JP3623125B2 - 流量測定方法および流量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体(液体または気体)の流量測定方法および流量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的流体の流量測定のために、例えば、流路に羽根車を設置してこの羽根車の回転数により流量を検知するものが知られている。
【0003】
しかし、前記羽根車式のものは羽根車の摺動部分が流体と直接接するために流体中にパーティクルと呼ばれる微細な塵や屑が混入されるおそれがあり、半導体の製造等において用いられる超純水や薬液の流量の測定には好ましくなかった。また、極めて微量な流量を測定するには必ずしも十分でなく、さらに応答性が悪いと言う不満がある。のみならず、上記したものでは、ポンプの脈動等により流体の供給圧力に変動がある場合には、正確な測定が行えないといった欠点がある。
【0004】
また、半導体の製造においては、超純水や薬液等の流体の流量を制御する等の目的で、圧力調整弁,減圧弁,背圧弁等の圧力制御弁により前記流体の圧力の調整が行われる。そして、この種従来の半導体の製造システム(ライン)においては、前記流体の圧力調整と流量測定を併せて行うには、必然的に圧力調整のための圧力制御弁と流量測定のための測定装置を別個に用意しなければならず、コスト的に有利とは言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、摺動部を有さず微細ゴミが発生するおそれがなく超純水や薬液の測定に最適に使用できるとともに、微量な流量の測定が可能であり、しかも応答性に優れ、さらには超純水や薬液等の流体の供給圧力に変動がある場合においても正確な測定を行うことができる新規な流量測定方法および流量測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、一側に流体の流入部(12)を有し弁座(16)を介して他側に流体の流出部(15)が形成されたチャンバ(20)を有するボディ本体(11)と、前記弁座を開閉する弁部(41)と前記流入部側に配された第一ダイヤフラム部(50)と前記流出部側に配された第二ダイヤフラム部(60)とを有する弁機構体(40)とを備え、前記各ダイヤフラム部は、それらの外周部が前記ボディ本体に固定されて前記チャンバ内に取り付けられていて、該チャンバを第一ダイヤフラム部外側の第一加圧室(21)、前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部に囲まれ前記流入部及び弁座ならびに流出部を有する弁室(25)、及び第二ダイヤフラム部外側の第二加圧室(30)に区分しており、前記第一加圧室及び第二加圧室に設けられた第一加圧手段(M1)及び第二加圧手段(M2)によって前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部を常時弁室方向に一定圧力を加えるようにした調圧手段(M)によって流体の圧力を制御するとともに、前記チャンバの前記調圧手段より下流側に絞り部(80)を設け、該絞り部の下流側における流体の圧力を検知し、該流体の圧力と前記調圧手段の調圧圧力との差圧から流体の流量を算出することを特徴とする流量測定方法に係る。
【0007】
また、請求項2の発明は、一側に流体の流入部(12)を有し弁座(16)を介して他側に流体の流出部(15)が形成されたチャンバ(20)を有するボディ本体(11)と、前記弁座を開閉する弁部(41)と前記流入部側に配された第一ダイヤフラム部(50)と前記流出部側に配された第二ダイヤフラム部(60)とを有する弁機構体(40)とを備え、前記各ダイヤフラム部は、それらの外周部が前記ボディ本体に固定されて前記チャンバ内に取り付けられていて、該チャンバを第一ダイヤフラム部外側の第一加圧室(21)、前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部に囲まれ前記流入部及び弁座ならびに流出部を有する弁室(25)、及び第二ダイヤフラム部外側の第二加圧室(30)に区分しており、前記第一加圧室及び第二加圧室に設けられた第一加圧手段(M1)及び第二加圧手段(M2)によって前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部を常時弁室方向に一定圧力を加えるようにした調圧手段(N)によって流体の圧力を制御するとともに、前記チャンバの前記調圧手段より下流側に設けられた絞り部(180)と、該絞り部の下流側における流体の圧力を検知する圧力検知部(185)とを備え、前記圧力検知部により検知された流体の圧力と前記調圧手段の調圧圧力との差圧から流体の流量を算出する演算部(190)を設けたことを特徴とする流量測定装置に係る。