JPH0354467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、CRT投写管の画像を投影レンズを
用いて２枚構成の透過式スクリーンの背面から画
像を投写するようにした、いわゆる背面投写型プ
ロジエクシヨンテレビに関する。

〔考案の技術的背景およびその問題点〕

従来、２枚構成の透過式スクリーンを用いた背
面投写型プロジエクシヨンテレビの一例として、
第４図に示したものがある。

図において、１１はCRT投写管あるいは投影
レンズ等を内臓したキヤビネツト、１２は同心円
状の溝が形成されたフレネルレンズ、１３は縦に
多数の溝が形成されたレンチキユラーレンズであ
り、このフレネルレンズ１２とレンチキユラーレ
ンズ１３が重ね合わされてキヤビネツト１１に固
定され、２枚構成の透過型スクリーンが構成され
る。

この２枚構成の透過式スクリーンは、大画面の
スクリーンに背面から投写しても見やすい画像が
得られるようにしたものであり、フレネルレンズ
１２とレンチキユラーレンズ１３のレンズ効果を
得るための溝はそれぞれ対向する面に形成されて
いる。

そして、スクリーン中央の光軸から離れた周辺
光をフレネルレンズ１２によつてスクリーン正面
の観視者の方向へ収束し、レンチキユラーレンズ
１３によつて画面の左右方向の明るさが均一にな
るように水平指向特性の広角化を図つている。

また、このフレネルレンズ１２とレンチキユラ
ーレンズ１３は、画像の色ズレやモアレの発生を
無くすために、製造・組み立て時に正確に位置合
わせが行われてキヤビネツト１１に取り付けられ
る。

しかしながら、上記のように２枚構成のスクリ
ーンを用いたプロジエクシヨンテレビにおいて
は、特に輸送時の振動等によつてフレネルレンズ
とレンチキユラーレンズの溝の面が互いに擦られ
たり、削れたりして、その結果生じる微粉末がス
クリーン内部に付着してスクリーンを汚すため、
新製品であつても出荷先では投写光が微粉末によ
り散乱され、光量が減少したり、色ずれが生じた
りして画像のコントラストが低下してしまうなど
の問題が生じる。

〔考案の目的〕

本考案は、２枚構成の透過式スクリーンを用い
る背面投写型プロジエクシヨンテレビにおいて輸
送時の振動等による２枚のスクリーンの擦れを無
くし、スクリーンの汚れを防止して出荷時の性能
を維持した状態で供給できるようなプロジエクシ
ヨンテレビを提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するためになした本考案の背
面投写型プロジエクシヨンテレビは、２枚構成の
透過式スクリーンを備える背面投写型プロジエク
シヨンテレビにおいて、フレネルレンズとレンチ
キユラーレンズとの間〓に発泡ポリエチレンシー
ト等の保護シートを配するとともに、上記フレネ
ルレンズおよびレンチキユラーレンズの縁の周辺
近傍に上記保護シートを引き抜くための開口部を
有することを特徴とする。

そして、使用時には保護シートを引き抜くこと
によつて、フレネルレンズとレンチキユラーレン
ズが透過式スクリーンとして機能するようにする
とともに、保護シートによて輸送時などに生じる
フレネルレンズとレンチキユラーレンズの擦れを
防止するようにした。

〔実施例〕 第１図は本考案の背面投写型プロジエクシヨン
テレビの一実施例を示す図である。

図において、１はCRT投写管、投影レンズ、
光学反射鏡、音響スピーカ等を内臓したキヤビネ
ツト、２は２枚構成の透過式スクリーン、３は透
過式スクリーン２をキヤビネツト１に固定するた
めのフレームである。

４は発泡ポリエチレンでできた保護シートであ
り、この保護シート４は透過式スクリーン２内に
配設されるとともに一端はフレーム３を囲撓する
キヤビネツト１の縁部の一辺に形成された開口部
１ａを介して外部に引き出されている。

第２図は上記透過式スクリーン２の構造を説明
する図であり、２ａは同心円状の溝が形成された
フレネルレンズ、２ｂは縦に多数の溝が形成され
たレンチキユラーレンズ、２ｃはフレネルレンズ
２ａとレンチキユラーレンズ２ｂを固定するとと
もにフレネルレンズ２ａとレンチキユラーレンズ
２ｂとの間に間隙を形成するためのスペーサであ
る。

