JPS6113510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、液圧ジヤツキの反復移送によりジ
ヤツキストロークよりも大きい距離の移送を行う
ことができる反復移送装置に関するものである。

従来、液圧ジヤツキによる反復移送装置として
は、実開昭55−117389号公報により公表されてい
るように、昇降シリンダにて連結された上部ブロ
ツクと下部ブロツクとを有し、その両ブロツクを
貫通する支柱の側部長手方向に適宜間隔にて突起
を設けるとともに、その突起と係合するための係
合金具を前記両ブロツクに設け、かつその係合金
具を回動させるためのシリンダを前記両ブロツク
に設けた構造のものが知られている。

しかるに、前記従来の液圧ジヤツキによる反復
移送装置の場合は、突起に係止する係合金具を着
脱する場合、その係合金具を回動させるためのシ
リンダを伸縮させて行なわなければならないの
で、昇降シリンダの他に係合金具を回動させる２
つのシリンダを必要とし、そのため構造が複雑で
コストが高くなるという問題がある。

この考案は前述の問題を有利に解決できる液圧
ジヤツキによる反復移送装置を提供することを目
的とするものである。

次にこの考案を図示の例によつて詳細に説明す
る。

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、上下方向に貫通するロツド挿通孔１を有する
チヤツクベース２の左右両端に、上部の内側に半
円筒状のロツド嵌合用溝３を有すると共に下部の
内側に半截頭円錐状のガイド用凹部を有する係止
片４の外端下部が、前後方向に延長する枢軸９に
より係止位置および開放位置に回動し得るように
枢着され、前記枢軸９に嵌設されたつる巻きばね
からなる係止用付勢部材５の端部が前記係止片４
に係合され、前記チヤツクベース２の下面には位
置決め用環状突出部１０が設けられ、かつチヤツ
クベース２の側部にはボルト挿通孔を有する取付
片１１が一体に設けられて、自動チヤツク装置が
構成されている。

センターホールジヤツキからなる垂直な液圧ジ
ヤツキ１２における２重壁シリンダ１３の上部
に、支持リング１４が嵌合係止され、その支持リ
ング１４は、支持フレーム１５に載置されてボル
トまたは溶接により固定された支承リングに嵌合
され、２重壁シリンダ１３から下方に突出してい
る中空ピストン１６の下端部には、、上面板およ
び底板に透孔を有するボツクス状の移動部材６が
固定され、かつ前記２重壁シリンダ１３の上端中
央部に、上部自動チヤツク装置１７Ａにおけるチ
ヤツクベース２が嵌合載置され、そのチヤツクベ
ース２は取付片１１に挿通したボルト１８により
２重壁シリンダ１３の上部に固定されている。ま
た前記移動部材６の底板には、下部自動チヤツク
装置１７Ｂにおけるチヤツクベース２が嵌合載置
され、そのチヤツクベース２は取付片１１に挿通
したボルト１８により移動部材６に固定されてい
る。

断面円形の銅製ロツド１９とその長手方向に一
定間隔で一体に設けられた多数の鋼製係合用膨出
部７とからなる移送用ロツド８は、前記移動部材
６，下部自動チヤツク装置１７Ｂ、液圧ジヤツキ
１２および上部自動チヤツク装置１７Ａにわたつ
て挿通され、前記移送用ロツド８は、第４図に示
すような移送用ロツドユニツト８Ａを多数螺合連
結することにより構成され、その移送用ロツドユ
ニツト８Ａは、一端部に雄ねじ２０を有すると共
に他端部に雌ねじ２１を有する断面円形のロツド
ユニツト１９Ａと、そのロツドユニツト１９Ａの
長手方向に間隔をおいて一体に設けられた断面円
形の係合用膨出部７とにより構成され、その膨出
部７の上端部には截頭円錐状のガイド面が設けら
れ、さらに前記移送用ロツド８の下端部には、被
移送物を吊下げるための吊具が螺合連結される。

