JPH035798B2 - - Google Patents

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JPH035798B2
JPH035798B2 JP60144562A JP14456285A JPH035798B2 JP H035798 B2 JPH035798 B2 JP H035798B2 JP 60144562 A JP60144562 A JP 60144562A JP 14456285 A JP14456285 A JP 14456285A JP H035798 B2 JPH035798 B2 JP H035798B2
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JP
Japan
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plasmid
dna
ecor
gene
fragment
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JP60144562A
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JPS626685A (ja
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Fumio Hishinuma
Rei Nishizawa
Kunio Kitada
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Publication of JPH035798B2 publication Critical patent/JPH035798B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はプラスミドに関するものである。特に
分泌ベクターとして有用なプラスミドに関するも
のである。
(発明の構成) 酵母は、細胞の構造や機能が高等生物の特徴を
備え、また、食品、医薬品、飼料等の原料とし
て、人間の日常生活と深い係わり合いを持つ有用
な微生物であり、遺伝子工学に於ける宿主として
の開発が期待されている。
しかし、酵母の細胞表層は、細胞膜の外側に強
固な細胞壁を有するため、遺伝子組換え技術によ
つて生産された有用物質(異種蛋白質)の精製が
困難な場合が多く、精製を簡略化するために、生
産物を菌体外に分泌させる系の開発が望まれてい
る。また、分泌生産は連続培養が可能となり、大
幅な生産量の増加が期待され、更に菌体内プロテ
アーゼによる生産物の分解が防止される等そのメ
リツトは大きい。
従来酵母サツカロマイセス・セレビシエのα因
子の遺伝子が検討され、その配列が解明されてい
る[Cell、30巻、933−943頁(1982)]。本発明者
等は、酵母を宿主とする遺伝子組換え技術におい
て、菌体内で生産された有用物質を効率よく分泌
させることのできるプラスミドベクターを得るこ
とを目的として検討中のところ、サツカロマイセ
ス・イタリカスα因子遺伝子配列を解明し、この
知見に基づいて更に検討の結果、イタリカスα因
子遺伝子のプロモーター及びリーダー配列を所望
の蛋白質をコードする外来遺伝子(構造遺伝子)
の上流に連結したプラスミドをを調製して適当な
宿主中で発現させた場合、目的とする蛋白質を効
果的に分泌させることができることを見出し本発
明を達成した。即ち、本発明の要旨は、構造遺伝
子の上流にサツカロマイセス・イタリカスα因子
遺伝子のプロモーター配列及びリーダー領域をコ
ードする配列を連結し、構造遺伝子の下流にサツ
カロマイセス・セレビシエα因子遺伝子のターミ
ネーター配列を連結し、かつプラスミドpBR322
のアンピシリン耐性遺伝子及び複製開始点を含む
領域、2μmプラスミドの複製開始点を含む領域並
びにサツカロマイセス・セレビシエのトリプトフ
アン合成酵素遺伝子を含む領域を含有してなるプ
ラスミドに存する。
本発明を詳細に説明するに、本発明に於けるα
因子遺伝子は、酵母サツカロマイセス・イタリカ
ス株(Saccharomyces italicus、IF0 0253)由