フレネルレンズ２ａとレンチキユラーレンズ２
ｂは重ね合わされて上下のスペーサ２ｃによつて
一体に固定され、このスペーサ２ｃによつて形成
されるフレネルレンズ２ａとレンチキユラーレン
ズ２ｂとの間隙に保護シート４が配設されるとと
もに、この保護シート４の端部はフレネルレンズ
２ａとレンチキユラーレンズ２ｂの１辺から引き
出すようになつている。

第１図に示したようにフレーム３がキヤビネツ
ト１に組み込まれたときは透過式スクリーン２は
キヤビネツト１に固定されるが、フレーム３の一
辺においては、第３図に示したようにキヤビネツ
ト１との間に開口部１ａ（隙間）が形成されるよ
うになつている。

そして、同図に示したようにフレネルレンズ２
ａとレンチキユラーレンズ２ｂの間隙に配設され
た保護シート４はフレーム３に対してキヤビネツ
ト１の内側を通され、開口部１ａを介して外部に
引き出される。

このようにフレネルレンズとレンチキユラーレ
ンズの間には保護シートが配設されているため、
輸送時などに生じるフレネルレンズとレンチキユ
ラーレンズの擦れを防止することができる。

また、このプロジエクシヨンテレビの使用時に
はキヤビネツトの外部に引き出された保護シート
の端部を引つ張つて保護シートを引き抜くように
する。

ここで、第３図に示したように、開口部１ａか
らフレネルレンズ２ａとレンチキユラーレンズ２
ｂとの間〓に連通する経路はフレーム３の背後を
迂回するようになつているため、保護シート４を
引き抜いた後もフレネルレンズ２ａとレンチキユ
ラーレンズ２ｂとの間〓に塵などが入り難く、ス
クリーンの性能を維持することができる。

なお、上記の実施例では保護シートとして発泡
ポリエチレンシートを使用するようにしている
が、引き抜き時に破れない程度の強度を持ち、フ
レネルレンズおよびレンチキユラーレンズもしく
はキヤビネツトに傷を付けず、さらに布のように
柔らかく曲げたり折つたりできる柔軟な他の部材
を使用することができることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、フレネルレンズとレンチキユ
ラーレンズとの間〓に発泡ポリエチレンシート等
の保護シートを配設するとともに、フレネルレン
ズおよびレンチキユラーレンズの縁の周辺近傍に
形成した開口部からこの保護シートの一部を露出
させることにより使用時に保護シートを引き抜け
るようにしたので、輸送時などに生じるフレネル
レンズとレンチキユラーレンズの擦れを保護シー
トによつて防止することができてスクリーンの汚
れが防止されるので、この汚れによる白つぽい汚
点やボヤケの発生を防止できて、出荷時の性能を
維持できる背面投写型プロジエクシヨンテレビを
得ることができる。また、輸送直後に、特性、性
能の良い背面投写型プロジエクシヨンテレビを直
ぐさま実使用状態にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の背面投写型プロジエクシヨン
テレビの一実施例を示す図、第２図は実施例にお
ける透過式スクリーンの構造を説明する図、第３
図は実施例における開口部と保護シートの状態を
説明する図、第４図は従来の背面投写型プロジエ
クシヨンテレビの一例を示す図である。 １……キヤビネツト、１ａ……開口部、２ａ…
…フレネルレンズ、２ｂ……レンチキユラーレン
ズ、４……保護シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 画像を投影する投写器と投影レンズとを内蔵す
   るキヤビネツトと、前記キヤビネツトの前面に配
   置され、同心円状の溝が形成されたフレネルレン
   ズと多数の溝が形成されたレンチキユラーレンズ
   とを重ね合わせた２枚構成の透過式スクリーン
   と、前記キヤビネツトおよび前記透過式スクリー
   ンの前面に配置され、該透過式スクリーンの周囲
   を囲うフレームとを備えた背面投写型プロジエク
   シヨンテレビであつて、 前記フレームが前記キヤビネツトの開口に嵌合
   され、該フレームの一辺の側面と該キヤビネツト
   の開口の縁との〓間によつて開口部が形成され、
   前記フレネルレンズとレンチキユラーレンズとの
   間〓に配された保護シートの一部が、前記フレー
   ムの背後を介して前記開口部からキヤビネツトの
   外部に露出されていることを特徴とする背面投写
   型プロジエクシヨンテレビ。