JPH0354512Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、屋根軒先の氷塊や雪塊の付着ならび
に滑落を防止する雪止め具に関する。

多雪地帯で屋根上に積る雪は日中の気温の上昇
と部屋暖房の暖気によつて徐々に屋根軒端方向に
溶けて移動し夜の冷込みと共に氷りつき、さらに
降雪があり、これの繰返しによつて屋根の軒端部
には大きな氷塊、雪塊が生じツララとなり、また
は氷塊が軒端を巻き込み樋や窓を破損させたり、
あるいは落下して器物を破壊するなどの事故の原
因となつている。

このため従来からこの屋根上の雪の消雪、特に
屋根軒先部の消雪には種々の考案がなされている
が、パネルヒーターの如く電源を使うものは工事
が大がかりとなり、しかも電気量費が多額となり
実用には供されていない。また複雑な装置を取つ
けるものもあるが、これらも工費がかさむのみで
大した効果が期待できなかつた。

本考案は、このような現在種々使用されている
この種の消雪器具に代えるものとして考案された
ものであつて、既設の屋根上の雪止めアングルを
利用し、これに堰板を取付けることによつて簡単
に軒先の氷塊、雪塊の落下を防止する軒先雪止め
具を提供するものである。

本考案を添付の図面により説明すると、第１図
は本考案の雪止め具の斜視図を示し、第２図は屋
根軒先部に取付けた実施例を表す側面図であり、
第３図は同平面図を示す。また第４図は屋根軒先
方向から見た正面図を示す。

図において、１は主杆であり、この主杆１は一
端をコ字状に折曲成形してあり、このコ字状成形
部４が屋根上に既設されている雪止めアングル１
０への係合部となるものである。主杆１の他端に
は一定の幅（図にあつては長尺葺き屋根の瓦棒１
１，１１の間隔）の断面Ｌ字型の堰板３が固着さ
れている。この堰板３はＬ字型形状の一側辺によ
つて高さをとりこの下端に水抜き孔６を形成す
る。そして、堰板３上に同じような断面Ｌ型をし
た雪止め板２を接合する。この雪止め板２は係合
片５が設けてあつて堰板３と雪止め板２はＬ型が
逆になるように、即ち両板のＬ型の一側辺で高さ
をとるように接合するものである。

本考案の屋根軒先雪止め具は上述の如く、主杆
１と堰板３と雪止め板２の３部品の構成であり、
しかも各部品共に構造が簡単であり、組立が容易
であつて、しかも屋根上への装着は主杆１のコ字
状に折曲した係合部４を単に雪止めアングル１０
に係合するのみで装着が可能であるから施工の際
の工費は全く要することなく素人でもこの装着は
容易であり、全体として金属板を使用するため堅
牢でその裝脱が雪止めアングル１０の係合のみに
よるものであるから春から秋にかけては外してお
き、冬が来て取付けることが可能で、雪のない季
節の屋根上はすつきりしてしかも主杆１のコ字状
の係合部４を雪止めアングル１０に係合するのみ
の支持によつて足りるものであるから施工に当つ
て特に技術者の必要もない。

図面中符号Ｓは積雪を示し、１２はトヨ、１３
は屋根板を示し、１４は軒端を示すものであり、
本考案においては瓦棒１１のある長尺葺き屋根に
ついて述べたが、雪止めアングル１０を利用する
のであれば平葺き用屋根にも容易に適用できるも
のであるから、この本考案の雪止め具の使用にお
いてツララの発生を皆無にし、氷塊、雪塊の落下
を防ぐことができるためトヨや器物の破損も皆無
となつて、従来のこの種雪止め具、消雪具に比較
べて実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の全体を表す斜視図であり、第
２図は屋根軒先部に取付けた実施例図、第３図は
同平面図を示す。第４図は正面図を示すものであ
る。 １……主杆、２……雪止め板、３……堰板、４
……コ字状折曲部、５……係合片、６……水抜き
孔、１０……雪止めアングル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の先端をコ字状に折曲して係合部４とした
   主杆１の他端に断面Ｌ型に成形した堰板３の中心
   を固着し、該堰板３上に断面Ｌ型に成形した雪止
   め板２を、堰板３と雪止め板２の一面が接合し、
   両板の他面で高さを形成する如く着脱自在に係合
   したことを特徴とした屋根軒先雪止め具。