品は、例えば実開昭６４−４１７
５７号公報に、作動油室形成部材１３６．１７４．５１
２として開示されており、この部品は、一般に、ダイカ
ストにより製造されていた。

［発明が解決しようとする課題］ ダイカストによれば、所定の強度を得るために部材の厚
みが肉厚となり、また設備が複雑となることによって、
コストアップを招来する問題があった。

本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、製造
設備が簡単であるとともに、薄肉で十分な強度が得られ
、結果としてコストダウンを実現できる流体室構成部品
の製造方法の提供を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 前記目的を達成するために、本発明にかかる第１の発明
は、金型装置により円形鋼板の中央部に絞り加工を施し
てその円形鋼板をつば付きカップ状体に形成する工程と
、前記つば付きカップ状体のっぽ部分の周縁部を、前記
つば付きカップ状体の軸長方向に一定の隙間を保つ環状
四部に対応させて金型装置内に固定させ、かつ前記つば
付きカップ状体をその中心線で回転させた状態で前記つ
ば部分の外周面に転造ローラを押しつけてシールリング
嵌合用溝を形成する工程とを備えることを特徴とする。

また、前記目的を達成するために、本発明にかかる第２
の発明は、円形鋼板の周縁部を、鋼板厚さ方向に一定の
間隔を保つ環状四部に対応させて金型装置内に固定させ
、かつ前記円形鋼板をその中心線で回転させた状態で前
記円形鋼板の外周面に転造ローラを押しつけてシールリ
ング嵌合用構を形成することを特徴とする。

［作用］ 第１の発明によれば、いわゆるカップ型の流体室構成部
品が製造され、第２の発明によれば、いわゆるディスク
型の流体室構成部品が製造される。

そして、これらは、鋼板を使用して加工している結果、
素材の板厚が薄くても十分な強度を得ることが可能とな
る。

また、第１の発明は流体室構成部品をプレスと転造成形
によって、第２の発明は流体室構成部品を転造成形によ
って形成するようにしているから、製造設備が簡単とな
り、コストダウンが実現される。

さらに、シールリング嵌合用溝が転造によって形成され
ているから、加工性と溝強度がそれぞれ向上する。

［実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図（１）〜（Ｖ）は本発明の請求項１にかかる、い
わゆるカップ型の流体室構成部品の製造過程を示す第１
実施例である。なお、各工程は左右対称であるため、そ
の右半分のみを図示した。

第１図（Ｉ）は、素材として所定の直径りを有する円形
鋼板Ａがプレス加工により得られた状態を示す。かかる
円形鋼板への成形に順次使用される第１〜第４金型装置
り、　２．３．および４、そして加工ローラフ、８、転
造ローラ９は次の如く構成されている。

即ち、第１図（ｎ）に示す第１金型装置１は、しぼり加
工用で、上型２０Ａ、２０Ｂと下型２１からなっている
。上型２ＯＡは円筒形で、その下部は型中心線２２より
外側に向かって下方に傾斜するテーパ面２３に形成され
ている。また、上型２０Ｂは抑圧型の機能を有するもの
で、上型２０Ａ内に配置されている。下型２１は円形鋼
板Ａの板厚分にほぼ相当する環状間隔を保って上型２０
Ａ内に咲人可能な横断面円形の凸部２４と、この凸部２
４の外周下部で上型、２〇への上記テーパ面２３に平行
状に対向するテーパ面２５とを備えている。

第１図（Ｉ［［）に示す第２金型装置２は上下方向に延
出する回転中心線２６を有している。第２金型装置２に
は、第１金型装置１の凸部２４およびテーパ面２５とほ
ぼ同人・同形の凸部２７およびテーパ面２８が形成され
ている。第２金型装置２に付随する一方の加圧ローラ７
は、コーン形で、その大径部側が凸部２７の外周部側と
なるように、しかも凸部２７の中心部から外周部にわた
る長さで、凸部２７上のｌ箇所に上下方向に移動自在に
配置されている。ローラ加圧面の下部２９は凸部上面３
０に対して平行状に保持されており、従ってその分だけ
加圧ローラ７の回転中心線３工は傾いている。第２金型
装置２に付随する他方の加圧ローラ８は上下方向に延出
する回転中心線３２を有して第２金型装置２に一側部に
左右方向に移動自在に配置されている。加圧ローラ８に
は、凸部２７の周面３３に対して平行な加圧面３４と、
テーパ面２８に対して平行な加圧面３５が形成されてい
る。

