JPH0355242B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、少なくとも１つのねじ条、円錐面、
および少なくとも１つのねじ込み限定ストツプを
備える、特に石油産業で使用する鋼管の継手要素
の新規な加工方法、およびこの方法を実施するた
めの装置に関する。

「従来の技術」 現在の石油産業では、管要素の組立てが円錐形
の雄ねじと雌ねじによつて行われ、そしてそのね
じ込みの限定を協働して行う少なくとも１対のス
トツプが雄要素と雌要素に備えられているような
鋼管用継手が使用されている。

即ち、円錐ねじによつて管継ぎが行われ、そし
て雄要素の端部が雌要素の内部の肩部に対して突
当たるような継手が知られている。

また、雄要素にねじ込み限定肩部が設けられ、
そしてねじ込みの際その肩部に対して雌要素の端
部が突当たるような型式の継手もある。

「発明が解決しようとする問題点」 現在知られている製造方法の加工精度では、円
錐ねじに対するねじ込み限定ストツプの位置、ま
たそれらストツプの相互間位置を正確に決めるこ
とは困難である。

従つて、同じロツト生産された同一と見なされ
る継手要素の中でも、ある雌雄対の要素のねじの
嵌合はきつく、他の対のねじ嵌合は比較的緩いも
のになる。

この結果、継手の密封を良好にし、またストツ
プ面の損傷を防ぐ継手の最適な締付けトルクの範
囲を決めることが非常に難しくなる。

さらに、ねじ込み限定ストツプが複数対ある継
手の場合、それらねじ込み限定ストツプ対をそれ
ぞれに継手の最終締付けトルクで合わせるよう
に、十分小さい誤差で加工することは一層困難で
ある。

実際にはそのような場合、複数対のねじ込み限
定ストツプを同時に働かせることは断念しなけれ
ばならず、一般的に主要ねじ込み限定ストツプの
みが働き、その他のストツプ対は、もしあつて
も、継手の過大ねじ込みが行われた場合の補助的
な安全用として利用されるに過ぎない。しかもそ
の安全性は十分でなく、主要ストツプ対の塑性変
形を完全に防ぐのではない。

「問題点を解決するための手段」 本発明の方法によれば、円錐ねじに対するねじ
込み限定ストツプの正確な位置決め、および同一
継手上のねじ込み限定ストツプの相互間の正確な
位置決めを行うことができる。

このために本発明は、円錐面および少なくとも
１つのねじ込み限定ストツプを備える、特に石油
産業で用いる鋼管の継手要素を加工する方法にお
いて、最初に、該継手要素が備える円錐面の仕上
げ加工、および該要素のねじ込み限定ストツプの
予加工を行うこと、それから、該ねじ込み限定ス
トツプを加工する工具を担持したスピンドルに対
して軸方向に変位し、かつ回転できるように、該
円錐面と同じ円錐度のリングを該円錐面上に装架
すること、そして該工具担持スピンドルに対して
該継手要素を回転させると共に該工具担持スピン
ドルと該継手要素とを軸方向に相対的に変位させ
ることにより、該円錐面上に装架の該円錐リング
が該継手要素に対する該工具担持スピンドルの最
終軸方向変位を止めるストツプとなる所まで、該
継手要素の該ねじ込み限定ストツプの仕上げ加工
を行うことを特徴とする方法を提供する。

従つて、本発明の方法によれば、該ストツプの
仕上げ加工が、ねじに対し確実に決められた個所
で止められ（即ち、該ストツプの正確な位置決め
が行われ）るので、継手のねじ継ぎの際それらス
トツプを相互に接触させれば、雄要素と雌要素の
ねじ嵌合はいつも実質的に一定に行われるのであ
る。

また同一要素上に複数個のねじ込み限定ストツ
プがある場合でも、それらストツプは１つの工具
担持スピンドル上に固定された複数個の工具によ
つて同時に加工されるので、全て一定の所定距離
のところに位置決めされる。

本発明はまた、上記方法を実施するための装置
において、加工すべき該継手要素を回転駆動する
ための回転ジヨー、および該継手要素に設けるべ
き該ねじ込み限定ストツプの面の仕上げ加工を行
うための工具を担持するスピンドルを備え、この
工具担持スピンドルはまた、該要素のねじと同じ
円錐度の円錐形支承面を有するリングを担持し、
このリングはこれの軸心周りで該工具担持スピン
ドルに対し回転、かつ軸方向に摺動でき、該リン
グは好適には該加工される継手要素の方向に該工
具担持スピンドルに対して弾性的に押され、ま
た、該円錐リングと該工具担持スピンドルとにそ
れぞれ固定され、該継手要素の該ねじ込み限定ス
トツプの面の仕上げ加工時の該工具担持スピンド
ルの送りを中断させる１対のストツプを備えるこ
とを特徴とする装置を提供する。