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1は請求項1の発明の一実施例に係る流量測定方法を適用した半導体の製造における流量計測システムを示す概略図、図2は図1のシステムの要部を示す断面図、図3は請求項2の発明の一実施例に係る流量測定装置を用いた半導体の製造における流量計測システムを示す概略図、図4は図3の流量測定装置を示す断面図である。
【0009】
まず、請求項1の発明に係る流量測定方法の一実施例について説明する。
この流量測定方法は、半導体の製造等において超純水や薬液等の流量を測定する際に好適に実施されるもので、圧力制御段階と流量測定段階よりなる。
【0010】
前記圧力制御段階では、図1および図2に示すような圧力制御弁10により流体(超純水や薬液等)の圧力(流量)を調整する。これによって、ポンプの脈動等による流体の供給圧力の変動が除かれ、流体の流れが定常流となる。図1の符号Eは半導体の製造における流量計測システム、Tは超純水や薬液等の流体を収容するタンク、Pは供給ポンプ、Uは流体のユースポイントである。
【0011】
具体的に、前記圧力制御弁10としては、JIS−B0100等に記される圧力調整弁(リリーフ弁),減圧弁(レデューシング弁),背圧弁等が挙げられる。この実施例では、当該圧力制御弁10として、ダイヤフラムを利用して流入側(一次側)の圧力変動に対応して流出側(二次側)の流量を一定に保つことができる流量コントロールバルブが用いられ、該圧力制御弁10は、ボディ本体11と、調圧手段Mとを備える。
【0012】
ボディ本体11は、フッ素樹脂等の耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂から形成されており、一側に流体のための流入部12および他側に流体のための流出部15を有するとともに、その内部の前記流入部12と流出部15間に弁座16を介して連通形成されたチャンバ20を有している。また、前記流入部12には流入用管路K1、流出部15には流出用管路K2がそれぞれ接続される。
【0013】
調圧手段Mは、前記チャンバ20内を流れる流体の圧力を調整するためのもので、この実施例における調圧手段Mは弁機構体40と第一加圧手段M1と第二加圧手段M2とを含む。
前記弁機構体40は、ボディ本体11と同様に、フッ素樹脂等の耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂から形成され、弁部41と、第一ダイヤフラム部50と、第二ダイヤフラム部60とを有する。前記弁部41は前記弁座16を開閉するとともに、弁座16に接近離間して両者間に形成される開口を制御する流通制御部を構成するものである。図示の例では、当該弁機構体40は、弁部41を有する第一ダイヤフラム部50側と第二ダイヤフラム部60側とに分割され、ダイヤフラム部50側と第二ダイヤフラム部60側は分離自在に遊嵌結合している。なお、前記ダイヤフラム部50側と第二ダイヤフラム部60側は螺着等によって一体に結合されたり、あるいは該第一ダイヤフラム部50側と第二ダイヤフラム部60側とが一体に形成されることもある。
【0014】
前記各ダイヤフラム部50,60は、それらの外周部がボディ本体11に固定されて、前記チャンバ20内に取り付けられる。図示の符号70は後述する第一加圧手段M1であるバネのためのバネ受け部、71はボディ本体11と第一ダイヤフラム部50間をシールするためのシール部材、72はボディ本体11と第二ダイヤフラム部60間をシールするためのシール部材である。
そして、これらの各部からなる弁機構体40の取付によって、前記チャンバ20は、第一加圧室21,弁室25,第二加圧室30に区分される。
【0015】
前記第一加圧室21は、第一ダイヤフラム部50の外側(図では下側)に位置し、該第一加圧室21には、第一ダイヤフラム部50に対して常時弁室方向(内向き、図では上向き)に一定圧力(第一設定圧力)を加える第一加圧手段M1が装備される。
