JPH035609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、天井開口部に設置されるはしごユ
ニツトに関する。

〔背景技術〕

天井裏を収納庫等として利用する場合、天井裏
への通路として天井開口部に、この開口部内への
収納可能なはしごユニツトを設置すると便利であ
る。

第１図は従来のはしごユニツトをあらわす。図
にみるように、このはしごユニツトは、天井開口
部１に配置される枠体（枠板）２、開閉自在とな
るよう丁番により枠体２に取り付けられた蓋体
（フタ板）３および蓋体３に固定された折りたた
み式はしご４をそれぞれ備えている。折りたたみ
式はしご４には、伸ばしたとき上側となる部分の
両側部に手すり４ａが設けられている。枠体２と
蓋体３の両側には、天井の高さ等に応じてはしご
４の角度を調節するための角度調節手段５が設け
られている。角度調節手段５は２本のアーム５
ａ，５ｂからなるリンクおよびストツパ５ｃを持
つ。アーム５ａの上端は枠体２に、アーム５ｂの
下端は蓋体３に、それぞれ、軸着されている。ス
トツパ５ｃは、第２図に示されているように、鉤
部７ａを持つ掛金具７がダブルナツト７ｂにより
取付金具６に取付けられ、ダブルナツトの位置か
ら鉤部までの距離が可変になつている。鉤部７ａ
には、アーム５ａが引掛けられるようになつてお
り、掛金具７のダブルナツトから鉤部７ａまでの
距離を伸縮することによつて、アーム５ａの最大
傾斜角を調節し、これにより、はしご４の傾斜角
度を調節することができるようになつている。ア
ーム５ｂの下端と枠体２は、バネ（スプリング、
引つ張りバネ）８によりつながれており、このバ
ネ８は、蓋体３を閉じる方向に引つ張つて、はし
ご４を下ろすとき急激に落下することを防止する
とともに、はしご４を納めるときの持上げ力が少
なくて済むようにしている。

このはしごユニツトでは、はしご４を蓋体３の
上に折りたたんで蓋体３を閉じれば、はしご４を
天井裏に収納することができる。

しかし、このはしごユニツトは、手すりや角度
調節手段を併せて設けるようにしているので、部
品点数が多くなり、かつ、構造が複雑になつてい
た。

〔考案の目的〕

この考案は、部品が少なく構造が簡単なはしご
ユニツトを提供することを目的としている。

〔考案の開示〕

前記のような目的を達成するため、この考案
は、天井開口部に上端を中心にして回動可能に設
置されるはしごユニツトにおいて、天井開口部側
とはしご側の間に手すりを兼ねる円弧体が掛け渡
され、この円弧体のはしご側ははしごの回動動作
に追随するよう固定されるとともに、天井開口部
側は円弧体が摺動できるよう係合され、かつ、前
記円弧体の天井開口部側端部には円弧体の下側へ
の摺動距離を規制する手段が設けられていること
を特徴とするはしごユニツトをその要旨としてい
る。以下、実施例をあらわす図面にもとづき、こ
の考案を詳しく説明する。

