JPH0358995B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、チエーンブロツクやホイスト等の
昇降用条体あるいは小型巻上牽引装置のロードチ
エーン等に取付けられるフツク等の吊掛金具の着
脱自在な取付構造に関するものである。

〔従来技術〕

従来、昇降運搬用チエーンに対する被運搬物吊
掛金具の着脱自在な取付構造として、実公昭52−
19326号公報により公表されているように、昇降
運搬用チエーンの下端部に、ボルトにより組立て
られた２つの割型の保持金具の上部を嵌合して連
結ボルトにより連結し、下部が２又になっている
取付金具の上部を前記保持金具の下部に回動自在
に嵌合し、かつ取付金具の下部の２又部分にフツ
クからなる吊掛金具の上部を挿入して支持ボルト
により連結した構造のものが知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかるに、前記従来の吊掛金具取付構造の場合
は、吊掛金具を異なる形状のものと交換したり、
損傷した吊掛金具を新らしい吊掛金具と交換する
際に、回動工程を用いて支持ボルトを着脱しなけ
ればならないので、交換作業が煩雑であると共
に、交換作業時間が長くかかるという問題があ
る。

〔発明の目的、構成〕

この発明は前述の問題を有利に解決できる吊掛
金具の着脱自在な取付構造を提供することを目的
とするものであって、この発明の要旨とするとこ
ろは、下部支持部材１の縦孔に吊掛金具２の上部
の縦軸３が貫通され、その縦軸３の上端部に環状
溝４が設けられ、前記下部支持部材１の上部の内
側に、縦軸３の周囲に沿って上昇するように傾斜
する複数の球体支承用傾斜底面５が縦軸３の周囲
方向に間隔をおいて設けられると共に、その傾斜
底面５に外側において傾斜底面において傾斜底面
５のレベルが低くなるにしたがって縦軸３に接近
するように傾斜する球体押込用傾斜側面６が設け
られ、昇降用条体７に連結される上部支持部材８
に、前記下部支持部材１の上部が回動自在に嵌合
され、上記縦軸３の環状溝４に対向する球体挿入
孔９を有する球体支承筒１０の上部が上部支持部
材８に固定され、前記各球体挿入孔９内に挿入さ
れている球体１１は、球体支承用傾斜底面５に載
置されると共に環状溝４と球体押込用傾斜側面６
との間に介在され、球体押下用ばね１２によって
押圧される球体押下用リング１３が各球体１１の
上部に押付けられていることを特徴とする吊掛金
具の着脱自在な取付構造にある。

〔実施例〕

次にこの発明を図示の例によって詳細に説明す
る。

図面はこの発明の一実施例を示すものであっ
て、上端外周にフランジ１４を備えている下部支
持部材１の中央部に設けられた縦孔に、フツクか
らなる吊掛金具２の上部の縦軸３が回動自在に貫
通され、その縦軸３の上端部に円弧状断面の環状
溝４が設けられ、かつ前記下部支持部材１の上部
の内側に、縦軸３の周囲に沿って同一旋回方向に
上昇するように傾斜する複数（図示の場合は３
つ）の球体支承用傾斜底面５が等角度間隔で設け
られ、さらに下部支持部材１の上部の内側に、傾
斜底面５の外側においてその傾斜底面５のレベル
が低くなるにしたがつて縦軸３に接近するように
傾斜すると共に上部が外側に偏位するように傾斜
する複数（図示の場合は３つ）の球体押込用傾斜
側面６が設けられている。

チエーンリンク嵌合用凹部１５と下部フランジ
とを備えている一対の半円形支持金具１６が円形
になるように重合されると共に、リンクチエーン
からなる昇降用条体７の下端のチエーンリンク１
７が各半円形支持金具１６における凹部１５に嵌
入され、かつ各半円形支持金具１６とチエーンリ
ンク１７とにわたつて連結ピン１８が嵌挿され、
さらに上部支持部材本体１９の中央部に設けられ
た段付き縦孔に前記各半円形支持金具１６が下方
から嵌合係止され、下部中央に支軸２０を備えて
いる押え部材２１は、各半円形支持金具１６の下
面および前記上部支持部材本体１９の内容の下面
に重合されて、ビス２２により上部支持部材本体
１９に固定されている。