実施例における前記第一加圧手段M1は、所定バネ定数のバネよりなり、該バネは第一加圧室21の底部と第一ダイヤフラム部50に形成されたバネ受け部70との間に装着される。勿論、前記加圧手段M1はバネに限定されず、加圧気体が採用されたり、あるいは、バネと加圧気体の両方が採用されたり、さらにはソレノイド(電磁石)やおもり等が採用されることがある。図示の符号22は第一加圧室21内の空気の出入りを行う呼吸路を表す。
【0016】
弁室25は、第一ダイヤフラム部50および第二ダイヤフラム部60に囲まれ、前記流入部12、および前記弁機構体40の弁部41に対応する弁座16、並びに前記流出部15を有している。
【0017】
第二加圧室30は、第二ダイヤフラム部60の外側(図では上側)に位置し、第二ダイヤフラム部60に対して常時弁室方向(内向き、図では下向き)に一定圧力(第二設定圧力)を加える第二加圧手段M2を備える。図示の実施例では、第二加圧手段M2を加圧気体より構成している。図示の符号31は加圧気体のための給気ポート、32はその排気ポート、33は加圧気体の供給源、34は加圧気体の空気圧を調整・制御する電空変換器や電空レギュレーター等の調整・制御機器である。なお、第二加圧手段M2として、前記した荷重調節自在なバネ装置やソレノイドやおもり等が採用されることがある。
【0018】
ここで、前記チャンバ20の弁室25の調圧手段Mより上流側で圧力調整されていない流体が流れる部分を流入側部分20aとし、他方、チャンバ20の調圧手段Mより下流側で圧力調整された流体(被制御流体)が流れる部分を流出側部分20bとする。
【0019】
この圧力制御弁(流量コントロールバルブ)10によれば、流入部12側(一次側)において圧力変動がない場合では、前記第一設定圧力および第二設定圧力は、第二ダイヤフラム部60に対して外側から作用する力と該第二ダイヤフラム部60に対して内側から作用する力が釣合いを保つように構成されていて、弁機構体40の弁部41と弁室25の弁座16との間の開口量は一定間隔に保たれている。これによって、流入部12側(一次側)から弁室25内に流入した流体は所定の流量だけ流出部15側(二次側)へ流出される。一方、流入部12側(一次側)において流体に何らかの変化があると、その変化は一次側の圧力変動として現れ、前記第二設定圧力が加えられている弁機構体40の第二ダイヤフラム部60に対する背圧(外向きの圧力)変動として現れる。この一次側の外向きの変動圧力と前記各加圧手段M1,M2による内向きの設定圧力とが釣合いを保とうとして、弁機構体40を移動させる。この弁機構体40の移動に伴ってその弁部41が位置移動を生じ、弁部41と弁座16間の開口量が変化して、流体の流量が制御される。
【0020】
上記圧力制御段階の後、流量測定段階に移行する。この流量測定段階では、以下のようにして流体の流量の測定が行われる。
すなわち、この流量測定段階においては、前記圧力制御弁10のチャンバ20の調圧手段Mより下流側、具体的には前記流出側部分20bあるいは前記流出部15に接続される圧力制御弁10外の管路K2に、この実施例では圧力制御弁10外の管路K2に設けられた絞り部80により、その前後で流速に応じた圧力降下、つまり該絞り部80の上流側と下流側に差圧を生じさせ、その差圧を後述の方法により算出して流体の流量を求める。前記絞り部80としては、ベンチュリー管、オリフィス、ノズルが挙げられる。なお、絞り部としては、これらに限らず、例えば前記圧力制御弁10内の流出側部分20bの断面積が流入側部分20aの断面積に対して小とされたり、流出側部分20bがコーナー部等とされ、圧力損失となる部分(ある程度の圧力降下が見込める部分)が圧力制御弁10に存在する場合には、その部分を絞り部とすることができる、すなわち新たに絞り部を設ける必要がなくなる。
【0021】
この発明方法においては、前記絞り部80の上流側と下流側の差圧の算出は、以下のようにして当該絞り部80の下流側における流体の圧力と上流側における流体の圧力を導出し、それらの減算によって行う。前記絞り部80の下流側における流体の圧力は、該絞り部80の下流側に設けられた圧力計85により検知される。前記圧力計85としては、後述する圧力センサーを利用した圧力変換器等が挙げられる。ここで、前記絞り部80の下流側には、該絞り部80の最小面積部分80aまでを含むものとする。
他方、前記絞り部80の上流側における流体の圧力は、前記ダイヤフラム部(この実施例では第二ダイヤフラム部60)に作用する力の釣り合いの関係式から算出される前記調圧手段Mの調圧圧力となる。具体的に前記調圧圧力の算出法の一例を次式▲1▼に示す。
Pa=(p2×d2−p1×d1)/d3 ▲1▼
