JPH0357368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は研削盤においてセンタ間距離が調整で
きる心押台に関する。

従来技術 一般にセンタ支持の工作物はその工作物の長さ
に応じてセンタ間距離を調整する必要があり、セ
ンタ間距離が調整できる心押台として例えば実公
昭59−17525号が公知である。このものは心押台
本体に、先端に工作物を支持するセンタを有する
ラムを摺動自在に支持し、このラムの後端に連結
部材をラム軸線方向の遊びを持つて連結し、この
連結部材と前記ラムとの間には、ラムに工作物支
持方向の撥力を付与するスプリングと、このスプ
リングの圧縮量を調整する調整ねじを設け、また
前記心押台本体に前記ラムの摺動方向と平行な方
向にシリンダを形成し、このシリンダにピストン
を摺動自在に嵌合し、このピストンのピストンロ
ツドにねじスリーブを相対回転のみ許容して支持
し、このねじスリーブを前記連結部材に螺合する
とゝもにこのねじスリーブの端部に回転操作用の
操作部材ならびに前記連結部材に対するねじスリ
ーブのねじ込み端を規制するストツパリングを設
け、このストツパリングと前記連結部材間に位置
決め部材を挿入脱出可能に介挿したものである。

考案が解決しようとする問題点 ところがこのものでは、センタ間距離をかえる
のに連結部材とねじスリーブ上のストツパリング
との間に位置決め部材を介在させて行つているた
め、ラムの位置決めは有段階の位置決めしかでき
ず種々の工作物長さに対する無段階の対応ができ
ないという問題がある。また正規寸法の工作物が
支持されたか正規寸法より短いものか、長いもの
かを識別する手段が設けられていないため寸法不
良の工作物が製品中に混入していくという不都合
がある。

問題点を解決するための手段 従つて本考案は、心押台本体１に挿通した心押
軸３内にばね調整ねじ６を螺合したばね調整用ス
リーブ４を軸方向の一定距離動きうるように挿通
し、ばね調整ねじ６で把持力を調整するばね８で
心押軸３を突出方向に付勢し、この心押軸３と平
行にねじ軸１１を移動回転可能に両端で支承し、
ばね調整用スリーブ４に固定された第１連結部材
９を該ねじ軸１１に螺合せしめ、ねじ軸１１を回
転させるハンドル部材１３をねじ軸８が移動でき
るように連結し、更にねじ軸３と平行に軸心をず
らせてシリンダ１４を設け、このシリンダに嵌装
したピストン１８のピストンロツド１９に固定し
た第２連結部材２０をねじ軸１１と回転のみ可能
に連結し、心押台本体に第２連結部材で作動され
工作物の把持を検出する第１のリミツトスイツチ
LSCを設け、第１連結部材９に工作物の長手寸法
公差の間隔をおいて第２、第３のリミツトスイツ
チLSA，LSBを第１のリミツトスイツチ作動後
に心押軸３のドツグ部材２１，２２で押圧される
ようにして第２、第３のリミツトスイツチLSA，
LSBの作動状態で正規工作物か否かを判断でき
るように設けてなり、第２、第３のリミツトスイ
ツチと心押軸の相対位置及び第１のリミツトスイ
ツチの位置を変えることなくハンドル車でねじ軸
を回転させることにより工作物長さの変化に対応
できるものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。心押台本体１に軸方向に摺動可能に嵌挿され
前端にセンタ２を嵌着した心押軸３は後端に開口
した挿入穴３ａにばね調整用スリーブ４が摺動可
能に嵌挿されている。このばね調整用スリーブ４
は外側軸方向にキー溝４ａが削設されていて、心
押軸３に中心に向つて植設されたピン５が挿入さ
れており、軸方向の一定の長さの遊びを越えた動
きに対して一体に動くようになつている。またば
ね調整用スリーブ４の中心はねじが刻設されてお
り、ばね圧調整ねじ６が螺装されていて、心押軸
３の挿入穴３ａに突き出た先端にスラスト軸受７
を介して挿入穴３ａ内に介装したばね８を所定圧
に圧縮し心押軸を工作物側に付勢し、センタ２が
工作物を把持したときの把持圧を与えている。更
にばね調整用スリーブ４は後端の小径部に連結体
９が嵌装されねじ端に螺合したナツト１０によつ
て一体に締着されている。心押軸３と平行で軸方
向に移動できるとゝもに回転可能に心押台本体１
にねじ軸１１が軸承されていて、前記連結体９が
先端部で螺合されている。このねじ軸１１は心押
台本体１の壁外に突出した端部にスプライン１１
ａが削設されており、本体１の外側に回転のみ可
能に軸承されハンドル１２を有するハンドル車１
３のボス部に削設した雌スプラインがスプライン
１１ａと噛合つている。従つてハンドル１２を回
転することによりねじ軸１１が回転され連結体９
を介してばね調整用スリーブ４及び心押軸３の軸
方向の位置を変更することができる。心押台本体
１には心押軸３と平行にシリンダ１４が設けられ
ており、このシリンダは前室、後室への油路にそ
れぞれパイロツトチエツク弁１５，１６が介在さ
れ３位置切換電磁弁１７によつて圧油側と排油側
に接続されている。そしてこのシリンダ１４にピ
ストン１８が嵌装されそのピストンロツド１９は
ねじ軸１１の端部においてラジアル軸受及びスラ
スト軸受で軸承された連結体２０と一体に結合さ
れていて、シリンダ１４へ圧油が送られピストン
１８を左右動させると連結体９を介して心押軸３
を前進、後退させる。更に連結体９には工作物の
正規寸法の公差間隔をおいて作用するように位置
決めされたリミツトスイツチLSA，LSBが取付
けられており、工作物把持時に心押軸後端に設け
たドツグ２１，２２によつて作用される。また本
体１にピストン１８の後退時において連結体２０
で作用されるリミツトスイツチLSCが設けられて
いて、正規の工作物が支持されたときLSCがオフ
となつた一定時間経過時にLSAがオンしLSBは
オフの状態となつていてサイクルが歩進される。
正規工作物より長さが短いときはLSCオフ後一定
時間経過してもLSA，LSBともにオフせず機械
はアラーム停止となる。また正規工作物より長さ
が長いときは、LSCオフの後一定時間経過後
LSAにつゞいてLSBがオンし、LSBのオンで切
換電磁弁１７はSOLA及びSOLBともオフとなつ
て位置の中立位置をとり、パイロツトチエツク
弁１５，１６は閉じピストン１８をその位置で停
止させ機械はアラーム停止となる。