下部に複数（図示の場合は３つ）の球体挿入孔
９を備えている球体支承筒１０の上端部は、前記
支軸２０に嵌合されてスプリングピン２３により
固定され、かつ前記球体支承筒１０の外周に球体
押下用リング１３が摺動自在に嵌合され、その球
体押下用リング１３と押え部材２１との間には、
つる巻きばねからなる球体押下用ばね１２が介在
され、さらに前記球体挿入孔９内に挿入された鋼
製球体１１は、前記球体支承用傾斜底面５に載置
されると共に前記環状溝４と球体押込用傾斜側面
６との間に介在されている。

前記下部支持部材１におけるフランジ１４の下
面に係合する内向きフランジ２４を下部に備えて
いる筒体２５の雌ねじは、前記上部支持部材本体
１９の外側の雄ねじに螺合され、かつ筒体２５に
挿通された止ねじ２６は上部支持部材本体１９に
螺合され、前記上部支持部材本体１９と、これに
取付けられた支軸２０を備えている押え部材２１
と、内向きフランジ２４を備えている筒体２５と
により上部支持部材８が構成されている。

なお前記縦軸３の下部に外れ止め金具２７が枢
着され、その外れ止め金具２７の先端部はばねの
押圧力によつてフツクの先端部に押付けられてい
る。

第１図ないし第３図は吊掛金具２を取付けた状
態を示すものであつて、各球体１１が、球体支承
筒１０の球体挿入孔９に挿通されると共に、球体
支承用傾斜底面５における低レベルの位置に載置
され、かつ球体１１が環状溝４に嵌入されると共
に球体押込用傾斜側面６に係合している。

吊掛金具２を取外す場合は、上部支持部材８を
一方の手で把持すると共に下部支持部材１を他方
の手で把持して、下部支持部材１を上部支持部材
８に対し矢印Ｅ方向に回動すると、すなわち球体
支承用傾斜底面５における高レベルの部分と球体
押込用傾斜側面６における縦軸３からの距離が大
きい部分とが球体１１に向かつて旋回移動するよ
うに、下部支持部材１を上部支持部材８に対し回
動すると、第６図および第７図に示すように、前
記球体支承用傾斜底面５により球体１１が球体押
下用ばね１２の力に抗して押上げられると共に、
その球体１１が球体支承筒１０の外面と球体押込
用傾斜側面６の上部との間に移動される。

この状態では、各球体１１が吊掛金具２におけ
る縦軸３の周面よりも外側に配置されているの
で、吊掛金具２の縦軸３を下部支持部材１から引
抜くことができる。

下部支持部材１から吊掛金具２の縦軸３を引抜
くと、球体押下用ばね１２の力によつて、球体押
下用リング１３を介して各球体１１が押下げられ
ると共に、下部支持部材１の球体支承用傾斜底面
５に対する球体押付力の水平分力により、下部支
持部材１が逆方向（矢印Ｆ方向）に自動的に回動
され、各球体１１の一部が球体挿込孔９から球体
支承筒１０の内側に突出する。

また他の吊掛金具２を取付ける場合は、吊掛金
具２の縦軸３を下部支持部材１の縦孔に下方から
挿入していくと、縦軸３の上端の截頭円錐形部分
により、各球体１１がばね１２の力に抗して斜め
外側上方に押上げられ、縦軸３の環状溝４が球体
押込用傾斜側面６に対向するレベルまで挿込まれ
ると、ばね１２の押圧力により各球体１１が前記
環状溝４に自動的に嵌合され、その球体１１によ
り縦軸３が下部支持部材１から抜出さないように
保持される。