ただし、上式▲1▼において、Paは前記調圧手段Mの調圧圧力(=絞り部80の上流側における流体の圧力)、p1は第一加圧手段の第一設定圧力、p2は第二加圧手段の第二設定圧力、d1は第一ダイヤフラム部の外側面積(下側面積)、d2は第二ダイヤフラム部の外側面積(上側面積)、d3は第二ダイヤフラム部の内側面積(下側面積)である。
なお、前記調圧手段Mの調圧圧力は、上記したように第二加圧手段である加圧気体の空気圧を調整・制御する調整・制御機器34を設けている場合には、該調整・制御機器34の電気信号から簡単に算出できる。
【0022】
このように導出された前記絞り部80の上流側と下流側の差圧からベルヌーイの定理より流体の流量(体積流量)Qを求める。すなわち、
Q=A×C×{(Pa−Pb)/ρ}1/2 ▲2▼
となる。ただし、上式▲2▼において、Aは絞り面積、Cは流量係数(レイノルズ数と絞り比の関数)、Paは絞り部80の上流側における流体の圧力、Pbは絞り部80の下流側における流体の圧力、ρは流体の密度である。この実施例では、前記流体の流量Qの算出は、前記圧力制御弁10の調圧手段Mの調整・制御機器34および圧力計85に接続されたコンピューター等の演算装置90により行われ、算出された流量Qはモニター表示される。なお、必要に応じて、当該流量Qが所定範囲外となった場合に、作業者にブザーやランプ等で警報するための警報手段を前記演算装置90に接続してもよい。また、前記演算装置90により算出された流量Qと設定流量との偏差を前記圧力制御弁10の調圧手段Mの調整・制御機器34に出力し、調整・制御機器34の調圧圧力に補正を掛けてフィードバック制御するようにしてもよい。
【0023】
上述の方法によって流量を測定すれば、従来のように摺動部分が流体と直接接することがないため、微細ゴミ(パーティクル)の発生のおそれがなく、不純物を嫌う薬液、超純水等の測定に最適である。また、当該方法では圧力を検知して流量を算出するので極めて応答が早いとともに、微小流量の測定にも十分対応できる利点がある。さらに、ポンプの脈動等による流体の供給圧力に変動がある場合においても該変動を取り除いて流量の測定を行うので、当該測定の精度が向上する。加えて、流量を検出するための差圧発生機構のみならず、圧力検知機構を簡素化することができる。すなわち、公知の差圧式流量計(絞り流量計)が絞り部の上流側と下流側の双方に圧力検知機構が必要なのに対して、本発明方法では、絞り部の上流側における圧力を検知するための機構を設ける必要がなくなり、コスト的に有利である。なお、公知の差圧式流量計を圧力制御弁(減圧弁)とあわせて使用する場合、圧力制御弁内においても絞り等、圧力損失となる部分が存在し、トータルの圧力損失が増大するため、供給ポンプの供給圧を上げる必要があるのに対し、上述したように圧力制御弁に絞り部(圧力損失となる部分)が既存する場合に本発明方法を適用すれば、前記圧力制御弁の既存の絞り部を流量測定用に併用することができるので、供給ポンプの供給圧を上げなくても済み、コスト的に有利である。
【0024】
次に、請求項2の発明に係る流量測定装置について説明する。
図3および図4に示す流量測定装置110は、請求項2の発明の一実施例に係るもので、半導体の製造等において超純水や薬液等の流量の測定に使用される。該流量測定装置110は、ボディ本体111と調圧手段Nと絞り部180と圧力検知部185と演算部190とを備える。図3の符号Exは半導体の製造における流量計測システム、Txは超純水や薬液等の流体を収容するタンク、Pxは供給ポンプ、Uxは流体のユースポイントである。
【0025】
ボディ本体111は、フッ素樹脂等の耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂から形成されてなり、一側に流体のための流入部112および他側に流体のための流出部115を有するとともに、その内部の前記流入部112と流出部115間に弁座116を介して連通形成されたチャンバ120を有している。図示のボディ本体111は、第1ブロック111a,第2ブロック111b,第3ブロック111cに分割され、これらを一体に組み付けて構成されている。また、前記流入部112には流入用管路K3、流出部115には流出用管路K4がそれぞれ接続される。
【0026】
調圧手段Nは、前記チャンバ120内を流れる流体の圧力を調整し、ポンプの脈動等による流体の供給圧力に変動を取り除くためのもので、この実施例における調圧手段Nは、弁機構体140と第一加圧手段N1と第二加圧手段N2とを含む。