来のものであり、サツカロマイセス・イタリカス
の染色体遺伝子から単離することができる。
本発明者等は、サツカロマイセス・イタリカス
のα因子遺伝子配列を解明した結果、サツカロマ
イセス・イタリカスのα因子遺伝子と、前記文献
記載のサツカロマイセス・セレビシエα因子遺伝
子配列とは、セレビシエでは、63塩基対からなる
スペーサーと成熟α因子の単位が4回の繰り返し
からなるのに対して、イタリカスでは、同じ単位
が5回の繰り返しからなる点において相違するこ
とが判明した。
更に、両者は塩基配列において3塩基対の相違
があることが判明した。即ち、前記Cell、30巻、
937頁に記載されているセレビシエのα因子遺伝
子配列では、セレビシエの翻訳領域の上流−47番
目の塩基はAであるのに対し、これに対応するイ
タリカスの翻訳領域の上流−47番目の塩基はGで
あり、またセレビシエの翻訳領域中の+125番目
の塩基はCであるのに対し、これに対応するイタ
リカスの翻訳領域中の+125番目の塩基はTであ
り、更にセレビシエの翻訳終止コドンTAAの下
流7番目(+505番目)の塩基はCであるのに対
し、これに対応するイタリカスの+568番目の塩
基はTである。
更に、適当なプラスミド・ベクター上におい
て、サツカロマイセス・イタリカスα因子遺伝子
の主要部を占める、プロモーター配列及びリーダ
ー配列の後に、所望の蛋白質をコードする外来遺
伝子を挿入して宿主中で発現させた場合、目的と
する蛋白質を効率よく分泌させることができるこ
とが判明した。
以下に、サツカロマイセス・イタリカスのα因
子遺伝子の単離、及びヒトのβ−エンドルフイン
遺伝子(以下βE DNAという)をマーカーとし
て使用し、このα因子遺伝子のプロモーター配列
及びリーダー領域をコードする配列をβE DNA
の上流に連結し、βE DNAの下流にセレビシエ
α因子遺伝子のターミネーター配列を連結し、か
つpBR322のアンピシリン耐性遺伝子(Apr)及
び複製開始点(ori)を含む領域、2μmの複製開
始点を含む領域並びにセレビシエのトリプトフア
ン合成酵素遺伝子(TRP1)を含む領域を含ん
だ、本発明の複合プラスミドの調製法と有用性に
ついて詳細に説明する。
[α因子を含む遺伝子の単離] プラスミドpLS11(4.4kb)の調製 詳細は後記実施例に記載するが、サツカロマイ
セス・イタリカスの染色体遺伝子をEcoRで切
断し、2kb前後のDNA断片をプラスミドpUC13
(Pharmacia社カタログ、P−LBiochemicals、
27頁、27−4973記載)のEcoR部位に挿入して、
大腸菌を形質転換し、挿入DNAを含む白色のコ
ロニーを集め、サツカロマイセス・セレビシエの
α因子遺伝子MFα1及びMFα2と相同な下記の16
塩基のヌクレオチド 5GGCCAACCAATGTACT3 (α因子のC末端側の−Gly−Gln−Pro−Met
−Tyrに相当する) をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーシヨ
ンを行ない、陽性のコロニーを選択する。次い
で、プラスミドDNAを分離し、サツカロマイセ
ス・イタリカスのα因子遺伝子を含むプラスミド
pLS11(4.4kb)を選択採取する。
このプラスミドをEcoRで切断することによ
り、α因子を含む遺伝子(1.7kb)が得られる
(第1図参照)。
[分泌ベクターの構築] (1)サツカロマイセス・セレビシエのα因子遺伝子
を含むプラスミドpLSOl(4.4kb)の調製 酵母サツカロマイセス・セレビシエの染色体遺
伝子をEcoRで切断し、2kb前後のDNA断片を
プラスミドpUC13(Pharmacia社カタログ、P−
L Biochemicals、27頁、27−4973記載)の
EcoR部位に挿入して、大腸菌を形質転換し、
挿入DNAを含む白色のコロニーを集め、上記酵
母のα因子遺伝子MFα1及びMFα2と相同な下記
の16塩基のヌクレオチド 5GGCCAACCAATGTTACT3 (α因子のC末端側の−Gly−Gln−Pro−Met
−Tyrに相当する) をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーシ
ヨンを行ない、陽性のコロニーを選択する。