第５図は中空ピストン１６が下限位置に置かれ
ている状態を示すものであつて、この状態では、
上部自動チヤツク装置１７Ａにおける各係止片４
の上端部に移送用ロツド８における係合用膨出部
７が載置され、かつ移送用ロツド８の下端部に被
移送物を吊下げると、その被移送物の重量が各係
止片４の上端部を相互に接近する方向に回動させ
る力として作用するので、被移送物の重量が係止
片４による移送ロツド把持力として利用され、上
部自動チヤツク装置１７Ａにより、被移送物を吊
下支持している移送用ロツドユニツト８が強力に
把持係止され、また下部自動チヤツク装置１７Ｂ
における各係止片４の上端部と係合用膨出部７と
の間には間隙が設けられている。

第５図に示す状態から、中空ピストン１６およ
びこれにより移動部材６を介して支持されている
下部自動チヤツク装置１７Ｂを上昇移動させてい
くと、まず下部自動チヤツク装置１７Ｂにおける
各係止片４の上端部が係合用膨出部７の下面に係
合し、次いで移動部材６，下部自動チヤツク装置
１７Ｂおよび移送用ロツド８を介して被移送物が
吊上げられていく。

この場合、上部自動チヤツク装置１７Ａにおけ
る各係止片４は、第６図および第２図に示すよう
に、上昇移動する係合用膨出部７により付勢部材
５の力に抗して開放方向に回動され、係合用膨出
部７が各係止片４の間を通過すると、直ちに付勢
部材５の力により各係止片４が第１図に示す係止
位置まで回動される。なお上部自動チヤツク装置
１７Ａから上方に突出した移送用ロツド８の余長
部分のロツドユニツトは必要に応じ取外される。

第７図に示すように、中空ピストン１６が上限
位置に達した状態では、上部自動チヤツク装置１
７Ａにおける各係止片４が係止位置に回動されて
おり、かつその係止片４の上端部と係合用膨出部
７の下面との間には間隙が設けられている。

次に前記中空ピストン１６を下降移動させてい
くと、上部自動チヤツク装置１７Ａにおける各係
止片４の上部により移送用ロツド８における係合
用膨出部７が支持されると共に、前述のように被
移送物の重量に基づく各係止片４の係止方向回動
力により移送用ロツド８におけるロツド１９が強
力に把持されて、被移送物を吊下支持している移
送用ロツド８の下降移動が防止され、次いで下部
自動チヤツク装置１７Ｂが下降移動するとき、そ
のチヤツク装置における各係止片４が、第８図お
よび第２図に示すように、係合用膨出部７により
付勢部材５の力に抗して開放方向に回動され、係
合用膨出部７が各係止片４の間を通過すると、直
ちに付勢部材５の力により各係止片４が第１図に
示す係止位置まで回動され、中空ピストン１６が
下限位置まで下降すると、第５図に示す状態にな
る。

したがつて、中空ピストン１６を反復して昇降
移動させることにより、被移送物を反復して間欠
的に上昇移動させていくことができる。

この考案を実施する場合、係止片を開放位置か
ら係止位置に回動させるための付勢部材としては
重錘を使用してもよい。

またこの考案は、地中圧入されたケーソンの方
向修正のためにケーソンをある距離だけ吊上移動
する場合および物体を牽引移送する場合にも実施
することができる。これらの場合には、液圧ジヤ
ツキ１２により移動部材６を戻り移動または下降
移動しても、移送用ロツドが直ちに戻り移動また
は下降移動することはないので、２重壁シリンダ
に取付けられている自動チヤツク装置を省略して
もよい。

