JPH0356830Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、天井板に設ける開口部に臨ませフア
ンを小屋裏に配設しかつ開口部に水平に昇降する
蓋体を設けることによって、効率よく部屋を換気
しうるとともに、フアンを入室者の視野から遮蔽
でき部屋の見映えを向上しうる空調構造に関す
る。

〔背景技術〕 部屋を換気するには、天井板に換気口を開穿し
部屋の暖気を小屋裏を介して屋外に排出する構造
そのものが多用される。このような換気口は、冬
期には開蓋を必要とするため、例えば開閉式のガ
ラリを設けることが多い。しかしこのようなガラ
リの設置によって天井の調和を乱し部屋の美感を
損なう。又近年、部屋を強制換気するため換気口
上方にフアンを配設する場合が多く、ガラリを開
放することによってフアンが露見するのみなら
ず、その騒音が部屋に直接伝播され、夜間等にお
いては部屋の静粛さを損なうという問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は開口部に水平に昇降でき、上昇より開
口部を遮蔽しうる蓋体を設けることを基本とし
て、換気効率を高めるとともにフアンを入室者の
視野から遮蔽できかつ部屋にフアンから発生する
騒音の伝播を著滅しうる空調構造の提供を目的と
している。

〔考案の開示〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図において空調構造は、天井板２に部屋３と小
屋裏４とを通気する開口部５を設けかつ開口部５
に臨むフアン６を小屋裏４に配設しており、又開
口部５に水平に昇降しうる蓋体７を設けている。

開口部５は、天井板２を開穿することにより形
成される通気孔２１であつて、本例では部屋３の
略中央上方に設けられる。又開口部５の上面に
は、該開口部５の孔寸度よりやや小寸の透孔２２
を具える座板２３を、通気孔２１と透孔２２の中
心を合わせて載置しかつ釘着等により固定する。
従って座板２３下面には、透孔２２に沿う段差部
２４が形成される。

支持体２６は、角筒状の側壁２７の下端に、前
記座板２３に取付くフランジ２９を側出する。側
壁２７上部には支持体２６の内、外を導通する導
孔３０を設ける一方、導孔３０下方の側壁２７内
側には、下を向く前記フアン６が支持枠３１を介
して取付けられる。従って支持体２６は開口部５
から小屋裏４にのびるダクト状をなし、支持体２
６の内部に前記開口部５の直上に位置してフアン
６が配設される。

蓋体７は、天井板２の通気孔２１と略同寸の矩
形状をなし、吸音性を有するボード材等を用いた
板状体であって、その下面に把部３５を形設する
とともに、前記座板２３に取付く作動具１１を接
続する。

作動具１１は、前記矩形孔２２の向き合う側縁
に沿って配される一対の案内金具３６、３６と、
該案内金具３６、前記蓋体７間を連結する複数本
のリンク３７……とを有する。

案内金具３６は、座板２３に直立する垂直片３
９の下端に、固定用のボルト孔を具える耳片を側
出するとともに、垂直片３９には座板２３に沿っ
てのびる２個の長孔４０，４０を同一軸線上に並
設する。又向き合う案内金具３６，３６間には前
記長孔４０，４０をともに挿通する断面円形の上
部の軸体４１，４１が架け渡され、軸体４１は、
長孔４０に沿って移動することができる。

又蓋体７の上面各隅部近傍には、透孔４３を具
える取付金具４４……を立上げるとともに、前記
上部の軸体４１と同方向に配される下部の軸体４
５を取付金具４４，４４間の前記透孔４３，４３
を挿通させて架け渡す。

リンク３７は、両端に上、下部の軸体４１，４
５が夫々貫通する孔４６，４７を具える短冊状の
板体であり、同じ寸度に形成された一対のリンク
３７，３７を十字状に交叉させかつ上部の孔４６
を上部の軸体４１に、又下部の孔４７を下部の軸
体４５に夫々回動可能に挿通することによつて、
蓋体７はリンク３７，３７を介して案内金具３６
に連結される。