第３図および第４図のａ〜ｄは、この考案にか
かるはしごユニツトの１実施例をあらわす。図に
みるように、このはしごユニツトも、従来のもの
と同様、天井開口部１に配置される枠体２、開閉
自在となるよう丁番等により枠体２に取り付けら
れた蓋体３および蓋体３に配置された折りたたみ
式はしご４をそれぞれ備えている。蓋体３の両側
には、取付金具９により、円弧体１０の下端が固
定されている。この円弧体１０は、蓋体３の回転
中心（丁番等）から半径200〜1000mm程度の円周
上に位置するようにするのがよい。円弧体１０の
上端には、ねじ１０ａが切られており、このねじ
１０ａにはナツトからなるストツパ１１が螺合さ
れている。枠体２の内側には、Ｕ字形部を持つ取
付金具１２が固定されている。取付金具１２のＵ
字形部には円弧体１０の中間部が摺動自在に挿入
されている。円弧体１０の下端と枠体２は、バネ
８によりつながれている。取付金具９，１２、円
弧体１０およびストツパ１１ははしご４の角度調
節手段を構成しており、蓋体３が閉じられている
ときは、一点鎖線で示されているように円弧体１
０の大部分は取付金具１２よりも上にある。蓋体
３を開くと、円弧体１０は図に実線で示すように
下に移動し、ストツパ１１が取付金具１２に当た
る。そうすると、それ以上、蓋体３は開くことが
できなくなり、はしご４の傾斜角度が決められ
る。ストツパ１１の螺合位置を変えることによ
り、はしご４の角度を調節することができる。そ
して、円弧体１０は手すりも兼ねているのであ
る。枠体２の側部および蓋体３の側部には、一旦
停止ストツパ１３を構成するストツパラツチ１３
ａおよびストツパ金具１３ｂがそれぞれ固定され
ている。扇形のストツパ金具１３ｂには、蓋体３
が天井面に対し５〜10゜と60゜の傾きになつたと
き、ストツパラツチ１３ａの先端が入り込む二つ
の穴１４，１４が設けられている。ストツパラツ
チ１３ａはバネにより先端が常に突出するよう付
勢されており、穴１４が、ストツパラツチ１３ａ
の位置に来ると、第３図のｂ，ｄに示されている
ように先端が穴１４に入り込むよう突出する。そ
して、穴１４にストツパラツチ１３ａの先端が挿
入された状態で蓋体３を開閉するよう強い力を加
えると、ストツパラツチ１３ａの先端は穴１４か
らはずれて引つ込むようになつている。したがつ
て、蓋体３は、第３図のａ，ｂに示されているよ
うに５〜10゜の傾きおよび第３図のｃ，ｄで示さ
れているように、60゜の傾きで停止させることが
できるようになつている。

この発明にかかるはしごユニツトでは、角度調
節手段の円弧体が手すりを兼ねているので、部品
点数が少なく構造が簡単である。なお、円弧体が
蓋体の側部に設けられていると従来のようにはし
ごの側部に手すりが設けられている場合に比べ、
開口部を広く使えるので、昇り降りが楽である。

また、実施例のはしごユニツトのように、一旦
停止ストツパを設けるようにしておくと、つぎの
ような効果がある。すなわち、普通、バネを用い
て蓋体が滑らかに開閉する（開閉の補助とする）
ようにしているが、蓋板やはしごの重量のバラツ
キやバネの強さのバラツキにより、バネの引く
力が弱いといつた理由で、蓋体を開ける際、蓋板
が勢いよく開き、その勢いではしごが頭上に落下
する、バネの引く力が強いといつた理由で、は
しご収納の際、はしごを持ち上げると同時に蓋板
が上がつてしまい、はしごを折りたたむのが困難
になる、同様に、バネの引く力が強いといつた
理由で、蓋板を閉める際、勢いよく閉つて衝撃が
発生するといつたようなことが起こることがあ
る。しかし、前記のように、一旦停止ストツパを
設けるようにしておくと、５〜10゜および60゜で一
旦蓋板の開閉が停止するので、前記のようなこと
は全く起こらない。なお、蓋板を一旦停止させる
角度は５〜10゜および60゜に限定されるものではな
く、自由に選択してよい。

なお、はしごは、折りたたみ式はしごとは限定
されず、引くことによつて延ばすようになつたス
ライド式のはしご等であつてもよい。

〔考案の効果〕

この考案は、上に述べたように構成されている
ため、部品点数が少なくて構造が簡単である。

〔参考〕

ところで、前記一旦停止ストツパの代わりに、
第５図および第６図に示されているようなバネを
設けるようにしても、前記，の問題を解決す
ることができる。

すなわち、図にみるように、枠体２の側部には
板バネの先端を弯曲させてなるバネ１５が設けら
れている。このバネ１５は、第６図に示されてい
るように、はしご４が短くされて蓋体３上に載せ
られ、蓋体３が閉じられたとき、その先端部がは
しご４に当たり、はしご４を矢印方向に押すよう
にしている。蓋体３を開くと、第６図に一点鎖線
で示されているように、バネ１５は、はしご４か
らはずれる。図中、第１図と共通する番号は同じ
ものをあらわしている。

