JPS6031844Y2 - 心押台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は長さの異なる工作物に対してラムストロークを
自動的に設定しかつ一定の加圧力で工作物を支持する心
押台に関するものである。

従来の心押台は、工作物の長さに応じてラムストローク
を制御するために、ラム先端に嵌着されたセンタを工作
物に係合させると同時に前記ラムとピストン間に相対運
動を生ぜしめ、この相対運動を検出して前記ピストンの
前進運動を停止さるようにしている。

しかしながら上記従来の心押台は、上押台本体に直接案
内支持されたラムに対して前記ピストンの前進運動を加
圧力調整用スプリングを介してラムに伝えているため、
ピストンを高速前進させた場合にはこのラム嵌合部分の
摺動抵抗によってスプリングが圧縮され、その結果ラム
に対してピストンが相対移動し、実際にはセンタが工作
物に係合していないのに係合が確認されてしまう恐れが
あった。

本考案は従来のこのような不具合を解消するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、ラム嵌合部
分の摺動抵抗によってスプリングが圧縮されない構造に
腰もって工作物に対するセンタの係合を確実に検出でき
る心押台を提供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

１０は上押台本体で、この上押台本体１０にはシリンダ
１１が形成され、このシリンダ１１にはピストン１２が
摺動自在に嵌合されている。

１３は前記上押台本体１０に前記ピストン１２の摺動力
向と平行な方向に摺動自在に嵌合された摺動筒で、この
摺動筒１３は前記ピストン１２のピストンロッド１４と
連結部材１５を介して一体的に連結されている。

この摺動筒１３には摺動穴１６が形成され、この摺動穴
１６にはセンタ１７を嵌着してなるラム１８が前記摺動
筒１３の摺動方向と平行な方向に摺動自在に嵌合されて
いる。

前記摺動筒１３の後端部には調整部材１９が螺合され、
この調整部材１９と前記ラム１８間には前記ラム１８を
工作物支持方向に向って押圧する加圧力設定用スプリン
グ２０が介挿されている。

なお２１はドッグで、前記ラム１８より延出されたドッ
グパー２２上に取付けられている。

２３は前記連結部材１５上に取付けられたリミットスイ
ッチである。

このリミットスイッチ２３は前記ラム１８の前進が停止
されたのちさらにピストン１２が所定量前進したときド
ッグ２１によって押圧され、スプリング２０が所定量圧
縮されたことを確認するようになっている。

また２４は前記シリンダ１１に油路２５，２６を介して
連結されたソレノイド方向切換弁で、ラム１８の前進あ
るいは後退指令によって切換えられるようになっている
。

２７は油路２５の途中に介挿された電磁操作パイロット
チェック弁で、前記リミットスイッチ２３からの信号に
よって開閉され、シリンダ１１からの排油をストップす
るようになっている。

次に上記構成における本考案装置の作動を説明すると、
図面は原位置状態を示すもので、この状態ではドック２
１はリミットスイッチ２３より離れているため、ソレノ
イドＳＱＬ ３は無勢されており、電磁操作パイロット
チェック弁２７は開かれている。

これよりラム１８の前進指令によりソイノイドＳＱＬ
ｌが付勢されるとソレノイド方向切換弁２４は■の位置
に切換られて圧油がシリンダ１１の後部室に供給され、
ピストン１２が前進される。

ピストン１２の前進に伴い連結部材１５を介して摺動筒
１３に工作物Ｗに向って前進する。

このとき心神台本体１０と摺動筒１３の嵌合部分には摺
動抵抗が発生するが、この摺動抵抗は前記スプリング２
０に作用しないようになっているため、スプリング２０
は圧縮されず、従ってセンタ穴Ｗａに対してセンタ１７
が係合する前にピストン１２の前進が停止することはな
い。

しかるのちセンタ１７が工作物Ｗのセンタ穴Ｗａに係合
すると同時にラム１８の前進は停止させるが、ピストン
１２および摺動筒１３はさらにスプリング２０を圧縮し
ながら前進する。

前記ラム１８に対して摺動筒１３が相対前進してスプリ
ング２０が所定量圧縮されるとリミットスイッチ２３は
ドック２１に押圧され、センタ係合確認信号を出力する
。

この信号によって電磁操作パイロットチェック弁２７は
閉じ、ピストン１２の前進は停止される。

このときのスプリング２０の圧縮量は常に一定となり、
工作物Ｗは最適の加圧力でセンタ支持され、しかる状態
で図略のといし車が前進され、研削加工が開始される。

加工終了後次に長さの異る工作物Ｗをセンタ支持する場
合には、何らの段取替えを行うことなく前記と同様の操
作でもってピストン１２を前進させることによりラム１
８をその工作物Ｗの長さに応じた前進位置へ停止させる
ことができ、また最適加圧力でもって工作物Ｗをセンタ
支持することができる。

前記したように本考案の心押台は、ピストンと一体をな
す摺動筒にラムを摺動自在に嵌合させ、この摺動筒とラ
ムにスプリングを介挿して摺動抵抗がスプリングに作用
しないようにした構成であるため、ラムを高速前進させ
ても従来装置のような不具合はなくなり、センタ穴に対
してセンタに係合したことを確実に検出することができ
、しかも短時間に工作物をセンタ支持することができる
利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の実施例を示す縦断面図に油圧回路を
併記した図である。 Ｗ・・・・・・工作物、１０・・・・・・心神台本体、
１１・・・・・・シリンダ、１２・・・・・ピストン、
１３・・・・・・摺動筒、１８・・・・・・ラム、２０
・・・・・・加圧力設定用スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上押台本体に形成されたシリンダならびにこのシリンダ
   に摺動自在に嵌合されたピストンによりラムを前進させ
   、このラムに対するピストンの相対移動により前記ラム
   先端に嵌着されたセンタが工作物のセンタ穴に係合した
   ことを検出して前記ピストンの前進移動を停止させるよ
   うにした心押台において、前記上押台本体には前記ピス
   トンと一体をなす摺動筒をこのピストンの摺動力向と平
   行な方向に摺動可能に嵌合させ、この摺動筒に前記ラム
   を摺動可能に嵌合させ、このラムと前記摺動筒との間に
   加圧用設定用スプリングを介挿したことを特徴とする心
   押台。