JPH0356098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、サンルーフを備えた車両の排水装
置、詳しくは主として前記サンルーフの内面に発
生する露を車外に排出するための排水装置に関す
る。

（従来技術） 近年、車室内においてより一層の開放感を得る
ために、例えば実開昭55−85313号公報に見られ
るごとく、車両のルーフパネルに、車室上面から
車室側面に開口する従来よりも開口面積の大きい
開口部を形成すると共に、該開口部を、別途形成
した断面ほぼＬ字状のサンルーフにより覆い、該
サンルーフを介して前記開口部を開閉するごとく
成している。

（考案が解決しようとする問題点） ところで以上のサンルーフを装備した車両で
は、車室内と車室外との温度差が大きくなると、
前記サンルーフの内面に露が発生し、その露が前
記サンルーフの内面を伝つて、該サンルーフの下
端縁に嵌着したウエザーストリツプゴムの上で且
つ前記サンルーフと前記開口部の下端縁を画成す
るルーフパネルとの空間に溜り、そのドレンがと
もすると前記ルーフパネルの開口端縁をオーバフ
ローして車室内に侵入するおそれがある。

以上の問題点を解決するため、前記サンルーフ
の下端縁に嵌着したウエザーストリツプゴムの上
方で且つ前記サンルーフの下端部と対向する前記
ルーフパネルに、排水孔を設けると共に、該排水
孔にドレンパイプを接続して、該ドレンパイプの
遊端側を車室外に延設し、前記空間に留まるドレ
ンを前記排水孔から前記ドレンパイプを介して車
室外に排出することも考えられるが、この方法で
あると、前記ルーフパネルに開口部を複数個形成
して、それぞれにサンルーフを組付けた車両の場
合では、前記開口部ごとにドレンパイプを配管し
なければならず、該ドレンパイプの配管作業に手
間を要するし、又走行時、前記ドレンパイプがガ
タついて、騒音発生の原因ともなる虞も多分にあ
る。

本考案は以上の問題点に鑑みて開発したもの
で、目的とするところは、極めて簡単な構成で、
複数のサンルーフの内面に発生する露などのドレ
ンを回収して、確実にフロア下方の車外に排出す
ることの出来る排水装置を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） しかして本考案は、ボデイ内側に、前後方向に
延びるルーフサイドレールを配設する一方、ルー
フパネルに、車室上面から車室側面に開口する開
口部を複数形成し、外周縁にウエザーストリツプ
ゴムを嵌着したサンルーフにより、前記各開口部
を閉鎖するごとくしたサンルーフ付車両におい
て、前記サンルーフの下端縁に嵌着した前記ウエ
ザーストリツプゴムよりも上方で且つ前記サンル
ーフの下端部と対向する前記ルーフパネルに、車
室内に開口する排水孔を複数形成すると共に、前
記ルーフサイドレールに、前記各排水孔からのド
レンを収容する樋を設け、且つ該樋に、前記ドレ
ンをフロア下方に排出するドレンホースを接続し
て、該ドレンホースをボデイのピラー内に配設し
たことを特徴とするものである。

（作用） 本考案によれば、前記サンルーフの内面に発生
するドレンが前記排水孔を介して前記樋に集めら
れた後、前記ドレンホースを介してフロア下方の
車外に排出されるのである。

（実施例） 以下、本考案にかかるサンルーフ付車両の排水
装置の一実施例を図面に基づいて説明する。

図において１は自動車のルーフ及び自動車の側
壁上端部を構成するルーフパネル、２は前記ルー
フパネル１の両端部と連続して自動車の側壁を構
成するサイドパネルであつて、前記ルーフパネル
１における前部と中間部と後部に、それぞれ車幅
方向ほぼ中央位置から前記サイドパネル２の上端
近くにわたつて開口する左右一対の開口部１０を
形成すると共に、合計６体のサンルーフ３を前記
ルーフパネル１に枢着して、これらサンルーフ３
により前記各開口部１０をそれぞれ開閉するごと
く成している。

尚、前記開口部１０は車室上面から車室側面に
かけて開口しており、又前記サンルーフ３は前記
開口部１０における車室上面側を閉鎖するメイン
ルーフ部３１と該メインルーフ部３１の一端から
下方に屈曲して前記開口部１０における車室側面
側を閉鎖するサイドルーフ部３２とから成り、該
サンルーフ３の周縁にはウエザーストリツプゴム
３０を嵌着している。

又４は前記ルーフパネル１の内面側で且つ前記
開口部１０の下端縁下方、即ち前記ルーフパネル
１と前記サイドパネル２との接続部位に沿つて配
設されたルーフサイドレールであつて、サイドレ
ールアウタパネル４１とサイドレールインナパネ
ル４２とから閉断面に形成されている。

又１１は前記ルーフパネル１の内面において前
記開口部１０の下端縁に沿つて配設したリインホ
ースメント、１２は同じく前記ルーフパネル１の
内面において前記開口部１０の両側縁に沿つて配
設したリインホースメントであり、また２１は前
記ルーフパネル１と前記サイドパネル２との接続
部に配設したドリツプチヤンネルである。

しかして、前記各サンルーフ３の内面に発生す
る露は、該サンルーフ３のメインルーフ部３１か
ら前記サイドルーフ３２を伝つて、該サンルーフ
３２の下端に流下し、前記サイドルーフ部３２と
該サイドルーフ部３２の下端に嵌着している前記
ウエザーストリツプゴム３０と前記各開口部１０
の下端縁を画成する前記ルーフパネル１との空所
Ｓに留まるのであり、そこで、前記ルーフパネル
１に前記空所Ｓと車室内Ｒとを結ぶ排水孔５を、
前記各開口部１０に対応して形成すると共に、デ
ツドスペースとなつている前記ルーフサイドレー
ル４上に、前記各排水孔５からのドレンを収容し
て車外に案内する樋６を設け、該樋６を介して前
記各排水孔５からのドレンを車外に排出するよう
に成したのである。