前記弁機構体140は、ボディ本体111と同様に、フッ素樹脂等の耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂から形成され、弁部141と、第一ダイヤフラム部150と、第二ダイヤフラム部160とを有する。前記弁部141は前記弁座116を開閉するとともに、弁座116に接近離間して両者間に形成される開口を制御する流通制御部を構成するものである。図示の例では、当該弁部141の表面はテーパ面にて形成され、流通制御部を線状に制御するように構成されている。前記第一ダイヤフラム部150は、前記弁部141と一体に形成されており、ダイヤフラム面である薄肉の可動部150aと、その外周側の外周部150bを有する。前記第二ダイヤフラム部160は、ダイヤフラム面である薄肉の可動部160aと、その外周側の外周部160bを有する。図示の例では、当該弁機構体140は、弁部141を有する第一ダイヤフラム部150側と第二ダイヤフラム部160側とに分割され、ダイヤフラム部150側と第二ダイヤフラム部160側は分離自在に遊嵌結合している。なお、各ダイヤフラム部150,160の薄肉可動部150a,160aの面積(ダイヤフラム有効面積)は、制御性が良好となるよう、つまり、瞬間的な負荷変動あるいは脈動のような変化に対しても、瞬時に対応することができるよう、それぞれ所定値に設定される。なお、当該弁機構体140の第一ダイヤフラム部150側と第二ダイヤフラム部160側とを一体に形成してもよく、あるいは独立して形成して螺着等によって一体に結合してもよい。
【0027】
前記各ダイヤフラム部150,160は、それらの外周部150b,160bがボディ本体111に固定されて、前記チャンバ120内に取り付けられる。図示の例では、第一ダイヤフラム部150の外周部150bがボディ本体111を構成する第1ブロック111aと第2ブロック111b間に、第二ダイヤフラム部160の外周部160bが第2ブロック111bと第3ブロック111c間に、それぞれ挟着されて固定されている。図示の符号170は後述する第一加圧手段N1であるバネのためのバネ受け部であって、第一ダイヤフラム部150に螺着や遊嵌等、適宜手段により係着されている。なお、バネを用いない場合にはこのバネ受け部170は不要である。また、図示の符号171はボディ本体11と第一ダイヤフラム部150間をシールするためのシール部材、172はボディ本体111と第二ダイヤフラム部160間をシールするためのシール部材である。そして、これらの弁部141,第一ダイヤフラム部150,第二ダイヤフラム部160からなる弁機構体140の取付によって、前記チャンバ120は、第一加圧室121,弁室125,第二加圧室130に区分される。
【0028】
前記第一加圧室121は、第一ダイヤフラム部150の外側(図では下側)に位置し、該第一加圧室121には、第一ダイヤフラム部150に対して常時弁室方向(内向き、図では上向き)に一定圧力(第一設定圧力)を加える第一加圧手段N1が装備される。
実施例における前記第一加圧手段N1は、所定バネ定数のバネよりなり、該バネは第一加圧室121の底部と第一ダイヤフラム部150に形成されたバネ受け部170との間に装着される。勿論、前記加圧手段N1はバネに限定されることはなく、加圧気体を採用したり、あるいは、バネと加圧気体の両方を採用したり、さらにはソレノイド(電磁石)やおもり等を採用してもよい。
なお、バネ単独で使用する場合には、図示しないが、バネ押え部材を螺着して荷重調節自在なバネ装置とすることが望ましい。また、該荷重調節自在なバネ装置にサーボモータ等を接続してバネ定数を自動制御できるように構成してもよい。図示の符号122は第一加圧室121内の空気の出入りを行う呼吸路を表す。
【0029】
弁室125は、第一ダイヤフラム部150および第二ダイヤフラム部160に囲まれ、前記流入部112、および前記弁機構体140の弁部141に対応する弁座116、並びに前記流出部115を有している。この実施例の弁座116はボディ本体111の第2ブロック111bの角部がこの機能を果している。
【0030】
第二加圧室130は、第二ダイヤフラム部160の外側(図では上側)に位置し、第二ダイヤフラム部160に対して常時弁室方向(内向き、図では下向き)に一定圧力(第二設定圧力)を加える第二加圧手段N2を備える。図示の実施例では、第二加圧手段N2を加圧気体より構成している。第二加圧手段N2を加圧気体とする場合には、その加圧圧力の設定および調整が容易であるとともに、大きな加圧圧力が要求される場合に有効であるという利点を有する。図示の符号131は加圧気体のための給気ポート、132はその排気ポート、133は加圧気体の供給源、134は加圧気体の空気圧を調整・制御する電空変換器や電空レギュレーター等の調整・制御機器である。なお、第二加圧手段N2として、前記した荷重調節自在なバネ装置やソレノイドやおもり等を採用してもよい。
