JPH0360535B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉砕テーブルと粉砕ローラとの協働
により、セメント原料、石炭、石灰石、鉱石等の
被粉砕原料を粉砕する堅型粉砕機に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来からこの種の堅型粉砕機においては、被粉
砕原料を粉砕テーブルの上面に供給する方法とし
て、(i)堅型粉砕機の上部から垂直シユートで供給
する方法、(ii)堅型粉砕機の上部から傾斜シユート
で供給する方法、(iii)堅型粉砕機の上部から水平に
スクリユ等の手段で供給する方法が提案されてい
る。

今、前記(i)の構成の堅型粉砕機を第３図を用い
て詳細に説明するに、被粉砕原料はバケツトエレ
ベータ１で上方に持ち上げられた後、架台２の上
部に設置された原料ホツパ２ａ内に投入貯留さ
れ、さらにこの後、コンベア３、垂直シユート４
を介して堅型粉砕機５の上部から粉砕テーブル
（図示せず）上面に供給されるようになつている。

また、前記(ii)の堅型粉砕機においては、第４図
に示す如く、被粉砕原料は供給コンベア６から傾
斜シユート７を経てケーシング８の内底部に設け
られた回転する粉砕テーブル９上に供給され、粉
砕テーブル９とこの粉砕テーブル９の上面に押圧
されつつ従動回転する粉砕ローラ１０とで挟圧さ
れて粉砕される。粉砕物は通風ダクト１１から導
入されたガス噴流等によつてケーシング８内の上
部に設けられた分級機１２へ気流搬送される。分
級機１２の回転により分級が行なわれて所要の粉
末度の製品（精粉）が、ガスとともに上部より堅
型粉砕機５外へ排出され、集塵装置（図示せず）
で回収される。従つて、分級機１２の回転数や通
風ダクト１１からの噴流ガス量は、所望の粉末度
が得られるように設定される。一方、粗粉は再び
粉砕テーブル９上に戻して、ニユーフイードとと
もに粉砕される。第１図中、１３及び１４は各々
排石シユート及び排石輸送機である。また、１５
は排石を輸送機１４から傾斜シユート７に戻すた
めのバケツトエレベータである。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記の如き従来の堅型粉砕機にあつては、被粉
砕原料を堅型粉砕機の上部から該堅型粉砕機に供
給するようになつているため、供給される被粉砕
原料を高所に輸送する必要があつた。このため、
バケツトエレベータ１，１５等の設備が必要とな
り、設備費が高くつくという欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に係る堅型粉砕機は、粉砕テーブル上面
に供給される被粉砕原料を、粉砕テーブルの下方
から上方に向けて貫通させ該粉砕テーブルの上面
に供給するよう構成したものである。

〔作 用〕

本発明によれば、供給する被粉砕原料を低いレ
ベルに貯留できるため、バケツトエレベータ、架
台等を不要にでき、その分設備費を安くでき、し
かも設備スペースを縮少できる。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例を用いて本発明の詳細を
説明する。

第１図および第２図は本発明の実施例に係る堅
型粉砕機を示すものであり、第１図は該堅型粉砕
機の要部概略構成図、第２図は該堅型粉砕機内部
の拡大斜視図である。

堅型粉砕機１６は、後述する粉砕テーブル１７
等の粉砕部全体を収納するケーシング１８を備え
ており、このケーシング１８は、円筒状に形成さ
れて基礎１６ａ上に固定されている。このケーシ
ング１８内には、モータ付の減速機１９が配設さ
れていて、その上方に向かう出力軸には円盤状に
形成された粉砕テーブル１７が軸着されており、
減速機１９に駆動されて第２図に矢印Ａで示す如
く時計方向に回転している。粉砕テーブル１７の
上部外周端には第１図に示す如く複数個のローラ
ボスアーム２０が配設されており、該ローラボス
アーム２０の下端にはそれぞれ頭載円錐状の粉砕
ローラ２１が枢着されている。

