JPH0356935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はコンパクトデイスクやビデオデイス
ク等の情報記録円盤の記録面の汚れを清浄するク
リーナに関し、特に詳しく言うと、情報記録円盤
を回転させながら清浄するとともに、クリーニン
グ部材も回転させて円盤全体を均一に清浄する情
報記録円盤用クリーナ装置に関する。

［考案の技術的背景］ 光学式あるいは静電容量式に記録情報を走査し
て再生するビデオデイスクやコンパクトデイスク
が広く普及している。例えば、コンパクトデイス
クは従来のLPレコードより小型でしかも記憶容
量も大きいため、急速に広まつている。コンパク
トデイスクのもう一つの大きな特徴は誤り訂正の
機能を有するため、誤り訂正が有効な限度内のご
みが付着してビツトの欠落が生じても、再生時に
は記録時のビツトに修復することができるため、
記録時の音を楽しむことができることである。し
かしながら、誤り訂正が不可能な大きさのごみが
付着している場合には訂正不能となり、音質劣化
につながる。そのため、デイスクの表面はできう
る限りきれいにしておく必要がある。ビデオデイ
スクやコンパクトデイスクはその表面が透明なコ
ーデイング膜が張られており、清浄はセーム皮等
の柔らかい布で拭くだけの簡単な操作で行える
が、強い力で拭くとコーデイング膜に傷を付けそ
の結果誤動作することがある。また拭く方向は放
射状にすることが記録面の保護の見地から好まし
い。

［考案の目的］ この考案の目的は、上述したような情報記録円
盤の汚れを自動的に取るクリーナを簡単な構成に
より提供するとともに、汚れたクリーニング部材
を簡単に交換することができる情報記録円盤用ク
リーナ装置を提供することである。

［考案の構成］ この考案は、情報記録円盤の清浄すべき面を下
方に露呈するように支持する回転可能なターンテ
ーブルと、このターンテーブルの面と同一方向に
延在する面を有する回転部材と、この回転部材の
上面に取付けられ、ターンテーブル上に載置され
た円盤の下面に弾性的に当接し、その直径は円盤
の清浄すべき面の半径方向長さに少なくとも等し
いリング状のクリーニング部材と、ターンテーブ
ルと回転部材とを回転駆動させるための駆動源と
を有する情報記録円盤用クリーナ装置において、
回転部材の上面にはクリーニング部材の開口に嵌
合し、クリーニング部材を回転させるための嵌合
突起を有し、クリーニング部材は、その軸方向下
端に位置し嵌合突起に嵌合される硬質クツシヨン
部と、この硬質クツシヨン部上に取付けられた軟
質クツシヨン部と、この軟質クツシヨン部の少な
くとも上面を覆うように取付けられたシート材と
から構成されていることを特徴とするものであ
る。

［実施例］ 以下、コンパクトデイスク用を例にとつた図面
に示すこの考案の一実施例について説明すると、
上方が開口した箱型のケーシング１に枢動可能に
支持された蓋体２が取付けられている。ケーシン
グ１の底板３上には直立したターンテーブル軸４
の下端が軸受５により回転可能に取付けられてい
る。ターンテーブル軸４の上端にはコンパクトデ
イスク６の下面中心部のホールド部を支持するタ
ーンテーブル７が取付けられている。コンパクト
デイスク６の上面中心部は蓋体２の下面に取付け
られたホルダ８によつて押さえられる。ターンテ
ーブル軸４の中間には歯車９がターンテーブル軸
４と同軸上に取付けられている。歯車９はウオー
ム歯車１０に噛合している。ウオーム歯車１０は
底板３上に水平に図示しない軸受等により回転可
能に支持されたウオーム軸１１の一端に設けられ
ている。ウオーム歯車１０には歯車９と相対する
位置で第１増速歯車１２が噛合している。この歯
車１２は、下端が軸受１４により回転可能に支持
された直立軸１３の上端部に取付けられている。
第１増速歯車１２は第２増速歯車１５と噛合して
いる。第２増速歯車１５は、下端が軸受１７によ
り回転可能に支持された直立軸１６の中間部に固
着されている。直立軸１６の上端部には、円盤状
の回転部材１８が直立軸１６と同軸上に固着され
ている。回転部材１８は、コンパクトデイスク６
の信号記録帯の半径方向長さに少なくとも等しい
直径を有している。回転部材１８の上面にはその
直径がこの回転部材１８の直径にほぼ等しい直径
のドーナツ状のクリーニング部材１９が取付けら
れている。回転部材１８とクリーニング部材１９
はの詳細は後述する。

ウオーム軸１１の他端には、プーリ２１が取付
けられており、このプーリ２１とモータ２２の出
力軸２３に取付けられたプーリ２４との間にエン
ドレスベルト２５がわたされている。プーリ２４
の直径はプーリ２１の直径より大きくなつてお
り、これによりモータ２２の回転は減速されてウ
オーム軸１１に伝達され、歯車９により更に減速
されてターンテーブル軸４を駆動する。一方回転
部材１８はウオーム歯車１０の回転を２つの増速
歯車１２，１５により回転数をターンテーブル７
の回転数より高くしている。すなわち、例えばモ
ータ２２の回転数が5000〜6000rpmとすれば、こ
の回転をターンテーブル７では、５〜10秒で一回
転するように減速し、回転部材１８は１〜1.5秒
で一回転するように、プーリ２１，２２、ウオー
ム歯車１０、歯車９，１２，１５を設定してお
く。

