JPH0355098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は複数のシール必要部をシールするパツ
キンに関するもので、更に詳しくは、たとえば液
体分析装置の流路切換弁等に用いられるパツキン
に関する。

（従来の技術） 本考案のパツキンの使用対象の一例であるフロ
ースルー式液体分析装置は、本願出願人が先に提
案した実願昭58−69589号にもあるように、流路
を流れる液体の間に気泡を介在させ、そのまゝ検
出部に導入して液体の分析を行なうようにしたも
ので、この流路を流れる液体に気泡を介在させる
にあたつて、検出部に液体を導入するポンプと、
ロータリー式切換弁とが用いられ、このロータリ
ー式切換弁は複数個の入口部のうち一個以上に液
体導入管を接続し、残りの入口部にエヤー若しく
は不活性ガスの導入口を設け、これら入口部と択
一接続される出口部に検出部への流体流路の始端
を接続するように構成し、ポンプを作動させ流体
流路に吸引力もしくは吐出力を作用させると共
に、ポンプのこの作用力と、切換弁の出口部を入
口部に択一接続させることで、流体流路内に液体
と気泡とを交互に導入するものである。

ところで、かゝる液体分析装置のロータリー式
切換弁における前記入口部と出口部との間のシー
ル手段としては、たとえばこれら多数の入口部の
一つ一つに対してそれぞれ一つのＯリングを配置
したり、セラミツク等を鏡面研磨したりする等を
採用している。

（考案が解決しようとする問題） 上述の如き切換弁は出口部と入口部との択一接
続操作が頻繁に行なわれるためにシール効果も高
度のものが要求される上にメンテナンスの容易性
が要求される。

しかるに従来の手段のＯリングを用いるもの
は、使用されるＯリングの数が多く又一つ一つが
独立しているために夫々に対して充分な挟持圧を
与えにくゝ充分なシール効果が得られない上に交
換にも多くの手数を要し煩雑であり、更にシール
部分の流路内面には凹凸が生じ、特に血液等の凝
固しやすい液の場合には詰りやすく又高価である
上に面仕上の精度が必要となり一層高価となる。

本考案はこれらの欠点を解消するために日夜研
究、実験を重ねた結果完成されたもので、シール
効果の向上とメンテナンスの改善を図れる実用上
有利なパツキンを得ることを目的とする。

（問題を解決するための手段） 本考案は上述の技術的課題を解決するために、
個々バラバラに配置されるＯリングをすべて一枚
の環状シートに一体に成形するという全く新規な
技術的手段を採用したものである。

シート並びにＯリング部は共にシリコンゴムや
フツ素ゴム等の弾性材を用いて一体成形される。

（作用） 従つてＯリング部がいくつあつても、これを従
来のように一つ一つ交換する必要がなく、一回の
操作で多数のＯリングのすべてを一挙に交換でき
る。又シートのある分パツキンとしてのゴム弾性
が大となり、しかも挟持圧をかけやすい広いシー
トを採用して一つ一つのＯリングに対する挟持圧
が夫々充分付与されることでシール効果が高めら
れる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。
第１図は要部の断面図、第２図イ乃至ヘは夫々パ
ツキン１８の正面図、背面図、平面図、底面図、
右側面図、左側面図で、１は中央に後述の切換弁
のシヤフトに挿通される孔２を有したシリコンゴ
ムを素材とした環状の扁平はシート、３は該シー
トの表裏いずれか一側面上で、シート１の軸芯よ
り等半径の位置に周方向適宜の間隔で軸線方向外
方に向つて一体的に突設されたＯリング部で、こ
の一側面側の突出端はやゝ小径の環状リブ４が一
体的に形成されていると共にシート１の他側面側
でもやゝ外方に突出する（図中３ａ）ように形成
されている。５はこのＯリング部３の中心部に、
シート１の軸線方向に沿つて該シート１の他側に
わたつて貫通する気液通孔である。尚Ｏリング部
３は図例では５つであるがその数は必要に応じて
適宜選定されるものである。

次に上記のパツキンをロータリー切換弁に採用
した場合の実施例を説明する。

第３図はロータリー切換弁の一部切欠断面図、
第４図イ，ロは夫々要部の分解斜視図で、第３
図、第４図中、１０はモータ１１の出力軸１２に
ギヤ１３，１４を介して連動連結されるシヤフト
１５の先端に螺合されるつまみで、以下モータ１
１側に向つて順次ドライバ１６、シールドライバ
１７、パツキン１８、シールホルダ１９、ベアリ
ング２０、ダイ２１が遊嵌されている。ダイ２１
はセンサー部並びにギヤ連動部を内装するケーシ
ング２２にネジ３０により固着連結されている。