第１図（ＩＶ）に示す第３金型装置３は上型３６Ａ、３
６Ｂと下型３７からなる。上型３６Ａは円筒形であり、
その内部に配置された上型３６Ｂは抑圧型の機能を有し
ている。下型３７は、円形鋼板への板厚針にほぼ相当す
る環状間隔を保って上型３６Ａ内に嵌入可能な凸部３９
を備えている。

かかる凸部３９の高さおよび直径は（ｍ）に示す凸部２
７のそれとほぼ同一で、この凸部３９の外周下部には、
（ＩＩＩ）に示すテーパ面２８とほぼ同一の傾きを有し
、かつ長さがテーパ面２８より短いテーパ面４０を介し
て水平面４１が形成されている。また、上型３６の外周
下部には、下型３７のテーパ面４０および水平面４１に
対してそれぞれ平行に向き合うテーパ面４２および水平
面４３が形成されている。

第↓図（Ｖ−１）に示す第４金型装置４は、上型４４と
下型４５からなり、上下方向に延出する回転中心線４６
を有している。下型４５には、（ＩＶ）に示す下型３７
のそれとほぼ同一の凸部４７、テーパ面４８および水平
面４９が形成されている。また、上型４４は、上記凸部
４７．テーパ面４８および水平面４９に沿った押え面５
０と、この押え面５０の外周部に回転中心線４６を中心
に形成された環状凹部５１を備えている。第４金型装置
４に付随する転造ローラ９は、上下方向に延出する回転
中心線５２を有して、第４金型装置５の側部１箇所に水
平方向に移動自在に配置されている。転造ローラ９の外
周には、第４金型装置４が図示の如く閉じた状態で、環
状凹部５１の外側から上下金型間に上下に一定の隙間を
保って嵌入可能な環状凸部５３が形成され、かつ環状凸
部５３の基部上下には環状規制面５４．５４が形成され
ている。

次に、上記構成により、いわゆるカップ型の流体室構成
部品の製造方法について説明する。

■まず、第１図（１）に示す円形鋼板Ａが第１図（ｎ）
に示す第１金型装置１の下型２１上に同心状にセットさ
れ、つづいて上型２０が下方へ駆動されることにより、
絞り加工を受ける。即ち、この工程では、下型２１の凹
部２４により円形鋼板Ａの中央部が上型２０内に絞り込
まれるとともに、上型２０のテーパ面２３により円形鋼
板Ａの周縁部が下型２１のテーパ面２５に押しつけられ
、もって中央部にカップ部分６２が、その周縁に斜め下
方へ張り出すつば部分６３が位置する、いわゆるつば付
きカップ状体６４が形！戊される。

■上記のようにして形成されたつば付きカップ状体６４
は、その後、第１図（ＩＩＩ）のように第２金型装置２
に移し変えられて、カップ部分６２が凸部２７に被嵌さ
れ、かつつば部分６３がテーパ面２８に支持される。そ
してカップ部分６２の上面に加圧ローラ７が、カップ部
分６３の外周面に他方の加圧ローラ８の加圧面３４が、
またつば部分６３の周縁部６１を除く表面に加圧面３５
がそれぞれ押し付けられた状態で、第２金型装置２がつ
ば付きカップ状体６４とともにこれらの共通する中心線
２６で回転駆動される。その結果、各加圧ローラ７．８
が回転して、つば付きカップ状体６４の周縁部６１を除
くほぼ全領域に再加圧ローラ７．８のくり返し荷重が与
えられ、それによる加工硬化によりつば付きカップ状体
６４の強度が向上する。

■上記のようにして硬度を向上したつば付きカップ状体
６４は、その後、第１図（ＩＶ）に示す第３金型装置３
に移し変えられる。この工程では、つば付きカップ状体
６４のカップ部分６２が下型３７の凸部３９に被嵌され
た状態で、上型３６が下方へ駆動されることにより、つ
ば部分６３の外周部側が下型３７の水平面４１に押しつ
けられて水平状に折ｄＩＩされる。

■上記工程を経たつば付きカップ状体６４は、最終的に
第１図（Ｖ−１）に示す第４金型装置４に移し変えられ
る。この工程では、まず下型４５の凸部４７につば付き
カップ状体６４のカップ部分６２が被嵌され、上型４４
の環状凹部５１下につば部分６３の周縁部６１が収まり
、上下両全型４４．４５間につば付きカップ状体６４が
完全に挟持された状態で、第４金型装置４がつば付きカ
ップ状体６４とともにこれらの共通の中心線４６で回転
駆動されるとともに、転造ローラ９が矢印Ｅ方向へ水平
駆動されてその環状凸部５３がつば部分６３の厚内部６
１の外周面に押しつけられ、転造ローラ９が回転する。

