JPH035951B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電動ドライバ等のように、クラツチ装
置を有する電動工具の制御方式に関するものであ
る。

従来、電動締付工具（例えば電動ドライバ）の
制御方式は、モートル駆動軸と従動軸との間にク
ラツチ装置を介在させ、コイルスプリング等の弾
発力調整により所定の締付トルクを設定し、締付
作業終了時に所定トルク以上の負荷が加わるとク
ラツチが作動し、直ちに従動軸への動力伝達をあ
る所定の時間および距離だけ遮断し、同時にモー
トルへの通電を遮断し、かつまた同時に発電制動
を自動的に行なわれるものであつた。この方式の
欠点として、通電遮断、発電制動を有接点機器で
行なつている場合は、大電流遮断の繰り返しのた
め接点寿命が短く、信頼性も低い。また動作時間
も無接点素子に比べて長いため、制御できるモー
トルの回転数の範囲も狭い。

一方、無接点素子を用いている場合は、通電遮
断と発電制動のタイミングが、電圧変動や周囲温
度等により影響を受けても素子を破壊しないよう
に、制動回路に保護抵抗を挿入している。しか
も、この保護抵抗により、発電制動電流がおさえ
られて制動のかかりが悪くなつてしまう。

本発明の目的は、前記従来技術の欠点をなくす
ため、制動回路の前段に遅延回路挿入して、通電
遮断後に制動が行なわれること保証し、電源の短
絡防止および素子の保護を行なうことであり、さ
らに制動開始時間を有接点機器よりも大幅に短く
できる新規な制御方式を提供することである。

本発明を概括的に述べれば、電動ドライバのよ
うにある設定点に達した時に制御を必要とするモ
ートルにおいて、クラツチ装置等の変化の応答に
より得られた信号で、通電遮断を行ない、その後
制動が行なわれるよう制動回路の前段に遅延回路
を入れることを特徴とした制御方式である。

次に本発明の一実施例を第１図、２図、３図、
４図に示す。以下図面に基づき動作を説明する。
第１図において、１はモートル駆動軸２に固定さ
れた固定クラツチ、３は可動クラツチでありボー
ルキーにより従動軸５の軸方向に摺動自在にかつ
従動軸５と一体回転するように取付けられてい
る。またスプリング６によりスラストボールビベ
アリング７を介し前記固定クラツチ１に押付けら
れている。従動軸５の先端には工具（例えばドラ
イバビツト）が接続され、ネジ等の締付を行な
う。（図示せず）。８はリミツトスイツチSWであ
り可動クラツチ３の変位により開閉が行なわれ
る。第１図は締付動作中または休止時のクラツチ
装置回りの断面図である。第２図は締付終了直後
でスプリング６の押圧力により設定したトルクよ
り大きな負荷が従動軸５に加わり、固定クラツチ
１と可動クラツチ３とが離脱しリミツトSW８が
可動クラツチ３により閉成された状態を示す断面
図である。

第３図に本発明に係る基本構成を示すブロツク
結線図を示す。商用電源Ｅに変圧器９を介して整
流回路１０を接続し、適宜電源電圧を低下させる
と共に、平滑回路１１にて平滑整流電圧を得る。
この出力に直流電動ドライバ１７を接続し、直流
電動ドライバ１７が内蔵しているクラツチ装置の
変位に応答して作動する信号発生回路１４からの
信号を、保持回路１２で信号を保持しかつ、直流
電動ドライバ１７に直列に接続してあるスイツチ
ング回路１６と並列に接続してある制動回路１５
を制動する遅延回路３へ同時に信号を送り、スイ
ツチング回路１６は直流電動ドライバ１７への通
電遮断を行ない、遅延回路１３はある所定時間だ
け信号を遅延させて、制動回路１５へ信号を送
り、直流電動ドライバ１７のモートルの両端を短
絡させ、発電制動を行なう構成である。

すなわち、本発明の具体例として（第４図参
照）、従動軸電動ドライバ１７に内蔵されるクラ
ツチ装置の変位により応答するリミツトSW８と
抵抗Ｒ１０により信号を発生し、保持回路１２の
サイリスタSR１のゲートを、正転時はゲートト
リガ電流以上で、逆転時にはゲートトリガ電流以
下でたたき、正転時のみサイリスタSR１がオン
し、アノードーカソード間を保持電流以上の電流
が流れ、オンし続ける。これより、スイツチング
回路１６のトランジスタTR１のベースに電流が
供給され、トランジスタTR２のベース電流、続
いて、トランジスタTR３のベース電流をなく
し、直流電動ドライバ１７への通電を遮断する。
一方、これと同時に直流電動ドライバ１７の逆起
電圧が保持回路１２と遅延回路１３にかかる。こ
の逆起電圧は変圧器９の端子電圧の切り換え、お
よび直流電流ドライバにかかる負荷状態によつて
大きく変化するため、逆起電圧が最低値であつて
も、制動回路１５が動作するよう遅延回路１２を
低電圧用に、および電圧変動に対しても遅延時間
が大きく変化しないようにする必要がある。従つ
て、遅延回路内の積分回路の抵抗Ｒ５、コンデン
サＣ２と積分回路にかかる電圧を一定にするため
ツエナーダイオードZD１、および遅延時間を決
定するスイツチング素子SBSとツエナーダイオー
ドZD２の構成によりスイツチング電圧を低く、
低電圧で駆動させ、なお、かつ、電圧変動に対し
ても遅延時間が影響をうけないで一定にする。こ
の遅延回路の信号をサイリスタSR２がうけ制動
回路を作動させ、直流電動ドライバ１７に制動を
かけ停止させる。

本発明によれば、モートルの制御に関して電動
工具のクラツチ装置の変位の応答のにより信号発
生が行なわれ、その信号ですぐに通電遮断を行な
い制御はその信号発生からある一定時間を遅延さ
せる遅延回路を経て行なう制御方式にしたので、
電圧変動および周囲温度等の影響により半導体の
動作時間が変動しても、確実に通電遮断後に制動
を開始する論理にすることができる。これによ
り、制動が通電遮断より早くかかり、トランス電
源の２次側を短絡して、回路全体を破壊してしま
うような事がなく、また、有接点機器等による通
電遮断と制動を切り換える方式より、制動をかけ
始める時間を大幅に短縮できる等種々の効果を奏
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は電動ドライバのクラツチ装置周辺の縦断面図、
第２図は設定トルクに到達した時の同クラツチ装
置周辺の縦断面図を示す。第３図はブロツク回路
図、第４図は回路図を示す。 図において、１は固定クラツチ、２はモートル
駆動軸、３は可動クラツチ、５は従動軸、８はリ
ミツトスツチ、１３は遅延回路、１４は信号発生
回路、１５は制動回路、１６はスイツチング回路
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ モートル駆動軸と従動軸と間に、所定の負荷
   を受けて出力伝達を遮断するクラツチ装置を有す
   るものにおいて、前記クラツチ装置の変位に応答
   して作動する信号発生回路を設け、前記信号発生
   回路からの信号によりスイツチング回路を作動さ
   せ、モートルへの通電を遮断すると共に、前記信
   号発生回路からの信号を遅延回路を介して無接点
   素子に与えることにより制動回路を成立させ、モ
   ートルに発電制動をかけるとを特徴とするクラツ
   チ式電動締付工具の制御方式。