このようにバネ１５を設けるようにしておく
と、蓋体３の開閉時、バネ１５がクツシヨンとな
り、バネ８による蓋体３の開閉の勢いが緩和され
る。そのため、前記，の問題が解決されるの
である。なお、クツシヨンとなるバネの形はバネ
１５のようなものに限定されない。

第７図〜第９のようなはしごユニツトを天井開
口部に配置すると、従来のはしごユニツトのよう
に、蓋体が必要でなくなり、しかも、天井開口部
を開口の大きさを調節することが可能な通風孔と
して用いることもできるようになるので、非常に
便利である。

図にみるように、このはしごユニツトは、踏み
板１６の４隅が、それぞれ、各側２本、合計４本
の柱（側板）１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄに
軸着されている。柱１７ａと１７ｂ，１７ｃと１
７ｄを接合させた状態では、第７図のように、踏
み板１６…は横になつて、隣り合う踏み板１６，
１６間に隙間がなくなるようになるが、柱１７
ａ，１７ｃをそれぞれ柱１７ｂ，１７ｄから離す
（スライドさせる）ようにすると、踏み板１６が
柱１７ａ〜１７ｄに対して回動して、立つた状態
となり、隣り合う踏み板１６，１６間に隙間がで
きる（階段状になる）。

このはしごユニツトは、たとえば、次のように
して用いられる。使用しないときは、第９図のａ
に示されているように、柱１７ａと１７ｂ、柱１
７ｃと１７ｄを接合させた状態で天井開口部１の
上に載せておく（柱１７ｃと１７ｄは図ではあら
われていない）。天井開口部１は、横になつた踏
み板１６…でふさがれるので、従来のはしごユニ
ツトのように蓋体が必要でない。はしごとして使
用するときは、第９図のｂに示されているよう
に、一端を下ろし、つぎに、第９図のｃに示され
ているように、柱１７ａ，１７ｃを柱１７ｂ，１
７ｄから離し（柱１７ｃ，１７ａは図ではあらわ
れていない）、踏み板１６…を柱１７ａ〜１７ｄ
に対して立てる。そうすると、はしごユニツトを
登ることができるようになる。天井開口部１には
しごユニツトを載せたまま、踏み板１６…を柱１
７ａ〜１７ｄに対して立てるようにすると、踏み
板間に隙間ができ、通風口となる。踏み板の角度
を変えることにより開口の広さを調節することが
できるため、天井開口部の通風量を調節すること
もできる。

このはしごユニツトは、従来のはしごユニツト
のように折りたたみ式はしごを伸ばすといつたこ
とが必要でないので操作が簡単である。また、踏
み板を寝かせておくとスペースをとらないといつ
た特徴もある。

第１０図のａ〜ｃに示されているはしごユニツ
トは、蓋体の開閉操作が非常に楽である。

図にみるようにこのはしごユニツトは、天井開
口部に配置される枠体２、開閉自在となるように
枠体２に取り付けられた蓋体３を持つ。蓋体３に
は折りたたみ式はしご、あるいは、スライド式の
はしご等が固定されているが、図では省略した。
蓋体３には、バネ取り付け金具１８が立設されて
おり、このバネ取付金具１８と枠体２とは、第１
０図のａに示されているように、蓋体３を閉じた
状態において、バネ取り付金具１８側の取付高さ
位置が枠体２側よりも高くなる（ａ＞ｂ）ように
してバネ１９によりつながれている。そして、バ
ネ１９は、蓋体３を閉じた状態で、圧縮された状
態となり、第１０図のｂに示されているように、
蓋体３を少し開いた状態で、自然長の状態とな
り、第１０図のｃに示されているように、蓋３を
大きく開いた状態では、伸ばされた状態となるよ
うに長さが調節されている。