このとき、つば部分６３の周縁部６１は、つば付きカッ
プ状体６４の軸長方向（上下方向）に一定の隙間を保っ
て、即ち図では環状凹部５１の深さを保って金型内に完
全に固定された状態にあり、しかも第１図（Ｖ−２）の
ように、転造ローラ９が矢印Ｅ方向へ更に所定量駆動さ
れることにより、上記周縁部６１は環状凹部５１と水平
面４９との間で上下方向に広がって一定の幅広になり、
かつその幅広部に転造ローラ９の環状凸部５３が食い込
んで、つば部分６３の外周にシールリング嵌合用溝６５
が形成される。

また、その際、環状凸部５３の上下にある環状規制面５
４．５４によってシールリング嵌合用溝６５の両側壁つ
まりリム部（第２図（１）参照）　６６の外形ｄが規制
される。

なお、つば部分６３の周縁部６１は第１図（ＩＩ［）の
硬化処理を受けないので、上記シールリング嵌合用溝６
５の成形は容易に行われる。

第２図（Ｉ）は上記のようにして形成された０リング嵌
合用溝６５の拡大図である。かかる溝６５は断面矩形状
となっているが、例えば第２図（ｎ）に示すような半球
状に形成することも可能である。また、第２図（１）に
示されたリム部６６はっは部分６３の一側に片寄ってい
るが、例えば第２図（ｎＩ）のようにつば部分６６の両
側に対称的に突出するように形成してもよい。

第３図（１）〜（Ｖｌ）は本発明の請求項２にかかる、
いわゆるディスク型の流体室構成部品の製造過程を示す
実施例である。

第３図（Ｉ）の工程は、第１図（Ｉ）で述べたものと同
一である。第３図（ｎ）に示された第を金型装置７０は
、上下方向に延出する回転中心線７１を備えた下型７２
を有し、この下型７２の上面にはフラットな水平面から
なる素材受面７３が形成されている。また、第１金型装
置７ｏの上型７４の外周側下部には、第１図（Ｖ−１）
で説明した環状四部５１が形成されるとともに、環状凹
部５１より回転中心線７１側の領域には第１図（ｎｌ）
で説明した加圧ローラ７が設けられている。

また、第１金型装置７０の一側部には、第１図（Ｖ−１
）で説明した転造ローラ９が配置されている。

一方、第３図（ＩＩＩ）には打抜装置７５が示されてい
る。この打抜装置７５は、素材支持台７６の中央部に抜
孔７７を有し、この抜孔７７に対しては、その上方から
嵌入可能なポンチ７８が配置され、かつポンチ７８の外
周には素材押え７９が設けられている。

また、第３図（ＩＶ）には、バーリング装置８１が示さ
れている。かかるバーリング装置８１は、素材支持台８
２と、その上部に配置された素材押え８３とを備え、素
材支持台８２の中央部には、上下方向に駆動されるバー
リング用ロッド８４が配置されている。

次に、上記構成により、いわゆるディスク型の流体室構
成部品の製造方法について説明する。

■まず、第３図（Ｉ）に示された素材としての円形鋼板
Ａが第３図（ｎ）のように、第１金型装置７０の下型７
２上に同心状にセットされたのち、つづいて第３図（ｕ
−２）のように、上型７４が下方へ駆動されることによ
り、円形鋼板への表面上にそのψ６側から周縁部近傍に
かけて加圧ローラ７が押しつけられる。なお、図示は省
略したが、下型７２の周囲には複数のガイドａ−ラがあ
って、そのガイドローラに円形鋼板Ａの外周部が回転自
在に接することにより、下型７２に対して円形鋼板Ａが
同心状に保持されるようになっている。

