JPH0357414B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は気体と液体が共に流れる配管系あるい
はこの配管系の流体使用機器に取り付けて気体だ
けの流量を測定する流量測定装置に関する。具体
的には、蒸気配管系や空気配管系のトラツプ等の
一次側に取り付け、このトラツプから漏洩する蒸
気や空気の流量の測定、流体使用機器の一次側に
取り付けて、この機器の使用する蒸気量の測定、
等に使用する。

従来の技術 スチームトラツプの一次側に取り付けてスチー
ムトラツプの蒸気漏洩量を測定する装置として、
特開昭58−206927号公報に開示されたものがあ
る。この従来技術の構造の概要を説明する。

入口と出口及び両口より下向きに液体を溜める
様にした室を形成する容器を設ける。室の中央上
部から下向きに垂下して隔壁を設ける。出口に対
応する位置より上と下に気体を入口から出口に流
す様に固定の第１オリフイスと第２オリフイスを
隔壁に設ける。液体の流量が最大であつても隔壁
前後の水位差がほぼ同じに維持される程度の通過
面積で隔壁の下端に液体通過用の開口を設ける。
出口に電極棒を取り付ける。第２オリフイスから
流出する気泡数を電極棒で検出して蒸気流量を計
算する。

この測定装置はスチームトラツプの一次側に接
続する。スチームトラツプが蒸気漏洩を起こす場
合、蒸気は液体用の開口が水封されているので、
第１オリフイスを通り入口から出口に流れる。こ
の時第１オリフイスの絞り作用で入口側と出口側
では圧力差を生ずる。入口側は出口側より高圧
で、入口側の室の水位は出口側の室の水位に比べ
て下がる。蒸気は第２オリフイスから気泡となつ
て出口に流出する。この気泡数を電極棒で検出
し、気泡数から蒸気流量を計算し、第１オリフイ
スを通過する蒸気流量との合計でスチームトラツ
プの蒸気漏洩量を測定する。

このものでは、スチームトラツプの蒸気漏洩量
だけを正確に測定することができない問題があ
る。すなわち、第１オリフイスと第２オリフイス
を通過する蒸気流量は、トラツプの蒸気漏洩量だ
けでなく、この測定装置とスチームトラツプとの
間の放熱量が含まれているからである。第２オリ
フイスからの蒸気流量だけを測定しても、第１オ
リフイスの径が小さければ、放熱量の一部が第２
オリフイスを通過し、第１オリフイスの径が大き
ければ、蒸気漏洩量の一部が第１オリフイスを通
過することになり、蒸気漏洩量だけを正確に測定
することはできない。

本発明の技術的課題は、第２オリフイスからの
蒸気流量を測定して、トラツプの蒸気漏洩量だけ
を正確に測定することである。

問題点を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本発
明の技術的手段は、入口と出口が上部に開口しか
つ出口より下に伸びた液体を溜める室を形成する
容器、室を入口に連通する入口室と出口に連通す
る出口室に分ける隔壁であつて出口の開口位置よ
り下に伸びたもの、出口の開口位置より上で入口
室と出口室を連通し出口側での放熱量分の気体を
流す様に調節可能に設けた第１オリフイス、出口
の開口位置より下で入口室と出口室を連通し気体
を流す様に設けた第２オリフイス、液体の流量が
最大値まで増えても入口室と出口室の水位を略同
じに維持する様に通過面積を大きく設けた液体通
過用の開口であつて第２オリフイスより下に設け
たもの、出口室に取り付けた電極棒、及び第２オ
リフイスからの気泡数と第２オリフイスの気体通
過流量の相関関係を利用して電極棒で検出した第
２オリフイスからの気泡数から気体の流量を計算
し表示する手段を設けた、ものである。

上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

スチームトラツプの型式と蒸気使用圧力からト
ラツプとの間での放熱量を予め求めておき、放熱
量分の蒸気を流すように第１オリフイスの蒸気通
過流量を調節する。トラツプが蒸気漏洩を起こす
時、従来技術と同じく容器の入口室の水位は低下
する。測定装置とトラツプの間での放熱量分は第
１オリフイスから流出し、蒸気漏洩量分のみが第
２オリフイスから気泡となつて流出する。従つ
て、第２オリフイスから流出する気泡数を電極棒
で検出することにより、スチームトラツプの蒸気
漏洩量だけを正確に測定することができる。

