JPH0355456Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、チヤイルドシートを車両用シートに
拘束させるためのチヤイルドシートの固定構造に
関する。

＜従来の技術＞ 車室内で使用されるチヤイルドシートにあつて
は、振動等によつても動かされることがないよう
チヤイルドシート本体を車両用シートに固定して
安全性を図らなければならない。

このような固定具としては、一般に車両用シー
トに装備されている乗員保護用の２点式あるいは
３点式シートベルトが兼用されている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ ところで、シートベルトによつてチヤイルドシ
ートを固定する場合には、チヤイルドシート本体
が比較的小さくてシートベルトから抜け易いため
に、例えばチヤイルドシート本体に係止孔を設け
ておき該係止孔にシートベルトの引出し端を貫通
した状態にして係止させなければならなかつた。

したがつて、従来の固定構造では、乗員を拘束
する場合に比して手間がかかつてしまうばかりで
なく、固定状態ではシートクツシヨンおよびシー
トバツク側にチヤイルドシート本体が固定される
のでシートバツクのリクライニング操作によりチ
ヤイルドシートの傾倒調整を行なうことができな
いという不具合を生ずる。

本考案は、このような事情に鑑みなされたもの
で、チヤイルドシート本体をワンタツチで固定で
き、しかも固定した後でもリクライニング操作が
行なえるようにすることを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ すなわち、本考案に係るチヤイルドシートの固
定構造は、チヤイルドシート本体の裏側に係合部
材を設けるとともに、該係合部材に対応し且つ車
輌用シートのシートバツクの側部に突出する操作
ノブによりロツク解除可能なロツク装置を前記車
両用シートのシートバツクの前側凹部に内設し、
前記係合部材をロツク装置に係脱可能にロツクさ
せて車輌用シートにチヤイルドシートを固定する
ことを特徴とする。

＜作用＞ チヤイルドシート本体はロツク装置によりシー
トバツク側に固定され、あるいは離脱される。ま
たチヤイルドシートの固定がシートバツク側だけ
になされるので固定状態でもリクライニング操作
が行なえることとなる。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例を第１図ないし第４図
により説明する。

第１図はチヤイルドシートの固定構造を示す概
略斜視図である。図において、チヤイルドシート
は、胸当パツド等によつて幼児を収容保持するバ
ケツトタイプのチヤイルドシート本体１からな
る。チヤイルドシート本体の裏側には、略中央の
左右方向に収納溝部１１が設けられており、この
収納溝部１１に折曲形成された係合部２１を両端
部に有する係合部材２が回動自在に配置されてい
る。そして係合部材２を収納溝部１１から引出し
て車両用シートのシートバツク３に内設された１
対のロツク装置４に係脱可能にロツクすることに
より、チヤイルドシート本体１をシートバツク３
に固定できるようになつている。

前記シートバツク３は、シートバツクフレーム
３１、パツド材３２、表皮材３３等を備えた周知
構成からなるが、前側の略中央部に前記１対の係
合部２１に対応して凹部３ａが左右側に設けられ
ており、これら凹部３ａから１対の係合部２１を
挿通して裏側に設けられたロツク装置４に各係合
部２１の先端をロツクできるように形成されてい
る。また凹部３ａの開口縁部には表皮材３３と同
一素材からなるカバー体３４が下開き状態で取付
けられ、第３図に示す通常使用状態（チヤイルド
シート本体１を固定しない場合）で凹部３ａを覆
うことによつて見栄えを保つている。

また、前記ロツク装置４は、第２図に示すよう
にハウジング４１内にあつて、軸４２によつて回
動枢支されたラツチ４３と、ラツチ４３を時計回
り方向に回動付勢する捩りコイルバネ（不図示）
と、ラツチ４３に一端が接合され、かつ他端がハ
ウジング４１の外部に伸びたレバー４４とを備え
ている。

このロツク装置４は、第１図の如くシートフレ
ーム３１のサイドフレーム部に取付けられ、また
前記レバー４４の先端はシートフレーム３１のサ
イドフレーム間に上下動自在に架設されたロツド
４６に取付けられるとともに、操作ノブ４５の回
動軸４５ａに固定された連結プレート４７を介し
て連繋されている。そして操作ノブ４５はシート
バツク３の一側部に突出され、操作ノブ４５を回
動操作することにより、連結プレート４７が回動
し、その先端部がロツド４６を持ち上げるので、
レバー４４が上方に持ち上げられてラツチ４３を
第２図の矢向方向に回動し、係合部２１との係合
をロツク解除できるようになつている。

このようなロツク装置４を装着したシートバツ
ク３には、第４図に示すように、チヤイルドシー
ト本体１が係合部材２の係合部２１をシートバツ
ク３の凹部３ａに差し込んでロツク装置４によつ
てロツクした状態で固定されることとなる。この
場合、チヤイルドシート本体１はシートバツク３
に固定されているだけなので、シートバツク３を
後傾にリクライニング操作すればチヤイルドシー
ト本体３も追随することとなる。またチヤイルド
シート本体３の下部とシートクツシヨン５との間
に隙間が形成されるようにロツク装置４の設置高
さを設定しておくことにより、チヤイルドシート
本体３を固定した状態でシートバツク３の前傾調
整も行なえることとなるのである。

＜考案の効果＞ 以上説明したように、本考案によれば、チヤイ
ルドシート本体の裏側に係合部材を設けるととも
に、該係合部材に対応し且つ車両用シートのシー
トバツクの側部に突出する操作ノブによりロツク
解除可能なロツク装置を車両用シートのシートバ
ツクの前側凹部に内設し、前記係合部材をロツク
装置に係脱可能にロツクさせて車両用シートにチ
ヤイルドシートを固定するという構成にしたた
め、チヤイルドシート本体の裏側に設けた係合部
材を、車両用シートのシートバツクの前側凹部に
内設したロツク装置に係合して、チヤイルドシー
トを車両用シートに固定することができ、従来の
シートベルトを使用して固定する構造に比して、
簡単に固定することができ、しかも、シートベル
トとは無関係にチヤイルドシートを車両用シート
に固定することから、チヤイルドシートを固定し
た後でも、車両用シートのシートバツクをリクラ
イニング操作することができ、チヤイルドシート
の使い勝手が大きく向上することになり、幼児を
安全にかつ好みの姿勢で着座させることができ
る。

また、本願考案は、ロツク装置を車両用シート
のシートバツクの前側凹部に内設した結果、チヤ
イルドシートの不使用時には、ロツク装置がシー
トバツク内に内蔵されて突起物とはならないの
で、通常のシートとして使用するのに、何等支障
を来さなくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチヤイルドシートの固定
構造を示す概略斜視図、第２図はシートバツクに
内設されたロツク装置を示す断面図、第３図は前
記ロツク装置が内設された車両用シートを示す全
体斜視図、第４図はチヤイルドシートの固定状態
を示す側面図である。 １……チヤイルドシート本体、２……係合部
材、２１……係合部、３……シートバツク、３ａ
……凹部、４……ロツク装置、４５……操作ノ
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チヤイルドシート本体の裏側に係合部材を設け
   るとともに、該係合部材に対応し且つ車両用シー
   トのシートバツクの側部に突出する操作ノブによ
   りロツクを解除可能なロツク装置を前記車両用シ
   ートのシートバツクの前側凹部に内設し、前記係
   合部材をロツク装置に係脱可能にロツクさせて車
   両用シートにチヤイルドシートを固定することを
   特徴とするチヤイルドシートの固定構造。