〔発明の効果〕

この発明によれば、単に下部支持部材１を手で
把持して上部支持部材８に対し一方向に回動する
と、球状支承用傾斜面５における高レベルの部分
と球体押込用傾斜側面６における縦軸３からの距
離が大きい部分とが球体１１に向かつて旋回移動
していくので、球体支承用傾斜底面５により球体
１１が球体押下用ばね１２の力に抗して押上げら
れると共に、その球体１１が縦軸３の環状溝４か
ら外され、そのため吊掛金具２の縦軸３を下部支
持部材１から引抜くことができ、また吊掛金具２
の縦軸３を下部支持部材１の縦孔から引抜くと、
球体押下用ばね１２の力によつて、球体押下用リ
ング１３を介して各球体１１が押下げられると共
に、下部支持部材１の球体支承用傾斜底面５に対
する球体押付力の水平分力により、下部支持部材
１が逆方向に自動的に回動され、かつ各球体１１
の一部が球体挿込孔９から球体支承筒１０の内側
に突出し、次に他の吊掛金具２の縦軸３を下部支
持部材１の縦孔に下方から挿入していくと、縦軸
３の上端部により各球体１１が前記ばね１２の力
に抗して斜め外側上方に押上げられ、縦軸３の環
状溝４が球体押込用傾斜側面６に対向するレベル
まで挿込まれると、ばね１２の押圧力により各球
体１１が前記環状溝４に自動的に嵌合され、その
球体１１により縦軸３が下部支持部材１から抜出
さないように保持され、したがつて、極めて簡単
な操作を行なうことにより、吊掛金具２を容易に
かつ迅速に着脱することができる効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すものであつ
て、第１図は吊掛金具を取付けた状態を示す縦断
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３
図は昇降用条体に対し取付装置を介して吊掛金具
を取付けた状態を示す側面図、第４図は第２図の
Ｂ−Ｂ線断面図、第５図は昇降用条体の連結部を
示す拡大横断平面図である。第６図は吊掛金具を
取外すときの状態を示す縦断側面図、第７図は第
６図のＣ−Ｃ線断面図、第８図は第７図のＤ−Ｄ
線断面図である。 図において、１は下部支持部材、２は吊掛金
具、３は縦軸、４は環状溝、５は球体支承用傾斜
底面、６は球体押込用傾斜側面、７は昇降用条
体、８は上部支持部材、９は球体挿入孔、１０は
球体支承筒、１１は球体、１２は球体押下用ば
ね、１３は球体押下用リング、１６は半円形支持
金具、１７はチエーンリンク、１８は連結ピン、
２０は支軸、２３はスプリングピン、２５は筒
体、２６は止ねじである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下部支持部材１の縦孔に吊掛金具２の上部の
   縦軸３が貫通され、その縦軸３の上端部に環状溝
   ４が設けられ、前記下部支持部材１の上部の内側
   に、縦軸３の周囲に沿って上昇するように傾斜す
   る複数の球体支承用傾斜底面５が縦軸３の周囲方
   向に間隔をおいて設けられると共に、その傾斜底
   面５の外側において傾斜底面５のレベルが低くな
   るにしたがって縦軸３に接近するように傾斜する
   球体押込用傾斜側面６が設けられ、昇降用条体７
   に連結される上部支持部材８に、前記下部支持部
   材１の上部が回動自在に嵌合され、前記縦軸３の
   環状溝４に対向する球体挿込孔９を有する球体支
   承筒１０の上部が上部支持部材８に固定され、前
   記各球体挿入孔９内に挿入されている球体１１
   は、球体支承用傾斜底面５に載置されると共に環
   状溝４と球体押込用傾斜側面６との間に介在さ
   れ、球体押下用ばね１２によって押圧される球体
   押下用リング１３が各球体１１の上部に押付けら
   れていることを特徴とする吊掛金具の着脱自在な
   取付構造。