■その後、第１金型装置７０の下型７２が円形鋼板Ａと
ともにこれらの共通する中心線７１で回転駆動される。

その結果、加圧ローラ７が回転して、円形鋼板Ａの厚肉
部６１を除く薄肉部のほぼ前面に加圧ローラ７のくり返
し荷重が与えられ、それによる加工硬化により円形鋼板
への強度が向上する。また、これと並行して、即ち、加
圧ローラ７が円形鋼板Ａに押しつけられ、かつ下型７２
が回転駆動された状態で、転造ローラ９が矢印Ｅ方向へ
水平駆動されてその環状凸部５３が円形鋼板への周縁部
６１の外周面に押しつけられ、転造ローラ９が回転（従
動）する。このとき、円形鋼板への周縁部６１は、鋼板
厚さ方向（上下方向）に一定の隙間を保って、即ち図で
は環状四部５１の深さを保って下型７２に固定された状
態により、第３図（ＩＩ−３）のように、転造ローラ９
が矢印Ｅ方向へ更に所定爪駆動されることにより、」１
記周縁部６１は環状凹部５１と素材受１７ｊ７７３との
間で上下方向に広がって一定の幅広になり、かつその幅
広部に転造ローラ９の環状凸部５３が食い込んで円形鋼
板Ａの外周にシールリング嵌合用溝６５が形成される。

また、その際、環状凸部５３の上下にある環状規制面５
４．５４によってシールリング嵌合用溝６５の両側壁つ
まりリム部（第２図（Ｉ）参照）６６の外径ｄが規制さ
れる。

■上記加工を受けた円形鋼板Ａは、その後、第３図（Ｉ
ＩＩ）に示す打抜装置７５の支持台７６にセットされて
押え７９により固定される。そして、ポンチ７８の下降
により、円形鋼板Ａの中央部が打抜かれ、軸孔８５が形
成される。

■上記工程を経た円形鋼板Ａは、最終的に第３図（ＩＶ
）に示すバーリング装置８１に送られて、その支持台８
２と押え８３間に挟持される。しかる後、ロッド８４が
上昇駆動されることにより、軸孔８５の周囲が付き」二
げられ、もって中央部にボス部８６を有した所定のディ
スク型の流体室構成部品が形成される。

なお、上記各実施例で説明した流体室構成部品は、実開
昭６４〜４１７５７号公報に開示されている用途に限ら
れず、例えば自動車の自動変速装置におけるプライマリ
シリンダの構成部品として適用することができるのは勿
論である。

［発明の効果］ 以上のように、第１．第２の発明によれば、鋼板を使用
して加工している結果、ダイカストで作るものより板厚
を薄くしても十分な強度の流体室構成部品を提供するこ
とができる。

また、第１の発明は流体室構成部品をプレスと転造成形
によって、第２の発明は流体室構成部品を転造成形によ
って形成するようにしているから、製造設備が簡単とな
り、コストダウンを実現することができる。

さらに、シールリング嵌合用溝が転造によって形成する
ようにしているから、加工性と溝強度の向上を達成する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（１）〜（Ｖ−２）は請求項１にかかる流体室構
成部品の製造過程を示す実施例の図、第２図（Ｉ）〜（
ｍ）はシールリング嵌合用構部の拡大図、第３図（１）
〜（ＩＶ）は請求項２にかかる流体室構成部品の製造過
程を示す実施例の図である。 Ａ・・・円形鋼板 １．２，３．４．７０・・・金型装置 ７．８・・・加圧ローラ ９・・・転造ローラ ２６．４６．７１・・・中心線 ５１・・・環状四部 ６１・・・周縁部 ６２・・・カップ部分 ６３・・・つば部分 ６４・・・つば付きカップ状体 ６５・・・シールリング嵌合用溝 第 図 第 １ （Ｉ） （ＩＩＩ） （ＩＩ） （■） 第 ｆｆ−１） 第 図 ＜Ｉ） （Ｉ［） （ＩＩ［） ｆｆ−２） ４ ３ ６

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）金型装置により円形鋼板の中央部に絞り加工を施
   してその円形鋼板をつば付きカップ状体に形成する工程
   と、前記つば付きカップ状体のつば部分の周縁部を、前
   記つば付きカップ状体の軸長方向に一定の隙間を保つ環
   状凹部に対応させて金型装置内に固定させ、かつ前記つ
   ば付きカップ状体をその中心線で回転させた状態で前記
   つば部分の外周面に転造ローラを押しつけてシールリン
   グ嵌合用溝を形成する工程とを備えたことを特徴とする
   流体室構成部品の製造方法。
2. （２）円形鋼板の周縁部を、鋼板長さ方向に一定の間隔
   を保つ環状凹部に対応させて金型装置内に固定させ、か
   つ前記円形鋼板をその中心線で回転させた状態で前記円
   形鋼板の外周面に転造ローラを押しつけてシールリング
   嵌合用溝を形成することを特徴とする流体室構成部品の
   製造方法。