ローラボスアーム２０の上部内周端上面には、
円環形状をなす圧力枠（図示せず）がボルト締め
等の手段により固設されており、複数個の粉砕ロ
ーラ２１およびローラボスアーム２０ならびに圧
力枠は一体的に形成され、粉砕テーブル１７の上
面に載架されている。各粉砕ローラ２１は、ロー
ラ軸２１ａを介してローラボスアーム２０に回転
自在に軸承されており、粉砕テーブル１７の上端
外周面にその周面を対接されているので、粉砕テ
ーブル１７の回転に伴つて従動回転可能である。

一方、前記粉砕テーブル１７の外周部下方に
は、ダクト２２によつて熱風発生装置との間を接
続された環状の熱風通路２３が設けられ、この熱
風通路２３の上方には、粉砕テーブル１７とケー
シング１８との間に、環状空間部２４が画成され
ている。この環状空間部２４には、第２図に示す
如く、複数個の板状ブレード２５が水平面に対し
て所要の傾斜角を保つて円周に等間隔に配列固設
されている。粉砕テーブル１７の外縁部下方に
は、該粉砕テーブル１７の外縁部から落下してき
た粗粉分を受ける円環状部材３０が配置されてお
り、この円環状部材３０上には粗粒分排出用のス
クレーパ３１が移動可能に設けられている。前記
円環状部材３０には輸送手段である排出シユート
３２の上端開口部が連結されており、かつ排出シ
ユート３２の下端開口部は下記の第１の原料供給
管２６の長手方向略中間部に連結されている。

また、前記基礎１６ａには、該基礎１６ａの外
周側方より中心部に向かつて第１の原料供給管２
６が差し込まれており、さらに該第１の原料供給
管２６の先端部は減速機１９及び粉砕テーブル１
７の中心線に沿つて設けられた第２の原料供給管
２７に接続されている。この第２の原料供給管２
７は減速機１９の下方から該減速機１９、粉砕テ
ーブル１７の中心部を貫通しており、減速機１９
の下方から粉砕テーブル１７の上方に向けて被粉
砕原料を供給するようになつている。更に、前記
第１の原料供給管２６の外側端部近傍の上部には
原料ホツパ２８が設けられている。また、前記第
１、第２の原料供給管２６，２７内にはスクリユ
２６ａ，２７ａが配置されていると共に、これら
スクリユ２６ａ，２７ａの対向する箇所にはかさ
歯車２６ｂ，２７ｂが固設されており、このかさ
歯車２６ｂ，２７ｂの噛合関係によりスクリユ２
６ａの回転をスクリユ２７ａに伝達しうるように
なつている。前記第１の原料供給管２６内のスク
リユ２６ａの外側端部には可変速モータ２９が連
結されており、この可変速モータ２９によつてス
クリユ２６ａ，２７ａは所定の回転速度に回転駆
動されるようになつている。

