JPH0355168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は再生時にクランパにより回転軸に固定
されるデイスクのクランプ機構に関する。

〔従来の技術〕

近年、アナログ記録されたレコード・デイスク
に代わり、コンパクト・デイスク（略称CD）、レ
ーザー・ビジヨン（略称LV）や映像付きCD（略
称CDV）等のデイジタル記録されたデイスクが
普及しつつある。これらのデイジタル記録せれた
デイスクは、従来のレコードのドーナツ盤のよう
に中央に比較的大きな口径の穴が開いており、再
生装置のターンテーブルにはクランパを使用して
取り付けられるようになつている。

第４図は従来のデイスククランプ機構の動作を
示すものである。前述のデイスク６は、第４図ｂ
に示すように再生装置のターンテーブル５上に搬
送機構等によつて運ばれ、デイスク６の中央に設
けられた穴がターンテーブル５に遊嵌されてター
ンテーブル５上に載置される。ターンテーブル５
の上方にはクランパ１が設けられており、このク
ランパ１は再生装置内に設けられたブラケツト等
の支持部４に一端を軸支されたアーム２の他端に
固着されている。このクランパ１の下面にはデイ
スク６をターンテーブル５に固定するための回転
円板１１が回転自在に設けられており、この回転
円板１１の最下点とターンテーブル５との間に
は、アーム２が最大上昇位置まで回転した時に、
デイスク６が充分通過できる程度の高さｙの空隙
が設けられている。回転円板１１はアーム２の下
降により第４図ａに示すように、デイスク６の穴
およびターンテーブル５に係合してデイスク６を
ターンテーブル５に固定する。そして、デイスク
６はこのようなクランプ状態でターンテーブル５
により回転するようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕 ところが、従来のデイスククランプ機構は、第
４図ａに示すようにクランパ１とアーム２とが一
体的に形成されていたので、デイスク６の出し入
れの際にアーム２を上方に回転させてターンテー
ブル５からクランパ１を上昇させると、クランパ
１の上面の最も高い部分とターンテーブル５の上
部との間に距離Ｈで示す空間が必要になり、再生
装置の高さが高くなつて装置の小型化が困難であ
るという問題点があつた。

本考案は前記従来のデイスククランプ機構の有
する問題点を解消するためになされたものであ
り、デイスクの再生装置への出し入れの際に、ク
ランパとターンテーブルとの間にデイスクの通路
分の空隙を開けても、クランパの上昇高さが抑え
られ、デイスク再生装置の高さを低減して装置の
小型化を図ることができる優れたデイスククラン
プ機構を提供する目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解消する本考案のデイスククラン
プ機構は、デイスクをターンテーブルに固定する
クランパを、一端が軸支された二股アームの二つ
の自由端間に揺動自在に取り付けると共に、前記
クランパと前記アームの基部との間にばねを取り
付け、このばねにより前記クランパが前記アーム
に平行状態で軸支されるようにしたことを特徴と
している。

〔作用〕

本考案のデイスククランプ機構によれば、デイ
スクのターンテーブルへの着脱のためにアームを
上昇させると、最初クランパはアームと一体的に
上昇するが、クランパの先端部が再生装置に設け
られたストツパに当接した時点でクランパのアー
ムと一体的な回転は止まり、以後はアームの上昇
回転によりクランパのアーム上の軸支点が、クラ
ンパがターンテーブルに対して平行な位置になる
までアームにより上昇させられる。

〔実施例〕

以下添付図面を用いて本考案の実施例を詳細に
説明する。

第１図は本考案のデイスククランプ機構の構成
の一実施例を示す斜視図である。

図において、２はアーム、５はターンテーブ
ル、７はコイルばね、１１は回転円板、１２はホ
ルダ金具、１３は取付板、１４はねじを示してお
り、クランパ１は回転板１１，ホルダ金具１２，
取付板１３，ねじ１４から構成されている。

回転円板１１には図示しないデイスクの穴に挿
通され、かつ再生装置のターンテーブル５に係合
してデイスクを押えるための胴部１１ａと、ホル
ダ金具１２に保持される鍔部１１ｂとがある。ホ
ルダ金具１２はこの回転円板１１を内部に収納す
るものであり、前記回転円板１１の胴部１１ａを
挿通する穴１２ａと、回転円板１１の鍔部１１ｂ
を支持するための底部１２と、このホルダ金具１
２を取付板１３に取り付けるためのねじ穴１２ｃ
が設けられた耳部１２ｄとがある。また、取付板
１３はホルダ金具１２の上方に位置する主板１３
ａと、この主板１３ａの両端部に連続した設けら
れた側板１３ｂとからなる。主板１３ａには前記
ホルダ金具１２のねじ穴１２ｃに対応する位置に
設けられねじ穴１３ｃと、後述するアーム２に当
接するＴ字部１３ｇに設けられたゴム等の緩衝部
材１３ｄと、ばね７の係止穴１３ｅとがあり、側
板１３ｂには外方に突出する軸１３ｆがある。な
お、回転円板１１を収納したホルダ金具１２を取
付板１３に取り付けた状態で、前記側板１３ｂは
ホルダ金具１２の外側に位置している。