次いでプラスミドDNAを分離して、サツカロ
マイセス・セレビシエのα因子遺伝子を含むプラ
スミドpLSO1(4.4kb)を選択採取する。
(2) プラスミドpREl032(5.8kb)の調製 プラスミドYRp7[5.7kb、酵母のTRP1を含む
DNA断片とpBR322を結合したプラスミド、
Nature、282巻、39〜43頁(1979)記載]を
EcoRで部分切断し粘着末端を充填した後、連
結してYRp7の一方のEcoRサイトが除去され
たpREl032(5.8kb)を調製する。
(3) プラスミドpUC8−βE(2.9kb)の調製 プラスミドpYT3−24[特開昭58−92696号公
報、2頁記載、βEDNAを含む]をHaeで切断
して、βEDNA(93bp)を含む160bpのHae〜
Hae断片を採取する。
一方、フアージM13mp7(Nucleic Acids
Research9巻309〜321頁記載)のRF DNA
(二本鎖DNA)をHincで切断し、エタノール
に溶解するHinc〜Hinc断片5
GACCTGCAGGTC3を除いたHinc部位に、
上記βEDNAを含む160bpのDNA断片を連結し大
腸菌を形質転換する。形質転換株からRF
DNAを調製し、これをBamHで切断して得ら
れた172bpのBamH〜BamH断片を、プラス
ミドpUC8[Bethesda Research Laboratories,
lnc.発行のBRLカタログ(August 1,1983)、
Cat/No.5359SA記載]のBamHサイトに挿入
してpUC8−βE(2.9kb)を得る。
(4) プラスミド pREl046)(7.4kb)の調製 pLSO1(4.4kb)の、プロモーター及びリーダ
ー配列を含むEcoR〜Hind(1.4kb)とpUC8
−βE(2.9kb)のHind〜EcoR断片(0.2kb、
βE DNAを含む)とを、pREl032(5.8kb)の
EcoR切断部位に連結してpREl046(7.4kb)を
得る。(第2図参照) (5) プラスミドpREl052(5.2kb)の調製 pREl032(5.8kb)のTRP1を含むEcoR〜Pst
断片(0.8kb)と、2μmプラスミドの複製開始
点を含むPst〜EcoR断片(2kb)と、
pBR322のPvu〜EcoR断片(2.3kb)とを、
連結してpREl051(5.1kb)を作製した後EcoR
で部分切断し、粘着末端を充填後連結して、
pREl051の一方のEcoR切断部位を欠いた
pREl052(5.2kb)を得る。(第3図参照) (6) プラスミドpREl059(6.8kb)の調製 前記(4)で得たpREl046のプロモーター配列、 リーダー配列及びβE DNA配列を含むEcoR
〜Sma断片(1.6kb)と、pLS01(4.4kb)の、
ターミネーター配列を含むHinc〜EcoR断片
(0.3kb)とを採取する。
一方、pREl052(5.2kb)をEcoRで切断し、
次いでバクテリアルカリンフオスフアターゼ
(Bacterial alkaline phosphatase,BAP)を加
えて末端のリン酸基を外した後、これを、上記二
つのDNA断片と連結してプラスミドpREl059
(6.8kb)を得る。(第4図参照) (7) プラスミドpREl086(6.8kb)の調製 pREl059をEcoR及びAatで切断して得ら
れるEcoR〜Aat断片、pREl059をHind及
びAatで切断して得られるHind〜Aat断片
並びに、pLS011をEcoR及びHindで切断し
て得られるEcoR〜Hind断片の3種のDNA
断片を連結してβE DNAの上流にイタリカスα
因子遺伝子のプロモーター配列及びリーダー領域
をコードする配列が連結され、βE DNAの下流
にセレビシエα因子遺伝子のターミネーター配列
が連結され、かつプラスミドpBR322のApr及び
ori、2μmプラスミドの複製開始点並びにセレビ
シエのTRP1を含むプラスミドpREl086(6.8kb)
を得る。(第5図参照) (発明の効果) プラスミドpREl086は、βE DNA配列を、第
1図に示す本発明のサツカロマイセス・イタリカ
スα因子遺伝子のプロモーター配列及びリーダー