本発明は、管要素の端部をすえ込み、かつ鍛造
した後でその管壁にねじとストツプが付けられる
ような要素の継手の加工に適用できる。

本発明はまた、ねじ止めや接着されるスリーブ
のような合わせ要素によりストツプを形成できる
複合継手に適用できる。

本発明の１つの好適な実施例において、継手要
素上に予め加工される該円錐面が、該要素の円錐
ねじのねじ条の頂部によつて、あるいは全体的に
円筒形のねじ上に円錐面を作る幾つかのねじ条
（特に端部のねじ条）の頂部によつて構成される。

そのようにして、ねじに対するねじ込み限定ス
トツプの正確な位置決めを行うことができる。

本発明の変化形実施例において、ねじに対して
当てられるのでなく、当該継手要素上に予め精密
に加工される円錐緘封面に対して当てられる円錐
リングを使用することができる。

この場合、その円錐密封面に対しストツプが精
密に位置決めされる。

この変化形は特に、円筒ねじの場合、そしてま
た特に円錐密封面で分けられた段付き円筒ねじの
場合に利用できる。

「実施例」 本発明の理解を容易にするために添付図面によ
つて本発明の実施例を説明するが、これは制限的
意味を有するものではない。

第１図の半断面図には所定の態様で円錐外ねじ
条２の形成された雄要素１が示されている。

工具担持スピンドル３はプレート４を有し、該
プレートの上には工具５が固定され、この工具の
形は前形成を行つた後に最終的に形成すべき雄要
素１の端部に与えんとする形に対応している。

円筒形スリーブ４ａは工具坦持スピンドルのプ
レート４上における所定の位置に固定される。こ
の固定はねじ条６のねじ込みによつて行われ、一
方前記プレート４の１部分はスリーブ４ａの円筒
形ボア７の中に挿入される。

ストツプを形成する固定リング８はスリーブ４
ａのねじ条６の中にねじ込み、調整自在の位置に
おいて停止せしめるようにすると共に前記プレー
ト４に対しスリーブ４ａの位置を予め決定するよ
うになつている。

スリーブ４ａは内部ストツプ９を有し、該スト
ツプは後述の如く加工時において工具５の前進を
阻止するようになつている。

スリーブ４ａはなおストツプ９の前方に円筒形
ボア１０を有し、このボアの中には周囲および背
面に減摩コーテイング１２を備えたリング１１が
その軸線のまわりを枢動しかつ軸線方向に移動し
得るように装架されている。クリツプ１４によつ
て支持されたストツプ１３はリング１１がスリー
ブ４ａから外れるのを阻止するためのものであ
る。

リング１１がスリーブ４ａの前進ストツプ９に
よつて支持されるようになつた時に、外スリーブ
４ａは固定リング８によりプレート４に対し、チ
ユーブ１の要素の端部がねじ条２に対するその所
要位置を確実に占めるように位置決めすることが
できる。

リング１１の内面１５は切頭円錐形を呈し、そ
のテーパはねじ条２のテーパに等しく、加工を行
う時に切頭円錐面１５がねじ条２のねじ山頂部に
よつて支持されるようになつている。

本発明によればリング１１を常に工具５と相対
する方向に押圧する弾性装置（図示せず）を設け
る方が有利である。

一つの変型においては、リング１１の切頭円錐
面１１を、チユーブ１の端部の近くに位置するね
じ条２のねじ山頂部の切頭円錐部分の上に支持す
るようになすことができ、この時前記ねじ条２は
円筒形とされるが、該ねじ条の端部に円錐形ねじ
山頂部を有するようにされる。

第２図は本発明による別の装置を半断面によつ
て示したもので、円錐内ねじ条２ａを有する雌要
素１ａの上のストツプ１７，１８の面を最終的に
形成することができる。

この雌要素１ａは回転ジヨー１６によつて工具
担持スピンドル３の軸線内に維持され、該スピン
ドルは円筒形部分１０を有し、この部分の上を減
摩コーテイング１２を有するリング１１が摺動
し、かつ該リングの外面は前記雌要素のねじ条２
ａと同様なテーパを有する切頭円錐形を呈してい
る。

工具５ａを担持するプレート４は円筒形支承面
７およびねじ条６によつて工具担持スピンドル３
の上に装架され、一方ロツクナツト８は前記プレ
ート４を、工具５，５ａによつて最終的に形成す
る雌要素のストツプ１７，１８の面の間に設ける
べき距離に対応する位置に確実に締着する。

前に第１図に示された場合と同様に、摺動リン
グ１１はなるべくは弾性機構（図示せず）によつ
て工具５の方に押圧される。

工具担持スピンドルが形成すべきねじ込み限定
面の方に移動するや否や、リング１１の円錐形外
面が加工の終了したねじ条２ａのねじ山頂部によ
つて支持されるようになる。

工具５，５ａはストツプ１７，１８を形成して
左方に移動し、この時同時に工具５はストツプ１
８に近傍する密封面を形成する。前加工が行われ
ている時はもちろんこれが最終加工となる。

リング１１は前述の如くストツプ１７，１８の
最終加工を行つて左方に移動した工具担持スピン
ドル３に対して回転するが、この加工はプレート
４のストツプ９がリング１１の対応する面によつ
て支持されるようになつた時に所定の位置におい
て自動的に停止する。