さらにまた、この考案は液圧ジヤツキを横向き
または斜め向きに設置して、被移送物を横向きま
たは斜め方向に移送する場合にも実施することが
できる。

この考案によれば、ロツド挿通孔１を有するチ
ヤツクベース２に、ロツド嵌合用溝３を有する複
数の係止片４が係止位置および開放位置に回動し
得るように枢着され、各係止片４にはこれを係止
位置に向かつて回動するように動く付勢部材５が
係合されて、自動チヤツク装置が構成され、その
自動チヤツク装置のチヤツクベース２は液圧ジヤ
ツキ１２により移動される移動部材６に固定さ
れ、長手方向に間隔をおいて並ぶ多数の係合用膨
出部７を備えている移送用ロツド８は、前記チヤ
ツクベース２のロツド挿通孔１および各係止片４
の間に挿通されているので、液圧ジヤツキ１２に
より移動部材６を一方向に移動すると、自動チヤ
ツク装置に移送用ロツド８が自動的に係合されて
一方向に移送され、かつ液圧ジヤツキ１２により
移動部材６を他方向に移動すると、移送用ロツド
８の係合用膨出部７が自動チヤツク装置における
各係止片４を自動的に開放しながら自動チヤツク
装置を通過し、そのため単に液圧ジヤツキ１２の
伸縮動作を行わせることにより、被移送物を液圧
ジヤツキ１２の伸縮ストロークよりも大きい任意
の移送距離にわたつて容易に移送することがで
き、かつ被移送物の重量が自動チヤツク装置にお
ける各係止片４をロツド締付方向に回動する方向
に作用するので、被移送物の重量を利用して自動
チヤツク装置により移送用ロツド８におけるロツ
ド１９を強力に把持することができ、しかも各係
止片４に対する係合用膨出部７の係合と各係止片
４によるロツド１９の強力な把持作用とにより、
自動チヤツク装置により移送用ロツド８を著しく
強力に支持して、被移送物を確実に移送すること
ができ、またチヤツクベース２に、ロツド嵌合用
溝３を有する複数の係止片４が係止位置および開
放位置に回動し得るように枢着され、各係止片４
にはこれを係止位置に向かつて回動するように働
く付勢部材５が係合されて、自動チヤツク装置が
構成され、その自動チヤツク装置のチヤツクベー
ス２は液圧ジヤツキにより移動される移動部材６
に固定されているので、液圧ジヤツキを１台使用
するだけでよく、構造が簡単でコストが安いとい
う効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すものであつ
て、第１図は自動チヤツク装置に移送用ロツドが
係止された状態を示す側面図、第２図は移送用ロ
ツドにより自動チヤツク装置が開放された状態を
示す縦断側面図、第３図は自動チヤツク装置の平
面図、第４図は移動用ロツドユニツトの一部縦断
面図、第５図ないし第８図は移送動作順序を示す
縦断側面図である。 図において、１はロツド挿通孔、２はチヤツク
ベース、３はロツド嵌合用溝、４は係止片、５は
付勢部材、６は移動部材、７は係合用膨出部、８
は移送用ロツド、９は枢軸、１０は位置決め用環
状突出部、１２は液圧ジヤツキ、１３は２重壁シ
リンダ、１５は支持フレーム、１６は中空ピスト
ン、１７Ａは上部自動チヤツク装置、１７Ｂは下
部自動チヤツク装置、１９は鋼製ロツドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロツド挿通孔１を有するチヤツクベース２に、
   ロツド嵌合用溝３を有する複数の係止片４が係止
   位置および開放位置に回動し得るように枢着さ
   れ、各係止片４にはこれを係止位置に向かつて回
   動するように動く付勢部材５が係合されて、自動
   チヤツク装置が構成され、その自動チヤツク装置
   のチヤツクベース２は液圧ジヤツキにより移動さ
   れる移動部材６により固定され、長手方向に間隔
   をおいて並ぶ多数の係合用膨出部７を備えている
   移送用ロツド８は、前記チヤツクベース２のロツ
   ド挿通孔１および各係止片４の間に挿通されてい
   ることを特徴とする液圧ジヤツキによる反復移送
   装置。