図に示す実施例では、前記ルーフパネル１の前
部に形成した開口部１０の下端縁一側に１つの排
水孔５を、又前記ルーフパネル１の中間部及び後
部に形成した開口部１０の下端縁には、それぞれ
の両サイドに２つの排水孔５を設け、これら各排
水孔５に、前記ルーフサイドレール４上に延びる
第１ドレンホース５０をそれぞれ接続している。

又前記樋６は、前記ルーフサイドレール４とは
別体の断面Ｕ字状を呈するチヤンネル材を用い、
該樋６を前記ルーフサイドレール４の上面に前後
方向に延びるようにスポツト溶接で固定し、該樋
６内に前記第１ドレンホース５０の遊端を突入さ
せている。

そして前記樋６の底壁及び該樋６を載置固定し
ている前記ルーフサイドレール４のルーフサイド
アウタパネル４１に、自動車のセンターピラー２
０内に開口する透孔７を穿設すると共に、前記セ
ンターピラー２０内に挿通した第２ドレンホース
７０の一端を、前記透孔７に接続して、前記樋６
内に収容される前記各排水孔５からのドレンを、
前記第２ドレンホース７０から前記センターピラ
ー２０内を通して自動車のフロア下方より車外に
排出するように成している。

次に以上の構成から成る排水装置の作用を説明
する。

例えば冬季において、車室内と車室外との温度
差が大きくなると、前記各サンルーフ３の内面に
露が発生して、その露が該サンルーフ３の内面を
伝い、該サンルーフ３におけるサイドルーフ部３
２の下端縁に嵌着した前記ウエザーストリツプゴ
ム３０上に流下してくるが、各サンルーフ３のウ
エザーストリツプゴム３０上に流下したドレン
は、前記各排水孔５より、前記第１ドレンホース
５０を介して前記樋６に収容された後、一括して
前記第２ドレンホース７０より前記センターピラ
ー２０内を通つて自動車のフロア下方より車外に
確実に排出されるのである。

以上実施例によれば、前記樋６を車室内におい
てデツドスペースとなつている前記ルーフサイド
レール４に載置固定したから、デツドスペースの
有効利用が図れるし、且つ前記樋６が車室内の乗
員の目に入る虞もない。

尚、前記の実施例では、前記樋６を前記ルーフ
サイドレール４とは別体に形成したが、該ルーフ
サイドレール４に一体形成してもよい。

（考案の効果） 以上のごとく本考案は、ボデイ内側に、前後方
向に延びるルーフサイドレールを配設する一方、
ルーフパネルに、車室上面から車室側面に開口す
る開口部を複数形成し、外周縁にウエザーストリ
ツプゴムを嵌着したサンルーフにより、前記各開
口部を閉鎖するごとくしたサンルーフ付車両にお
いて、前記サンルーフの下端縁に嵌着した前記ウ
エザーストリツプゴムよりも上方で且つ前記サン
ルーフの下端部と対向する前記ルーフパネルに、
車室内に開口する排水孔を複数形成すると共に、
前記ルーフサイドレールに、前記各排水孔からの
ドレンを収容する樋を設け、且つ該樋に、前記ド
レンをフロア下方に排出するドレンホースを接続
して、該ドレンホースをボデイのピラー内に配設
したことにより、前記各開口部ごとにドレンパイ
プを配設せずとも前記各開口部のサンルーフ内面
下端部に溜るドレンを、前記樋で一括して収容し
た後、前記ドレンホースを介してフロア下方より
車外に排出することが出来、従つてそれだけ組付
工程が簡単となるし、またドレンパイプを各開口
部ごとに配管する場合に比較して走行時の騒音を
小さくすることも出来るのである。

また本考案によれば、前記ドレンホースがピラ
ー内に配設されているので、該ドレンホースが外
部に露呈することがないし、また前記ドレンホー
スを介してフロア下方にドレンを排出するように
しているので、ドレンによりボデイ外面が汚れる
ような不具合もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる排水装置の一実施例を
示す概略斜視図、第２図は第１図に示す排水装置
を備えた自動車のルーフ部分の概略斜視図、第３
図及び第４図は要部の拡大断面図である。 １……ルーフパネル、１０……開口部、３……
サンルーフ、３０……ウエザーストリツプゴム、
４……ルーフサイドレール、５……排水孔、６…
…樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデイ内側に、前後方向に延びるルーフサイド
   レールを配設する一方、ルーフパネルに、車室上
   面から車室側面に開口する開口部を複数形成し、
   外周縁にウエザーストリツプゴムを嵌着したサン
   ルーフにより、前記各開口部を閉鎖するごとくし
   たサンルーフ付車両の排水装置であつて、前記サ
   ンルーフの下端縁に嵌着した前記ウエザーストリ
   ツプゴムよりも上方で且つ前記サンルーフの下端
   部と対向する前記ルーフパネルに、車室内に開口
   する排水孔を複数形成すると共に、前記ルーフサ
   イドレールに、前記各排水孔からのドレンを収容
   する樋を設け、且つ該樋に、前記ドレンをフロア
   下方に排出するドレンホースを接続して、該ドレ
   ンホースをボデイのピラー内に配設したことを特
   徴とするサンルーフ付車両の排水装置。