前述の実施方法においてはストツプ形成時にお
ける前進運動の制限は、前記リング１１が工具担
持スピンドルに固定されているストツプ９と物理
的に接触することによつて確実に行われる。

このような制限は他の適当な手段によつても行
い得ることは明らかである。たとえば最初加工時
に圧縮されたばねによつて機械的に位置決めされ
るストツプ、機械的ストツプとリングとの間に挿
置される玉軸受、針状ころ軸受または円筒ころ軸
受を使用することができる。電気的に接触する調
整可能なストツプを設け、数百分の−ミリメート
ルを予測し得るように機械的ストツプを調整する
ようになすことができる。このような電気的接触
は加工時に継手要素の回転を阻止することなく、
装置全体の前進を停止させる場合に使用すること
ができる。

本発明によればねじ込み限定ストツプにして、
それらの間の継手要素のねじ条のねじ山に対し正
確に位置決めされるストツプを簡単な手段で形成
し得ることがわかる。

同様に本発明によれば継手にして、その製造公
差が厳守され、ぬじ込みの最適連結区域を容易に
決定することができかつこの区域に大きな広がり
を与えて、台に対する継手の締着を容易にするよ
うになつた継手を形成することができる。

最後に工具担持スピンドル、截頭円錐形リング
および管状素子の運動は相対的運動であり、かつ
固定部材は本発明の範囲を離れることなく逆にな
し得ることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一端に単一継手を有する雄継手要素を
形成した本発明による装置を線図的に示した半断
面図、第２図は円錐内ねじ条を有する雌要素の二
つのストツプを同時に形成した本発明による装置
を線図的に示した半断面図である。 １：雄要素、２：外ねじ条、３：工具担持スピ
ンドル、４ａ：スリーブ、５：工具、８：固定リ
ング、９：ストツプ、１１：リング、１２：減摩
コーテイング、１３：ストツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円錐面２，２ａおよび少なくとも１つのねじ
   込み限定ストツプ１７，１８を備える、特に石油
   産業で用いる鋼管の継手要素を加工する方法にお
   いて、最初に該継手要素１，１ａが備える円錐面
   ２，２ａの仕上げ加工、および該要素のねじ込み
   限定ストツプ１７，１８の予加工を行うこと、そ
   れから該ねじ込み限定ストツプ１７，１８を加工
   する工具５，５ａを担持したスピンドル３に対し
   て軸方向に変位し、かつ回転できるように、該円
   錐面２，２ａと同じ円錐度のリング１１を該円錐
   面上に装架すること、そして該工具担持スピンド
   ル３に対して該継手要素１，１ａを回転させると
   共に該工具担持スピンドル３と該継手要素１，１
   ａとを軸方向に相対的に変位させることにより、
   該円錐面２，２ａ上に装架の該円錐リング１１が
   該継手要素に対する該工具担持スピンドルの最終
   軸方向変位を止めるストツプとなる所まで、該継
   手要素の該ねじ込み限定ストツプ１７，１８の仕
   上げ加工を行うことを特徴とする方法。 ２ 特許請求の範囲第１項の方法において、該円
   錐面２，２ａが円錐ねじのねじ条の頂部で構成さ
   れることを特徴とする方法。 ３ 特許請求の範囲第１項の方法において、該円
   錐面２，２ａが円筒ねじの部分を円錐状に切断し
   たねじ条の頂部で構成されることを特徴とする方
   法。 ４ 特許請求の範囲第１項の方法において、該円
   錐面２，２ａが密封円錐面で構成されることを特
   徴とする方法。 ５ 特許請求の範囲第４項の方法において、該密
   封円錐面が円筒ねじの隣接個所または段付きの２
   つの円筒ねじの間の個所に在ることを特徴とする
   方法。 ６ 特許請求の範囲第１項から第５項までの方法
   を実施するための装置において、加工すべき該継
   手要素１，１ａを回転駆動するための回転ジヨー
   １６、および該継手要素に設けるべき該ねじ込み
   限定ストツプ１７，１８の面の仕上げ加工を行う
   ための工具５，５ａを担持するスピンドル３を備
   え、この工具担持スピンドル３はまた、該継手要
   素１，１ａ上に予め加工された円錐面２，２ａと
   同じ円錐度の円錐形支承面を有するリング１１を
   担持し、このリング１１はこれの軸心周りで該工
   具担持スピンドルに対し回転かつ軸方向に摺動で
   き、また、該円錐リング１１と該工具担持スピン
   ドル３とにそれぞれ固定され、該継手要素の該ね
   じ込み限定ストツプ１７，１８の面の仕上げ加工
   時の該工具担持スピンドルの送りを中断させる１
   対のストツプを備えることを特徴とする装置。 ７ 特許請求の範囲第６項の装置において、円錐
   形支承面を有する該リング１１が弾性装置によつ
   て、加工される該継手要素のねじ込み方向に押さ
   れることを特徴とする装置。