配列(1.1kb)の後に挿入したものである。この
プラスミドを、例えば、酵母サツカロマイセス・
セレビシエYNN27株に導入し、形質転換株を培
養すると、後記実施例に示すように、高い効率で
β−エンドルフインを培養液中に分泌させること
ができる。
(実施例) 以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説
明する。
なお、以下の実施例における操作は、特に記載
する場合を除き、次の〜の方法によつた。
[制限酵素によるDNAの切断と回収] 制限酵素による切断用緩衝液は、下記4種類を
用い(1)〜(3)の使い分けは、Advanced Bacterial
Genetics(1981)(Cold spring Harbor,New
York)に従つた。また切断条件は、2単位/
μgDNAの制限酵素を用い、37℃または65℃、30
分間処理する。
次いで、TE緩衝液(10mMのトリス塩酸PH8.0
及び1mMのEDTAからなる)で飽和したフエノ
ールで1回抽出し、エーテルでフエノールを除
き、2倍容のエタノールを加えて−20℃で30分間
放置した後、遠心分離してDNAを回収する。
(1) 低塩濃度緩衝液 10mMのトリス塩酸(PH7.4),10mMの硫酸マ
グネシウム及び1mMのジチオスレイトールから
なる。
(2) 中塩濃度緩衝液 50mMのNaCl、10mMのトリス塩酸(PH7.4)
10mMの硫酸マグネシウム及び1mMのジチオス
レイトールからなる。
(3) 高塩濃度緩衝液 100mMのNaCl、50mMのトリス塩酸(PH7.4)
及び10mMの硫酸マグネシウムからなる。
(4) 制限酵素Sma用緩衝液 20mMのKCl、10mMのトリス塩酸(PH8.0),
10mMの硫酸マグネシウム及び1mMのジチオス
レイトールからなる。
[大腸菌(E.coli)HB101からのプラスミド
DNAの調製] ミニ調製法(mini prep法)Nucleic Acids
Res.7巻、1513〜1523頁(1979)] 大腸菌HB101をを宿主とし、0.5mlのL−ブロ
ス(10gのペプトン、5gのイースト・エキス、
1gのグルコース、5gのNaCl/1からなるPH
7.2)を用いて一夜間培養し、遠心分離して集菌
した菌体を、100μlの溶液A(50mMのグルコー
ス、10mMのEDTA、25mMのトリス塩酸(PH
8.0)及びリゾチーム2mg/mlからなる)に懸濁
し室温で30分間放置する。
次いで氷水中で200μlの溶液B[1%のSDS(ド
デシル硫酸ナトリウム)を含む0.2NのNaOH]
を加えて振盪してし、同時にDNAの変性を行う。
150μlの3M酢酸ソーダ溶液を加え氷冷後、遠心分
離し、上清に冷エタノールを加え、−20℃に冷却
して遠心分離し、沈澱を集める。
沈澱を、溶液C(50mMのトリス塩酸及び0.1M
の酢酸ソーダからなる)に溶解し、不溶物を除去
後、冷エタノールを加え、沈澱するDNAを洗浄
し、減圧下乾燥し−20℃で保存する。
(2) 大量調製法 200mlのL−ブロス(薬剤耐性プラスミドの場
合は薬剤を含む)に大腸菌HB101を植菌し、一
夜間培養し、集菌後、15mlのSTES緩衝液[TES
緩衝液(10mMのトリス塩酸(PH7.4),1mMの
EDTA及び50mMのNaClからなる)に25%のサ
ツカロースを添加したもの]に懸濁し、EDTA、
リゾチーム及びリボヌクレアーゼA(シグマ社製)
を夫々30mM、600μg/ml及び50μg/ml加え、
更に氷水中でプロナーゼEを500μg/ml添加す
る。次いで、SDSを1%となるように加え、37℃
で振盪し、氷水中に戻し、NaClを終濃度1Mとな
るように添加した後、遠心分離し、上清に、2倍
容の冷エタノールを加え、−20℃に保持し遠心分
離してDNAを沈澱として回収し、減圧下乾燥し、
−20℃で保存する。
[T4 DNAリガーゼによる連結] 連結する2個のDNA断片は、1μg/10μlにな
るように、連結用緩衝液[66mMのトリス塩酸
(PH7.5)、6.6mMの塩化マグネシウム、10mMの
ジチオスレイトールからなる]に溶解し65℃で10
分間処理した後、4℃で66μMのATP(アデノシ
ントリフオスフエート)を加え、更にT4リガー