特有の効果 本発明は下記の特有の効果を生じる。

第２オリフイスからはスチームトラツプの蒸気
漏洩量分だけが通過するので、蒸気の通過の有無
でスチームトラツプの良否判定を正確に行なうこ
とができる。

第２オリフイスを通過する蒸気漏洩量と第１オ
リフイスを通過する放熱量を合せることにより、
測定装置の二次側に於ける蒸気消費量を測定する
ことができる。

従来技術のように第１オリフイスが固定のもの
に於いて、放熱量分だけを流すようにすると、ス
チームトラツプの型式や蒸気使用圧力に応じて、
多数のオリフイス径の異なる測定装置が必要とな
る。

本発明では、第１オリフイスを調節可能にして
いるので、単一の測定装置であらゆる測定場所に
用いることができる。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明
する。（第１図参照） 測定容器１の上部に同一軸上に入口２と出口３
を形成し、その下方に液体を溜める測定室４を形
成する。測定室４内には天井から下方に向かつて
隔壁５を形成して、測定室４を入口２の開口する
入口室６と出口３の開口する出口室７に分ける。

隔壁５の出口３の開口位置よりも上部と下部に
ほぼ直角に出口３側に曲がつた部分を形成して第
１オリフイス８と第２オリフイス９を設ける。隔
壁８の下端と測定容器１の底壁との間には液体通
過用の開口１０を設ける。入口室６と出口室７は
第１オリフイス８と第２オリフイス９および開口
１０を通して連通する。開口１０は液体の流量が
最大値まで増えても入口室６と出口室７の水位を
ほぼ同じに維持する様に大きな通過面積に形成す
る。

測定容器１の天井に第１オリフイス８の流体通
過面積を調節する調節弁１１を取り付ける。調節
弁１１の外表面には目盛が刻まれており、出口３
とスチームトラツプ（図示せず）との間での放熱
量に応じた蒸気を通過させるようにハンドル１２
を操作する。

測定容器１の天井から先端のみを導通部材とし
た電極棒１３を第２オリフイス９に向かつて略垂
直に取り付ける。電極棒１３は、第２オリフイス
９より流出する気泡数を検出する様に設ける。電
極棒１３と測定容器１に第２オリフイス９からの
気泡数とオリフイス９の蒸気通過量の相関関係を
予め記憶し、電極棒１０で検出した気泡数から気
体の通過量を計算する手段１４、例えば、マイク
ロコンピユータを電線１５，１６で結ぶ。この手
段１４は本体１と電極棒１０の間を通電し、オリ
フイスからの気泡の通過に応じて電気抵抗が変化
することにより、オリフイスからの気泡数を電気
抵抗の変化で検出する。

本実施例の装置を蒸気供給側とスチームトラツ
プの間に配置する。トラツプが蒸気漏洩を起こす
時、第１図に示すように、入口室６の水位は第２
オリフイス９以下に低下し、オリフイス９から蒸
気漏洩量分だけが気泡となつて流出し電極棒１３
に触れる。手段１４は電極棒１０と本体１の間の
電気抵抗が、この気泡の通過によつて変化するこ
とを利用し、気泡数から流量を計算し表示する。

上記の実施例に於いては、手動で調節弁１１を
操作するようにしたが、自動調節弁を取り付け
て、手段１４にトラツプの型式と蒸気使用圧力を
入力することにより、自動で調節するようにして
もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の流量測定装置の断
面図である。 １…測定容器、２…入口、３…出口、４…測定
室、５…隔壁、６…入口室、７…出口室、８…第
１オリフイス、９…第２オリフイス、１０…液体
用開口、１１…調節弁、１３…電極棒、１４…計
算表示手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 入口と出口が上部に開口しかつ出口より下に
   伸びた流体を溜める室を形成する容器、室を入口
   に連通する入口室と出口に連通する出口室に分け
   る隔壁であつて出口の開口位置より下に伸びたも
   の、出口の開口位置より上で入口室と出口室を連
   通し出口側での放熱量分の気体を流す様に調節可
   能に設けた第１オリフイス、出口の開口位置より
   下で入口室と出口室を連通し気体を流す様に設け
   た第２オリフイス、液体の流量が最大値まで増え
   ても入口室と出口室の水位を略同じに維持する様
   に通過面積を大きく設けた液体通過用の開口であ
   つて第２オリフイスより下に設けたもの、出口室
   に取り付けた電極棒、及び第２オリフイスからの
   気泡数と第２オリフイスの気体通過流量の相関関
   係を利用して電極棒で検出した気泡数から気体の
   流量を計算し表示する手段からなる流量測定装
   置。