前記一対のリンク３７，３７は同一寸度に形成
されているため、上部の軸体４１，４１の長孔４
０，４０に沿う移動により、蓋体７は水平に昇降
でき、又上昇することによつて開口部５の前記通
気孔２１に嵌入し、該開口部５を遮蔽する。なお
座板２２の段差部２４にはシール５３を添着し、
開口部５の遮蔽した際の気密を保持する。従つて
前記作動具１１は蓋体７を昇降させ、開口部５を
開閉しうる開閉手段を形成する。

又案内金具３６には、長孔４０の上方に、前記
リンク３６の端縁を弾性により押圧しうる凹部５
１を設けた係止具５２が蓋体７の上昇、下降位置
に合わせて取付けられ、該係止具５２は蓋体７を
上昇、下降位置で係止する一方、前記蓋体７に設
ける把部３５により、該蓋体７を手により下降す
ることが出来る。

なお小屋裏４には小屋裏４を外気に導通する換
気口５４が配設される。

然して第１図に示すごとく、蓋体７を下降し開
口部５を開放することによつてフアン６の駆動と
ともに部屋３の空気は開口部５から導孔３０を通
り小屋裏４に流入し換気口５４を通り屋外に排出
される。なお蓋体７は水平に下降しており、従つ
て蓋体７周縁と天井板２との間には略均等な間隙
が形成されるため、部屋３は効率よく換気でき
る。又フアン６は蓋体７によつて入室者の視野か
ら遮蔽されるとともに、フアン６から発生する騒
音を蓋体７が吸収するため騒音の部屋３への直接
伝播が阻止できる。

又フアン６を停止させ自然換気する場合であっ
ても開口部５を広い面積で開放しうるため、効率
のよい換気が可能となる。

冬期等、部屋３と小屋裏４との換気を遮断する
際には蓋体７を上昇させ通気孔２１に蓋体７を嵌
め入れることにより、開口部５は、遮蔽されかつ
面一な天井面を形成するとともに、両者の間を気
密に遮断することができる。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の空調構造は、天井板に設
ける開口部に臨ませ小屋裏にフアンを配設すると
ともに、開口部に水平に昇降でき上昇により開口
部を遮蔽しうる蓋体を設けたため、フアンを入室
者の視野から遮蔽できかつフアンから発する騒音
の直接伝播を阻止でき、部屋の見映えと騒音を低
下し居住性を向上する。又フアンを停止し自然換
気する場合であっても効率のよい換気が可能とな
る。さらに開口部を遮蔽することによって、冬期
等における部屋の暖気が小屋裏に上昇するのを防
止でき、小屋裏の結露を阻止でき家屋の耐久性を
高めうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図はその要部を蓋体の下降した状態で示す断面
図、第３図は蓋体をその作動具とともに示す斜視
図、第４図は開口部の閉塞した状態を示す断面図
である。 ２……天井板、３……部屋、４……小屋裏、５
……開口部、６……フアン、７……蓋体、２６…
…支持体、３５……把部、３６……案内金具、３
７……リンク、４０……長孔、５２……係止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井板に、部屋と小屋裏とを通気する開口部を
   設けかつ該開口部から小屋裏にのびるダクト状の
   支持体の内部に、前記開口部の直上に位置してフ
   アンを配設するとともに、前記天井板上に設ける
   水平な案内金具と、一端が前記蓋体に回動可能に
   取付けられかつ他端が前記案内金具に設けた水平
   な長孔を移動することにより蓋体を昇降自在かつ
   上昇により開口部を閉止可能に案内金具を継ぐ交
   叉したリンクとからなる開閉手段を設けるととも
   に、前記案内金具に蓋体を前記開口部の前記閉止
   位置で保持する係止具を設ける一方、前記蓋体に
   手により該蓋体を下降する把部を設けてなる空調
   構造。