ゼを粘着末端の場合は0.1単位/μgDNA、また
平滑末端の場合は1単位/μgDNAになるよう
に加えて4℃で18時間反応させた後、65℃で10分
間処理する。
[大腸菌の形質転換(Advanced Bacterial
Genetics(1981)(Cold Spring Havor New
York)] 5mlのL−ブロスに、大腸菌HB101を植菌し、
一夜間培養する。この0.2mlを20mlのL−ブロス
に植え、37℃でクレツトユニツトが60に達するま
で振盪培養する。菌体を集め氷冷した50mMの塩
化カルシウムと10mMのトリス塩酸(PH8.0)と
からなる緩衝液10mlに懸濁し、30分間氷冷する。
遠心分離した菌体を1mlの塩化カルシウム溶液に
懸濁し、この0.1mlを10μlのDNA溶液と混合し0
℃で30分間、42℃で2分間インキユベートした
後、1.5mlのL−ブロスを加え37℃で30分間培養
し、この0.1mlを寒天培地に植える。
[SlヌクレアーゼによるDNA粘着末端の除
去] 粘着末端を持つDNAを、200μlの高塩濃度緩衝
液[30mMの酢酸ソーダ(PH4.25)、0.3MのNaCl
及び4mMの硫酸亜鉛からなる]に溶解し、Slヌ
クレアーゼを20単位/μgDNA加え、22℃で40
分間処理し、TE緩衝液で飽和したフエノールで
抽出処理した後、エーテルでフエノールを除き、
冷エタノールを加え、−20℃に冷却し、遠心分離
により、沈澱したDNAを回収する。
[Bam HIリンカーのリン酸化] Bam Hリカー(B.R.L社製) 5CCGGATCCGG3 GGCCTAGGCC は、末端にリン酸基が付いていないので、T4キ
ナーゼでリン酸化を行なつた。
3n molのBamHリンカーを、41μlの80mM
トリス塩酸(PH7.5)及び12mMの塩化マグネシ
ウムに溶解し、60℃で10分間インキユベートした
後、37℃で10mMの2−メルカプトエタノール
と、20mMのATPを加え、更に10単位のT4キナ
ーゼを添加して37℃で30分間処理した後、−20℃
で保存する。
[BamHリンカーの平滑末端への連結] 平滑末端のDNA断片(1.2pmol末端)と上記
でリン酸化したBamHリンカー(100p mol
末端)を連結用緩衝液[66mMのトリス塩酸(PH
7.5),6.6mMの塩化マグネシウム、10mMのジチ
オスレイトールからなる]に溶解し、1単位の
T4リガーゼを加え4℃で18時間反応後、BamH
で処理して余分のBamHリンカーを除き、
TE緩衝液で飽和したフエノールでDNAを抽出
し、エーテルでフエノールを除去後エタノール沈
殿でDNAを回収する。
[プラスミド DNAのバクテリアルアルカリ
ンフオスフアターゼ(BAP)処理] プラスミドDNAの自己連結を阻止するため、
プラスミドDNAの制限酵素部位とDNA断片との
連結に先だつて、プラスミドDNAを予めBAPで
処理する。
制限酵素で切断したプラスミドDNA(10p
mol5末端)を200μlのBAP緩衝液[10mMのトリ
ス塩酸(PH8.0)及び0.1mMのEDTAからなる]
に溶解し、100単位のBAPを加え、65℃で1時間
反応後、TE緩衝液で飽和したフエノールで抽出
処理し、エーテルでフエノールを除去し、エタノ
ール沈澱によりプラスミドDNAを回収する。
実施例 (1) プラスミドpLSOl(4.4kb)の調製 サツカロマイセス・セレビシエlF0 1136の染色
体遺伝子500μgを500μlの緩衝液[100mMのトリ
ス塩酸(PH7.5)、50mMのNaCl、10mMの塩化マ
グネシウム及び1mMのジチオスレイトールから
なる]中で15単位のEcoRで37℃、1夜間処理
して切断した後濃縮し、蔗糖密度勾配遠心にか
け、2kb前後のDNA断片を集めた。これをプラ
スミドpUC13をEcoRを用いて切断した断片1μ
gとT4リガーゼ2単位を用いて連結し、得られ
たプラスミドで大腸菌JM83株を形質転換し、ア
ンピシリン耐性株を選択した。
合成オリゴヌクレオチド 5GGCCAACCAATGTACT3 をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーシヨ
ンを行ない、陽性のコロニーを選択し、プラスミ