一方、アーム２の一端には再生装置側のブラケ
ツト等の支持部に軸支される取付穴２ａがあり、
他端は二股に分かれていてそれぞれの自由端２
ｂ，２ｃには前記軸１３ｆを受け入れるための穴
２ｄがある。また、アーム２の二股の付け根部に
は前記Ｔ字部１３ｇに当接してクランパ１のアー
ム２より下方への下降を防止するストツパ部２ｅ
があり、このストツパ部２ｅの中央部にはアーム
２の取付基部側に向かう切り込み部２ｆがある。
この切り込み部２ｆの終端部にはばね７の一端を
取り付けるための係止突起２ｇが設けられてい
る。

第２図ａ，ｂは第１図のような構成部品を有す
るデイスククランプ機構を組み立てた状態を示す
平面図および側面図である。図に示すようにクラ
ンパ１は、アーム２の二股の自由端２ｂ，２ｃ間
に軸１３ｆを介して揺動自在に軸支さている。ま
た、この実施例ではクランパ１を軸支する軸１３
ｆの位置がクランパ１の中心ｃに対してアーム２
側になつている。よつて、第２図の状態で、クラ
ンパ１の係止穴１３ｅとアーム２の係止突起２ｇ
との間にはばね７が掛け渡さない状態では、クラ
ンパ１は前記軸１３ｆを中心にして前に倒れる状
態になる。ばね７はこのクランパ１の前倒れを防
止して、クランパ１とアーム２に平行状態で取り
付けるためのものである。

次に第２図のように組み立てられた本考案のデ
イスククランプ機構を、高さが従来よりも低い再
生装置に組み込んだ時の動作を第３図を用いて説
明するが、説明のため第３図における本考案のデ
イスククランプ機構の構成は、動作原理のみを示
す概略構成となつている。

第３図ａは第２図のデイスククランプ機構を用
いてデイスク６をターンテーブル５にクランプ
し、デイスク６を再生している状態を示すもので
ある。この状態ではばね７の付勢力によりクラン
パ１はアーム２に平行状態で取り付けられ、あた
かもクランパ１はアーム２と一体のように動作す
るので、従来と全く同様にデイスク６をターンテ
ーブル５にクランプすることができ、本考案のデ
イスククランプ機構は再生には影響を与えない。

次に、デイスク６の出し入れ時にアーム２を上
方に回転させると、クランパ１は前述のようにば
ね７の付勢力によりアーム２と一体的に上昇す
る。一方、前述のように再生装置の高さが低くな
つているために、クランパ１の上昇軌跡の途中に
は再生装置のシヤシの一部が突出しており、これ
がストツパ３となつている。すると、クランパ１
はストツパ３に当接した時点で上昇が止められ
る。その後アーム２が上昇回転を続けると、アー
ム２は軸１３ｆを上昇させるので、クランパ１と
アーム２とは軸１３ｆを中心にして折れ曲がる。
アーム２は従来装置と同じ角度回転した時に、ク
ランパ１がターンテーブル５と平行状態になるよ
うにアーム２と軸１３ｆとを取り付ける。

なお、前記ストツパ３を設ける位置、即ち、再
生装置の高さには、第３図ｂに示すようにクラン
パ１がターンテーブル５と平行になつた状態で、
クランパ１の回転円板１１の最下点とターンテー
ブル５との間にデイスク６が充分に通過できる高
さｙの空隙が保たれなければならないという制限
がある。

このように本考案のデイスククランプ機構によ
れば、アーム２を従来と同じ角度だけ上昇させた
時に、従来装置では第３図ｂに点線で示す位置に
クランパ１が来て、ターンテーブル５からシヤシ
までは高さＨが必要であつたものが、クランパ１
がターンテーブル５と平行になつた状態で、クラ
ンパ１の回転円板１１の最下点とターンテーブル
５との間にデイスク６が充分に通過できる高さｙ
の空隙を保持するという条件の基で、ターンテー
ブル５からシヤシまでの高さがＴで済、従来に比
べて高さｘだけシヤシの高さを低減することがで
きる。

なお、クランパ１に設ける軸１３ｆの位置およ
びアームの形状は前述の実施例に限定されるもの
ではない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案のデイスククランプ
機構によれば、クランパとアームとがクランパに
設けた軸を介して折れ曲がることができるので、
ターンテーブルとクランパとの間隙を保持させな
がらクランパの上昇高さを抑えることができ、デ
イスク再生装置の高さ寸法を低減することができ
て再生装置の小型化が図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のデイスククランプ機構の一実
施例の構成を示す分解斜視図、第２図ａ，ｂは第
１図のデイスククランプ機構の組み立て後の平面
図、側面図、第３図ａ，ｂは第２図のデイスクク
ランプ機構の動作を示す概略図、第４図ａ，ｂは
従来のデイスククランプ機構の動作を示す概略図
である。 １……クランパ、２……アーム、３……ストツ
パ、４……支持部、５……ターンテーブル、６…
…デイスク、７……ばね、１１……回転円板、１
２……ホルダ金具、１３……取付板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイスクをターンテーブル５に固定するクラン
   パ１を、一端が軸支された二股アーム２の二つの
   自由端間に揺動自在に取り付けると共に、前記ク
   ランパ１と前記アーム２の基部との間にばね７を
   取り付け、このばね７により前記クランパ１が前
   記アーム２に平行状態で軸支されるようにしたこ
   とを特徴とするデイスククランプ機構。