【0031】
絞り部180は、流体の流量を検出するための圧力降下、つまり差圧を発生させるためのもので、前記チャンバ120の調圧手段Nより下流側の流出側部分120bに設けられる。ここで、前記チャンバ120の弁室125の調圧手段Nより上流側で圧力調整されていない流体が流れる部分を流入側部分120aとし、他方、チャンバ120の弁室125の調圧手段Nより下流側で圧力調整された流体が流れる部分を流出側部分120bとする。前記絞り部180としては、ベンチュリー管、オリフィス、ノズル等が挙げられる。なお、絞り部としては、これらに限らず、例えば前記流出側部分120bの断面積が流入側部分120aの断面積に対して小とされたり、流出側部分120bがコーナー部とされる等して圧力損失となる部分(ある程度の圧力降下が見込める部分)が存在する場合には、その部分を絞り部とすることができる。
【0032】
圧力検知部185は、前記絞り部180の下流側における流体の圧力を検知するためのもので、チャンバ120の絞り部180の下流側に設けられる。ここで、前記絞り部180の下流側には、該絞り部180の最小面積部分180aまでを含むものとする。この実施例においては、前記圧力検知部185は流体の圧力検知用ダイヤフラム部186と該ダイヤフラム部186の受圧力を電気信号に変換する圧力センサー187とよりなる。前記ダイヤフラム部186はフッ素樹脂等の耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂から形成される。また、前記圧力センサー187としては、ロードセル,圧電素子,コイルバネ,加圧導電シート,感圧ポリマー,感圧ダイオード,半導体圧力センサー,差動トランス,歪みゲージ(トーションバー)等が挙げられる。
【0033】
演算部190は、前記絞り部180の上流側と下流側の差圧を出して該差圧から圧力制御された流体の流量を算出する部分であり、前記調圧手段Mおよび圧力検知部185に接続されたコンピューター等の演算装置からなる。この演算部190においては、前記差圧の導出は、前記調圧手段Nの調圧圧力から前記圧力検知部185より検知された絞り部180の上流側における流体の圧力を減ずることによってなされる。すなわち、前記絞り部180の上流側に、前記絞り部180の下流側における圧力検知部185のような独立した圧力検知部を設けなくても、絞り部180の前後の差圧を導出することができるのである。なお、この実施例では、前記調圧手段Nの調圧圧力は、前記第二加圧手段N2である加圧気体の空気圧を調整・制御する調整・制御機器134の電気信号から算出される。
【0034】
さらに、当該演算部190では、上記のようにして得られた差圧(p1−p2)を先に説明した式▲2▼に代入することによって、流体の流量Qの算出が行われる。なお、この実施例では、算出された流量Qは演算部190のディスプレイを介してモニター表示されるようになっている。
【0035】
このようにしてなる流量測定装置110にあっては、従来のように摺動部分が流体と直接接することに起因して微細ゴミが発生するおそれがなくなるとともに、接液部分を全て耐蝕性および耐薬品性の高い樹脂とすることができるので、薬液、超純水等の測定に最適である。また、流体の圧力を検知して流量を算出するので極めて応答が早いとともに、微小流量の測定にも十分対応できる利点がある。さらに、ポンプの脈動等による流体の供給圧力に変動がある場合においても該変動を取り除いて流量の測定を行うので、当該測定の精度が向上する。しかも、この流量測定装置110においては、流量を検出するための差圧発生機構および圧力検知機構が、公知の絞り流量計に比べて簡単かつ単純になる。
【0036】
のみならず、当該流量測定装置110にあっては、流体の流量測定に加えて流体の圧力制御を行うことができるので、すなわち流量測定機能と圧力制御機能の二つの機能を備えているので、設備および維持上において大きな有利性を備える。なお、この実施例における流量測定装置110では、前記流入部112側(一次側)の圧力変動は、前記第二設定圧力が加えられている弁機構体140の第二ダイヤフラム部160に対する背圧(外向きの圧力)変動として現れ、該一次側の外向きの変動圧力と前記各加圧手段N1,N2による内向きの設定圧力とが釣合いを保とうとして、弁機構体140を移動させる。この弁機構体140の移動に伴ってその弁部141が位置移動を生じ、弁部141と弁座116間の開口量が変化して、流体の流量が制御される。