ドDNAを分離し、制限酵素による解析と塩基配
列の決定により、Cell、30巻、937頁(1982)の
記載と一致する塩基配列を有するサツカロマイセ
ス・セレビシエのα因子遺伝子を含むプラスミド
pLS01(4.4kb)を選択採取した。
(2) プラスミドpREl032(5.8kb)の調製 プラスミドYRp7(5.7kb)をEcoRで部分切
断し、粘着末端を充填した後、T4リガーゼで連
結してYRp7の一方のEcoRサイトが除去され
たpREl032(5.8kb)を調製した。
(3) プラスミドpUC8−βE(2.9kb)の調製 プラスミドpYT3−24をHaeで切断して、
βEDNA(93bp)を含む160bpのHae〜Hae断
片を採取した。
一方、フアージM13mp7のRFDNAをHinc
で切断し、エタノールを添加してエタノールに
溶解する断片5GACCTGCAGGTC3(Hinc
〜Hinc)を除去した後、Hinc部位に、上
記βE DNAを含む160bpのHae〜Hae断片を
T4リガーゼで連結し、これを大腸菌HB101株に
導入した。得られた形質転換株からDNAを調製
し、これをBamHで切断し、得られたBamH
〜Bam H断片を、プラスミドpUC8の
BamHサイトに挿入してpUC8−βE(2.9kb)を
得た。
(4) プラスミドpREl046(7.4kb)の調製 (イ) pLS01(4.4kb)をEcoR及びHindで切断
してプロモーター配列及びリーダー配列を含む
EcoR−Hind断片(1.4kb)を得た。
(ロ) pUC−βE(2.9kb)をHind及びEcoRで
切断してHind〜EcoR断片(0.2kb)を得
た。
(ハ) pREl032(5.8kb)をEcoRで切断し、これ
を上記(イ)及び(ロ)で得たDNA断片とT4リガーゼ
を用いて連結してpREl046(7.4kb)を得た。
(5) プラスミドpREl052(5.2kb)の調製 (イ) pREl032(5.8kb)をEcoR及びPstで切断
してTRPlを含むEcoR〜Pst断片(0.8kb)
を得た。
(ロ) 2μmプラスミドをEcoRで切断し、その粘
着末端を充填して平滑末端とした後、Pstで
切断して複製開始点を含むPst〜EcoR断片
(2kb)を得た。
(ハ) 上記(イ)及び(ロ)で得たDNA断片を、pBR322
をEcoR及びPvuで切断したPvu〜EcoR
断片(2.3kb)と共にT4リガーゼにより連結
してpREl051(5.1kb)を作製しEcoRで部分
切断した後、粘着末端を充填して平滑末端とし
てT4リガーゼで連結し、一方のEcoR切断部
位を欠失したpREl052(5.2kb)を得た。
(6) プラスミドpREl059(6.8kb)の調製 (イ) pREl046(7.4kb)をEcoR及びSmaで切
断し、得られたプロモーター配列、リーダー配
列及びβE DNA配列を含むEcoR〜Sma断
片(1.6kb)を採取した。
(ロ) pLSOl(4.4kb)をHinc及びEcoRで切断
しターミネーター配列を含むHinc〜EcoR
断片(0.3kb)を採取した。
(ハ) pREl052(5.2kb)をEcoRで切断し、BAP
を加えて末端のリン酸基を外した後、上記(イ)及
び(ロ)で得たDNA断片とT4リガーゼを用いて連
結してプラスミドpREl059(6.8kb)を得た。
(7) プラスミドpLS11(4.4kb)の調製 サツカロミセス・イタリカスlFO 0253の染色
体遺伝子500μgを、500μlの緩衝液[100mMのト
リス塩酸(PH7.5)、50mMのNaCl、10mMの塩化
マグネシウム及び1mMのジチオスレイトールか
らなる]中で15単位EcoRで37℃、1夜間処理
して切断した後濃縮し、蔗糖密度勾配遠心にか
け、2kb前後のDNA断片を集めた。これをプラ
スミドpUC13をEcoRを用いて切断した断片1μ
gとT4リガーゼ2単位を用いて連結し、得られ
たプラスミドで大腸菌JM83株を形質転換し、ア
ンピシリン耐性株を選択した。
合成オリゴヌクレオチド 5GGCCAACCAATGTACT3 をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーシヨ
ンを行ない、陽性のコロニーを選択し、プラスミ