回転部材１８は、その上面が多角形、この実施
例では六角形に形成された嵌合突起２６が一体的
に設けられている。一方、クリーニング部材１９
は、この嵌合突起２６の外周と密に嵌合するよう
にその内周面が六角形をした硬質ゴムあるいは合
成樹脂製の硬質クツシヨン部２７と、この硬質ク
ツシヨン部２７の上面に接着等により固着され、
断面が略矩形のリング状のウレタン樹脂等で構成
された軟質クツシヨン部２８と、この軟質クツシ
ヨン部２８の上面に接着等により固着された、セ
ーム皮のような柔らかい材質のクリーニング布２
９とから構成されている。なお、クリーニング布
２９は、硬質クツシヨン部２７および軟質クツシ
ヨン部２８の内外側面も一体的に覆うようにして
もよい。

次にこのクリーナの動作について説明する。回
転部材１８の嵌合突起２６に、クリーニング部材
１９の硬質クツシヨン部２７を上部から嵌合する
ことにより、クリーニング部材１９は回転部材１
８上に固定される。このようにして予め回転部材
１８上にクリーニング部材１９をセツトした状態
で、まず蓋体２を開け、ターンテーブル７上にコ
ンパクトデイスク６を清浄すべき面を下にして裁
置し、再び蓋体２を閉じる。コンパクトデイスク
６は蓋体２の下面のホルダ８によつて、従来のコ
ンパクトデイスクプレーヤと同様に回転可能に押
さえられる。この状態でモータ２２を駆動する
と、プーリ２４、エンドレスベルト２５、プーリ
２１を介してウオーム歯車１０は回転し、ウオー
ム歯車１０と噛合する歯車９を回転させる。これ
によりターンテーブル７はゆつくりと回転する。
一方、ウオーム歯車１０の回転は歯車１２を介し
て歯車１５に伝達され、回転部材１８はターンテ
ーブル７よりは速く、ターンテーブル７が一回転
する間に回転部材１８は５〜８回転する。回転部
材１８の回転によつて、クリーニング部材１９は
コンパクトデイスク６の下面と弾性的に当接しな
がら回転し、コンパクトデイスク６の下面を拭い
ていく。クリーニング部材１９のクリーニング布
２９はリング状をしており、かつ回転しているの
で、同一軌跡で、均一にコンパクトデイスク６の
全体を放射状に拭いていくことになる。

クリーニング布２９が汚れた場合には、クリー
ニング部材１９の硬質クツシヨン部２７を持ち、
上方に引き上げれば簡単にクリーニング部材１９
は回転部材１８から外すことができるので、新し
いクリーニング部材に交換したり、汚れを落した
後、再び回転部材１８に挿入すればよい。

［考案の効果］ この考案の情報記録円盤用クリーナ装置は簡単
な構成により実施できるので、小型でかつ安価に
提供することができる。また、清浄すべき面に対
してクリーニング部材は同一軌跡で均一に放射状
に拭くことができるので、コンパクトデイスクや
ビデオデイスク等を確実にかつ好ましい軌跡でク
リーニングすることができる。更に、クリーニン
グ部材は、軟質クツシヨン部によりクリーニング
部材が回転部材１８の嵌合突起に単に嵌め込まれ
ているだけなので、汚れ等によるクリーニング部
材１９の交換はワンタツチの極めて簡単に行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のクリーナ装置の一実施例を
示す横断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つ
て切断して示す断面図、第３図は回転部材とクリ
ーニング部材を分離して示す斜視図である。 図面において、７はターンテーブル、１８は回
転部材、１９はクリーニング部材、２６は嵌合突
起、２７は硬質クツシヨン部、２８は軟質クツシ
ヨン部、２９はクリーニング布である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 情報記録円盤の清浄すべき面を下方に露呈す
   るように支持する回転可能なターンテーブル
   と、このターンテーブルの面と同一方向に延在
   する面を有する回転部材と、この回転部材の上
   面に取付けられ、前記ターンテーブル上に載置
   された前記コンパクトデイスクの下面に弾性的
   に当接し、その直径は前記円盤の前記清浄すべ
   き面の半径方向長さに少なくとも等しいリング
   状のクリーニング部材と、前記ターンテーブル
   と前記回転部材とを回転駆動させるための駆動
   源とを有する情報記録円盤用クリーナ装置にお
   いて、前記回転部材の上面には前記クリーニン
   グ部材の開口に嵌合し、前記クリーニング部材
   を回転させるための嵌合突起を有し、前記クリ
   ーニング部材は、その軸方向下端に位置し前記
   嵌合突起に嵌合される硬質クツシヨン部と、こ
   の硬質クツシヨン部上に取付けられた軟質クツ
   シヨン部と、この軟質クツシヨン部の少なくと
   も上面を覆うように取付けられたシート材とか
   ら構成されていることを特徴とする情報記録円
   盤用クリーナ装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、前
   記嵌合突起の内周面は多角形をしており、前記
   硬質クツシヨン部の内周面は前記多角形と嵌合
   するように同じく多角形をしていることを特徴
   とする情報記録円盤用クリーナ装置。