次に、以上のように構成された堅型粉砕機の動
作を説明する。

モータ付きの減速機１９を始動して粉砕テーブ
ル１７を回転させると共に可変速モータ２９を始
動して第１、第２の原料供給管２６，２７内のス
クリユ２６ａ，２７ａを回転させた後、原料ホツ
パ２８より該第１の原料供給管２６内に被粉砕原
料を供給する。この被粉砕原料はスクリユ２６ａ
によつて第１の原料供給管２６内を矢印Ｂ方向に
向かつて移動され、更に前記減速機１９の下方に
達した後は第２の原料供給管２７内のスクリユ２
７ａによつて、この第２の原料供給管２７内を下
方から上方に向かつて移動する。つまり、被粉砕
原料は減速機１９、粉砕テーブル１７を貫通し、
下方から上方に向かつて移動し、粉砕テーブル１
７の上面の中央部に達する。この粉砕テーブル１
７の上面中央部に達した被粉砕原料は、粉砕テー
ブル１７の回転とこの回転に伴う半径方向の遠心
力により渦巻状の軌跡を描き、粉砕テーブル１７
の外周部へ向かつて移動する。粉砕テーブル１７
の外周部では粉砕ローラ２１が回転しているの
で、移動した被粉砕原料が粉砕ローラ２１と粉砕
テーブル１７の間に噛み込まれ、圧縮、衝撃、剪
断作用により粉砕される。生じた粉砕物はセパレ
ータ（図示せず）にて分級処理を受けた後、排出
口（図示せず）から排出され、製品として捕集さ
れる。一方、粉砕テーブル１７と粉砕ローラ２１
の粉砕作動によつて生じた粗粒分は、円環状部材
３０上に落下された後、スクレーバ３１により排
出シユート３２に供給され、この排出シユート３
２を矢印Ｃで示す如く通つて第１の原料供給管２
６内に戻される。この粗粒分はさらに第２の原料
供給管２７内を通つて減速機１９の下方から上方
へ移動し、粉砕テーブル１７の上面中央部へ再び
供給される。

このように、本発明にあつては被粉砕原料を減
速機１９、粉砕テーブル１７を貫通し、下方から
上方へ向けて供給するようにしているので、被粉
砕原料を低いレベルに貯蔵できる。従つて、従来
のようなバケツトエレベータや架台等を削除で
き、設備費を安価にできると共に設備スペースの
縮少化を図ることができる。また、本実施例のよ
うに、第１、第２の原料供給管２６，２７内にス
クリユ２６ａ，２７ａを設けた、いわゆるスクリ
ユ方式を採用すると、該第１、第２の原料供給管
２６，２７内の原料充満率を高くできるためシー
ル効果が大となる。従つて、シール機構を持つた
原料供給装置を提供することができる。

なお、上述した実施例においては第１、第２の
原料供給管２６，２７内にスクリユ２６ａ，２７
ａを設けた構造としているが、別にこのような構
造に限定されるものではない。例えば、第１、第
２の原料供給管２６，２７内にスクリユ２６ａ，
２７ａ等の部材を何ら配置せず中空状としてお
き、この第１の原料供給管２６の一端を圧縮エア
源（図示せず）に接続し、第１の原料供給管２６
内に供給された被粉砕原料を圧縮エアで上述した
実施例と同じ方向に送るようにした、いわゆる空
気圧送式のものも考えられる。また、第１、第２
の原料供給管２６，２７内にスクリユ２６ａ，２
７ａの代わりにチエーンを配置し、このチエーン
を介して第１の原料供給管２６内に供給された原
料を上述した第１実施例と同じ方向に送るように
した、チエーン式のものも採用可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明に係る堅型粉砕機に
よれば、被粉砕原料の供給を粉砕テーブルの下方
から上方に向けて貫通移動させることによつて行
つているため、供給する被粉砕原料を低いレベル
に貯蔵できる。従つて、バケツトエレベータ等を
省略することができ、その分設備費を安価にで
き、しかも設備スペースを縮少化できるという優
れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る堅型粉砕機の全体概略構
成図、第２図は同堅型粉砕機の拡大斜視図、第３
図は従来の堅型粉砕機の一例を示す概略側面図、
第４図は従来の堅型粉砕機の他の例を示す概略断
面図である。 １６……堅型粉砕機、１７……粉砕テーブル、
２１……粉砕ローラ、２６……第１の原料供給
管、２７……第２の原料供給管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転する粉砕テーブルと、この粉砕テーブル
   の上面に押圧されつつ従動回転する粉砕ローラと
   で被粉砕原料を挟圧粉砕する堅型粉砕機におい
   て、被粉砕原料を、粉砕テーブルの下方から上方
   に向けて貫通移動させ該粉砕テーブルの上面に供
   給するよう構成したことを特徴とする堅型粉砕
   機。