前記ドライバ１６はつまみ１０との間にＯリン
グ２３を介して該つまみと一体回動可能に構成さ
れていると共に、ドライバ１６とシールドライバ
１７との間には圧縮スプリング２４が介装されシ
ールドライバ１７が常時シールホルダ１９側に押
圧されるようにしてある。又ドライバー１６のシ
ールドライバ１７側側面にはピン１６ａが一体的
に突設されていて、これがシールドライバ１７に
形成した係合溝１７ａ内に係合していて、これに
よつてシヤフト１５の正逆転がつまみ１０からド
ライバ１６を介してこのシールドライバ１７に伝
達されるようになつている。

シールホルダ１９はシヤフト１５に嵌装したベ
アリング２０に軸架されていると共にダイ２１側
の対接面には直径方向に沿つた一対の凹溝１９
ａ，１９ａが形成され該凹溝１９ａ，１９ａにダ
イ２１から突設したピン２１ａ，２１ａが嵌係合
されている。

このシールホルダ１９のシールドライバ１７側
対向面には、パツキン１８の環状シート１の肉厚
に等しい深さのパツキン嵌装凹部１９ｂが形成さ
れていると共に、その内底面には周方向所定間隔
置きにパツキンのＯリング部３嵌装用の凹穴１９
ｃ…が形成され、各凹穴１９ｃ…内底面中央に入
口部ａ〜ｅが形成されている。この入口部ａ〜ｅ
のうちａ〜ｃはシールホルダ１９周側面から挿入
接合された液体導入管イ〜ハと流路１９ｄ…を介
して接続されている、尚、ｄ，ｅは液体導入管を
さらに増設する場合用いられる、いわば予備用で
ある。又、シールドライバ１７のシールホルダ１
９側対向面には、出口部ｆ，ｇが形成され夫々流
路１７ａ…を介して流体流出用管ニ，ホに接続さ
れている。

そして、シールドライバ１７とシールホルダ１
９とをパツキン１８を介装させた状態で組込むと
シールドライバー１７がパツキンの突出量の小さ
い側のＯリング部３ａ…に接当してシールホルダ
１９とシールドライバ１７との間には丁度このＯ
リング部３ａの突出量に等しい寸法分の間〓ｌが
形成され（第１３図）、この間〓ｌが空気導入口
として機能を果すことになる。つまり、各出口部
ｆ，ｇは、シールドライバ１７を、ツマミ１０を
介して手動、もしくはモータ１１からシヤフト１
５、ツマミ１０を介して自動で回転することによ
つて入口部ａ〜ｃと択一的に接続して入口部ａ〜
ｃから液体が供給される反面、Ｏリング部３ａに
対応しない部位にもつて来ると、前記間〓の存在
により出口部ｆ，ｇは大気と連通されることにな
つて空気が出口部ｆ，ｇに吸引されるに至り、か
くして流体流出用管ニ，ホには液体と気体とが交
互に導入されることとなる。

２３はケーシング２２内に装填された発光部、
２４は受光部、２５は両部の間にあつてシヤフト
１５に保持された遮光板で入口部ａ〜ｅと出口部
ｆ〜ｇとの相対位置の適否を検知する機能を有す
るものである。

（効果） 以上実施例に示したように、本考案パツキン
は、従来一つ一つが独立分離していたＯリング
を、一枚の環状シートに一体成形にて形成したも
のであるために、Ｏリングの装填、離脱操作が非
常に簡単となり、又複数のＯリングを一体成形で
一挙に作れるために大きくコストダウンできる利
点がある。又一体成形によりシール部分の流路内
面、つまり気液通孔内壁面が凹凸のない平滑な面
となり、サンプル液のつまりが生じにくゝ、たと
え凝固性のある液、たとえば血液などを流しても
詰りにくゝスムースに流れ、従つて内径を小さく
出来又サンプル量も少なくて済む格別の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案パツキンの要部を示す拡大部分
断面図で第２図イ中のＡ−Ａ線断面図、第２図イ
〜ヘは全体図でイは正面図、ロは背面図、ハは平
面図、ニは底面図、ホは右側面図、ヘは左側面
図、第３図は本考案パツキンを用いたロータリー
切換弁の断面図、第４図イ，ロはこの弁の要部の
分解斜視図である。 １……環状シート、２……孔、３……Ｏリング
部、３ａ……他側面のＯリング部、４……環状リ
ブ、５……気液通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 環状のシートとその側面から周方向適宜間隔を
   置いて軸線方向外方に向つて突設される複数個の
   Ｏリング部とが弾性材で一体に成形されていると
   共に、このＯリング部には軸線方向に沿つて該シ
   ートの他側にわたつて貫通する気液通孔が設けら
   れているパツキン。