JPH0355672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本考案は、排水管等の掃除口に関するものであ
る。 ［従来の技術とその問題点］ 排水管にゴミが詰つた場合の掃除口は通常蓋着
状態に保持しておくものである。従来既存の掃除
口は、筒状口体の口端部内周に対し蓋体の筒部を
螺着すると共に、筒状口体の口端面と蓋体との間
に平板状のパツキングを挟着した構造であつて、
比較的耐水圧性が低く、シール性に問題がある
上、パツキングによるシール箇所がネジ部の外側
にあるため、排水中のゴミ等がネジ部に付着し易
く、特に掃除後に再締付けを行ないにくく、ひい
てはパツキングに対して充分な圧着力が得られな
いという欠点があつた。 そのため本出願人は、先に、上記のような欠点
を解消するため、筒状口体の口端部内周に内ネジ
を設け内ネジの内奥位置に内方ほど径小のテーパ
状をなす受止部を突接し、他方蓋体の塞板部より
延設された筒部外周には前記内ネジ部と螺合する
外ネジ部を設けると共に先端部外周に前記受止部
と略対応して先端ほど径小の無ネジ部を設け、こ
の無ネジ部の外周に形成された周溝にゴム等より
なるパツキングを一部突出状に嵌着保持し、筒状
口体の口端部に対する筒部螺合により前記パツキ
ングを受止部に対し圧着する排水管等の掃除口を
提案（実公昭60−19179号）した。 しかし上記提案の掃除口の場合、排水中のゴミ
がネジ部に付着することがないものの、排水管の
掃除のための蓋体の着脱作用、つまり蓋体の締緩
操作の度毎に、パツキングが筒状口体の受止部に
接触しながら回転するため、その摩擦によりパツ
キングが摩耗し、次第にシール性が低下すること
になり、耐久性が劣ることになつた。 また、パツキングが蓋体と一体に変位動するの
で、蓋体を筒状口体に対し常に強く締め付けない
と、蓋体に嵌着されたパツキングが筒状口体の受
止部に対し充分に圧着されないことになり、完全
なシール性が得れない。 本考案は、上記提案の掃除口をさらに改良して
締緩操作によるパツキングの摩耗を防ぎ、耐久性
及びシール性の優れた掃除口を提供するものであ
る。 ［問題点を解決するための手段］ 本考案は、排水管等の掃除口において、上記問
題点を解決するために下記の構成を備えた。 すなわち、筒状口体と外蓋体と内蓋体とからな
る排水管等の掃除口において、筒状口体は口端部
内周に内ネジを設け、内ネジの内奥位置に受止段
部を突設し、外蓋体は塞板部より延設された断面
円形の突出部の外周に前記内ネジと螺合する外ネ
ジを設けて、筒状口体に対し着脱自在にし、内蓋
体は筒状口体の口端部内側に嵌入可能であり、内
面に前記受止段部に当接可能な円形のゴム等より
なるパツキングを装着し、内蓋体を筒状口体内側
に嵌入し、外蓋体を筒状口体に螺合することによ
り内蓋体を押圧して、パツキングを前記受止段部
に対し圧着することを特徴とする。 ［作用］ 前記構成を有する本考案において、内蓋体を筒
状口体内部に嵌入し、外蓋体を筒状口体に螺合し
締め付けると、外蓋体の突出部先端が内蓋体に当
接し押圧するが、外蓋体は内蓋体に対して摺接回
転して螺入され、内蓋体を回転させない。 そのため外蓋体を締め付けた場合に、内蓋体は
回転することなく筒状口体内部方向に押圧され
て、その内側のパツキングに対するワツシヤの役
目を果し、パツキングを筒状口体内の受止段部に
対し圧着することになる。 これにより掃除口は、内蓋体の内方部において
シールされ、また掃除口を開く場合にも内蓋体が
回転することがない。 このようにパツキングは、外蓋体の締緩作用に
よつて回転することなく筒状口体の軸方向のみに
内蓋体を介して受止段部に対して圧着及び圧着解
除されるだけで摩擦が生じない。 ［実施例］ 本考案の実施例を第１図と第２図に基づいて説
明する。 本実施例の掃除口Ａは、筒状口体１と主に硬質
塩化ビニル樹脂等の合成樹脂成形体よりなる外蓋
体４と内蓋体２より構成されている。 筒状口体１は、排水管等の管端Ｂに対し接着、
溶着その他の手段により固着され、口端部内周に
内ネジ１１が設けられ、内ネジ１１の内奥位置に
受止段部１２を突設している。 外蓋体４は、塞板部４１より延設された外蓋筒