【0037】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明に係る流量測定方法および流量測定装置によれば、摺動部を有さず微細ゴミが発生するおそれがないので超純水や薬液の測定に最適に使用できるとともに、微量な流量の測定にも対応することができ、しかも応答性に優れる。さらに、流体の供給圧力に変動がある場合においても正確な測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例に係る流量測定方法を適用した半導体の製造における流量計測システムを示す概略図である。
【図2】図1のシステムの要部を示す断面図である。
【図3】図3は請求項2の発明の一実施例に係る流量測定装置を用いた半導体の製造における流量計測システムを示す概略図である。
【図4】図3の流量測定装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 圧力制御弁
11 ボディ本体
20 チャンバ
M 調圧手段
80 絞り部
110 流量測定装置
111 ボディ本体
120 チャンバ
N 調圧手段
180 絞り部
185 圧力検知部
190 演算部
Claims (2)
- 一側に流体の流入部(12)を有し弁座(16)を介して他側に流体の流出部(15)が形成されたチャンバ(20)を有するボディ本体(11)と、
前記弁座を開閉する弁部(41)と前記流入部側に配された第一ダイヤフラム部(50)と前記流出部側に配された第二ダイヤフラム部(60)とを有する弁機構体(40)とを備え、
前記各ダイヤフラム部は、それらの外周部が前記ボディ本体に固定されて前記チャンバ内に取り付けられていて、該チャンバを第一ダイヤフラム部外側の第一加圧室(21)、前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部に囲まれ前記流入部及び弁座ならびに流出部を有する弁室(25)、及び第二ダイヤフラム部外側の第二加圧室(30)に区分しており、
前記第一加圧室及び第二加圧室に設けられた第一加圧手段(M1)及び第二加圧手段(M2)によって前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部を常時弁室方向に一定圧力を加えるようにした調圧手段(M)によって流体の圧力を制御するとともに、
前記チャンバの前記調圧手段より下流側に絞り部(80)を設け、
該絞り部の下流側における流体の圧力を検知し、
該流体の圧力と前記調圧手段の調圧圧力との差圧から流体の流量を算出する
ことを特徴とする流量測定方法。 - 一側に流体の流入部(12)を有し弁座(16)を介して他側に流体の流出部(15)が形成されたチャンバ(20)を有するボディ本体(11)と、
前記弁座を開閉する弁部(41)と前記流入部側に配された第一ダイヤフラム部(50)と前記流出部側に配された第二ダイヤフラム部(60)とを有する弁機構体(40)とを備え、
前記各ダイヤフラム部は、それらの外周部が前記ボディ本体に固定されて前記チャンバ内に取り付けられていて、該チャンバを第一ダイヤフラム部外側の第一加圧室(21)、前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部に囲まれ前記流入部及び弁座ならびに流出部を有する弁室(25)、及び第二ダイヤフラム部外側の第二加圧室(30)に区分しており、
前記第一加圧室及び第二加圧室に設けられた第一加圧手段(M1)及び第二加圧手段(M2)によって前記第一ダイヤフラム部及び第二ダイヤフラム部を常時弁室方向に一定圧力を加えるようにした調圧手段(N)によって流体の圧力を制御するとともに、
前記チャンバの前記調圧手段より下流側に設けられた絞り部(180)と、
該絞り部の下流側における流体の圧力を検知する圧力検知部(185)とを備え、
前記圧力検知部により検知された流体の圧力と前記調圧手段の調圧圧力との差圧から流体の流量を算出する演算部(190)を設けた
ことを特徴とする流量測定装置。
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