ドDNAを分離した。このプラスミドDNAは、制
限酵素による解析と塩基配列の決定により、
Cell、30巻、937頁(1982)に記載されている、
サツカロマイセス・セレビシエのα因子遺伝子と
異なり、63塩基対からなるスペーサーと成熟α因
子の単立が5回繰り返しており、また、サツカロ
マイセス・セレビシエのα因子遺伝子とは、2塩
基対の違いがある、サツカロミセス・イタリカス
のα因子遺伝子を含むプラスミドpLS11(4.4kb)
を選択採取した。
(8) プラスミドpREl086(6.8kb)の調製 pREl059をEcoR及びAat切断してEcoR
〜Aat断片(5.0kb)を得た。また、pREl059
をHind及びAatで切断してHind〜Aat
断片(0.6kb)を得た。更に、pLS11をEcoR及
びHindで切断してEcoR〜Hind断片
(1.2kb)を得た。これら3種のDNA断片をT4リ
ガーゼで連結してプラスミドpREl086(6.8kb)を
得た。
(9)プラスミドpREl086による酵母サツカロマイセ
ス・セレビシエVNN27株の形質転換 サツカロミセス・セレビシエYNN27株を、
YPD培地(1%の酵母エキス、2%のペプトン
及び2%のグルコースからなる)で一夜間培養し
た培養液0.5mlを20mlのYPD培地に植え、30℃で
クレツトユニツト60まで振盪培養する。この10ml
を遠心分離して得た菌体を10mlのTE緩衝液で洗
浄し、1mlのTE緩衝液に懸濁する。この0.5mlに
0.5mlの0.2M酢酸リチウム、10mMのトリス塩酸
(PH7.5)及び1mMのEDTAを加え、30℃で1時
間保持した後、氷水中で冷却する。
得られた菌体懸濁液100μlに10μgのpREl086を
含むTE緩衝液10μlを加え0℃で30分間保持した
後、200μlの70%ポリエチレングリコール4000溶
液を加え、30℃で1時間、次いで42℃で5分間保
持した後、集菌し、0.5mlの水で洗浄後0.3mlの水
に懸濁し、プレート1枚に0.1ml植える。
(10) β−エンドルフインの分泌量 上記(9)で得たプラスミドpREl086を含むサツカ
ロミセス・セレビシエYNN27株を2日間培養し
た後、遠心分離し、上清について、β−エンドル
フイン[RlA]キツトNew England Nuclear
社、カタログ番号NEK−003)を使用し、カタロ
グ記載の方法に従つてラジオイムノアツセイを行
なつた結果、上清中のβ−エンドルフイン量は
241.0ng/mlであつた。
なお前記のプラスミドpREl059により、同様に
サツカロマイセス・セレビシエYNN27株を形質
転換し、培養後、遠心分離した上清について、上
記と同一方法により測定したβ−エンドルフイン
量は、233.7ng/mlであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、サツカロマイセス・ウバルムα因子
遺伝子の配列を示す模式図、第2〜第5図は本発
明における複合プラスミドの構成ルートを示す模
式図であつて、図中、EはEcoRを、HはHind
を、SはSalを、PはPstを、BはBamH
を、PvはPvuを、SmはSma を、Hcは
Hincを、XはXbaを、AはAatを夫々示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 構造遺伝子の上流にサツカロマイセス・イタ
    リカスα因子遺伝子のプロモーター配列及びリー
    ダー領域をコードする配列を連結し、構造遺伝子
    の下流にサツカロマイセス・セレビシエα因子遺
    伝子のターミネーター配列を連結し、かつプラス
    ミドpBR322のアンピシリン耐性遺伝子及び複製
    開始点を含む領域、2μmプラスミドの複製開始点
    を含む領域並びにサツカロマイセス・セレビシエ
    のトリプトフアン合成酵素遺伝子を含む領域を含
    有してなるプラスミド。
JP60144562A 1985-07-03 1985-07-03 プラスミド Granted JPS626685A (ja)

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