部の外周に前記内ネジ１１と螺合する外ネジ４３
が設けられ、筒状口体１に対し着脱自在になつて
いる。また塞板部４１には締緩操作用のツマミ４
２が一体に突出形成されている。 内蓋体２は、筒状口体１の口端部内側に嵌入可
能であり、該内蓋体２より延設され受止段部１２
内に挿入可能な内蓋筒部２３の外周にゴム等より
なる断面略円形のリング状のパツキング３を嵌着
保持している。又内蓋体２の外面中央には、着脱
操作用にツマミ２４が突出形成されている。 上記構成の掃除口は、内蓋体２を筒状口体１内
側に嵌入し、外蓋体４を筒状口体１に螺合するこ
とにより内蓋体２を押圧して、その内側のパツキ
ング３を前記受止段部１２に対し圧着して掃除口
Ａよりの漏水を防止する。 前記使用状態において、外蓋体４によつて内蓋
体２を押圧し、それと同時にパツキング３も前記
受止段部１２に対し圧着される。このとき内蓋体
２が外蓋体４の締め付けに対しパツキング３のワ
ツシヤの役目を果し、内蓋体２が外蓋体４ととも
に回転することはない。 そのためパツキング３は、筒状口体１の軸方向
のみに内蓋体２を介して外蓋体４からの力を受け
て受止段部１２に対して圧着されるだけで摩擦す
ることがない。 また、外蓋体４の締め付け具合の強弱にかかわ
らず、パツキング３が受止段部１２に圧着さえさ
れていれば、常に高い耐水圧性があり完全にシー
ルできるため漏水が起こらない。 その上、パツキング３によるシール箇所が内蓋
体２の内方にあつて、排水中のゴミ等がネジ部に
付着することもないので、外蓋体４の螺合作用に
よる着脱、特に掃除後の再締め付けが行い易く、
またネジを傷つけることもなく、耐久性に優れ、
常にパツキング３に対し充分な圧着力を得ること
ができる。さらにパツキング３は内蓋体２に嵌着
保持されているため、内蓋体２を取り外したとき
に離脱するおそれがなく、再締め付けも行ない易
い。 なお、本考案の掃除口の耐水圧破壊試験を大阪
府立工業技術研究所にえおいて行なつたところ、
次のようになつた。 ○ 試料 材質：硬質塩化ビニル樹脂製。 口径：50cm ○ 試験方法 密閉した管端の掃除口に対して水圧機により水
圧をかけ破壊。 〔結果〕

【表】 このように本考案の掃除口Ａは耐水圧性が高
く、シール性に優れている。 ［考案の効果］ 上記したようにパツキングと受止段部及び内蓋
体との間で摩擦が生じないので、パツキングが摩
耗せず、長期間の使用に耐える。 また、外蓋体の締め付け具合の強弱にかかわら
ず、常に高い耐水圧性があり完全にシールできる
ため漏水が起こらない。 その上、本考案の掃除口は、パツキングによる
シール箇所が内蓋体の内方にあるため、排水中の
ゴミ等がネジ部分に付着するおそれがなく、それ
ゆえ外蓋体の螺合作用による着脱、特に掃除後の
再締め付けが行ない易く、またネジを傷つけるこ
ともなく、上記パツキングの摩擦損傷を防止でき
ることと相まつて、耐久性に優れ、長期に亘り充
分な圧着力を得ることができる。 したがつて、本考案は排水管等の掃除口として
非常に優れており、従来の欠点を解消できるきわ
めて好適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の掃除口の分解斜視図であ
り、第２図は縦断面図である。 符号の説明、１……筒状口体、２……内蓋体、
３……パツキング、４……外蓋体、１１……内ネ
ジ、１２……受止段部、４１……塞板部、４３…
…外ネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 筒状口体と外蓋体と内蓋体とからなる排水管等
   の掃除口において、 筒状口体は、口端部内周に内ネジを設け、内ネ
   ジの内奥位置に受止段部を突設し、 外蓋体は塞板部より延設された断面円形の突出
   部の外周に前記内ネジと螺合する外ネジを設け
   て、筒状口体に対し着脱自在にし、 内蓋体は筒状口体の口端部内側に嵌入可能であ
   り、内面に前記受止段部に当接可能な円形のゴム
   等よりなるパツキングを装着し、 内蓋体を筒状口体内側に嵌入し、外蓋体を筒状
   口体に螺合することにより内蓋体を押圧して、パ
   ツキングを前記受止段部に対し圧着し得るような
   したことを特徴とする排水管等の掃除口。