蓋体にはしごを設けるようにした従来のはしご
ユニツトでは、普通、常にバネの縮む力で蓋体を
引つ張るようにしているため、蓋体を開けるとき
（初期）、大きな力が必要であつた。これに対し、
このはしごユニツトは、蓋体が閉じているとき
は、バネの伸びる力が上向きの力として蓋体を押
し上げるようにし、蓋体を少し開くとバネが延び
て自然長の状態となつて自重で自然に蓋体が開く
ようになつている。そのため、蓋体を開けると
き、あまり大きな力を必要としない。また、蓋体
が自然に開いていくと、今度はバネが伸びた状態
となり、バネの縮もうとする力が、蓋体を引つ張
るようになり、蓋体の開く速さが遅くなる。した
がつて、このはしごユニツトは、蓋体の開閉操作
が非常に楽になつている。

蓋体にはしごを設けるようにした構造のはしご
ユニツトにおいて、蓋体の下面は、囲りの天井と
の違和感をなくすといつた理由で、天井に用いた
のと同じ天井仕上材を用いて仕上げるのが普通で
ある。仕上材としては、合板、ロツクウール、石
こうボード等が用いられる。しかし、仕上げ材の
種類によつて、蓋体の重さが変わるため、蓋体を
閉じる方向に引つ張るバネを設けるようにした場
合、バネの引つ張り力を所定の力とするには、蓋
体の重さに応じて、バネの蓋体等に対する取付位
置を変更しなければならず、非常にめんどうであ
つた。

これに対し、第１１図に示されたはしごユニツ
トは、蓋体を閉じる方向に引つ張るバネの調整が
不要で、しかも、力を加えない状態で蓋体が開く
のが防止されるという特徴を持つ。

図にみるように、このはしごユニツトは天井開
口部に配置される枠体２、開閉自在となるよう枠
体２に取り付けられた蓋体３を持つ。枠体２と蓋
体３には、蓋体３を閉じる方向に引つ張るバネ８
の両端が接続されている。蓋体３には折りたたみ
式はしご、あるいは、スライド式はしご等が配置
されているが、図では省略した。枠体２には、磁
石２０が配置されており、蓋体３を閉じたとき、
蓋体３の磁石２０と向かい合う位置には、鉄等の
磁性材料からなる複数のおもり２１…が、木ネジ
やビス等により、取りはずしが自在となるように
して固定されている。

このはしごユニツトは、おもりをはずして数を
調節することにより、蓋体の重さを調節すること
ができる。たとえば、石膏ボード等の重い天井仕
上げ材が用いられている場合、多くのおもりをは
ずすようにする。したがつて、バネ８の取り付け
位置を一定にしておくことができる。また、蓋を
閉じた状態では、おもりが磁石にひきつけられて
いるので、力を加えない状態でひとりでに蓋体が
開くというようなことが起こらない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のはしごユニツトの斜視図、第２
図は同はしごユニツトの角度調節手段の斜視図、
第３図はこの考案にかかるはしごユニツトの斜視
図、第４図のａ〜ｄは、同はしごユニツトのスト
ツパラツチおよびストツパ金具の動作説明図、第
５図はクツシヨンとなるバネを備えたはしごユニ
ツトの斜視図、第６図は同はしごユニツトのクツ
シヨンとなるバネの動作説明図、第７図および第
８図は、蓋体を必要としないはしごユニツトの斜
視図、第９図ａ〜ｃは同はしごユニツトの使用説
明図、第１０図のａ〜ｃは、蓋体の開閉操作が非
常に楽なはしごユニツトの動作説明図、第１１図
は蓋体を閉じる方向に引つ張るバネの調整が不要
なはしごユニツトのはしごを省略した斜視図であ
る。 １……天井開口部、４……はしご、１０……円
弧体、１１……ストツパ、１２……取付金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 天井開口部に上端を中心にして回動可能に設
   置されるはしごユニツトにおいて、天井開口部
   側とはしご側の間に手すりを兼ねる円弧体が掛
   け渡され、この円弧体のはしご側ははしごの回
   動動作に追随するよう固定されるとともに、天
   井開口部側は円弧体が摺動できるよう係合さ
   れ、かつ、前記円弧体の天井開口部側端部には
   円弧体の下側への摺動距離を規制する手段が設
   けられていることを特徴とするはしごユニツ
   ト。 (2) 天井開口部側とはしご側の間に、はしごの回
   動軌跡の適宜の位置でその回動動作に制動をか
   ける一時的ストツパが設置されている実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のはしごユニツト。