作 用 切換電磁弁１７はSOLAが作用していて圧油は
シリンダ１４の前室に送られピストン１８の後退
で心押軸３が後退位置におかれている。そこで図
示しない主軸のセンタと心押台のセンタ２間に工
作物が搬送されると、切換電磁弁１７がSOLAに
代つてSOLBが作用し圧油はパイロツトチエツク
弁１６を開けるとともにパイロツトチエツク弁１
５を通りシリンダ１４の後室に送られる。ピスト
ン１８が前進され、連結体２０を介してねじ軸１
１が前進し連結体９によりばね調整用スリーブ４
がピン５を介して心押軸３を前進させる。センタ
２の当接でばね８が圧縮され所定圧で工作物が支
持される。このとき工作物が正規寸法であればピ
ストン１８の移動でLSCがオフとなつたあと、一
定時間経過後LSAがオンされる。この信号で機
械はサイクル歩進を行なう、若し工作物が短かけ
ればLSC作動後の一定時間経過後もLSA，LSB
はオフの状態にあり機械はアラーム停止となる。
若し工作物が長ければLSCオフ後一定時間経過後
LSA，LSB両方共オンし、LSBオンでSOLBを
不作動して切換電磁弁１７をの中立排油位置に
おきパイロツトチエツク弁１５，１６の作用でピ
ストン１８をその位置に停止させ機械をアラーム
停止させる。次いで工作物の長さが変つたものに
変更されたときはその工作物をセンタ間に支持
し、ハンドル１２によりねじ軸１１を回して連結
体９、ばね調整用スリーブ４、心押軸３を移動さ
せ工作物長さに合わせ、正規寸法のときLSAの
みオンとなり操作盤上のランプ点燈するように調
整し、以後は同様にLSA，LSBの信号の有無に
よつてサイクルが歩進或いは停止させられるもの
である。若し公差が変更される場合はリミツトス
イツチLSBの取付位置をも調整する。

効 果 以上詳述したように本考案は、心押台本体にリ
ミツトスイツチを連結体を介して工作物の把持を
検出するように設け、連結体に２個のリミツトス
イツチを工作物の公差の間隔をあけて取付け心押
軸に設けたドツグによつて作用するようになし、
心押台本体のリミツトスイツチの信号出力一定時
間経過後の２個のリミツトスイツチの信号の発生
具合によつて公差内の正規工作物か公差外の不良
工作物かを判別することができ、不良工作物を製
品に混入させる恐れがない。また工作物の長さが
変更され心間調整されたときはハンドルを回転さ
せるのみで２個のリミツトスイツチの位置調整は
不要でスイツチを取付けた連結体及び心押軸の位
置を工作物に対応する位置に容易に変更できる。
さらに心間調整のねじ軸を両端支持となしたので
長ストロークのため心押台後部への突出量が多く
なつても心押軸、連結部材にかかる曲げモーメン
トを吸収して滑らかな調整が可能となる効果を有
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の説明図である。 １……心押台本体、３……心押軸、４……ばね
調整用スリーブ、５……ピン、９，２０……連結
体、１１……ねじ軸、１２……ハンドル、１４…
…シリンダ、１８……ピストン、LSA，LSB，
LSC……リミツトスイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 心押台本体に、センタを有する心押軸を摺動自
   在に支持し、ばね調整ねじを螺合したばね調整用
   スリーブを該心押軸内で軸方向に一定距離移動可
   能に挿通し、前記心押軸を工作物支持方向に付勢
   するばねを前記ばね調整ねじとの間で心押軸内に
   介挿し、前記心押軸と平行に軸方向に移動且回転
   可能にねじ軸を両端で支承し、前記ばね調整用ス
   リーブに固着された第１連結部材を該ねじ軸と螺
   合し、前記ねじ軸を回転させるハンドル車をねじ
   軸の移動を拘束しないように設け、前記ねじ軸と
   平行に軸心をずらせてシリンダを設け、該シリン
   ダにピストンを嵌装してそのピストンロツドに固
   定した第２連結部材を前記ねじ軸と回転のみ可能
   に連結し、前記心押台本体に前記第２連結部材で
   作動され工作物の把持を検出する第１のリミツト
   スイツチを設け、前記第１連結部材に前記心押軸
   のドツク部分に当接する２個の第２、第３のリミ
   ツトスイツチを前記第１リミツトスイツチ作動後
   に作動し且工作物が正規寸法より短いときは２個
   ともオフで正規寸法のとき１個がオンで正規寸法
   より長いとき２個ともオンとなる位置に設けてな
   り、前記第２、第３のリミツトスイツチと心押軸
   の相対位置及び第１のリミツトスイツチの位置を
   変えることなく前記ハンドル車でねじ軸を回転さ
   せることにより工作物長さの変化に対応できるよ
   うになしたことを特徴とするセンタ間距離調整式
   心押台。